※この作品はR-18です。

幻想見聞録   作:コンコルド

6 / 55
第六項:出会いの話と埋め合わせ

 -東京都・奥多摩・龍牙の家・龍牙の部屋-

 

「ん・・・あっ!」

 

「大丈夫?」

 

「う、ん・・・ひさしぶり、だから・・・ちょっと、ね」

 

 この部屋のベッドに、一組の男女が横たわっていた。

 

 細かく言えば、仰向けの女性の上に男性がのし掛かる様な格好で、身体を重ねていた。

 

 御剣龍牙と宇佐見蓮子。この2人が、別れて以来となる性交渉(肌の重ね合い)をしているのだ。

 

「やっぱり、龍牙に抱かれていると、すごく安心する」

 

「そう?」

 

「うん」

 

 しっかりと龍牙のモノを受け入れながら、確かめるかの様に腕を回し、抱き付いた。

 

「・・・寂しかったんだから」

 

「え?」

 

「急に居なくなって、急に連絡途絶えて、すごく寂しかったんだから・・・」

 

 刹那、蓮子の目から涙がこぼれた。

 

「突然、何の前触れも無しに、急に別れるって言われて、訳判んなくて、しばらくの間、ずっと・・・ずっと、泣いてたのよ」

 

「・・・本当に悪いとは今この瞬間にも思っている。でも、国連の、BSAAの事はニュースでもよく聴くだろ?巻き込みたく無かったんだ。俺にとって、蓮子は家族同様に大切な存在だから。だから、巻き込みたく無くて、苦渋の決断をしたんだ。本当にごめん」

 

「・・・本当?本当に、私を思ってくれてたの?」

 

「ああ。今でもだ!」

 

 今度は龍牙が蓮子を確かめるように抱き締めた。

 

「なら、どれだけ私を思っているのか、確かめさせて」

 

「勿論さ」

 

 2人は互いの顔が見えるように抱き締める力を緩める。そして、再び距離を縮め、唇を重ねる。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 -同刻・隣室・来客用寝室-

 

「蓮子と龍牙、上手くいってるかしら?」

 

「あの、メリーさん。お2人はいつ頃恋仲になったのですか?」

 

 龍牙と蓮子が身体を重ね合っている最中、隣室にはメリーことマエリベリー・ハーンと射命丸文が各々のベッドに寝転がりながら、話をしていた。

 

「その前に、私達3人の出会いから始めましょう。あれは確か7年位前、高校1年生の入学して間もない頃---」

 

 

 

 ◇

 

 

 

 -7年前・東京都内・都立普通科高校-

 

「皆さんはじめまして。私はマエリベリー・ハーンと言います。出身はイギリスです。留学手続きの都合で皆さんより遅れて入学しました。よろしくお願いします」

 

 入学式を終えて一週間後、遅れながらも入学したメリー。淡々と自己紹介をして、担任教師の指定した席に座る。

 

「はじめまして、ハーンさん。私は宇佐見蓮子、よろしくね」

 

「ええ、よろしく」

 

 偶々隣の席には蓮子が座っていた。これがメリーと蓮子の出会いだった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 -東京都・とあるショッピングモール-

 

 蓮子とメリーの2人が知り合って数日、2人の姿は大手のショッピングモール内のファッション系ブースにあった。

 

「ねえメリー、この服どうかな?」

 

「う~ん、私には少し派手に見えるわ」

 

 至って普通の光景。

 

 服を選び、評価して、試着してと、ありきたりな光景だった。

 

「蓮子、私こっちのお店も見ておいた方が良いと思うんだけど」

 

 メリーは手元にあったパンフレットを見て言う。

 

「どれどれ・・・確かに気になるわね。わかった、行きましょう」

 

 次の目的地が決まり、移動する2人。しかし、2人の行き先を遮るかのように4人の姿が現れた。

 

「ねね、君たち、良かったら一緒におちゃ---」

 

「あ、なら嫌なんで結構です」

 

 相手が言い切る前に蓮子が切り捨てる様に断った。

 

「そんなつれないこと言わないでさ、そっちの彼女はどう?」

 

(ダメよメリー。知り合いでもないこういう輩は、ろくな奴居ないから)

 

 クラスメートにも、こういったチャラ男はいる。しかし、あくまでもキャラとしてであり、また、クラス全体からも理解されている。余談だが、イタズラやからかいはするもよく良識はしっかりと心得ている為、その範疇でのみしかやらない。

 

「ねーいいじゃんよー、俺らが全部おごるからさ」

 

「結構です!いい加減にしてください!」

 

 流石のしつこさに、蓮子は声を僅かに荒げた。

 

「もーいーや、紳士ぶんのもメンドいや。も拉致ろうぜ!」

 

「オッケー」

 

 そして4人はメリーと蓮子を取り囲もうとして---

 

「ふんっ!」

 

「あでっ!?」

 

「のわぁっ!!」

 

「あっぶねっ!!」

 

「痛ぅぅ!?」

 

 突然視界に赤い何かが横から入り、1人は交わしたが残り3人の側頭部に直撃した。足下に転がって来た赤いもの、それは---

 

「りんご?」

 

「そ、りんごだよ。宇佐見さん」

 

 声のした方、りんごが飛んできた方に視線を向けると、当時まだクラスメートの認識でしか無かった御剣龍牙がいた。

 

「み、御剣君!?」

 

「状況は把握している。警備員も呼んだからもう大丈夫だよ」

 

「んなろぅ!!チョーシ付いてんじゃねーぞ!!」

 

 被弾しなかった1人が龍牙に右腕を振りかぶり、飛びかかる。

 

「あぶない!」

 

 拳が顔面直撃コースの軌道で放たれる。

 

「そいっ!」

 

「ぬおっ!?」

 

 しかし、その拳は交わされ、絡め取られ、合気道の様に流し倒された。

 

「かはっ!」

 

 勢い良く背中から倒れ、男は一瞬呼吸が出来なくなった。

 

「ふぃ~、あんまり甘く見てると---」

 

 突然〝イイ〟笑顔になり---

 

「ツブすからね☆」

 

「ヒイィィッ!!」

 

 トンでもないプレッシャーが周囲にのしかかった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「---と、こんな感じで、私達3人は出会ったの」

 

「・・・既にその頃から、そんな恐ろしいことをしてたんですね」

 

 文に取っては、最後の〝イイ〟笑顔のところが強く引っかかってしまった。

 

 龍牙といい祖母のカエデといい、文は2人のその時の顔を知るからこそ、内心は複雑なのだ。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 -龍牙の部屋-

 

「あっ!あっ!あうっ!んんっ!」

 

 隣が過去の話しをしているうちに、2人はラストスパートに差し掛かっていた。

 

「はっ、はっ、蓮子、射精(だ)すよ!膣内(なか)にっ!」

 

「ああっ!きてっ!きてぇっ!!」

 

「うぅっ!!」

 

「あぁあああああぁぁ!!!!」

 

 彼女の中に精液が勢い良く放たれる。実は、今回は蓮子が避妊薬を飲んでおり、龍牙にゴム(コンドーム)を着けずに、抱いて欲しいと迫ったのだ。

 

 龍牙としては、彼女を抱く上でのエチケットとして、最初はゴムを着けようとしたが、蓮子がそれを制止し、直接の行為を強く求めた為、結果自分が折れることにした。

 

「はあ・・・はあ・・・んっ・・・」

 

「はあ・・・はあ・・・蓮子、大丈夫?」

 

「だい、じょうぶ・・・・・・龍牙、の・・・すごく、熱い」

 

 小刻みに震える身体は、たった今受けた快楽の余韻に浸っており、とても心地良さそうにしていた。

 

「龍牙、もう一度・・・して」

 

「焦らなくても大丈夫だよ。それに、もう少し落ち着かせないと。気持ちいいのがいいでしょ?」

 

「そうね、判ったわ」

 

 再び互いに抱き締めあい、彼女の身体が落ち着くまで待つことにした。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「それじゃあ、動くよ」

 

「うん♡」

 

 蓮子の身体が落ち着いたのを見計らい、龍牙は腰を動かす。

 

「んんっ!・・・あっ!」

 

 ゆっくりと腰を引き、同じくゆっくりと挿れ込む。

 

「あっ!・・・んぁっ!、あうっ!」

 

 彼女の調子を見ながら、龍牙は少しずつペースを上げていく。

 

 それに同調するように、蓮子の色艶纏った声が漏れていく。

 

「龍牙、もっと!もっと突いてぇッ!!」

 

「判った、いくよ!!」

 

「んぁああああぁぁぁッ!!」

 

 快楽に身を委ね、秘部を突かれる事、性欲の限りに貪られる事を、蓮子は言の葉に並べた。

 

 龍牙も、彼女の望みに応えるべく、腰を更に激しく動かす。

 

「ああっ!だめっ!イクっ!イクっ!イクぅっ!!」

 

「蓮子!俺も、射精(で)る!・・・ぐッ!!」

 

「ああぁぁぁあああああああッ!!!!」

 

 1回目よりも強く、激しい射精は、蓮子を絶頂させるにはおつりがくる様な程のものだった。

 

 それ故に、身体が受け止めきれない快感が、まるで悲鳴のような、それでいてとても幸せそうな声をあげていた。

 

「「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」」

 

 ユニゾンするように、2人の呼吸が見事一致していた。

 

「「・・・・・・すぅ・・・すぅ・・・」」

 

 気付けば、2人とも眠ってしまっていた。当然、繋がったままではある。しかし、幸せそうに眠る2人を起こすのは、些か無礼にも思える。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 -来客用寝室-

 

「・・・終わったわね」

 

「・・・終わりましたね」

 

 最後の方で形振り構わず艶声をあげられて、気が気でない2人が隣に居る事は、すっかり忘れられていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。