ノンケ提督が艦シーメール鎮守府に着任しました。【R-18サブストーリー】 作:ゔぁいらす
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序章:阿賀野の秘密
「ふぅっ・・・!哨戒任務で疲れちゃったし今日はお部屋のシャワーで済ましちゃおっと」
ノースリーブのセーラー服を着た黒髪の女性がそうつぶやきながら自室へと戻ってきた。
彼女は阿賀野。
☓☓鎮守府という小さな鎮守府に所属している艦娘だ。
今日も日課の哨戒任務を終え、部屋に戻ってシャワーを浴びようと洗面所で制服を脱ぐとショーツには異様な膨らみができていた。
「はぁ・・・こっちは全然小さくならないのよね・・・あんなミニスカじゃ誰かに見られちゃうかも・・・」
彼女がそう呟きながらショーツを下ろすとそこからボロンと皮のむけた男性器が姿を表した。
胸も大きく女性的な体つきをしていた彼女に男性器が生えているその姿は異様とも取れる。
そして喉元につけていたチョーカーを外すとそこには喉仏のような膨らみも顔を覗かせた。
「声も高くなったしおっぱいだってシリコン入れて大きくしたしお尻だってふっくらしてきたのにここだけ変わらないって言うのもやっぱり変かな?まあいいや。汗でべとべとだしはやくシャワー浴びちゃわなきゃ」
鏡に映った自分のアンバランスな姿をまじまじと見つめた彼女はそう言って浴室へと入っていった。
彼女・・・いや彼は生物学上では男性なのだ。
それも一年程まではどこにでも居る普通の青年だった。
そんな青年が何故男のまま阿賀野になったのか?
この物語はそんな彼の今までを辿る物語だ。
第一章 崩れ去った日常
時は彼がシャワーを浴びている今からおよそ一年前に遡る。
彼の本当の名は阿藤大賀(アトウ・タイガ)
両親と三人の弟に囲まれて何不自由なく育った普通の高校生だった。
友人と他愛のない話で盛り上がったり同級生の女子に淡い恋心を抱いたりしながら平凡な学生生活を謳歌し大学への進学も早々に決まっていた。
そんな順風満帆とまでは行かないが平凡で幸せな生活を送っていた彼だがそんな平穏な生活は一瞬にして崩れ去ってしまう。
事の発端は進学する大学も足早に決まり、親孝行をしようと彼がアルバイトをして貯めたお金で両親の結婚記念日にプレゼントしたペア旅行だった。
その旅先で両親は深海棲艦の攻撃を受け帰らぬ人となってしまったのだ。
自分が旅行なんてプレゼントしなければこんなことにはならなかったと彼は激しい罪悪感に駆られ、なんとか弟たちと生活する方法を探ったが頼れる親戚もおらず、保険金や保障金だけでは到底三人の弟たちの学費や生活費をまかないきることはできなかった。
しかし周りの大人達は口々に
「ご両親お気の毒だったね」
「長男なんだからしっかりしなきゃね」
そんな言葉をかけたが大賀達を助けてはくれなかった。
深海棲艦という未知の存在の出現により自分たち以外の人々も様々な辛い思いをしていることは十分にわかっていた大賀は他人にまで迷惑をかけるわけにはいかないと自分たちだけでなんとかする方法を模索した。
今住む家を引き払い、弟たちと離れ離れになり施設で暮らすという選択肢もあったが、
結局自分の蒔いた種のせいだという罪悪感と弟達からこれ以上家族や生活、そして居場所までも奪う事はできないという責任感から一人で弟たちを支えていくという選択肢以外が見えなくなってしまった。
そして大賀は進学が決まっていた大学への進学を取りやめ、学校以外の空いた時間でアルバイトに明け暮れるようになった。
それから高校だけはなんとか卒業し、朝から晩までのアルバイト漬けの生活が続いたある日の事
夜勤で入っていた工事現場のアルバイトを終え、くたくたになりながらロッカーで服を着替えていると大賀はガタイの良い男に話しかけられた。
「今日はもう上がりかい?今日もご苦労様。いやぁ大賀くんは若いのによく働くね〜」
男は優しい声で大賀を褒めた。
そんな言葉に大賀はくたびれていた顔に笑顔を浮かべた。
「あ、堀井さんありがとうございます。お疲れ様でした」
彼は堀井。
アルバイト先の工事現場で働く大賀の上司で、大賀の両親とは大学時代同じサークルに所属していた仲だったようで事情を聞くと快くアルバイトに受け入れてくれた。
それに何より親身に仕事を教えてくれるだけでなく自身や家族のことを心配してくれたので大賀は堀井のことを慕っていた。
「みんな君のこと褒めてるよ。社員でもあそこまで働いてくれないよ」
「これも弟たちを養うためですから。それにまだまだ全然働き足りませんよ」
口ではそう言ってみるものの工事現場のアルバイトは肉体的にも辛く、いつまで続けられるのか不安に思っていた。
それに怪我と隣り合わせの現場で自分が怪我で働けなくなってしまったらという恐怖も大賀の周りにはいつもついて回っている。
「偉いねぇ〜でもそんな無茶なことしてたらいつか潰れちゃうよ?大賀くんに倒れられたら一絆さんと凪咲さんに顔向けできないよ」
一絆(カズキ)と凪咲(ナギサ)は大賀の両親の名だ。
旧知のよしみで自分を受け入れてくれて仕事をくれた上で心配してくれる堀井の事を大賀は信頼していた。
彼の言う通りこんな無茶をしていては長続きはしないだろう。
しかし毎日朝から晩まで様々なアルバイトを掛け持ちして働いても4人で生活をしているとギリギリで、これ以上仕事を減らす訳にも行かなかった。
「・・・わかってます。それでも俺がやらなきゃいけないんです・・・少なくとも堀井さんにご迷惑はかけないようにしますから」
堀井の優しい言葉に流されそうになった事が何度かあったが弟たちから両親を奪ってしまった自分に甘える資格も暇も無いと大賀は自分に言い聞かせた。
そんな深刻そうな大賀を見た堀井は少し考え込むと
「そうか・・・私としてももっと給料あげたいんだけどウチも厳しくてそうもいかないからねぇ・・・それでも稼ぎたいって言うなら良い仕事紹介してあげるよ。日給3万円くらい現金でしかも即金出してあげられるけどやってみるかい?」
突然破格の条件を大河に提示してきた。
「えっ・・・!?本当ですか?」
3万円。
その額は、朝から晩までアルバイトを掛け持ちして1日通して働いてもそうそう稼げない額だ。
大賀は提示された金額が本当なのかと半信半疑で聞き返した。
「ほんとほんと。それじゃあこの後空いてるかな?早速連れて行ってあげようと思うんだけど」
「え、今からですか?」
「ああそうさ。予定は空いてるかい?いや無理にとは言わないよ。ただ私も君の助けになりたいからね」
一瞬そんなうまい話があるのかと堀井を疑ってしまった大賀だったがその時やっと本当に自分達のことを心配して力になってくれようとしてくれた大人に出会えたと思い嬉しかった。
そんな自分のことを気にかけてくれている堀井が怪しい仕事を紹介するわけがないだろうし丁度給料日前で生活は苦しく様々な支払いも立て込んでいる。
「は、はい!明日の朝までは暇です!」
この際死にさえしなければどんなことでもやってお金を稼げるならばと堀井の申し出を快諾した。
「よし!それじゃあ決まりだね」
「わかりました・・・よろしくおねがいします!」
「やっぱり凪咲さんの子だけあって素直で良い子だ。それじゃあ私もすぐに準備をするから待って居てくれるかな?」
「はい!」
言われたとおりしばらく待っていると私服に着替えた堀井が大賀の元にやってきた。
「それじゃあ行こうか」
「は、はい・・・」
そして不敵な笑みを浮かべた堀井に連れてこられた場所に着いた時、大賀は目を疑った。
「ここって・・・」
そこは工事現場からほど近い場所にあるラブホテルだった。
嫌な予感がしたものの堀井がそんないかがわしいことを男同士するはずがない。
ホテルの清掃か何かだろうと自分に言い聞かせた。
「ん?どうかしたのかい?」
そんな大賀の心情を察したのか堀井はそう声をかけてきた
「あの・・・バイトって・・・」
「ああバイトって言うかただ私と一緒に一晩寝てくれれば良いだけだから。大丈夫。悪いようにはしないし明日の朝までには終わるしちゃんとお金も出すからさ」
「は、はあ・・・」
大賀の嫌な予感が的中しかけていたがお金のために堀井を信じるしかなかった。
そして堀井に言われるがまま男二人でラブホテルの一室に入った大賀だったが、そこで彼を待ち受けていたのはアルバイトなどというものではなかった。
「いやぁ〜素直に了承してくれて嬉しいよ。それじゃあ早速服脱いでくれる?」
「えっ・・・?」
堀井の言葉に耳を疑う。
何故服を脱がなければいけないのか?
部屋に通されて服を脱げと言われたらそれからのことなんてもうわかりきっていたが大賀はそんな現実を受け入れられずにいた。
すると痺れを切らせたのか堀井は太い腕で大賀の両肩をがっちりと掴んできた。
「もうこんなところまで来ちゃったんだしわかってるだろう?正直初めて君を見た時からこうしたいと思ってたんだよ?」
「ひっ・・・!」
大賀は急なことに身を強張らせた。
「本当にここ数ヶ月で筋肉は付いちゃったけどまだ華奢な方で本当に私好みだよ大賀くん・・・顔だって可愛いし・・・」
堀井は鼻息を荒くして大賀の身体をいやらしい手つきで撫で回し、大賀に悪寒が走る。
きっと堀井は自分と肉体関係になりたいのだと大賀は悟った。
しかし堀井がそんな事をするわけがないと心の良心が理解を拒む。
「ちょ・・・堀井さん・・・やめてください・・・」
なにかの間違いかもしれない。
大賀は最後の望みにかけて抵抗してみるものの堀井は腕を離そうとはせず、更に追い打ちをかける様に息を荒くして大賀に顔を近づける。
「言っただろう?朝まで私と寝るだけだって。でも君くらいの歳になったらそれくらいわかるよね?お金欲しいんだろう?ここまで来ておいてやっぱり嫌だなんて言わないでくれよ?私のここももうこんなになっているんだからさ」
次の瞬間堀井はズボン越しに硬くした肉棒を大賀に擦り付けて来た。
「や、やめてください・・・俺、男なんですよ?男同士でこんなこと・・・」
「ああそんな事わかってるさ。でも大賀くんやっぱり見れば見るほど凪咲さんそっくりだ・・・きっとウィッグを付ければもっと凪咲さんみたいになるんじゃないかなぁ・・・」
堀井はいやらしい手つきで大賀の頬を撫でる。
しかしあの尊敬する上司がそんな事を持ちかけて来るはずがない。
堀井の今までに見たことのない一面を受け入れられずにいた大賀だったが、突然母の名前を出されてさらに動揺した。
「や、やめて・・・ください・・・それになんで母さんの事・・・」
「私はねぇ・・・大学で同じサークルだった凪咲さんに思いを寄せていたんだ。それなのに・・・それなのに彼女は私ではなくあの男と・・・・そう!君のお父さんとくっついたんだ!君のお父さんのことは確かに尊敬できる素晴らしい人だったよ?でも私は凪咲さんを奪ったあの男がずっとずっと妬ましかったんだ。でも二人のお葬式で久しぶりに君と会った時凪咲さんの面影を感じたんだ・・・それからずっとずっと君を私のモノにしたいという欲望が大きくなっていったんだ!」
「ひっ・・・!」
良い上司だと思っていた堀井からそんな目で見られていた事、優しく接してくれた事も全てそんな下心からのものであった事、そして男からそんな感情を向けられた事に彼はショックと嫌悪感を隠せなかった。
そんなショックからその場を動けずに居ると
「ほら?まずはしゃぶってもらわなきゃ・・・あっ、そうそう忘れちゃダメだよね?ほら前金の一万円だよ。後の二万円はわかってるよねぇ?凪咲・・・?」
堀井は大賀のことを凪咲と呼び、震え手にぎゅっと一万円を握らせてきた。
今すぐにここから逃げ出さなくては。
大賀はそう思ったが足もすくんで動かない。
それに堀井の「お金がほしいんだろう?」という言葉が頭の中を駆け巡った。
(ここで逃げることくらいはなんとかなるはずだ・・・でも・・・でもここで逃げたらお金が・・・それに工事現場のアルバイトだって続けられなくなるかもしれない・・・!そうなったら弟たちはどうなるんだ・・・そうだ。お金だってもらえるんだし弟たちのためなら俺なんかどうなっても良い。俺のせいであいつらには寂しい思いとひもじい思いをさせてるんだから・・・)
大賀は考え抜いた挙げ句
「わ、わかりました・・・・」
大賀は全てを諦め堀井に身体を差し出すことにした。
「それじゃあさっさとしゃぶってよ!」
大賀の言葉を聞くや否や堀井は大賀の頭をがっしりと掴んで肉棒を大賀の口にねじ込んだ
「んっぐぅぅっ!?」
大賀の口の中に臭いにおいが充満する。
今すぐにそれを吐き出したかったが力強く頭を押さえる堀井の手によって身動きすらままならない。
次の瞬間堀井は腰を動かし始めた
「んっ・・・!?んぐっ・・・んっむぅぅぅっ・・・・!!」
「はぁっ・・・!本当に凪咲さんにしゃぶらせてるみたいだ・・・!」
母の名を口にしてこんな事をする堀井を許せなかったが大賀はこれに耐えさえすれば金が手に入ると必死で息苦しさと臭さに堪えた。
そして堀井の肉棒にしばらく耐えていると
「うっ・・・もう出そう!ほら!ちゃんと全部口で受けるんだよ?」
堀井がそう言うと口の中に苦く温い液体が注がれる。
「んっ・・・・んんっ!?むっぶぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!ゲホッゲホッ・・・!!」
あまりの苦さと匂いに大賀は思わずそれを吐き出してしまう。
「あーあ。せっかく口に出してあげたのに吐いちゃったね。ま、初めてにしては気持ちよかったから許してあげるけど今度はちゃんと全部飲んでね凪咲?」
堀井は優しくそう言って大賀を撫でた。
しかしこれだけで終わるわけがなく
「次はわかってるよね?早く凪咲とセックスしたいなぁ・・・」
「っっ!?そ、それは・・・」
フェラですらもうあんなに苦しかったのに更に男に犯されるなんてことはされたくなかった。
大賀が戸惑っていると
「ん?嫌なの?別に嫌ならいいんだよ?お金もあげないし私は君のバイトだって辞めさせられるんだからね?」
堀井のそんな言葉が大きくのしかかる。
ここで断ればこの前金も給料の良いアルバイトも失ってしまう。
大賀はそんな堀井の脅しに負け
「はい・・・もう堀井さんの好きにしてください。」
大賀は逃げることを諦め堀井の申し出を承諾せざるをえなかった。
それからのことを大賀は余り覚えていなかったが気が付くと堀井はおらず、頭の中には母の名呼ぶ堀井の声が響いていて口の中には苦い味、尻の穴にはどろりと湿った感触と痛みがあったことだけが大賀の記憶に深く刻み込まれていて、手にはしわくちゃになった3万円が握られていた。
自分がされた事を受け入れられずそれを否定するかのように大賀は何度もシャワーを浴び、身体を洗った。
その日は結局アルバイトも無断欠勤し両親の葬式ですら弟たちに自分が泣き顔を見せるわけにはいかないとずっと我慢していたが今の自分の情けなさや寂しさからホテルを追い出されるまで堰を切ったように独り声をあげて泣いていた。
その次の日も工事現場の夜勤のバイトが入っていて、大賀はあんな事があった直後で行きたくはなかったがこれ以上無断欠勤して給料を下げるわけにも行かず足取り重くアルバイト先の工事現場へ向かう。
そこで堀井は何事もなかったかのようにいつものように大賀に接してきた。
堀井を見て昨晩自分がされたことを少し思い出し恐怖の様なものを覚えたが職場では何時も通りだったので少し安心した反面気味悪さを感じる。
あれはきっと嫌な夢を見ていただけだ。
堀井さんがあんなことするわけないじゃないかと自分に言い聞かせてその日のアルバイトを無事に終えると
「大賀くん・・・いやぁ・・・もう来てくれないんじゃないかと思ってたよ・・・それにしても昨日の君・・・すっごくエロかったよ?それでなんだけどさ、今夜もお願いできるかい?お金、ほしいんだろう?」
堀井は更衣室で大賀の尻を触ってそう耳元でささやいてきた。
「えっ・・・」
やはり堀井は優しい理想の上司などではなく昨夜の嫉妬と欲望にまみれた男である事ははっきりした。
あんな気持ち悪くて痛いこともう二度としたくない。
大賀の本心はそうだったが昨日貰った三万円が生活の助けになったことは事実だ。
それにここで断って堀井の機嫌を損ねればお金をもらえないどころかここでアルバイトが続けられるかどうかも危ぶまれる事態になってしまうかもしれない。
大賀はしばらく考えた挙げ句
「はい・・・お金を頂けるなら」
断る事をせず堀井の申し出を受け入れると
「それじゃあ今夜もよろしくね・・・凪咲」
ニヤリと気色の悪い笑みを浮かべた堀井に連れられその日も大賀はラブホテルの中へ消えていき、前回と同じホテルへ連れて行かれて同じように犯された。
大賀は堀井が想いを寄せていた母親凪咲の面影、そしてそんな凪咲を奪った父親の一絆への妬みを同時にぶつけられているような気がした。
そんな行為は両親を侮辱する最低な行為だとわかりつつも金のためそんな堀井の欲望を生活費、そして弟たちの為に受け止めるしか無かった。
それからはアルバイトが終わる度に女装をさせられて夜の街で堀井にデートと称して連れ回されたり、堀井の知人を通じて他の男とも身体を重ねたりするようになっていた。
その過程で母の名前を出され、両親のことを悪く言われる事だけはどうしても嫌だった大賀は自ら「はる」と名乗る様になった。
はるで居る間の自分は自分じゃない。
そう思うようにすればどんな辛いことでも耐えられると思ったからだ。
この名前は母親からもし女の子が生まれていたら付けたかったと聞かされていた名前だった。
今堀井に犯されているのは自分じゃない。
居ないはずのはるなのだ。
そう思うと自分に最低な欲望をぶつけてきた堀井に対しても何のためらいもなく媚びへつらう事ができた。
そんな日々が続いたある日、いつものように堀井とラブホテルで身体を重ね終え同じベッドで横になっていると
「ねえ大賀くん・・・いや今ははるちゃんだったね」
「どうしたんですか堀井さん?もう今日は3回もお尻に出されて僕もう限界ですよ?」
「いや違うんだ。・・・もっとお金が欲しくないかなと思ってね」
「それはもちろんですけど・・・」
「それなら良かった。君のことを話すと会ってみたいと言っている知人が何人か居るんだ。僕だけどはるちゃんじゃなくなるのは少し嫌だけど君がいろんな男に輪姦されているところも見たくなってきちゃったんだけど会ってみてくれないかな?もちろん知人も金は払うって言っているから悪い話じゃないよね?もうあんなキツい肉体労働なんかしなくても気持ちいいことだけでお金も稼げるよ?」
堀井は気持ちの悪い笑みを浮かべて大賀の身体をねっとりと触りながらそんな提案をしてきた。
堀井のさらなる性癖を聞かされて堀井に対する嫌悪感が更に増す。
それに堀井だけでなく見ず知らずの男と身体を重ねるなんてことはもちろんしたくもなかった。
しかしそれさえ我慢すれば今よりももっと金が稼げる。
そう考えると大賀は断ることなどできず・・・
「も〜堀井さんのエッチぃ・・・!でも堀井さんがそうして欲しいって言うなら僕やりますよ?それにもっとお金がもらえるなんて嬉しいですっ!僕のこと考えてくれる堀井さんだーいすき!」
大賀は顔には嫌な表情一つ出さず、堀井の提案を受け入れて彼に媚びへつらった。
それからというもの堀井の知人と会っては犯されるという更に爛れた日々を送るようになり、アルバイトも全て辞めて朝から晩まで堀井や堀井の知り合いの男たちに抱かれては金を貰い早朝にくたくたになって家に変える爛れた毎日を過ごしていた。
その生活を続けるにつれて日に日に彼の肛門は大きなものを受け入れられるようになり、乳首や身体も敏感になっていく。
そんな身体の変化に大賀は後戻りができないところまで来てしまったことを痛感しながらも毎夜毎夜その生活から抜け出すこともできずに男を受け入れ続けるしかなかった。
そんな日々が続いて行くうちに彼が何を欲しがっているのか?
どうすればもっと金を巻き上げられるのか?
そんなことを考えていくうちに最初は痛さと気持ち悪さしかなかった大賀の中にそれ以外の感情が芽生え始めていた。
そんな男たちに抱かれるだけの毎日を過ごしていたある日のこと。
とあるラブホテルの一室で大賀は女性が着るようなベビードールを身にまとい、ベッドで横たわりながら濁った目でシャワールームを見つめていた。
それからしばらくしてシャワールームからバスローブ姿の小太りの男が現れた。
堀井の紹介で知り合ったこの小太りの男に大賀はホテルへ呼び出されていたのだ。
堀井に紹介された男たちの中には過激なプレイを要求してくるような人間も居たがそれに比べたらまだマシで大賀にとっては上客な男だった。
彼は金払いも良く、毎晩のように大賀のことを呼びつけては持ってきた衣装を大賀に着せて行為に及んでいた。
そんな男を見ると同時に大賀はベッドを降り、床に降りて正座をして床に頭が付くくらいまで頭を下げる。
「今日はまた呼んでくれてありがとうございます。今日も女装して朝まで・・・ですよね?」
大賀は媚びるような声で小太りの男にすり寄ると
「ふひひっ!いいよいいよそんなにかしこまらないで。僕とはるちゃんの仲だろう?ほら。とりあえず前金ね」
男は気持ちの悪い笑いを浮かべた後大賀に2万円を手渡した
「わぁ・・・嬉しい・・・ありがとうございますっ!やっぱりお兄さん優しいし大好きです!」
大賀はその2万円を受け取るとわざとらしく小太りの男にすり寄った。
男はシャワーを浴びているはずなのに体に染み付いた油臭い匂いが取れておらず臭かったが、大賀はそれを我慢してただ金のため男に媚びた。
しかし男はそれを真に受けたようでニヤリと気味の悪い笑みを浮かべた。
「本当にはるちゃんは甘えん坊だなぁ・・・望み通り今夜もいっぱいしてあげるからね」
男は優しく声をかけてベッドに腰掛け彼をいやらしい手つきで撫で回す。
最初は気持ち悪いだけだったが、最近撫でられると何故か身体が感じてしまう。
大賀は自分が男たちの身体を無意識のうちに求めてしまっている様で少し悲しかった。
しかしこうしてはるとして男に抱かれている間は他のことを考えなくて良いと思うと少し気が楽なような気もした。
「あっ・・・♡もうそんな手で触られたら僕えっちな気分になっちゃいますよぉ〜」
「またまた〜撫でられただけで感じちゃうなんてはるちゃんはほんとに淫乱だなぁ〜ちょっと前まではあんなに緊張して初々しかったのに」
「も〜それもこれもお兄さんが僕をこんなにしたからですよ?責任・・・取ってくれます?」
「どーしよっかな〜それじゃあひとまず僕のちんちんしゃぶらせてあげるよ。はるちゃんこれが大好きなんだよね?シャワーは浴びてきたけどはるちゃんに洗ってもらおうと思ってちんちんは洗ってないんだ」
男がベッドに腰掛けるとその開いた股の間に彼はちょこんと座った。
「ほら、早くして欲しいなぁ」
男が催促すると彼は男のバスローブをめくり、ギンギンに勃起した男の肉棒を露出させる。
男の言う通りその肉棒は洗っておらず鼻にツンと刺さるような匂いを発していた。
「っっ・・・!はぁい!僕お兄さんのおちんぽしゃぶりたくてず〜っとこのその事で頭がいっぱいだったんですよぉ〜!それじゃ・・・いただきまーすっ♡」
彼は一瞬その匂いに顔を歪めたがすぐに媚びるような笑顔でそう言うとなんのためらいもなく男の肉棒をしゃぶり始めた。
「んむっ・・・・♡れろぉ・・・っ♡ぷはっ・・・♡おにいさんのちんぽ・・・おいひいれしゅぅ・・・♡」
そのまま彼は慣れたように男の肉棒を深く口の中に咥えていく。
「おほっ・・!はるちゃんまたフェラうまくなったんじゃない?」
「んっ・・・♡んむっ♡・・・ぷはっ♡お兄さんたちのおちんちんが美味しいからこんなに上手くなっちゃったんですよぉ♡」
大賀はそんなお世辞を言うことにももう慣れてしまっていた。
相手をおだてておけばその分金払いがよくなったりするからだ。
そして大賀は更に男の肉棒を深く咥え込み、亀頭を舌で攻めたり勢いよく吸ったりと男の肉棒に奉仕を続けた。
「あっ・・・!はるちゃん!もうイきそうだよ・・・!ちゃんと全部飲んでね?」
「んむっ♡ふぁい・・・♡お兄さんのせーえきはやくっ♡んじゅっ♡全部僕の口マンコに出してぇ♡口マンコに種付けしてぇ♡んっむぅぅぅぅぅ♡」
「ふぉっ・・・!そんなに吸われたらもうっ・・・・んぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
男が奇声にも似たような声を上げると大賀の口の中にどっぷりと勢いよく精液が流し込まれる。
凄まじく苦いそれを大賀は口で受け止め、精液まみれの口の中を男に一回見せてからごくりと一気に飲み込んだ。
「っっ・・・・!けぷっ・・・はぁっ♡お兄さんの精液美味しかったですぅ♡」
もちろんそんな事一切思ってはいないが大賀はそう言って男をおだてた。
「ふひひっ!やっぱりはるちゃんは最高だよ!それじゃあそろそろお尻の方も堪能させてもらおうかな」
「はぁい♡僕のことぐちゃぐちゃに犯してくださいっ♡」
大賀はそのまま男とベッドに入り、男にアナルを向けて指で開いた。
「やっぱりはるちゃんのアナルはキツキツで気持ちよさそうだねぇ・・・あっ、そうそう。堀井のやつに言われてるんだった。今日もビデオ撮るからね」
男はそう言うとかばんからハンディカムを取り出した。
どうやらハメ撮りを送る事を条件に堀井は大賀のことを紹介していたようだ。
そしてビデオを回し始めた男は片手で大賀の尻をほぐしはじめる。
「あんっ♡お尻の中で指がぐりぐりして気持ちいいよぉ♡」
大賀はカメラを意識して更にわざとらしくみせた。
こうでもしておかないとこの映像を見るであろう堀井が面白がらないからだ。
そしてアナルがほぐれ始め、男は肉棒をメリメリと大賀のアナルへ挿入した
「ひぁぁぁぁぁ♡入ってきてるっ♡お兄さんの大きいおちんちんがずぶずぶって入ってきてるよぉ♡」
「ふひっ・・・!はるちゃんのケツマンすごいっっ・・・!それじゃあはるちゃん動くね?」
男はアナルに肉棒を入れるや否や腰を大賀の尻に打ち付ける。
「あっ♡あんっ♡お兄さんのおちんちんいいっ♡もっと僕の奥まで突いてっ♡もっとズボズボしてぇ♡」
大賀はアナルをズボズボと犯されながらわざとらしいくらいの嬌声を上げた。
最初はそんな余裕もなかったが最近は可愛い声を上げれば彼らは喜んでくれる。
そんな事に気づいてからはわざとらしく声を上げる様になっていった。
「ほら。見てみなよはるちゃん。君本当にここ数週間で可愛くなったね。喘ぎ声もエッチになってきてるし・・・本当にノンケだったの?もっと前からこういう事したかったんでしょ?」
「ひあっ♡♡そんなことっ♡ないですよぉ♡お兄さんたちが僕をこんなにしたんですっ♡責任とって僕のケツマンコにいっぱい出してっ♡だしてくださいぃ♡」
大賀は男が喜びそうな言葉を男にかける。
最初は建前だったそんな言葉もいつの間にか本当に建前かどうか彼自身もわからなくなっていた。
それに犯されている間は「大賀」としてではなく「はる」として自分のことを彼らは求めてくれる。
「はる」として振る舞うことで自分を苛んでいる罪悪感や重圧をその時だけは忘れられるような気がした。
最初は無理やり男に犯される事と両親を侮辱される事から逃げる為に名乗り始めた名前だったが今は日常の辛さから逃げるためにそう名乗っている様にも思えた。
「ほら見てみなよ。今のはるちゃんすっごくエッチだから」
「ふぇっ・・・?」
男に言われて鏡に目をやってみると男にバックで突かれて快楽で歪んだ自分の顔が映っている。
男に抱かれるなんて気持ち悪くて嫌だけど弟のために・・・
お金のために仕方なく・・・
今までそんな建前を自分に言い聞かせていた彼だったがその時大賀は自覚した。
(そっか・・・やっぱり俺・・・)
弟のため、金のためと理由をつけてはいるものの結局は自分自身この状況をいつの間にか楽しんでいて、自分に降り掛かった重圧や辛さを忘れるために自らも男の身体を求めていた事。
そしてただそれを自覚したくが無いために弟たちを言い訳に使っていた自分の下劣さを。
(ずっと嫌なことだと思ってたのに・・・ただ金を稼ぐためだけだと思ってたのにこんなおっさんに犯されて気持ちよくなってたんだ・・・弟たちのためなんて言っときながら結局嫌なことを忘れたかっただけなんじゃないか・・・最低だ・・・俺・・・)
今更悔いた所でどうしようもない。
それならもういいやと大賀の中でなにかが壊れ、身体は男の肉棒を更に深くに受け入れていた。
「もっとっ・・・♡もっとぐちゃぐちゃにしてっ♡僕のケツマンコもっとズボズボ犯してぇ♡」
大賀は自暴自棄になり自分を求めてくれる男を求めた。
「ふぉっ・・・はるちゃんそんな急に締められたらもうっ・・・!」
「出してっ♡僕の腸内にいっぱい出してぇ♡」
「でっ・・・でるっ・・・はるちゃんのケツマンの中に出しちゃうよっ・・・!」
男がそう言うや否や大河の腸内にどっぷりとコンドーム越しに生暖かいものが注ぎ込まれる。
「ひあぁぁぁぁぁぁぁ♡おにいさんのせーえき流し込まれてぼくもいっちゃいますぅぅぅぅ♡♡♡」
大賀も声を上げると虚しく虚空へと精液を放った。
それからしばらく男の気持ちの悪いピロートークに付き合わされた後力尽きるように眠りについた。
早朝小太りの男と別れ家に帰ると次男の代智(ダイチ)が玄関に立っていた。
彼の顔を見ると昨日の晩の事を思い出し、罪悪感で胸が張り裂けそうになる。
「お、おかえり兄さん」
罪悪感から何も言えずにいると、何も知らない代智は優しく家に迎え入れてくれた。
その優しさが大賀には逆に辛いものとして胸に突き刺さる。
「た、ただいま・・・代智?今日も学校だろ?こんな遅くまで起きてて大丈夫なのか?」
「遅くまで・・・ってもう朝の5時だよ兄さん!それに遅くまでなのはこっちのセリフだよ。最近急に食費が良くなったりしたけど帰る時間も遅いしなんかどんどんやつれてってるし本当に大丈夫なの・・・?」
「別に良いだろ!?仕事してお前らに食わせてやってるんだからさ」
代智は心配そうにしていたが今自分がやっていることへの後ろめたさや疲れから感じる騒々しさから目も合わせず冷たく突き放した。
「良くないよ!兄さんだけに任せっきりにするくらいなら俺も高校やめてバイト探すから一人で背負いこまないでね・・・・これでもし兄さんまで倒れでもしたら俺・・・」
代智は声を震わせている。
彼なりに自分のことを考えて心配してくれている事をわかってはいた大賀だったが、その厚意を素直に受け取ることができなかった。
これだけ金を稼いでも弟たちに生活のことを心配されるともっと金を稼がなくてはならないという強迫観念に駆られるからだ。
「だからせめて高校くらいは出ろって何回も言ってるだろ?俺だけ高校出てるなんて不公平だし兄ちゃんに任せろって。それに俺を待っててくれたのはわかるけどとりあえず学校までちょっとでも良いから寝ろよ?俺も仕事で疲れてるしそろそろ寝るから」
代智を突き放して自室に戻ろうとするが代智は肩を掴んで呼び止めてくる。
「に、兄さん!話はまだ・・・・・」
大賀は何も知らない代智に憤り、その手を強く振り払った
「ああもううるさいな!仕事終わりで疲れてるんだ!お前は何も知らないんだからほっといてくれ!ほら今週の食費と生活費!これで満足だろ?もう黙っててくれよ!」
大賀は昨晩体を売って稼いだ3万円を床に叩きつけて逃げるように自室へ駆け込みベッドへ倒れ込んだ。
「そうだよね疲れてるよね・・・・兄さんは俺たちのために頑張ってくれてるのにごめん・・・昨日の夕飯の残り冷蔵庫に入れてあるから起きたら温めて食べてね・・・お休み兄さん」
ドア越しにそんな代智の声が聞こえてくる。
(代智にキツく当たっちゃったな・・・後で謝らなきゃ)
部屋で一人になり寄りにも寄って弟にキツく当たってしまった罪悪感がどんどん肥大化していく。
(もし俺が身体売って金稼いでるなんて言ったらなんて顔するかな・・・)
打ち明けた時の代智の顔を想像すると怖くて顔を合わせられない。
「何をいまさらそんなこと・・・最初から家族に言えるようなことじゃないじゃん・・・」
そんな不安を紛らわすためか大賀はポツリと自嘲するように呟いた。
もう元の暮らしには戻れないしいつまでこの生活が続けられるかわからない。
でも自分が辛い事さえ我慢すればお金は稼ぐこともできる。
そう思って今まで男娼紛いなことを続けて来た大賀だったが代智の心配そうな顔を見て自らの行いを恥じ、罪悪感に駆られてしまう。
出来る事ならもうここから消えてしまいたいとまで思いつめた。
「もうあいつらの顔もまともに見れないな・・・バカだなぁ俺・・・」
そう呟いて横になりゆっくりと眠りについた。
そして昼頃目を覚ました大賀は今夜の誘いが有るかどうかのメールを確認し、一通り返信し終えた後昼食を取るためリビングへ向かう。
もちろん平日の真昼間のこの時間は弟たちも学校に行っていて誰もいない。
しかしここでは少し前まで母親が暇そうにワイドショーかドラマを見ていたが今のリビングにはテレビどころか照明すらついておらずそんな面影も無く薄暗くてとても静かだった。
そして冷蔵庫を開けると代智が言った通り夕飯の残りのカレーがあったので温めてからスプーンで掬って一口食べてみると口の中にしびれるような感覚が走った。
ティッシュを取り出し吐き出してみると具のじゃがいもから緑色の芽が小さく顔を覗かせている。
「うえ・・・これ芋の芽取ってないじゃん・・・」
代智の料理はお世辞にも美味しいとは言えなかったが家事を任せっきりにしてしまっているので文句を言うことはできなかった。
カレーを完食し、寂しさを紛らわすためにテレビをつけるとワイドショーが流れている。
芸能人が近頃起こっている時事問題に持論をぶつけ合う中身のない番組だ。
そんな番組では【どうなる?男性艦娘大量追加募集】
という議題で芸能人が性懲りもなく討論に満たない持論のぶつけ合いを展開している。
かれこれ4年程前、深海棲艦の本拠地を叩く事に成功したものの兵力の消耗や深海棲艦の残存兵力が多数残っていることから政府は男性を艦娘にする技術を公にし、一般に募集をかけていた。
当初は批判的な意見も多かったが4年も経つ間に興味のない人々は話題にあげることすらしなくなっていた。
それを今更になって大量に追加募集すると言うことでどうやらまた世論がこの議題を大きく取り上げているようだ。
その番組によれば艦娘になれば鎮守府近辺で住み込みをして働けてそこそこの給与だって出るらしい。
しかしそのために適合手術を受けて身体を女性的なものに作り変えなくてはならず、それに合わせて思考も女性的になるという。
それを中心に様々な議論が交わされている。
しかし芸能人が持論を展開してぶつけ合ったところで結局何も変わらないことは明白だ。
それをわかりきっていた大賀は冗談半分程度にその話題を聞き流していた。
しかしその話を聞いているうち大賀の脳裏に一つの可能性が過ぎった。
「男で艦娘か・・・俺も艦娘になれるのかな・・・」
もしテレビの言う通り艦娘になることができれば家を出て自分の分の負担も減らせるし、弟たちに仕送りだって送ってやれる。
そして何より現状弟たちに面と向かって言えない方法で金を稼いでいた大賀を今すぐここから逃避したいという感情が彼を揺り動かしていた。
「最低だな・・・俺・・・でもそれが俺のためにもあいつらのためにもなるんだったら!!」
思い立った彼はそれからリビングに置かれたパソコンを開き男性の艦娘について調べ始めた。
調べると身内が深海棲艦によって死亡している艦娘には給与だけでなく手当が出され、未成年の家族にも補助金を出してもらえるらしい。
その金額は決して少ない額ではなく、弟たちを養って行く支えにするは充分な額だった。
もし自分が艦娘になれたなら弟たちに今よりは楽な暮らしをさせてやれる。
そう考えると自分が例えどんな姿になろうとも弟たちのことを忘れてしまっても二度と会えなくなったとしても弟たちさえ無事に生活できるなら何だってしなければいけないんだという強迫観念にも似た考えから彼は艦娘になる決心をし、それを弟たちに悟らせないよう検索履歴を消去した。
それからしばらく経ったある日、
艦娘になるための適性があるかどうかの検査を受けるため近場の大きな病院を訪れるその日は血液検査と軽い問診を受ける事になり、
その時検査官から家族とはしっかり話しておくようにと念を押された。
それから数日間はもし適正がなかったらどうしようか?それに適正があったとしても本当に自分が艦娘になれるのだろうかという不安苛まれながらも誰にもそれを打ち明けることもなくいつも通り彼は男に抱かれて数万円の日給を稼ぎ続ける。
弟たちへの罪滅ぼしのために、そしてなるべく弟たちと顔を合わせないために。
そんな日課になった行為が終わるといつもの様に早朝家に戻ると誰にも会わないようにこっそり自室に戻り死んだように眠りについた。
検査から数日がた経ったある日、いつものように朝に自室へ戻り眠りについていた大賀はインターホンの音で目を覚ました。
時計を見ると昼の13時過ぎだ。
重い身体を起こし恐る恐る出てみると運送会社から書留で自分宛ての分厚い封筒を手渡される。
送りは検査に行った病院だ。
彼はそそくさと部屋に戻り書留の封を開けると艦娘適合手術に関する注意事項や同意書に艦娘の手引きばるパンフレットや資料が入っており検査の結果の書かれた紙がはらりと落ちた。
そこには艦娘としての適合が有ることを知らせる文章と艦娘になることに同意するならば同封の同意書にサインをして○月☓日までに返送するようにと書かれている。
同意書にはびっしりと物物しい文章が並んでいたが今の大賀にはそんなことはどうでも良かった。
艦娘への適性がある。
その事実が大賀に大きく降りかかる。
大賀は大急ぎで記入事項を書いて入っていた返送用の封筒に書類を封入し、大急ぎで近所のポストへ投函した。
それからまた数日後、前回と同じ様に書留が送られてきた。
その中には同意書の内容を確認したことと手術を行う日程と場所の書かれた紙とそこまで行くための夜行バスのチケットが入っている。
記されていた日程は今から丁度3週間後だった。
大賀は予想よりも早かった事に驚いたがそれと同時に3週間で今の暮らしから開放されると思うと少し安心した。
その書類には手術日までに必要な荷物をダンボール2つ分程度にまとめて下記住所宛て送るようにと書かれている。
大賀は持っていく物を考えたが思い浮かばず着替えを何着かダンボールに詰めてその住所宛に送った。
それから結局弟たちに艦娘になる事を打ち明けられずにあっという間に手術日の前日になってしまった。
その日は入っていた誘いのメールもすべて無視して一日部屋でぼーっとして過ごしていた。
「今日でこの部屋ともお別れか・・・」
そんな事を考えると後ろ髪を引かれるような思いにもなったが決まってしまったものはしょうがないと静かに時間が過ぎるのを待った。
しかしただ待つだけでは落ち着かない大賀は机の中に入っていたメモ帳に誰かに見せるわけでもなくもし自分がここに帰ってくることがあれば読もうと書き置きを残した。
「俺・・・なんでもう帰ってくるつもりなんかないのにこんなの書いてんだろ・・・」
それを折り、ベッドに登ってセロハンテープで天井に貼り付けた。
「今夜ここを出ていくってのに何やってんだ俺・・・昔よくこうやってテスト隠して母さんに叱られたっけ」
この方法は大河が幼い頃テストで悪い点を取った時によく使っていた隠し場所だった。
母親にこの場所はバレてしまっていたがそれを知っている母親ももうここには居ない。
ここなら誰にも読まれることもないだろうと踏んでその場所に貼り付けたのだ。
そんな思い出を発端にしてこの家での思い出がふつふつと蘇っていき大賀の頬を涙がつたう。
「あれ・・・なんでだろ・・・なんで俺泣いてんだ・・・?」
その時初めて大賀はここから離れたくない。
本当は弟たちと一緒にいたいと言う気持ちに気づいてしまった。
しかしもうそれも手遅れだ。
明日には家を出て二度と家族とも会えないかもしれない状況に立っているのだから。
「もっと代智達に優しくしてやればよかったなぁ・・・」
初めは弟たちの為にとがむしゃらに頑張っていたはずなのにそんなことすら見失っていた自分がとても愚かに思えた。
そんなときふと両親が生きていた頃は月に一回家族全員で近所のファミリーレストランへ行っていた事を思い出す。
「・・・今となってはそれくらいしかできないけど」
時計を見ると午後5時過ぎ、大賀は重い腰を上げて部屋を出た。
部屋を出てリビングへ向かうといつもは部活で暗くなるまで帰ってこないはずの三男の剴矢(ガイヤ)がテレビを見ていた。
「よ、よお剴矢・・・今日は部活ないのか?」
恐る恐る声を掛けると
「あっ、大賀兄ちゃん!なんか同じ家に居るのに久々会った気がするな!兄ちゃんいつも俺が帰ってくる頃にはバイトで居ないからさ」
剴矢の屈託のない笑顔に大賀の心はズキズキと痛んだ。
「そ、そうだな・・・ごめん」
「なんで謝るんだよ?兄ちゃんはオレたちのために頑張ってくれてんだろ?」
「一応そうだけど・・・」
「ところで大賀兄ちゃん今日バイトは?」
「今日は休みなんだ」
「珍しいな!そうそう。今日は俺の代わりに代智兄ちゃんが優宇を学童保育に迎えに行ってくれてるんだけどそろそろ帰ってくるだろうし久々に家族みんな揃って晩飯食えるな!」
剴矢の口から出たそんな言葉に大賀は後悔した。
弟たちの暮らしを守る為にそんな当たり前の幸せすら手放してしまっていた自分がとても情けなく思えてしまう。
大賀は今にも泣き崩れてしまいそうになったが弟に泣き顔を見せるわけにもいかないと大賀はぐっとこらえた。
「そうだな・・・・そうだ。今日は久々にみんなでファミレス行かないか?」
「えっ、良いのかよ?ただでさえ金ないんだろ?」
「ひどいな・・・お前らにたまにはうまい飯食わしてやれるくらいは稼いでるっての!」
「そっか・・・じゃあこうしちゃいられねぇ!代智兄ちゃんと優宇を迎えに行こうぜ!」
「お、おい剴矢・・・!」
剴矢に連れられ大賀は外へ連れ出された。
それからしばらく二人で歩いていると代智に手を引かれた四男の優宇(ユウ)がこちらに向かって歩いてくるのが見え、剴矢は二人に向かって手を振った。
「おーい代智兄ちゃーん!」
それに気づいた代智がこちらに向かってくる
「剴矢?それに兄さんまで二人でどうしたの?バイトは?」
「今日は久々に休みになったんだ」
「なあなあ今日は大賀兄ちゃんバイト休みで久々にファミレス連れてってくれるってさ!」
「え、本当に良いの?」
代智も剴矢と同じく心配そうな顔をする
「お前らはそんなに俺の稼ぎの事信頼してないのかよ・・・」
大賀はため息を漏らす。
「いやそうじゃなくてさ・・・これ以上大賀兄さんの負担を増やす訳にもいかないし」
「今日は特別だから大丈夫だって心配すんな。それにお前は心配し過ぎなんだよ。たまに美味いもの食ったってバチは当たんないだろ?」
「で、でも・・・それじゃあ剴矢と優宇だけ連れてってやってくれないかな?俺は家で食べてるからさ・・・その分食費浮くでしょ?」
「遠慮すんなって!今日は特別だからさ」
「それなら俺の分も剴矢と優宇に食べさせてやってよ。俺は本当に大丈夫だから」
控えめで家族思いの代智はそう言って聞かなかった。
家族揃って夕飯を食べるのもこれが最後かもしれないのにこのままではそれすらできないままここを離れなくてはならなくなる。
大賀は意を決して明日から家を離れることを打ち明けることにした。
「あの・・・ごめん。兄ちゃんさ、遠くの工事現場の仕事しに行かなくならなきゃいけなくなっちゃってさ・・・今晩から家出てかないといけなくなっちゃったんだ」
流石に艦娘になるなんて言うわけにもいかず、大河はそんな嘘をつく。
急にそんな事を聞かされた弟たちの顔色が一気に変わった。
「えっ・・・!?そんな急な・・・」
「どういうことだよ兄ちゃん!?」
「おにーちゃん・・・居なくなっちゃうの?」
弟たちは口々に訪ねてくる
「兄さん!いくらなんでも急すぎるよ・・・少しぐらい相談してくれても良かったのに・・・」
「本当に急に決まっちゃってさもう荷物とかも送っちゃっててさ・・・ごめん」
「せめて何処の工事現場に行くのかだけでも・・・それにいつくらいに帰ってこれるの?」
「えーっと・・・それも社外秘で言えないことになってて・・・でもこれも代智・・・それにお前ら家族のためなんだ・・・今まで言えなくてゴメンな」
「そうなんだ・・・ごめん」
代智は申し訳なさそうに言った。
しかしそんな代智とは裏腹に優宇がぐずり始めてしまう。
「えーやだやだ!パパとママだけじゃなくてたいがおにーちゃんまで居なくなっちゃうなんてやだよぉ!」
「優宇・・・大賀兄ちゃんだって辛いはずなんだからそんなワガママ言っちゃダメだろ!?」
「やだ!僕もたいがおにーちゃんについてく!」
優宇は大賀にぎゅっと抱きついた。
「ゆ、優宇・・・ごめん・・・すっごく遠い場所なんだ・・・それに優宇がここを離れたらどうなる?小学校の友達とも会えなくなるんだぞ?」
「それでも良いもん!おにーちゃんについていきたい!!」
「優宇!兄さん困ってるだろ!?」
「やだやだ!!たいがおにーちゃんと離ればなれになるなんてやだ!!」
代智がどれだけ言っても優宇は聞かず、代智も剴矢もそんな優宇をどうすればいいかわからず困り果てていた。
しかし優宇をこのままにしておくわけにもいかず
「ゆ、優宇が家に居ないと母さん達が帰ってきた時心配するだろ?」
とっさに大賀の口からはそんな嘘が出てしまった。
両親が死んだ時、優宇にはショックが強すぎるからとその事を当分の間は隠しておこうと代智、剴矢と約束していた。
それ以来本当の事を言えるタイミングを逃してしまい両親はずっと旅行に行き続けている事になっているのだ。
「ママとパパが・・・帰ってくる?」
「ああ・・・きっと優宇が良い子にしてたら近いうちに帰ってきてくれるって」
「兄さん・・・!」
代智は止めに入ろうとするが
「だからお前はいい子にして家で父さんと母さんを待っててくれ。できるよな?」
そんな代智の静止を振り切って優宇の頭を撫でてやるとぐずっていた優宇は落ち着きを取り戻した。
「うんわかった!たいがおにーちゃんがそう言うならぼくいい子にして待ってる!」
「よしよし。優宇はいい子だな」
大賀はまだ純真な優宇に大きな嘘を重ねている事に張り裂けそうになりながらもう一度優宇の頭を撫でた。
「でさ、お前らと晩飯当分食えないからたまにはファミレスで飯食うくらいはしようかなって思ってたんだけど優宇も泣き止んだことだし代智も一緒に行かないか?今度はいつお前らと一緒に飯食えるかもまだわからないからさ」
「う、うん・・・そういうことならわかったよ。たまにはみんなでご飯くらい食べたって良いよね・・・?たった4人だけの家族なんだし・・・それじゃあご馳走になろうかな」
「よーっし!そうと決まったら早く行こうぜ!俺もう腹減っちゃってさぁ」
「剴矢・・・お前はほんとに空気読まないな・・・」
呑気にそう言った剴矢を見て代智は呆れたのか頭を抱えた。
「読まないんじゃなくてこんな重っ苦しい空気のまま飯食ったってうまくねーだろ?だから読んでねーんだよ!そんな事言ってねぇでさっさと行こうぜ」
「はぁ・・・お前もそろそろちょっとは落ち着いたらどうなんだよ・・・」
「代智兄ちゃんがクソ真面目過ぎるだけだっての!」
「なんだと〜!?」
「うわ〜代智兄ちゃんが怒った〜」
「おいこら待て!!」
鎧矢が代智をからかっておいかけられている。
そんな代智と剴矢のやりとりは少し前まで家族の間では日常的な風景だったハズなのに何故か大賀は懐かしさを覚え、自然と笑みが溢れていた。
「たいがおにーちゃん?どうして笑ってるの?」
「ああいや優宇達と居るのが嬉しくなっちゃってさ・・・」
「居るだけなのに・・・?へんなおにーちゃん」
「優宇にもそのうち分かる日が来るかもしれないぞ?おーいお前らいつまでもじゃれてないで飯行くぞ飯!」
大賀はじゃれ合う弟二人を呼び、ファミリーレストランへと向かった。
そしてそこで久しぶりの家族揃った夕食を取り、最後にはデザートに大盛りのパフェを4人で分けて食べた。
「ふぅ〜食った食った!久々に腹いっぱい飯食えたぜありがとな大賀兄ちゃん!」
ファミリーレストランを後にして幸せそうな剴矢の顔を見た大賀は久しぶりに弟たちに良いことをしたと満足した。
しかし代智の表情だけは何処か暗いままだ。
「兄さん・・・・本当に大丈夫なの?会計結構かさんじゃったけど」
「だから大丈夫だって。当分会えなくなるんだからこれくらいさせてくれって言ったろ?」
「そうだけどさ・・・」
「たいがおにーちゃん!ありがと・・・!新しいお仕事先でもがんばってね!ぼくもいい子にしてるから」
「ああ。優宇のために俺も頑張らなきゃな」
代智達とそんな話をしながら家に帰った大賀は準備をするため部屋に戻った。
すると今日は一日夜の誘いをしてくる男たちを無視するためそのまま部屋に置いていった携帯電話が音を立てている
携帯電話を開くと着信履歴やメールの履歴に大量にあの小太りの男や堀井からの連絡が入っていた。
「こんな携帯持っていく必要ないよな・・・あったらすぐにでも代智に電話しちゃいそうだし・・・」
大賀は携帯電話の電源を切り、そのまま机に置いた。
一通り準備を済ませて最低限のお金とバスのチケットだけ入れたカバンを持って家を出ようと玄関に差し掛かった時
「兄さん、こういう時ってせめてなんか挨拶くらいはして出ていくもんじゃない?」
後ろから代智に呼び止められた。
誰にも見送られずに出ていったほうがきっと自分も弟達も楽だろうとこっそり出ていくつもりだった大賀は後ろ髪を引かれる思いで代智の方に振り返る。
「だ、代智!?ごめん・・・なんだか出ていく前にお前らと話しちゃったら俺、行けなくなるような気がしてさ」
「なんだよそれ・・・剴矢も優宇も寝ちゃったし俺くらいはせめて見送りくらいしてあげようと思ったのに」
「ごめん・・・」
「いくら仕事って言ってもすぐ帰ってこれるんでしょ?」
「い、いやわからないんだ」
「わからない?そんな事も有るんだね・・・でもたまには帰ってきてね?」
「ああ。約束する。代智、色々苦労かけて悪いけど家の事任せるぞ?お金には困らないように俺も頑張るからさ・・・」
大賀はまた一つ弟に嘘を重ねた。
もうきっとここには帰って来ることはないと思っていたがそんな事を言って無駄に弟を心配させたくなかったからだ。
「兄さんだけに押し付けるわけにも行かないからね!それくらいはやってみせるから安心して行ってきて!」
「そう言ってもらえると心強いよ・・・それじゃあ行ってきます。元気でな」
「なにそれ?もう二度と帰ってこないみたいじゃないか・・・・本当に帰ってこれるんだよね?俺待ってるから!それに剴矢と優宇だって!」
「ああ。わかってるよ・・・そろそろ時間だし行くわ・・・じゃあな」
大賀は涙をこらえてそう言い残し家を後にすると駅前のバスターミナルからチケットに記された行き先への夜行バスへと乗りこんだ。
(もうこの街に帰ってくることもないんだろうな・・・代智、剴矢、優宇・・・俺がいなくてもしっかり暮らせよ)
指定された席につくとそんな思いでバスの車窓から見慣れた街頭に照らされる街の景色を眺めながら弟たちと慣れ親しんだ街に別れを告げたのだった。
2章へ続く・・・