-長野県・山中-
鬼塚との戦いを終わらせた龍牙は、ハンヴィーに文を乗せて博霊神社に向かっていた。
「・・・」
「・・・」
しかし、先程から2人は会話をしていない。文は鬼塚との戦いでの龍牙の印象が強く、龍牙はその時の事への気まずさで、互いに声をかけられずにいた。
(・・・あの時、戦っていた時の龍牙さん。どこか楽しそうだった。明確な敵と分かった存在を圧倒する---)
ここで、文はあることを思い出した。
(---そう言えば、カエデさんも同じだったような・・・家族は似るものなのかな)
彼の祖母、御剣カエデの事だ。
先程の龍牙は怖かった。だが、よくよく考えてみれば初対面の時のカエデさんも同じ様にしてたっけと。
「あの、龍牙さん」
「ん?」
「また、助けてもらっちゃいましたね」
「そうだね。・・・気分は大丈夫?」
「はい、おかげさまで」
「なら良かったよ」
気が付けば、いつもの様に会話をしていた。
(そうだ、初めてカエデさんに会ったときも、戦ったあとに話をして、気が付いたら恐怖心が無くなって、そして仲良くなったんだっけ)
どこか懐かしさを感じた文だった。
-幻想郷・博霊神社-
しばらくして、再び幻想郷に戻った龍牙達は、偶然にも博霊神社にてみんなが集合しているタイミングで帰ってきた為、熱烈な歓迎を受けた。
そして、今度こそ鬼塚を始末したので、もう脅威は無いと言う事も伝えた。
なお、博霊神社の巫女さん、つまり博霊霊夢は終始騒がしい事に鬱陶しいと感じつつも無意味な犠牲がでなかったことは喜んでた。
そしてそれを見た龍牙が一言。
「素直になりなってツンデ霊夢♪」
「ふざけるな!てかなによその呼び名は!?」
「馬鹿にしてる事は間違いないね」
「あんたぁ・・・いい度胸してるじゃない!吹っ飛べえぇぇッ!!」
「だが断る!」
気安く霊夢を怒らせた。
-数日後-
鬼塚の一件が落ち着き、龍牙は相変わらず地下で武器のテストと整備に勤しんでる。整備の時は鼻歌を歌う程に。
「ちょっと龍牙!!」
「フグンッ!?」
鼻歌を歌っている最中に突然、泊まりに来ていた蓮子がドアを思いっきり開けて怒鳴り声で呼び出す。それに驚き、鼻に勢い良く空気を吹き出し、痛みで悶えた。
「ちょっと龍牙、今すぐ来なさい」
「何だよ蓮子、藪から棒に」
「来 な さ い」
「イエス・マム!!」
何かとんでもないものを察し、反射的に敬礼をする龍牙。もはやネタでしかない。
仕方なく蓮子についていくと、メリーと文がリビングでくつろいでいた。
「あれ?文、来てたんだ。・・・って、どうやって来たの?!」
「ああ、それなら紫さんにお願いしたんですよ。しかも龍牙さんの家の前までの直行便です♪」
「ついでにこれからはここから博霊神社までの直通移動を可能にしましたわ」
「・・・また勝手にスキマで上がり込んでからに」
「まあまか」
いつの間にかスキマと紫がにょろっと現れていた。
「しかしまあ、幻想郷との直通移動が出来るのはありがたいけど、どうやって行くの?」
「敷地の端に鳥居を作っておいたから、それで移動可能になっているの。しかも、あなたの力にだけ反応するようにしたから、知らない人が紛れ込むこともないわ」
「なるほど、便利だね。でもさぁ---」
ゆらぁりと振り返り紫に〝笑顔〟を向ける。
「ヒッ!!」
「無許可って、どういう了見なのかなぁ?」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!!」
「はあ、次は勝手にやらないでよ?」
「仰せのままにッ!!」
(((もう知りません)))
何時もの平和な時間が少し賑やかになり、龍牙はどことなく嬉しい気持ちだった。