-迷いの竹林-
永遠亭に向かう途中だった妹紅は、道中遭遇した因幡てゐにより鬼塚の存在が今まさに目的地に居る事を知り急ぐ。
「そうだ、我瑠騨に知らせないと!」
ポケットから一枚のお札を取り出して上に向かって投げた。するとそのお札は空中でパタパタと折り曲がり、それは折り鶴になって飛んでいった。
「急がないと。いくら永遠亭の連中でも龍牙から訊く限りじゃ危険だ!」
-その一方-
「---要するにセクハラ受けた訳ですね分かります」
「そうよ!ことある事に胸を鷲掴みしてくるわスカートめくるわでいい迷惑だったわ!」
龍牙は風見幽香からカエデに何をされたのかを、愚痴として聞いていた。
「何というか・・・すんません」
「別にあなたが謝る事は無いわ。過ぎた事だし」
「まあ、それでも---ん?」
「どうしたの?」
ふと、龍牙は空を見上げる。気になった幽香も同じ方を見ると、何かが飛んできた。
「・・・式紙?妹紅に渡したやつか!」
そう、先程妹紅が投げた式紙は龍牙が渡したものだった。鬼塚を見つけた、またはそれらしき情報を獲得した時に空に投げるように何人かに渡したのだ。
「何か手掛かりを掴んだか!」
「あれはあなたの?」
「ああ、どうやら網に何かかかったみたいだから、ここで失礼するよ!」
そう言って式紙を頼りに駆け出した。
「・・・やっぱりどことなく似てるわね」
-永遠亭-
「師匠!」
「みんな無事か!!」
突然入り口を大きな音を立てて開けたため、中にいた永林は当然驚く。
「もう、びっくりするじゃない!」
「それどころじゃないんだ師匠!」
「ここに、男の患者がいるんでしょ!?」
「ええ、いるわよ。それがどうしたの?」
「師匠、あの男の事なんだけど・・・」
てゐは永林に手配書を見せた。
「外の世界で大罪を犯してここまで逃げてきたらしいんだ」
「何ですって!?」
「鴉天狗の射命丸文が被害にあいかけたそうで、妖怪でさえ害する程らしい」
「・・・分かったわ。真偽を確かめましょう」
永林は2人を連れて病室に向かった。
病室の前につき、それぞれ視線を合わせる。そして扉を開けるが・・・
「・・・いない」
文字通りもぬけの殻だった。
「どこに行ったの?!」
「窓から出て行ったみたいね。多分さっきの騒ぎを聴かれたのかもしれないわ」
永林の視線の先は開ききった窓。そこから見える外の竹の葉がそよ風に揺れていた。
-迷いの竹林・入り口-
「間一髪でしたね」
「まさか、ここまで追いかけてくるとは思ってなかったぜ。あとはこの身体だ。大怪我する前より調子がいい」
妹紅達が永遠亭に着く前に戻った鬼塚の部下の宮田は、窓から鬼塚を脱出させて、ただいま竹林を抜けたのだ。
「ひとまず別のところに隠れましょう。いつ見つかるかも分からんですよ?」
「ああ、だが今の調子ならあの龍牙とかいう野郎から逃げる事はできそうだ」
「なら試すか?」
「「ッ!?」」
不意に聞こえた声に身構える2人。声のした先には御剣龍牙が立っていた。
「御剣・・・龍牙!」
「元気そうだな鬼塚?」
「ああ、おかげでこの通り力も増したぜぇ」
「なら、今度こそ殺しても良いよね?答えは聞かないけど」
龍牙は目を変化させ、能力を解放する。
「いいぜぇ、来いやああぁぁッ!!!」