本日は提督の誕生日!!だから、本日の仕事は無し!!とかやりたかったが、残念ながら今日も仕事だ。
あぁん?誕生日なのに仕事なのかよオォン!!とか、朝起きて自室で嘆いてたら夕張が言った。
「今日の提督のお仕事は無いわよ?皆がやるからね」
って。
思わず、はぁ?とか汚い言葉で確認してしまったんだが、夕張の表情から真剣さが伝わった。あ、これは冗談じゃない奴だと。
「普段から休みを取らないんだから、今日ぐらいは皆休んで欲しいって事よ」
確かに普段から休みが欲しいなーとか、口を開く余裕が出来たら言ってたけど、ホントに休みになるとは。
と言うか、そんなに休みとって無かったっけ?
夕張に聞いてみると、近くにあったリストをパラパラとめくりながら呆れた表情を浮かべる
「はぁ…前のお休み、21日前よ?最近は確かに色々と仕様が変わって忙しかったけど、何かある度に提督が応対しなくても良かったのに」
わーお。最近、処理とかいろんな仕様が変わったから、一日でも早く慣れる為に連続勤務してた。
皆もまだ新しい仕様に慣れてないから、まだ完全に任すのは早いなーとか思ってたけど、20日も過ぎれば流石になれるか。うん。張り切り過ぎた。最近、寝てないから辛い。
「という訳で、提督は代休消化の意味でも、お休みよ。私と一緒に暫くね」
うーす………。えっ、ちょっとタンマ。暫く?
「そう、正確に言うと一週間」
おーい、そんなに責任者不在で大丈夫なの?私、不安なのですが。
夕張さん、私めにジト目を向けてきます。正直、カワイイ。
「あのですね提督。提督はちょっと前まで口癖のように言ってたじゃないですか。『世間はブラック企業ばかりだけど、せめてここはホワイトにしたい。と言うか、する!!』って。上司がブラックな状態でどう部下に示しがつくんですか?」
ごもっともです、ごめんなさい。夕張が丁寧な言葉を使う時は、本気で怒ってるときだ。こういう時は、大人しく非を認めないと……。
「わかれば良いんです。わかれば。それに……」
夕張が私から顔を逸らして、拗ねた表情を作って私を見てきます。
「提督の仕事が多くて、提督との触れ合いが中々できなくて、妻として寂しかったんですからね」
ぷくっと頬を膨らませるおまけ付き。我が嫁、可愛い。
夕張とは長い付き合いだ。どの位長いのかとと言われると、初期艦の次位に長い。それで、当時数少なかった軽巡として頑張ってくれてて、今は工廠での兵器開発を中心に頑張る縁の下の力持ち。
執務室と工廠。物理的な距離は離れてはいるが、俺達は不思議と恋に落ちて、夕張にあの指輪を贈る仲になって、今は同じ部屋で暮らしてる。
夕張の事は好きだ。明るいし、俺の好きなアニメとかゲームの話について来てくれるし、どこに居ても一生懸命に働いてくれてるし、スタイルも良いし(確認済み)
うん。何より好きな理由は、夕張の健気さ、かな。
だって、夕張とケッコンした日に飲みに行った時に言ってくれたんだけど、俺の好みになろうと凄く努力してたみたいなんだ。
俺の好きな仕種とか、料理とか、趣味とか、そりゃあもう色々と。ある時期に、何か色んな質問されるなぁと思ったけど。
ああ、そう言えば、身体のガタに気が付かなくて一回ぶっ倒れた時なんか、がん泣きしてたなぁ。それ以降は俺の負担を減らす為に、鎮守府の体制の改善案を必死になって考えてくれったけか。そのおかげで、俺はその時以来倒れる事も無くなったし。
さっき捲ってたリストだって、俺についてのリストだ。夕張が言うには、俺の好みとかもまとめてあるんだとか。絶対に俺には見せてくれないから、何が書いてあるか正直怖いけど。
こんなにも健気な夕張だが、最近は構えなかった事に少々ご立腹の様子。
これは旦那としての勤めに今は集中して欲しいと言う事だな。
「ありがとう。夕張、この一週間は二人で沢山過ごそうか」
「うん。ありがとう提督」
先ほどまでの拗ねた表情は何処へやら、夕張が浮かべるのは夏の日差しにも負けない輝かしい笑顔。あぁ、心が浄化される…。尊い…。
「で、提督の誕生日プレゼントを持ってくるから待ってて!」
夕張がちょっとだけ席を外す。プレゼント、夕張のプレゼントはピンポイントでオレの欲しい物を当ててくる。俺のデータを全て保持していると自負するだけある。
「じゃーん!!ハッピーバースデー提督!!」
夕張が満面の笑みで持ってきたのは包装された箱。お誕生日特有のお決まりの挨拶と一緒に俺にデリバリーされる。
「おぉう、ありがとう!!」
「ほら、早速開けてみて!」
夕張に促されるまま、箱の包装を解き箱を開けてみると、中から出てきたのは
「おぅ?!よく買えたな、何処にも置いてないって聞いたのに」
中に入っていたのは、任○堂の話題のゲーム機、ニンテン○ースイ○チだった。
「実は先月の予約分に何とか当選出来てね。何とか間に合わせることが出来たの。転売屋から買うのは私達のポリシーに反するからね」
鼻を鳴らして自慢げに言う夕張も可愛い。
箱の中には、マ○オカートと1-2-Switchも入ってる。ソフトも完備。流石同志。しかもパーティーゲーを選ぶ当たりわかってる。
しかも、スイ○チだから最初についているコントローラーで二人で出来る。完璧だ。
「今日の夜は皆でパーティーだからね。それまでは自由。だから、今日パーティまではこれを楽しみましょう提督!!」
夕張の目はキラキラと輝いていて、新しい物への好奇心と、俺と一緒に遊べる喜色が混じっていて、まるで小さな子供の様。その子供の様に喜んでいる様が、俺にも伝播してくる。
「ああ、ついでに罰ゲームでも決めてやるか?」
「ふっふん。後で泣きを見ても知らないんだからね?」
好きな人と好きな事をひたすらにやれる素晴らしい余暇。本日は最高の誕生日だ。
誕生日おめでとう、私。○イッチ欲しいです…。