毎晩のように犯される中、予想外の人物が現れる。
躰と心と、とある鐘の音の物語。
~2月1日~
一日の調査を終えたその日の夜、一人で宿屋の大浴場で躰を洗った後、万理亜はこの三日間を想起する。
毎晩のように森に潜むヴィルガたちのもとへ通い、サキュバス特製の首輪に性的エネルギーを吸わせるために彼らに犯された。そして、これからも彼らの元に向かわなければならない。そうしなければ、首輪に命を吸われてしまうからだ。
――逃れられない状況に追いやられ、どうしようもなく犯されるって……まるで薄い本みたい……私の趣味じゃないからほとんど見てなかったけど、想像以上にきつい……。
首輪のことは刃更に相談して、ヴィルガたちを全力を使って倒しきるということも考えた。しかし、彼らは澪について何かしらの事情を知っているようだった。それを聞き出すまでは、あまり無理が行為に打って出ることができなかった。そしてそもそも、特殊な魔法がかかっているのか首輪は万理亜以外には見えていなかった。
しかも、ルキアが人質に取られている。そして、彼らは刃更にこのことを喋ったら彼女を殺すとも言っている。万理亜は八方塞がりだった。
「……そろそろ行かないと……」
躰を拭いて脱衣所を出た。
その時、ゼストが男湯に入っていくのが見えた。確か、男湯には刃更が入っていたはずだ。
――きっと、元気のない刃更さんをゼストさんは心配なのですね……だから、あんな大胆な行動に……。
胸がチクリと痛んだ。自分も刃更の元に行きたい。そして、慰めてあげたい。慰めてもらいたい。しかし、今の自分に、平常心でそのことができるとは思えなかった。
「いいなぁ……ゼストさん。うらやましい……」
小さくつぶやいた。それを聞く者は誰も居ない。
そして万理亜は、夜の森へと脚を運ぶ。
***
虫の鳴き声一つ聞こえない森の中をマリアは歩いていた。目印一つないが、マリアは迷うそぶりもない。それは森を三日も通っているために歩き慣れているため――だけではない。マリアは感じるのだ。サキュバスの本能として、強い雄の臭いを。
――むせかえるような精臭……。
それだけでマリアは、下腹部に熱を帯び始める。
しばらく歩くと、そこは二人の巨漢が立っていた。顔はよく似ているが、もうマリアには区別ができるようになっていた。青い眼をしているのが三男のヴルガ、赤い眼をしているのが四男のヴェルガだ。今日はなぜか次男のヴィルガがいない。
「兄貴は遅れてくるって。さ、今日も一緒にエッチしまくろうよ、マリアちゃん」
「……ふん、二人で私を満足させられるのかしら?」
精一杯のマリアの強がりだった。そうでも言わなければ、心が折れてしまいそうだった。
マリアはサキュバスの戦闘服を脱ぐと、一糸まとわぬ姿で二人の前へと歩いて行った。
「うん、今日もスレンダーできれいな躰だね」
ヴェルガがマリアの躰をくまなくなで回した。ラインをなぞるように、あらゆる凹凸を確かめるように。
「ん…………ふっ……」
いやらしい手つきの愛撫に、思わずマリアは声が漏れた。
「良い反応だね。それじゃ今日は、マリアちゃんの好きなように俺っちたちのものを奉仕してもらおうかな」
「…………私の?」
「そう、まずは俺っちからね」
倒木に腰掛けるヴェルガは、己の肉棒を取り出した。それは、マリアの肘下ほどの長さと太さがある。
――好きなように……ってことは、入れなくて良いかも。全く……大きければ良いってものじゃないんですからね。
マリアは肉棒を両手を使ってしごき始めた。マリアの腕力ならば、十二分に男を満足させる刺激を与えることができるはずだ。
しかし、ヴェルガはそれでは満足しなかったようだ。
「躰全体を使ってしごいてね。手だけで済ませるつもりかい?」
「っ…………分かりました」
マリアは男の腰にまたがった。しかし、挿入はしていない。自身の陰部と太ももで肉棒を挟んだのだ。その状態で、亀頭を腹部にこすりつけるようにしながら腰を上下させ始めた。
彼女の肌はゆで卵のようにすべすべだが、陰部の小丘や臍の凹凸が確実に男の欲を刺激していく。
――っ……何て堅さ……それに、どんどん熱くなっていく……。
気づけばマリアの息は荒くなっていた。もちろん、肉棒をしごいたことで疲れてしまったのではない。鼻を突く雄の臭いに陰部から伝わる甘い刺激。それらがマリアを着実に高ぶらせていた。
「ふっ……んん…………んくっ……」
マリアはこの三日間で、行為に対する嫌悪感よりもサキュバスとしての高ぶりを強く感じ始めてしまっていた。
――だからって……こんな愛情のない行為……楽しい訳ない。嫌悪感が消えても、例え快楽に覚えれても……心はこもっていない。
それがマリアの割り切り方だった。普通の少女ならできない考え方でも、サキュバスとして生まれ、性的欲求に忠実な彼女だからできる考え方だった。
そして、現在の彼女にとって重用なのは、行方不明の澪と人質に取られていると思われるルキアの安否だ。彼女たちを助けるためだったら、自分はどんな目に合っても良い。かつて母シェーラを助けるためにゾルギアの傀儡となったように、マリアは大切なものを守るためには自己犠牲をいとわないのだ。
「そろそろだよ」
ヴェルガの言葉通り、肉棒は大きく膨らみ限界を迎えていた。それに呼応するように、マリアの奉仕の激しさを増す。
そして、ついに爆発した。
ビュルルルル――――
高く吹き出した精液が、マリアの躰を汚していった。少しかがんだ瞬間に射精されたためか、彼女の顔と銀色の髪に大量にかかった。ベタベタと髪にまとわりついた精液のすさまじい臭いが辺りに立ちこめる。ぽたりとまるで汗のように額から流れ落ちてくる。眼に入らないように、マリアはそれを手のひらで拭った。
――うう……胸が高鳴る臭い……こんなにもサキュバスとしての自分を嫌だと思ったのは初めてですね……。
「ふふふっ、随分と楽しそうね」
「っ―――――!」
それは聞いたことのある声だった。というより、昼間に聞いたばかりの声だった。
――どうして……。
振り向くと、一つの奇妙な影が近づいていた。
影の一部はヴィルガだった。しかし、彼はなぜか全裸のまま四つん這いになり、そのままこちらに歩いてきていた。そして、その背中には別の誰かを乗せている。その誰かとは、ルキアの部下であり、武器盗難事件の捜索の指揮を執っていた――――クローディアだった。
「あなた……どうして……」
信じられなかった。今まで一緒に協力してきた彼女が、マリアを散々犯していたヴィルガを、まるで奴隷のように扱っている。
「本当に、あんたたちって滑稽。全部私の手のひらの上だって事に気づかないで、のこのこと魔界にやってきちゃってさ」
まるで蛇のような眼を細め、クローディアは高らかに笑った。
「全部……まさか、澪様を誘拐したのも……あなたの仕業……」
「そうよ? ただ、私は大したことはしてないよ。主従契約魔法をちょっといじって、ひん剥いたまんまその辺にほっぽったに過ぎないんだから」
「っ…………主従契約魔法をいじったですって……そんなことが」
「ふふふ……」
未だ混乱から脱却できないマリアをクローディアは鼻で笑いながら、ヴィルガから降りた。
「あんたの乗り心地は兄弟の中で一番良いよ。ご褒美だ」
そう言ってクローディアは、ヴェルガの頭を踏みつけた。
「はひ…………あ、ありがとう、ございます……」
「っ…………」
今まであれだけ偉そうな口調でマリアを責め立てていたヴィルガの豹変ぶりに、まるで頭が付いていかない。
――何がどうなっているっていうの……。
気がつけば、他の二人の巨漢もクローディアの元に、まるで自らが仕える主であるかのように跪いていた。
「こいつらは私のペットさ。肉体どころか心の底までね」
その異様な光景で、ようやくマリアの思考が落ち着きを取りもどしてきた。
「……なるほどね。こんなサキュバスの骨董品を扱えるなんて、そりゃぁ同じサキュバスくらいですものね。その人達はもしかして、主従契約を結んでいるのかしら?」
「ご名答。つまり、東城刃更と成瀬澪のような関係と一緒さ」
「刃更さんたちはそんな歪んだ関係ではありません!」
自分の大好きな人達を侮辱されたような気がして、マリアは怒鳴っていた。
「マリア………………なのですか?」
背後から声が聞こえた。それは、クローディアよりもさらに聞き慣れた声。幼いときから聞いていた声。そこには、メイド服姿のルキアが立っていた。彼女は青ざめた表情でマリアを見ていた。
「ルキア姉様!」
マリアは駆け出していた。
ヴィルガたちに人質に取られていると思っていた彼女は、いきなり目の前に現れたのだ。マリアは居ても立っても居られなかったのだ。
そのままルキアに抱きついた。こんな事をしたのは幼い頃以来だった。そして、ルキアはそれを拒まなかった。
「姉様! 良かった……無事で……」
「マリア……どうしてこんなところに……」
困惑している様子のルキアに、マリアは少し違和感を覚えた。
――雰囲気が……いつもの姉様と違う……?
「ルキア、こっちへ来な」
クローディアがルキアに呼びかけた。その瞬間、ルキアの肩が大きく跳ねた。そして、震える声で答えた。
「かしこまりました、クローディア様」
――え……様?
今度はマリアが混乱する方だった。今確かに、ルキアはクローディアに「様」と付けて呼んだ。
ルキアは抱きつくマリアを振り払い、クローディアの元へと走って行った。
「ルキア、今のあんたの姿を妹に見せてやりな」
「はい……」
ルキアはくるりとマリアの方を向くと、メイド服のスカートをめくり上げた。
ブブブブブブブ――――
ルキアはショーツを履いていなかった。そして、そこに生えているはずの陰毛が一本残らず剃られ、淫裂には男性器をかたどったピンク色のバイブがスイッチが入った状態で入れられていた。
――あれは……前にお母様に現世のお土産として買ってあげたもの。どうして姉様が……いや、そんなことより……。
バイブを呑み込むルキアの淫裂はぐっしょりと滴るほど愛液を溢れさせ、クリトリスには銀色のピアスが付けられていた。
「何で……そんな格好を……姉様」
「マリア……ごめんなさい。これは……」
クローディアがルキアの真後ろに立ち、ワンピース型メイド服のスカートをさらにたくし上げた。
「く、クローディア様……何を……?」
「まだお前には、言うべきことがあるだろう? ほら、ここさ」
そう言ってクローディアは、ルキアのお腹が見えるほど服を引き上げた。必然的にルキアの小さなへそが見えるが、そこは別に変わったところはなかった。
「マリア、『生命の鐘』っていう、インキュバスが昔開発した魔具を知っていますか?」
ルキアの唐突の話に、マリアは首をかしげた。
マリアはそれに聞き覚えがあった。確か、手に乗るサイズの小さな鐘で、指定した空間の中に居る人の命の数だけ鳴り響くという魔具だ。能力だけ聞けばよく分からない代物だが、それは原始的な人の命にさえ反応する。原始的とはつまり――受精卵である。だからインキュバスは、それを女性が妊娠したかどうかを確かめるために使用した。鐘の数を聞くだけで妊娠したかどうかが分かり、例えば双子であっても鐘の数で分かる。
しかし、それが一体何だというのだろうか。
「これです」
ルキアの手には、小さな金属製の鐘があった。彼女はそのつまみを持って振って見せたが、音が鳴ることはなかった。
「普通に振っても鳴りません。だけど、少し魔力を流してやれば、半径三メートルの範囲に居る人の命の数だけ鳴り響きます」
ルキアは鐘に魔力を込め始めた。そして――――
カーン――――カーン――――カーン――――カーン――――カーン――――カーン
六回鐘がなった。
ルキア、クローディア、ヴィルガ、ヴルガ、ヴェルガ、そして――――
「マリア、あなたは換算されないわ」
「っ…………」
「だって、あたなは鐘から五メートルは離れている。だから、六つ目の鐘はあなたではありません」
――何を言っているのですか? だってそれじゃぁ…………。
頭が付いていかない。ルキアの発言の真意は何なのだろうか。
「六人目は、ここです」
そう言ってルキアは、クローディアにたくし上げられてあらわになった自分の腹部を指さした。
「私、妊娠しているんです」
「っ…………え?」
聞き違いかと思った。言葉が頭に入っていかない。妊娠と言っただろうか?
「父親は、きっとこの三人の誰かです」
そう言って、ルキアは三人の巨漢を見た。跪きながら彼らはほくそ笑んでいる。
クローディアがルキアの後ろから彼女の胸を鷲づかみにした。
「ひうぅぅぅ~~~~~♥」
ビクビクビクッ――――プシャッ
ルキアは立ちながら潮を噴いて絶頂した。
「あっ♥ はぅ……いぃ……かっ……♥」
脚に力が入らなくなったのか、ルキアはその場に崩れ落ちた。
――あのルキア姉様が、胸だけであんなに乱れるなんて……。
ヴェルガが立ち上がり、ルキアを持ち上げた。
「いいや、俺っちの子供だよね? ルキアちゃんも分かってるでしょう? その証拠に――」
スカートをたくし上げてルキアのバイブを抜いて投げ捨て、すかさず自分の肉棒を突き入れた。
ズプッ…………
「はぎっ――――かはっ…………」
思わずマリアは息を呑んだ。あれほど太いヴェルガの肉棒を、ルキアの肉壺はいとこたやすく全てを呑み込んだ。
「あぁ……ほら、マリア。私のおまんこ、ヴェルガ様のおちんちんの形に完全に変えられちゃっているのです……もう、他の男じゃ満足できない。ヴィルガ様やヴルガ様も大きいけれど、ヴェルガ様のおちんちんが一番大きいんです。肉体の相性が良すぎるんです……」
「相……性」
二人の結合部がよく見えた。いやらしいほど隙間なくぴったりと合わさり、見ているだけで子宮が熱を帯びた。
「本当はマリアちゃんの方が好みなんだけどね? 俺っち巨乳には興味無いから。まぁだけど、マリアちゃんのお姉さんは例外として認めてあげるよ。ははっ、俺っちって優しいなぁ~」
ヴェルガはルキアの脚を抱え、マリアに見せつけるように抽送を開始した。
ズチュッ、ズチッ、ドチュッ、ズブッ――――
「ふあっ、あぁ……いい♥ おまんこ奥まで貫かれてぇっ、はぁぁ♥ おちんちんきもじいぃ♥」
激しく乱れ、恥ずかしい言葉をあんなに嬉しそうに言うルキアをマリアは見たことがなかった。いつも凜としていて、乱れながらも常に優位な立場から相手を責める彼女は、そこにはいなかった。
――ジュクッ
マリアの陰部はいつのまにか洪水のように蜜が溢れ、滴って地面を濡らしていた。彼女はルキアの痴態に胸を高鳴らせてしまっていたのだ。
視界にはヴェルガが投げ捨てたバイブが見えた。思わず彼女は、それを手に取っていた。
ブブブブブブブ――――
「んくっ……はっ♥」
マリアは己の中に高ぶる興奮を抑えきれなかった。バイブにスイッチを入れると、自分の淫裂にそれを差し込んだ。
「ふあぁっ、あぁ、太い、ですね…………これぇ」
確かに太かった。しかし、その太さをマリアは知っている。それは、ヴェルガの肉棒の形そのものだった。
「マリアちゃん、嬉しいよ使ってくれて。それ、俺っちのに合わせて作らせた特注品なんだよ」
ヴェルガの声はマリアに届いていなかった。目の前で犯される姉の淫靡な行いに、そして、己を貫くバイブの気持ちよさにマリアは夢中になっていた。
マリアも薄々気づいていた。三人の中で一番男性器が大きいのは四男のヴェルガで、躰の相性が一番いいのもヴェルガだった。兄弟で顔が似ているからといって、男性器も似ているわけではないらしい。姉妹なら男の躰の好みも似るのだろうか。
「さぁ、ラストスパートだよ」
ヴェルガの律動が激しさを増す。それと連動するように、マリアの自慰の勢いも増していった。
「あぁっ、んあぁ♥ な、中にっ、出してくだ、さいぃぃ♥ ふあっ♥」
「はうっ……い、イクッ……イクイクッ、イッちゃいます……ルキア姉様ぁ♥」
ビクビクッ――――
ビュルルッ、ビューッ、ビュグン、ビュルルルルッ
ルキアは膣中に大量の精を吐き出され、それと一緒に果てた。入りきらない精液は結合部から吹き出した。マリアも限界を迎え、何度も背筋を震わせながら絶頂していた。
ベチャッ…………
肉棒を引き抜かれたルキアは、地面の精液だまりに倒れ込んだ。
「はひぃ……かはっ……あぁ♥ 中ぁ……温かい……」
「る、ルキア……姉様……」
だらしなく開けられた口からは舌が垂れ、目の焦点が合わないルキアを見て、マリアも呆然としていた。
頭が付いていかなかった。夢中になって自慰にふけってしまったこともあるが、あれほど乱れるルキアを見ることも初めてだった。それに加え、彼女が妊娠しているという事実が、マリアには簡単に飲み込める事ではなかった。
「ルキアちゃん、待たせたね」
ヴェルガがマリアの目の前に立っていた。そして、まるで赤子のように彼女を抱き抱えると、唇を奪った。
「っ……むう~~……んちゅ……むぁ♥ んちゅ……はっ……」
唾液が次々と流しこまれ、舌をいやらしく絡める熱烈なキスだった。
――こいつ……キスも巧――――――
その瞬間、マリアの理性は吹き飛んだ。とろけるような快感が口から脳へと伝染し、冷静な思考を失わせたのだ。
「くちゅ……ちゅっ、ん、むう♥ はぁっ……じゅるっ」
ズップゥ――――
キスの虜になっているマリアの陰部を、ヴェルガは肉棒で貫いた。
「ん~~~~~~~~~♥」
それだけで頭まで痺れるような電撃が駆け抜け、マリアは快楽の天井へ引き上げられた。
「あ……あぎっ、はっ……しゅ、しゅごぃ♥」
一端気づいてしまえばもう引き返せない。マリアとヴェルガの躰の相性は抜群に良かった。そして、もうすでに彼女の膣内は、ヴェルガの肉棒の形になってしまっていた。
マリアの腹部は男根のあまりの太さに膨らんでいた。それでも、彼女にはすでに挿入の痛みは欠片もない。
「やっぱりマリアちゃんの方がすごい締め付けだ。ルキアちゃんの懐妊も分かったんだから、この勢いでマリアちゃんも孕ませてあげたいけど、残念だ。マリアちゃん、排卵日明後日だもんね」
「っ…………!」
そこでマリアは辛うじて冷静な思考を取りもどした。ここで流されてはいけない。なにより、聞き捨てならない言葉があった。
「どうして……私の生理周期を……」
「俺っちはマリアちゃんのストーカーだよ? それくらい余裕で知ってるって。まあ、排卵日じゃないけどその前後は十分危険日だから、今日で当たっちゃうかもはしれないけどね~」
――ダメ……心は踏みとどまっても……それがじゃ躰が後戻りできなくなっちゃう……これじゃぁ――――
「待ってください、それは――――」
――――ドチュッ
「ほぎぃっ――――」
突然ヴェルガが抽送を開始した。一瞬で思考が快楽の火花でかき消え、ただ犯される人形のようになってしまう。
肌と肌とがぶつかり合う乾いた音、結合部から溢れる蜜液と先走り液による水音、そして、まるで獣のようなマリアの嬌声が輪唱する。
「はぅ、ひぁ♥ ぁあぁ……いや、はっ……おぅ♥ はわっ♥」
ヴェルガはマリアを全身を使って抱きしめた。これでもう彼女は身動き一つできない。
とっくに肉棒は子宮へと入り込み、一番奥を突き続けている。内臓が圧迫される感覚さえ、マリアは快楽として感受してしまっていた。
「さぁマリアちゃん、本気で孕ませる気で出すから、一滴残らず受け取って!」
「ふあぁっ、んんっ♥ や、やぁっ、はぁん♥」
亀頭が子宮の最奥へと押しつけられた瞬間、精が爆発した。
ビューッ、ビュグン、ビュルルルル、どくっ……ビュググッ、ビュルルッ
肉棒で膨らんでいた腹部が精液でさらに膨張し妊婦のようになった。それはまるでマリアの将来を暗示するかのようでさえあった。
「あぎ、あ……はぅ……あっ♥」
「まだ夜は始まったばかりだから、今日は覚悟してね」
ヴェルガは止めを刺すかのようにマリアにキスをした。
***
朝日が昇り始めた。
森には、全裸姿のマリアだけが取り残されていた。クローディアも、ルキアもどこにも居ない。記憶をたどれば、かなり序盤で姿を消していた気がする。
『あんたが東城刃更に対して何か密告するような態度があれば、すぐにあんたの姉を殺すからね。もちろん、お腹の子供ごとね』
彼女が去り際に言った言葉が脳裏に何度もかすめる。
――言えない……言ってはいけない……こんなこと、言えるわけがない……。
マリアの周りには水たまりのように精液がぶち巻かれていて、彼女自身も全身にそれを浴びていた。
ぶぴゅっ……
淫裂から精液が吹き出た。少し力を入れただけで溢れてくるほど、彼女は膣内に出されたのだ。
マリアは何とか手を伸ばし、落ちていた『生命の鐘』を取った。ルキアが落とした物だった。魔法が不得意なマリアでも、その使い方は知っている。わずかに魔力を込めると、鐘は鳴り始めた。
カーン――――――――
鐘は一度しか鳴らなかった。
――妊娠は……してない……まだ。
していないとなれば、さっきまでのような強引なレイプがマリアが妊娠するまで何度も繰り返される。それを考えれば、ただ手放しに喜べなかった。
――もう、何も考えたくない。
マリアは残った体力を振り絞り、何とか立ち上がる。
妊娠したら、もう立ち上がれないかもしれないと思った。