※この作品はR-18です。

新妹魔王の淫らな転落   作:戸隠ヒガラ

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とある余興の手伝いをすることになったゼスト。
しかし、クラレンスにとって因縁の相手が、突如彼女に牙を剥く。
これは、ゼストの転落の物語。


Ⅶ ヴァンパイアの終末

 ~3月26日~

 

 

「私が夢の中で……ちゅるっ……相手にしてきた男達を、実際に呼ぶと? んちゅ……♥」

 

「あぁ、ちょっとした余興をクローディアが考えているんだ」

 

 ゼストはウィルダート城であてがわれている自室のベッドの上で、クラレンスと向かい合うように抱き合っていた。お互いは性器で繋がっていて、会話の最中に息継ぎをするように口づけを交わしていた。

 

 ゼストの心は、もう完全にクラレンスに堕ちている証拠だった。

 彼女は毎晩、ウィルダート城の兵士達と夢の中で性行為を繰り返していた。それにより、来たるべき日に備え兵力を集めている。

 

「あれから随分顧客が増えたよな。何人だっけか?」

 

「確か……34人……」

 

 顧客と性行為をしているとは言え、それらは全て夢の中での話だ。ゼスト自身はクラレンス以外と行為をした経験は数えるほどしかない。クラレンスが現実でする事を許さないのだ。

 

「彼らを実際に呼んで、一体何をすると言うんだ?」

 

「客として呼ぶんだ。名称としては『闘技大会』だな。集めた女奴隷たちと、腕力に自信のある男達を戦わせるんだ。奴隷達は勝負に勝ったら自由の身になる。しかし、負ければ男達に犯される。そんな余興だ」

 

「奴隷……まさか、私もその闘技大会に出るのか? んちゅぅ……お前が望むなら喜んで、受け入れるが…………」

 

「馬鹿野郎。俺が自分の女にそんなことをさせるわけねえだろう。闘技大会は、あくまで男を悦ばせるためのもの。女達の命など二の次の余興だ。ゼスト、お前には全てが終わった後に俺の子供を産んでもらう約束だろう」

 

 ゼストを貶めたクラレンスではあったが、寝取った女を大切にするのもクラレンスという男であった。

 

「お前には、大会主催の補助をしてもらう予定だ。お前は、俺の側にいればいい」

 

「…………分かった♥ お前がそう言うのなら、全て従おう」

 

 ゼストは、もう何度目か分からないキスをクラレンスと交わした。

 

 

 ~3月28日~

 

 

「随分と人が集まっているのだな」

 

 そこは、ムーバーの町の地下施設だった。

 広く深く作られた空間で、中央に向けて傾斜が作られている。椅子が沢山備え付けられており、その中央にはまるでプロレスのリングのようなものが設置されていた。椅子はほぼ満席で、全員が男性だった。その中には、ゼストが呼んだ男達も混じっている。

 

「クラレンス、私は何をすれば良い?」

 

「闘技大会の司会はクローディアがするから、俺等は今更怖じ気づいて逃げ出す男達がいないか見張ればいい」

 

「いたら……どうすればいい?」

 

「殺せば良い。変にここの情報を外に漏らせば、俺達の計画が現魔王に漏れかねない」

 

「了解した」

 

 奴隷の身に堕とされ、挙げ句の果てに暴行されレイプされる少女達を思うと不憫に思えたが、今のゼストにとってはクラレンスが一番だった。彼に見放されるのが一番の恐怖だった。

 

 そんな彼に、ゼストは分からないことがあった。クラレンスはかつて、肉体が実体化出来ないほど弱っていた。それを結果的に助けたのはゼストなのだが、その理由をゼストは訊けないでいた。

 

 ――一体、以前何があったというのだろう。

 

 ゼストは、彼の方からその話をするまでは自分から訊かないつもりだった。それが彼女にとっての彼に対する忠誠の証であり、親愛の印だった。

 

 だから、ここでクラレンスが切り出す話が、あまりにも意外だった。

 

「ゼスト」

 

 すぐ横で大会の開催を待つクラレンスが話し始めた。

 

「どうして俺が、肉体を失っていたと思う?」

 

「っ…………それは…………分からない」

 

 そう答えるしかなかった。

 

「ある男――ヴァンパイアにやられたんだ」

 

「ヴァンパイア…………?」

 

 聞いたことがあった。ヴァンパイアはかなり希少な種族で、絶滅の危機に瀕していると聞く。

 

「あいつは性根が腐った野郎だった。俺はあいつと戦って、それで無様にも負けた」

 

「一体……どういう理由で戦ったんだ?」

 

「理由、か。理由なんて俺にはなかった。あいつが勝手に仕掛けてきたんだ」

 

「向こうから一方的に? 何だそれは……」

 

 意味が分からなかった。向こうから勝手に勝負を仕掛け、クラレンスの肉体を奪ったということなのか。

 

「あいつは…………認められたかったらしい」

 

「…………誰に?」

 

「それは…………」

 

 

 

 

 

 

「おやおや、まさかワタクシの話をしているのですか?」

 

 

「⁉」

 

 二人のすぐ後ろに、金髪の青年が立っていた。どこか妖艶な雰囲気を携え、口の端からは八重歯が見えていた。

 

「っ…………ヒューバート、なんで貴様がここに――――!」

 

 クラレンスが明らかに戦闘態勢に入った。殺気が辺りに満ちる。

 

「なるほど、つまりは、この少女達を乱れさせれば乱れさせるほど良いと言うことですか。偽物の勇者に訊いた甲斐はありましたね」

 

 ――誰だこいつ……クラレンスは、どうしてここまで動揺している?

 

 ヒューバートと呼ばれた男は、ゼストの瞳を見つめてきた。その色は赤くきらめいていた。

 

「赤い…………瞳……――――――」

 

 

 そこで、ゼストの意識は途切れた。

 

 

 ***

 

 

 『皆々様、よくぞこんな場所までお越しいただきました。本闘技大会の主催者クローディア様に変わって、このヴィルガがお礼申し上げます。

 あらかじめの説明通りではありますが、再びこの闘技大会の内容説明をさせていただきます。本大会は、私たちで集めた妙齢な少女たちが、改造により強靱な肉体を得た男達に、魔法抜きで、己の体技のみで勝負を挑んでもらいます。少女達はもれなく奴隷に身を落とした者達でありますが、この勝負に勝てば晴れて自由が与えられます。ちなみに負けた場合、相手の男から何をされるかは全く分かりません。か弱い少女達のことです、ひょっとしたら命の保証もありません。もちろん、『貞操』の保証も、です』

 

 拡声魔法により大音量で離される男の声に、ゼストは聞き覚えがなかった。

 

 ――あれ……司会進行はクローディアだったはず……。

 

『そして確認ですが、ここにいる皆様は、次なる魔界の王に忠誠を誓うことを条件としてお越しいただいています。現魔王レオハルトをあの玉座から引きずり下ろし、いつか取って代わる私たちの王に全てを捧げる覚悟のない者は、ただちにここからお立ち去りください』

 

 ――クラレンスから聞いたとおりだな。あれ……私、何してたんだっけ……?

 

 ゼストの頭はなぜかぼうっとしていた。上手く思考が回らない。

 

『初戦のカードは、うら若き褐色魔族少女、ゼスト!』

 

「っ……?」

 

 呼ばれた名前はゼストだった。

 

 ――どうして私が呼ばれた? 確か、私は参加しないはず……。

 

 状況について行けないゼスト。しかし、なぜかゼストの足取りは迷いがなかった。

 

 気づけばゼストは、リングに自分から上がっていた。300人もの男達の視線が、一気にゼストに向けられる。口々に歓声が上がり、はやし立てる口笛が鳴り響く。

 

 ――何で……私は、ここに?

 

 そこで初めて、ゼストは自分が戦闘服になっていることに気づいた。しかし、その格好は所々異様だった。左右に切れ目の入った胸元は乳首が見えるまでさらに大きくさらけ出され、下腹部の布地の切り込みは陰部を通り過ぎ尻の方まで入っていた。つまり、乳首やクリトリス、最近増えたへそのピアスも丸見えであり、下腹部の淫紋もあらわになってしまっている。彼女は現在妊娠四ヶ月であり、それ相応の腹部の膨らみもあった。

 

 

 ジュクッ…………ジン…………

 

 

「はぁっ…………♥」

 

 ゼストは痴態を見られるだけで感じてしまうように調教されている。だから、そんな恥ずかしい格好で衆人観衆の前に立っただけで下腹部に熱を感じてしまっていた。

 

 ――……私、どうしてこんな格好をしているの……?

 

 意識が自分の格好に移っている間に、ゼストの前には一人の巨漢が立っていた。彼は二メートルほどの長身で、いかにも腕っ節が強そうだった。上半身裸で、筋肉がたくましい。

 

「お前が相手か。なかなかの美人だな。覚悟しとけよ」

 

 相手の名前が拡声魔法を通して呼ばれたはずだが、ゼストには聞き取れなかった。

 

 ――あれ……この男と戦わなければいけないんだっけ?

 

 なぜだかそんな気がしてならなかった。しかも、魔法を使わず、単純な体術のみで戦わなければいけないように思った。

 

 ――どうしてだっけ?

 

 ゼストはそもそも、どうして自分がここに立っているのかすら説明が出来ない。それなのに、戦わなければいけない使命感に溢れていた。

 カーン、と試合開始のゴングが鳴り響いた。

 

 

 ドゴォ――――

 

 

「かっ――――――」

 

 その直後だった。男の膝が、ゼストの腹部にたたき込まれた。

 内臓が強く圧迫され、ゼストは思わず嘔吐した。リングの床に、ゼストの吐瀉物がぶちまけられる。

 

「ごほっ…………はっ…………かっ……」

 

 ――戦わないと……でも、どうして……。

 

 ゼストの脚は一歩も動かなかった。まるで、床に縫い付けられたかのようだった。

 

「おらよ!」

 

 今度は、男の拳がゼストの胸に突き込まれた。

 

 

 ゴキンッ――――――

 

 

「はぁぁぁっ!」

 

 骨の折れる嫌な音がした。猛烈な痛みが熱とともにゼストを襲った。

 ふらつくゼスト。そこに畳みかけるように、男は正拳突きを見舞った。

 

 

 ボグゥ――――

 

 

「あっ――――――おぇ…………」

 

 拳がゼストの鳩尾に入った。それにより、今度は彼女は血を吐いた。到頭ゼストは、その場に膝を突いた。

 

「何だ何だ、もう終わりか!」

 

 男はまだまだ戦う気があったようだが、もう勝負はあった。

 

「降参だ……」

 

 ゼスト自身が負けを認めたのだ。

 

 ――どうして、こんなことをしているのか分からない……だけど、このままでは……お腹の子供が死んでしまう……。

 

 実際、腹部への攻撃もあった。ゼストはその衝撃で子供に影響がないか気が気でなかった。

 

「…………そうか、なら、ルールに従ってもらう」

 

 男はふらつくゼストを押し倒した。

 

「うぐ…………な、何を…………」

 

 ゼストを仰向けに倒し、下半身を持ち上げた。その格好は、彼女の陰部があらわになるようなもので、まるでひっくり返された蛙のようだった。

 

「負けた女は、男から何をされても文句を言えねえ。それがここのルールだ」

 

 観客達の歓声が一層強まった。待ってましたと言わんばかりに、拍手が鳴り響く。

 男はゼストの淫裂に顔を埋め、舌で愛撫し始めた。

 

 

 ジュルジュルッ……じゅぞぞぉう……じゅるり

 

 

「んあぁぁあぁ!」

 

 男の太い舌が、彼女の淫裂をかき回す。次々と肉壺の奥から蜜液が溢れだし、それを一滴残らず吸い出していく。

 

 ――クラレンスと違う愛撫…………やめてくれ……私の躰は、あいつだけの……

 

「極上の甘さだ。それじゃ、まずこれだ」

 

 男は陰部から口を離すと、その肉壺に人さし指と中指を差し込んだ。

 

「んひぃ…………」

 

 指を折り曲げ、小刻みに振動させ始めた。指先は的確にゼストのGスポットを狙い澄まし、響くような震えが敏感な女性器全体に伝わった。

 

「あぁ、ぁ、ああ、んあ、ぁあ、あっ、あぁあっ、あ、あぁあ――――――」

 

 絶え間ない甘い刺激に、ゼストは声が我慢できなくなっていた。ゼストの甘い声が、会場中に響いた。

 

「んあぁぁ、あぁ♥ やめ、あぁ、ああっ、あっ、ああぁ……あぁ」

 

 

 プシュゥ、ぷしゃぁ、ピュッ、プシュッ――――

 

 

 狂ったようにゼストは潮を何度も何度も噴いた。それほど男の愛撫は上手く、ゼストを簡単に快感の果てへと打ち飛ばした。

 

「んああぁぁ、ああぁぁぁああぁ♥ はあぁぁぁぁ」

 

 

 プシュゥゥゥ――――――ジョロジョロジョロジョロ……

 

 

 腰を激しく震わせながら、ゼストは300人の男達の前で失禁した。

 頭が快楽でチカチカし、思考が麻痺してしまっていた。

 

「はっ…………あぁ……あん……」

 

「さて、いよいよ本番だ」

 

 男はゼストを、彼女の前半身が観客によく見せように抱え上げた。太ももに手をかけて抱えられているため、股が大きく開かれ、陰部が一切隠せていない彼女の服装が大勢の前にさらされた。

 

「っ……こんな体勢……………」

 

 耳元で男がゼストに言った。

 

「このままお前の恥ずかしい姿を見てもらうんだ」

 

「ま、待ってくれ……私、妊娠しているんだ。あまり激しいのは……」

 

「知るかよ、これはここの男達を悦ばせてこそなんだ。とことん犯してやる」

 

「っ…………い、いや…………」

 

 

 ズブゥッ…………

 

 

「はぐぅっ………………うぅ…………」

 

 ただでさえ子宮は膨らみ膣内が狭まっている中、男の肉棒が容赦なく突き込まれた。クラレンスのようにゼストの躰を気遣うことのない、強引に快楽を引き出すようなものだった。

 

「あぐ、っうぅ、はっ……や、やめ……んああぁ!」

 

 拘束のピストン運動が、ゼストの膣内、そしてその奥の子宮口を責め立てた。

 

 ――赤ちゃんに響いてしまう……だめだ……。

 

  言い知れぬ恐怖がゼストの脳内を駆け巡る。しかし、その恐怖をかき消すかのように、無理矢理快感がたたき込まれていく。

 

 ――だめだ……思考が、うまく……回らない…………!

 

 

 ずちっ、ズブッ、ジュブッ、ジュチッ――――

 

 

 膣内の肉棒が大きく膨らむのが分かった。紛れもなく射精を告げる合図だった。その場の雰囲気で観客もフィニッシュを感じ取ったのか、歓声は最高潮だった。

 

「よし、出すぞ! 全部受け止めろぉ!」

 

「ダメだぁ、中は……赤ちゃんが…………あぁぁあぁぁぁぁ!」

 

 肉棒が子宮口へとぴたりと密着した瞬間、己を誇示する精の奔流をぶちまけられた。

 

 

 ブジュルルルッ、ビュルルッ、ビューッ、ビューッ、ぶびゅるるるぅぅ

 

 

「んあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁああぁ!!!」

 

 肉棒の脈動とともに、ゼストの躰も大きく震えた。ぶるんぶるんと彼女の胸が振り乱され、濃厚な色気に満ちた嬌声が会場に響いた。それに呼応するように、観客達も一斉に沸き立つ。

 

「はっ…………ふぅ、よしっと」

 

 男はゼストをリングに漸く降ろした。一つの行為が終わったというのに、彼の肉棒は全く衰えていない。

 

「はひぃ…………んあ…………はっ♥ ん、あぁ…………」

 

「余韻に浸っている場合じゃないぜ」

 

「え…………?」

 

 その時、リングにもう一人の巨漢があがってきた。彼は一様に、すでに自分の肉棒を取り出していた。

 

「ま……待ってくれ、ル、ルールは…………」

 

「馬鹿野郎が。この闘技大会は、観客を悦ばせる事が目的なんだよ。そういう余興に、『ハプニング』はつきものだろうが!」

 

 ぬぷぅ……

 

 ゼストの淫裂から肉棒が抜かれたと思った瞬間、肩をぐいっと強く引かれた。

 

「な――――――んむうぅぅ⁉」

 

 さっきまでゼストを貫いていた肉棒が、今度は彼女の口へと突き込まれた。やけどしそうなほど熱量のある欲根が口一杯に満たされた。

 

 ずぶぶぶぅ…………

 

「はむぅぅ…………んんんん!}

 

 男性器を立ったまま口に含むゼストは、当然お尻を突き出したようにかがむ体勢になっている。その無防備な下半身――その女性器に、もう一人の男の肉棒が突き入れられたのだ。二本の肉棒で、ゼストは上下の穴から一本に貫かれたように犯され始めた。

 

 ゼストの耳に、観衆の声は聞こえた。

 

 ――皆……私が陵辱されるのを見て悦んでいる…………。

 

 そう考えた途端、ゼストは一瞬自分が陵辱されていることを忘れかけた。自分の痴態を今までにない人数に、一度に目撃されている。その事実が、何よりも彼女を燃え上がらせたのだ。

 

 ――ち、違う…………そんな、場合じゃない……。

 

 男二人は、それぞれ思うように抽送を始めた。二人の律動のタイミングは異なるが、たまに同時にゼストの一番奥へと肉棒を突き込む瞬間があった。つまり、喉奥と膣奥へと突きが同時に来ると言うこと。息苦しさと快感が同時に押し寄せてくると言うことだ。

 

「おぅ、あおぉ、んんっ、じゅぶぶっ、あぅぅ――――」

 

 あまりに強い喉奥への刺激は意識を遠のかせるが、膣奥への強い刺激は彼女を絶頂へと打ち上げた。二人とも見上げるような巨漢だからこそ起こる感覚だった。その感覚が、ゼストを今までにない快楽の天井へと引き上げていく。

 

 ――苦しい……のに……イキ過ぎ…………て…………。

 

「もう一度出すぞ! 全部飲み込め!」「俺も限界だ!」

 

 もう一度、観客の声がわぁっと上がった。

 

 ――あ…………来る……

 

 観客の沸き立つタイミング、男二人が果てるタイミング、そして、ゼストが絶頂するタイミングが見事に同調した。

 

 びゅるるるぅぅ…………どくどくぅっ、ビュルッ――――

 

 膣内と胃へ直接二つの精の激流が流れ込んできた。その感覚に引っ張られるように、ゼストの快感もさらに増した。散々揉まれて大きく育った彼女の胸が、絶頂で震える躰に揺られ、大きく震えた。

 

「あぁぁ…………おうぅ…………はっ…………んく、ごく…………」

 

 べちゃっ…………

 

 口や膣内に入りきらない精液がリングの床に滴り、その上にゼストも倒れ込んだ。

 観客の歓声だけが、やけに耳鳴りのように響いた。

 

 ――やっと、終わった……。

 

 二人による陵辱が漸く終わりを迎えた――――そう一息吐いたときだった。

 

 

 

 

 男達の目の色が変わった。

 

 

 

「そうだ……はぁっ…………良いこと思いついたぜ」「奇遇だな、俺もだ」

 

「?」

 

 さっきまでと明らかに違う。さっきまで余興だのハプニングだの、欲望に溺れながらも冷静な考え方をしていた彼らだが、突然に正気を失ったように呼吸が乱れ始めた。まるで、誰かに操られているかのようでもあった。

 

「腹ん中の赤ん坊引きずり出せば……俺の子を孕ませられるんじゃねえか?」「妙案だぜ……へへへ」

 

 その案は、あまりにも非道なものだった。客観的に見ても、余興の度合いを軽く超していた。

 

「っ…………なにを……そ、そんなことっ…………んくっ……」

 

 逃げだそうにも、ゼストは足腰が全く立たなかった。無防備に仰向けに寝そべるゼストの腹部に、男の手が伸びる。

 

「や、やめてくれ……そんなことしたら、2度と赤ん坊が産めなくなるかも知れない……いやだ、私は……クラレンスの――――」

 

「俺の子供を孕めば良いんだよ」「いやいや、俺が先だ」「じゃぁ、どっちが先に孕ませるか勝負だ」

 

 勝手に二人だけで話が進んでいく。二人の豹変に、観客も異変を感じ取ったようだった。わずかな同様の声が歓声に混じった。

 

「そんな…………冗談はやめろ……」

 

「冗談なもんか」

 

 そう言い男は、ゼストの腹部に手を触れた。そして、爪を立てるように力が込められ始めた。

 

 このままでは本当に、彼らは言葉を実行に移してしまう。

 

「だめ…………」

 

 

 

 

 

 

 ――助けてくれ――――――――クラレンス――――――――

 

 

 

 

 

 

 ゼストが恐怖で目を伏せた、その時――――――

 

 

 

 

 

 

 ズバッ――――――

 

 

 

 

 

 

 ゼストの躰に血しぶきが飛んだ。それはゼストの血――――ではなく、彼女の躰に触れていた巨漢達のものだった。

 男達は二人とも、首から上が吹き飛んでいた。あちこちに血しぶきを振り乱し、激しい音を立ててリングに倒れ伏した。

 

「俺の女に、何してんだよ。でくの坊共」

 

 ゼストをかばうように立つ姿があった。それは、ゼストが絶対服従を誓った男、クラレンスだった。彼の風魔法が、二人を絶命させたのだ。

 

「クラレンス…………」

 

「悪いゼスト、暗示を解くのに時間がかかった」 

 

 クラレンスはゼストを優しく抱き上げた。

 観客は、一体何が起きたのか理解できていないようだった。

 

「やってくれたじゃねえか、ヒューバート! 俺はお前をぶち殺さないと気が済まねえぞ!」

 

 クラレンスは、観客のある一点に向かって叫んだ。喧噪を割って突き破るような、かなり大きな声だった。

 その瞬間、観客の歓声どころかどよめきすらもピタリと止んだ。まるで、糸の切れた人形のように、皆その場に座り込んだ。

 

「観客全員にも暗示をかけてやがったのか。ご苦労なこった」

 

 パチパチと、一人分の拍手の音が会場に響いた。

 

「ふふふ、まさか君がワタクシの暗示を自力で解くなんて思いませんでしたよ、クラレンス」

 

 観客席にただ一人立っている人影があった。それは、さきほどの金髪の魔族だった。

 

「久しぶりですね、クラレンス。まさか、君がしぶとくも生きているとは思いませんでしたよ。あれだけぐちゃぐちゃにしてあげたというのに」

 

「お前の詰めが甘いだけだよ。あれっきしで俺が殺せると思ってたのか」

 

 二人の男の間に、ピリピリとした空気が流れる。

 

 ――そうか、あの男が、クラレンスを実体化出来ないほどに弱らせた男……ヴァンパイア……!

 

 ヴァンパイアは暗示が得意だという。つまり、司会進行がクローディアでなくなったことも、クラレンスがすぐに駆けつけなかったことも、全てはヒューバートの暗示の能力に絡め取られたからだ。

 

「色んな人に暗示をかけて退場を願ったというのに、まさか真っ先に戻ってくるのが君なんてね。これも運命かな」

 

「へぇ、一体どんな運命だ?」

 

「ワタクシが、君を殺すという運命だよ」

 

「いいや、シナリオは、俺がお前をぶち殺すことになってるよ」

 

「どの口がいうのやら」

 

 二人の殺気のぶつかり合いが、ゼストにも分かった。しかし、状況は事情をよく知らない彼女にすら分かった。

 

 ――あのヒューバートという男、恐ろしく強い……クラレンスも相当の実力者だが……それと比べても引けを取らない……いや、むしろ……。

 

 ゼストは息を飲んだ。ヴァンパイアとは、これほどに強い種族なのか。

 

 

 

 

 ――クラレンスでは…………ヒューバートは倒せない…………!

 

 

 

 

 ゼストはそう絶望するしかなかった。

 

 しかし、その時だった――――――今度も誰かの拍手の音が鳴り響いた。音質から、小さな手で鳴らされる拍手音だった。

 

 この状況で、小さな手を持つ人物は、たった一人しかあり得ない。

 

 

 

 

 

 

「いやぁな気がして立ち寄ってみたけど、そういう予感って言うのは当たるものだね」

 

 

 

 

 

 

「「「⁉」」」

 

 クラレンスとヒューバートの丁度真ん中に、いつのまにか十歳程度の魔族の少年が立っていた。

 

「クリント……」

 

「クラレンスお兄ちゃん、さすがだね。君が正気に戻らなければ、この計画は全て破綻していたよ。ゼストお姉ちゃんも殺されてしまっていただろうね」

 

 少年は人さし指で無邪気に手遊びをしながら、クラレンスに笑いかけた。

 

「…………なんてこと、ねぇ…………っすよ。兄貴」

 

「ふふふ、お兄ちゃんがこの姿の僕をそう呼ぶのって、やっぱり変に聞こえるね」

 

 

 ――そうか、彼が話に聞く、クラレンスとクローディアの『兄』のインキュバス。夢魔三兄弟の長男――――クリントだ。

 

 ゼストにとっては初対面だった。見た目はまるでただの十歳児だった。しかし、彼がただの子供ではないことを、ゼストは知らされていた。

 

「クリント様、余興は楽しんでいただけましたか? 知っていますよ。あなた方がかくまっている女達を性的に乱れさせることで得られるエネルギーが必要だと。だからこそ、そこの褐色女を私のショーで犯してやったんです」

 

 こびるようにヒューバートは、クリントに言い寄った。

 

「でも、肝心のゼストお姉ちゃんは死ぬとこだったよ? それは一体どういう言い訳をするつもりかな?」

 

 無邪気な表情ではあったが、瞬時に彼の雰囲気が変わったのが分かった。

 

「そ、それは……ちょっとしたパフォーマンスですよ」

 

 さっきまでのヒューバートの余裕が、嘘のように一瞬に消えていた。

 

「別に、本当に殺すつもりはありませんでしたよ。だ、だって、その方がクリント様、お喜びになるでしょう? もうこの会場にいる者達の暗示も解いています。直に皆、目を覚ますでしょう。クローディア嬢の暗示も真っ先に解きました。か、彼女には何も危害を加えていないですよ?」

 

 ――クリントという少年を…………彼は恐れている? あれほどの実力を持つ男が…………?

 

 ゼストにはそう見えた。

 しかし、彼の発した言葉の中に、事態の全貌を明らかにするキーワードがあった。

 

 ――そうか暗示だ。

 

 ゼストがなぜかリングに自ら上がったのも、戦わずに無防備に攻撃を受け続けたのも、全てはそうするような暗示がかけられていたから。今回の事件全てに説明が付いた。ヴァンパイアは、『魔眼』による暗示を得意とする種族だ。

 

「全ては、クリント様がお喜びになるようにワタクシが考えたことで――――」

 

 

 

「正直、僕の趣味じゃないや」

 

「へ?」

 

 一蹴だった。あまりにも単純なその言葉に、ヒューバートは耳を疑ったようだった。

 

「そもそも僕、君のこと嫌いなんだ♪ だって、僕の大切な『クラレンス』を、君は殺そうとしたんだもの」

 

 それは、今までに感じたことのないような殺気、いや、覇気とでもいうのだろうか。酷く思いプレッシャーが、辺りに満ち満ちた。間違いなく、クリントから放たれたものだ。

 

 ――本当に、この小さい子供からこの圧力が…………⁉

 

 ジョロジョロジョロ………………

 

 ゼストは無意識に失禁していた。彼女は完全に、その威圧に萎縮してしまっていたのだ。恐怖により、まるで子供のように漏らしたのだ。気づけば、隣のクラレンスすらも、クリントの威圧に完全に言葉を失っていた。

 

 そして、ヒューバートも例外ではなかった。突然彼は、半狂乱になり叫びだした。

 

「ぜ、絶対後悔しますよ、ワタクシほどのヴァンパイア、もうこの世には残っていない! あなたは、世界の宝をなくそうというのですか⁉ 神族の血を引くあなたの側には、ワタクシのような魔族がいるべきなんだ! ワタクシを殺すと言うことは、あなたが世界を統べるための大きな足かけをなくすことに等しいんだ!」

 

「残念だったね。僕が興味のあるものは、一体誰が作ったんだか分からないような世界じゃぁない。僕が好きなのは、自分で作った世界だけだ。僕に気に入られようとしたのかも知れないけど、君はとっくにやり過ぎているんだ。僕の作った世界を壊した罪は重いよ。だから――――

 

 

 

 

 

 

 

 君には、この物語からの退場を願うよ」

 

 

 

 

 

 

 ドパァァアァァン――――――

 

「え…………?」

 

 クリントが手遊びをしていた人さし指を、ヒューバートへと向けた。人さし指が向けられた先、ヒューバートの胸元が、まるで最初からそこに何もなかったかのように大きな穴がうがたれた。

 

「君が連れていたヴァンパイアの女の子は、僕がもらい受けるよ。きっと面白いことに役立ってくれる。良い玩具をありがとう」

 

 クリントは無邪気そうに笑いながら、そのまま姿を消した。

 こうして、予想外な乱入者による事件は幕を閉じた。

 

 

 ***

 

 

 ヒューバートの乱入によりゼストは酷い目に合ったが、結果として胎児に影響はなかった。それだけで彼女にとっては満足であり、一時期あった吸血鬼事件は些細なものだった。

 

 闘技大会は、また改めて執り行われることになった。クローディアは、次こそは成功させると息巻いていた。

 

 今回の事件の被害者、ゼスト以外の実例を挙げれば、柚希や胡桃、そしてマリアは、取り返しの付かない事態へとヒューバートによって追いやられていた。それは彼の暗示が原因であり、その仕様は様々だ。そして、吸血鬼の暗示はかけた本人が死んでしまえば解くことは不可能だった。

 つまり、この時点でヒューバートによって暗示をかけられた、柚希、マリア、またその姉のルキアや母シェーラは、もう二度と暗示は解けることがない。それこそ、クラレンスのように自力で抜け出す以外方法はない。

 

 

 まぁそれでもクローディア達の作戦に支障はなかった。

 

 

 ゼストにとって、すでに世界はクラレンスとの間で閉じてしまっていた。かつては確かにあったはずの刃更に対する恋心や忠誠心すらも、もはやほとんど残っていない。刃更と過ごした時間が他の少女達と比べると一番短いゼストは、一番心残りなく、後腐れなく刃更に対する思いを断ち切っていた。

 

「おい、ゼスト」

 

「分かっているよ、クラレンス」

 

 クラレンスはムーバーの地下施設、その一室の机に向かっていた。ゼストは机の下に潜り込むと、彼の股の間から顔を出した。そして、クラレンスの男性器を取り出した。

 

「すぅぅ………………」

 

 ゼストはすでに大きく膨らんでいるクラレンスの肉棒の匂いを、目一杯吸い込んだ。

 

「あぁ♥ クラレンスのおちんちん、良い匂いだ」

 

「嗅いでばっかいないで早くやれよ。すぐに出かけるんだからな」

 

「あぁ♥」

 

 頬を染めながら、ゼストは彼の肉棒を口いっぱいに含んだ。そして、嬉しそうに奉仕を始めた。

 

 

 

 

 これはゼストが選んだ道だった。

 




ゼスト編でした。

毎日投稿週間五日目です。そして、ヴァンパイア編の第四話にして最終話でした。
「いや、ゼスト編しか読んでねぇし。マリアとか柚希とか胡桃とか興味ねぇし」って方がもしいらっしゃった時のために説明しますと、このヴァンパイアシリーズは四人のヒロイン(上記)にまたがって書かれた物語です。投稿順と劇中の時系列は必ずしも一致してないです。まぁ、どれから読んでも問題はないです。いつもの通り、基本的に物語はヒロイン毎に分離してますので。

じゃぁヴァンパイアシリーズって何だって言えば、共通の暗躍者がいたってだけですね。

ということで、明日についてですが、当初澪編と言うことでしたが、千里編に変更です。なので、明日は千里編、そして澪編が毎日投稿週間のとりを飾るということに相成ります。

縁があれば、そちらもお呼びいただきたいです。
ではでは
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