箱庭学園二年十三組・セクハラ男子のハーレム 作:セクハラエリート万歳
今回から
俺は旦那が投げてきたネジを頭を上げるついでにかき消しながら、ふと気になったことを考える。
旦那に貫かれたこの六人。何しに来たんだ?
いや、女三人は分かる。おそらくは俺を手助けするために来たんだろうが、野郎三人は何で来たんだ?
よくよく面子見れば、めだかの首切ろうとした奴とデカブツと風紀委員長という一人残らずフラスコ計画に関与してた連中じゃねえか。何がどうしてこうなった?
とりあえず、ダメ元で旦那に聞いてみるか。まともな答えが返ってくるとは期待してねえけど。
「すんません、旦那。こいつら、何でここに来たか分かります?」
『さぁ? 性ちゃんを助けに来たんじゃない?』
あー。やっぱり、聞く相手ミスってたな。けど、そんなもんは百も承知だから大して気にしてねえ。
それに実際どうでもいいしな。そんなことよりも、俺にはやらねえといけないことがある。
「旦那。気持ちは分かりますけど、女の子を傷つけるのはちょいといただけませんぜ。フェミニズムって言葉知らないんすか?」
『やだなー、性ちゃん。男女平等なんてただの戯言だぜ? それって、要はふんぞり返ってる男はさっさと跪いて女の子を崇めなさいってことでしょ?』
「そっすか」
俺は薄っぺらい旦那の回答に呆れながら女子三人を貫いているネジを消し去り、三人の体と心の傷を治す。野郎三人に関しては放置だ。この程度の傷なら、どうせ死にはしない。いや、
冥加ちゃん、鍋島、鬼瀬ちゃんの三人が意識を取り戻したのを確認すると、三人を両腕で抱き寄せる。
「それで、何でここにいるんすか?」
貫かれた六人がなぜここにいるのかってのは別にどうでもいいが、旦那がここにいる理由については興味がある。正直、フラスコ計画はこの人が興味を惹かれるほどのものじゃねえ。となると、それ以外に何か目的があるのか、それとも何も目的がないのか。それだけでもかなり興味がある。
だが、旦那の答えはそのどちらでもなかった。
『あー。それなんだけどね。聞いてよ、性ちゃん。僕は、今、とても困ってるんだ』
「は? 何に困ってるんすか?」
俺と旦那の仲だ。できることなら、協力してやろうと考えていたが、予想通りというかなんというか…… 旦那が困っているのは死ぬほど小さなことだった。
『実は僕今日付けでここに転校してきたんだけど、道に迷ってさ。理事長に挨拶したいんだけど、理事長室がどこにあるのか知らない?』
「理事長室? それなら、随分とんちんかんなところに来たもんすね。そもそも校舎違うっすよ」
ここは時計塔。普通に考えりゃ、こんなところに理事長室がないことくらい分かりそうなもんだが。まぁ、この人だからな。仕方ない。
『え? そうなの?』
このリアクションは多分素だ。素でここに理事長室があると勘違いしてたらしい。さすが、旦那。そこに痺れる、憧れるぅ…… って、使い方これで合ってんのか?
「俺、この後暇なんで、よかったら案内してもいいですけど」
『いや、いいよ。性ちゃんに悪いし。自分のことなんだから、自分でやるよ』
旦那は俺の提案を断り、さっさとどこかへと行ってしまった。あの人のことだから、放っておいてもいつかは理事長室に着くか。
そして、旦那がいなくなるとほぼ同時に野郎どもに刺さっていたネジも、それによってできた傷跡も綺麗さっぱり消え失せる。これが今の旦那の
…… にしても、旦那がこの学校に来たのか。こいつは楽しくなりそうだ。自分の口が歪むのが分かる。別に見られても不都合はないから、それに抗うことはしない。
「な、なぁ……」
「ん?」
ああ。そういや、忘れてたぜ。女子三人をこの手に抱いてたな。鍋島。鬼瀬ちゃん。冥加ちゃん。いずれも美少女だが、その端正な表情が今は歪められていた。
「えらい親しげに話しとったみたいやけど、知り合いなんか?」
「まぁ、そうだな。中学の時の先輩だよ」
ひとまず問いに答えてやると鍋島は肩の力を抜く。つーか、よく見ると冥加ちゃんと鬼瀬ちゃんは体を震わせて、俺に抱きついている。鍋島も俺の服を握る力がやたらと強い。やっぱり、いくら優れてても旦那は怖いか。いや、優れているからこそ怖いのかもしれねえな。
鬼瀬ちゃんも
それでも、一応年長者としてのプライドというものがあるのか、一度深呼吸をすると鍋島は再び口を開く。
「にしても、何やねん、あいつ。絶対まともじゃないやろ」
「そりゃそうだけどな。それでも、俺にとっては唯一憧れる男なんだよ」
俺の言葉に三人とも肩を強ばらせる。これは相当旦那にやられたな。男はともかく女にも容赦なく牙をむく。こういうところはあの人の欠点だよなぁ。
いや、
そういや、
「どうでもいいが旦那が着てたのは先月に廃校にされた水槽学園のものだな。はっ。あの後きちんと廃校にしてきたってわけか。まぁ、めぼしい女は全て
俺の発言に鬼瀬ちゃんはもちろん、冥加ちゃんや鍋島も顔をひきつらせる。さすがにヤバイ発言だったか?
まぁ、気にしなくていいか。どうせ、こいつらは俺を嫌えないんだからよ。
だが、フェミニストの俺としては旦那にやられたこいつらを放っておくことはできねえな。
「さて、お前ら。得体の知れない人間に会って疲れたろ? ちゃんと、俺が可愛がってやるよ」
「待て」
「!」
三人を抱きしめる力を強めたところで声をかけられる。だが、ある程度は予想ついてたので、俺は首だけを声の主の方に向ける。
「よぅ。随分とお早い到着じゃねえか。お二人さん」
俺に声をかけてきたのはめだかと喜界島ちゃんだ。二人は期待と困惑と嫉妬のこもった視線でこちらを見てくる。
「ねぇ。何で、その人たちはこっちにいるの?」
「あぁ。実はな。野郎三人は知らねえが、こいつら三人は俺を助けるために来てくれたんだよ」
「女三人に助けに来させるとは。さすがだな。性」
よく分からないが、喜界島ちゃんは納得し、めだかは俺を褒めた。どうやら、分かってくれたようで何よりだ。
「さっきあんなこと言っちまった手前、これ以上焦らすのも気が引けるんだがな。こいつらが少々緊急なんで、先に抱いていいか?」
「緊急って。何があったの?」
「後で話す。いや、言わなくても、多分分かる」
確か、めだかと旦那は結構な因縁があったはずだ。それなら、そう遠くないうちに二人は再び相まみえるはず。ならば、わざわざ、今、話す必要はない。
読みを外すことに定評のある旦那だが、おそらく、この読みは正しいはずだ。何せ、旦那が特別視してるのは……。
俺はチラリと横目にめだかを見る。俺の勘が正しければ旦那はめだかに固執してるはずだ。そうでなくとも、少なくとも他の人間よりは注目しているはず。
近いうちに荒れるかもな。めだかと旦那の抗争が一週間以内――いや、早けりゃ明日にでも始まるかもしれねえ。
もし、そうなったら俺はどっちにつくかな。最高の女であるめだかか。それとも、最高の男である旦那か……。
…… ばかばかしい。答えなんざ最初から分かりきっている。俺は一つ息を吐くと、鍋島と鬼瀬ちゃんのおっぱいを両手で触り、冥加ちゃんのほどよい胸に飛び込んだ。
すまねえな。今回ばかりはあの人の方につかせてもらうぜ。
悪く思うなよ。めだか。
ちなみに男子三人がこの場にいた理由は、宗像は善吉を助けるため、雲仙は姉に引っ張られて、高千穂は主人公の強さに惹かれて、でした