※この作品はR-18です。

寝る前に読むには長すぎる艦これ噺   作:なぁのいも

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空色の同志にお返しを!

 

 

3月14日。

 

 それは、1か月前に行われたバレンタインデーにて、チョコを贈られた勝者達が挑戦者である少女達に、答えと言う名のチョコレートを贈り返す日である。

 

 勝者の大半はそのままリア充と化し、1か月前に敗北した者達はリア充爆発しろと凶暴な発言をSNSにて垂れ流し、マジレスの民達から違反報告を受けた運営会社が嫉妬の民達を凍結するような、そんな何気ない1日である。

 

 そんな風な荒れた外界とは無縁な、鎮守府の窓から澄み渡った青空を臨む少女が一人。穏やかな昼の光を纏ったような明るい茶色の髪を黒いリボンと赤いヘアピンで纏め、ウシャンカと水色のケープ、更には赤と白のコートと言うと春先に着るには暑くないのか?と言う心配を抱いてしまう程の厚着。

 

 彼女の名前はタシュケント。空色の巡洋艦の異名を持つ、北の国の嚮導駆逐艦。

 

 執務室の窓から空を眺める彼女の琥珀色の瞳は、さながら地上に降り立った太陽と言った所か。

 

 タシュケントにべた惚れな彼女の提督は彼女を称える言葉はいくつも思い浮かぶが、窓際の愛しい人をいつまでも待たせるわけには行かない。

 

 彼女はは何気ない動作をする振りをして待っているのだ。何故なら今日はホワイトデーだから。

 

 コホンと一つ咳払いをして気持ちの整理をする。

 

「タシュケント」

 

「なんだい同志?」

 

 溌剌とした声でタシュケントは振り返る。その声に期待が込められているのは、提督には察知できた。

 

 今後ろ手に隠している彼女への贈り物は、彼女のお眼鏡に叶う物だろうか?

 

 一生懸命に選んだのだから渡さないでどうするのだと、自分の心の中に湧きかけた瘴気を払って、手を前に持っていく。

 

「これを君に」

 

 提督が彼女に差し出したのは彼女のケープと同じ空色のラッピングに包まれた小さな箱。

 

「バレンタインのお返しだ。良かったら食べてくれないか?」

 

 贈られた側であるタシュケントは栗色の瞳から星を零しながら、提督のプレゼント両手で包む。

 

「あはっ!Cпасибо 同志!!」

 

 軽快な彼女の笑顔に、バイタリティーに溢れた彼女の喜声。

 

 提督が彼女に惚れた一番の要因。

 

 その笑顔にはたまらず提督の頬が薄紅色に染まる。春先に咲く梅の花の様に。

 

「でも、これを一人で食べるのはあたしの考えに反するから一緒に食べない?」

 

 考えに反すると言うのは、彼女の祖国的な問題なのか、それとも彼女個人の考えなのか。

 

 詳しい事は提督にもわからないが、折角の贈り物を贈った本人が食べていいのかと、提督は煩悶する。

 

「俺は贈った本人だ。食べるのはいささか……。それに一緒に食べるなら、ヴェールヌイとガングートと一緒に――」

 

 それ以上先の言葉を紡ぐことは出来ない。否、許してくれなかった。

 

 何故なら、タシュケントの人差し指に唇を縫い止められてしまったから。

 

「もう……同志は焦らし上手だなぁ」

 

 タシュケントはニコッと提督の好きな軽快な笑顔を浮かべる。

 

 提督はその言葉に反論する事は出来ない。相変わらず、タシュケントに口止めされているから。

 

 大人しくタシュケントの言葉を待ち、タシュケントを真っ直ぐに見つめる。

 

 普段は積極的なタシュケントだが、その先にある言葉を言う事と真っ直ぐみられている事の気恥ずかしさで提督と同じように頬を染める。ほんのりと染まるその色は早咲きの桜の様。

 

 一拍置いて気持ちを整えようにも整え切れず、そっぽを向いてなんとかその先を捻り出す。

 

「あ、あたしが同志と食べたいんだよ……」

 

 普段は嚮導艦として、駆逐艦達のリーダー的な側面が強いタシュケントだが、今は可憐な少女と何も変わらず恥ずかしがりながら、恋人へとおねだりする。

 

 想像して無かったタシュケントの女の子の仕種に、提督は胸の奥は弾けてしまうのでは無いかと言う位に高鳴り、心拍数が一気に上がる。

 

 対するタシュケントも心音が高くなりすぎて、提督に聞こえてしまうのではないか?と言う不安を抱えながら顔をあげる。

 

 らしくない事を言ったせいか、タシュケントの顔は緊張で凝り固まっている。

 

 そんな彼女を見て提督は平静を取り戻した

 

「スパシーバ。一緒に食べようタシュケント」

 

「あはっ!Аригато(ありがと)、同志!!」

 

 積極的なタシュケントの乙女な表情。素晴らしい物を授けてくれた事にホワイトデーとタシュケントに感謝しながら、提督はタシュケントの手を取って、いささか早いお茶会へと誘った。

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケ(地の文書くの面倒だったとか、そんな事情は無いんだからネ!!!)

 

タシュケント「ふふっ、飴とは積極的だね同志?」

 

提督(必死に選んだけど、お店のおすすめを中心に選んだから、積極的だと言われる理由がわからない……)

 

タシュケント「うん?飴を贈るって意味をわかってないのかい」

 

提督「……ああ」

 

タシュケント「もう、しょうがないなぁ同志は。飴を贈るって意味はね」

 

 

チュッ♥

 

タシュケント「こういう意味があるのさ♥」

 

提督「な、なるほどな///」

 

タシュケント「うん?よくわからなかったって?しょうがないなぁもう一回やるよ//」

 

チュッ♥

 

提督「た、タシュケント///」

 

タシュケント「また聞いて無かったのかい?//しょうがないなぁ♥」

 

チュウウウ♥

 

タシュケント「あはっ!Я тебя люблю!同志♥」

 

この後も、滅茶苦茶意味を教わった

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