そこではとあるパフォーマンスが執り行われると言うが、
事態は予想外の乱入者により急変する。
恥辱と暗示と、ヴァンパイアの物語
~3月27日~
「こんなに広い空間が……」
マリアはムーバーの地下のアジトにいた。そこは他の場所よりかなり深く作られた空間で、中央部にかけて深くなっていた。傾斜には所狭しと椅子が並べられ、その最深にはまるで格闘技のフィールドのようなステージが設営されていた。
――確か……刃更さんの世界の言葉では、『リング』と言ったような……。
崩れないようにドーム型の天井で、広大な空間が目の前に広がっていた。巨漢兄弟三人に散々犯された彼女の日々ではあったが、まだこんな場所があるとは知らなかった。
「明日になればここ一杯に人が埋まる。マリアちゃんの方もしっかり話回してくれた?」
ヴェルガが言った。
「はい、言われたとおりに色んな人に声はかけました。でもご主人様? 一体ここで何をする――――ひぎゅん♥」
唐突にマリアは喘いだ。
しかしそれも当然のこと。マリアはヴェルガに抱えられ、そして性器で繋がっているのだから。彼の太い肉棒が、彼女の膣と子宮一杯に突き入れられ、お腹が性器の形に膨らんでいた。
「あぁごめんね、マリアちゃん。君の中があんまりにも気持ちよくって思わず突き上げちゃったよ」
「はぁ……全くご主人様ったら。会話の途中ですよ」
「そんなこと言ったって、マリアちゃんだって気持ちよかったでしょ?」
「当然です。私のおまんこは、ヴェルガ様専用の形になって、もう他の男の人のおちんちんなんて興味無いんですから」
ご主人様、とマリアは平然と言うようになっていた。かつては嫌で仕方なかった男だが、度重なる調教と、サキュバスとしての本能を奮い立たせるほどの躰の相性から、もう彼女は彼を自分の主人として心に刻み込んでいた。
それはきっと、とある二つの報告があったのも大きいかもしれない。
一つは、向こうの世界で野中柚希が、こちら側に「堕ちた」ということ。
――あの刃更さんに一途な柚希さんまでも……やはり彼女も、ただのメスでしかなかった……ということなのでしょうか。
そしてもう一つの報告は、その刃更がクローディアによって幽閉されたということだった。
どういう攻防が刃更とクローディアにあったのかは知らされていないが、彼が約七ヶ月後にしか解放されないということだけは知らされた。
――それだけの期間があったら、もしかしたら皆さんの中で、お母さんになっている人もいるかもしれませんね。実際、私も妊娠してますし。
「ここでは、とあるパフォーマンスを行う予定なんだよ」
「パフォーマンスですか? 一体何の……」
「それは開かれてからのお楽しみ。ちなみに当日は俺っち達兄弟は会場を回すのに忙しいから、あまりかまってあげられないからね」
「はぁ……」
「まぁ、マリアちゃんは観覧しているだけでいいから、ゆっくりしていなね」
結局ヴェルガは教えてはくれなかった。
どちらにせよ、明日に分かるということだ。
~3月28日~
マリアは次の日の朝、ルキアにとある場所を案内された。そこは変わらずムーバーの地下であったが、かなり中央部から外れた区域だった。細い通路が伸び、左右には鉄格子がはめられた小部屋が無数に並んでいた。
それはまさしく牢屋と呼ばれるもので、その部屋一つ一つには十代半ばから後半ほどの少女達がとらわれていた。首と両手首には鉄枷がはめられ、自由はほとんど奪われていた。
「この方達は?」
「これらはこれから開かれる『闘技大会』の出場者です」
「闘技、大会……?」
「ご主人様から聞いていないのですか? まぁ見れば分かります」
――やっぱり教えてくれないのですか……なんだかいよいよ気になってきましたね。
ルキアは続ける。
「この少女達はご主人様達やクローディア様が多方面から集めたそうですよ」
「多方面……ですか」
「知っての通り、魔界には常に反社会的集団があちこちに横行しています。規模は様々ですが、彼らはいつも力を求めています。武力ですね。その彼らにクローディア様は、各所で集めた武器を引き渡し、その代わりに彼らが独自でかくまっている若い女達をもらい受けました。そのほかにも、とある人身売買専門の商会からも購入したと言っていました。あぁそういえば、向こうの世界からも何人か連れてきたらしいですよ」
向こうの世界とは、東城刃更がいる世界のことだろう。
「その中にはヴァンパイアなんて希少な種もいるようですし、その数は延べ32人。計画は順調です」
――ヴァンパイア……そんな種が向こうにいたのですね。
「これです」
「っ…………」
マリアはルキアが指し示したヴァンパイアだという少女を見て驚いた。その顔は、マリアの知る顔だったからだ。
――名前は確か………………そう、橘七緒さんでしたね。
マリアはかつて、ただの興味本位ではあったが、刃更の周辺の女性を調査したことがあった。その時に、妙に可愛く、とても男とは思えない男子生徒がいたことを記憶していた。
――あの学校にまさかヴァンパイアがいたなんて。刃更さんはこのことを知っていたのでしょうか……。
ヴァンパイアは成人するまで性別が定まらないという特徴がある。しかし見る限り、全裸で拘束されているその姿は女性のようだった。
――どういう経緯か知りませんが、ここにいるということは女として性的に色んな目に合ってきたのでしょうね。
「君は……万理亜ちゃんだね。東城君と同居しているって言う……」
全身泥だらけの七緒が、マリアに気づいた。
どうして知っているのだろうかとマリアはいぶかしんだ。刃更から話を聞いていたとしても、私の顔は知らないはず……。
「………………………………ふふふ」
「?」
なぜか七緒は笑っていた。不審に思い、マリアは彼女を見つめた。それを待っていたかのように、七緒は顔を上げた。
その時、七緒の瞳が真っ赤にきらめいた。
***
マリアは会場の一番高いところに立っていた。見下ろすと、300席はある会場の席はほとんどが埋まっていた。
――全部男性……まるで野生動物のようなオスの匂いが充満してますね。
その男達の中には、マリアが知る顔ぶれもあった。それは、マリアがムーバーで躰を売って歩いていた頃の顧客達だった。彼女はヴェルガに言われるままに、彼らにここに来るように言っていたのだ。
ルキアの話によれば、その他にルキアが呼んだ人達もかなりの数いるという。
――まさか、ルキア姉様も私のように男達に躰を売っていたなんて。いや、それでもここにいる人は多すぎるんですよね。一体どこからこんなに人が……。
『皆々様、よくぞこんな場所までお越しいただきました。本闘技大会の主催者クローディア様に変わって、このヴィルガがお礼申し上げます』
拡声魔法を通して会場に響き渡ったのは、巨漢兄弟の次男の声だった。
『あらかじめの説明通りではありますが、再びこの闘技大会の内容説明をさせていただきます。本大会は、私たちで集めた妙齢な少女たちが、改造により強靱な肉体を得た男達に、魔法抜きで、己の体技のみで勝負を挑んでもらいます。少女達はもれなく奴隷に身を落とした者達でありますが、この勝負に勝てば晴れて自由が与えられます。ちなみに負けた場合、相手の男から何をされるかは全く分かりません。か弱い少女達のことです、ひょっとしたら命の保証もありません。もちろん、『貞操』の保証も、です』
――なるほど。
この大会はどうやら、徹頭徹尾男を楽しませるものであるようだ。
闘技とはあくまで建前。本来の目的は、この大勢の前で少女達を陵辱することを目的としているようだ。いや、闘技という設定も、もしかしたら少女たちが暴力で蹂躙されることに悦ぶ男達に向けた内容なのかも知れない。
『そして確認ですが、ここにいる皆様は、次なる魔界の王に忠誠を誓うことを条件としてお越しいただいています。現魔王レオハルトをあの玉座から引きずり下ろし、いつか取って代わる私たちの王に全てを捧げる覚悟のない者は、ただちにここからお立ち去りください』
その話はマリアにとっては初耳だった。
――次の王……? 誰のことでしょう。ここにいる人達は、その王に仕える事を条件にここへの参加が許されているいうこと?
マリアはそもそも、まだクローディアの最終目的を聞かされていない。以前こそ、彼の主人であるヴェルガも何も知らされていない雰囲気だったが、どうやら現在は全てを知った上で行動している節がある。
――何も知らされていないのは私だけなのかしら。
なんだかそれは仲間はずれにされている気がして少し不満だった。
それでも、これからもヴェルガ達とセックス出来るならどうでも良い気がした。
「あれ……そういえば、クローディア様に代わってヴィルガ様が司会進行ってことは、あの人は今ここにはいないって事なのでしょうか……」
「そうですね、今は少し席を外してもらっています。彼女がいたら、ワタクシの作戦に障害が生じてしまいますからね」
知らない男性の声が答えた。
「っ…………!」
いつのまにかマリアのすぐ隣には長身の男が立っていた。金色の髪に口の端から見え隠れする長い八重歯、どこか妖艶な雰囲気のある青年だった。そして、彼の腕に抱かれるように収まっているのは、先ほどは檻の中にいたはずの橘七緒だった。
――この男の人、誰でしょう。というか、どうしてヴァンパイアの彼女がここに……?
七緒が首をかしげて見せた。いたずらっぽいその仕草もとても可愛らしかった。
「どうしてそんなに不思議そうな顔をしているんだい? 僕を檻から出してくれたのは、君と君のお姉さんじゃないか」
七緒の方こそ不思議そうな顔をしてそんなことを言った。
「え……?」
彼女が何を言っているのかマリアには分からなかった。
その時、わぁっと歓声が上がった。中央に目をやると、リングに一人の少女が上がったところだった。
「あれ……どうして?」
リングに上がったのは、どういうわけかゼストだった。
「あぁ、『彼』の今のお気に入りが登場したようですね。暗示は効いているようで何より」
八重歯の青年は、マリアに向き直って微笑んだ。
「君たちサキュバスも邪魔ですね。ちょっと町でメスブタになってきてもらえないかい? 大丈夫です、淫魔としてのプライドと女としての尊厳を損なってもらうだけですよ」
彼の瞳が赤くきらめいた。
***
「あれ……?」
マリアが気づくと、沢山の目がこちらに向いていた。ほとんどが若者で、比較的男の方が多いような気もする。
状況が理解できなかった。ここは一体どこで、自分は何をしていたのだろう。
そこは四方を大きな建物に囲われた、広大な中庭のような場所だった。マリアはその中央の噴水のすぐ前にいた。そして、四方八方にはかなり沢山の人だかりが出来上がっていた。
そこでようやく、自分の格好のおかしさに気づいた。
マリアは全裸のまま四つん這いになっていた。噴水の跳ねた水が背中に当たり冷たかった。
途端に羞恥が全身を貫き、顔が熱くなった。さすがのサキュバスとて、何十人と躰を交わらせてきたとて、衆人観衆の前で肌をさらして恥ずかしさを感じないマリアではなかった。
――あ、でも……心地良い恥ずかしさかもですね……。
「マリア、ようやく気づいたのですか」
すぐ横で声がした。声の方に視線を移すと、そこにはマリアと同様に全裸で四つん這いになっているルキアとシェーラがいた。
「私たちはメスブタなのよ。ブタはブタらしく、醜く汚い姿を見てもらわないとね♥」
シェーラが微笑みながら言った。
――何を言っているのですか……お母さん。
シェーラが快楽に溺れているのは知っていた。しかし、今の発言は少し違和感があった。そう……確かに違和感があった。
ところが、次に自分の口から出てきた言葉は、その違和感を吹き飛ばす内容だった。
「そうですね、お母さん。ではまず、何をしましょう」
まるでそのことが当たり前であるように、マリアは全てを受け入れていた。
――あれ、何か……おかしい……。
「そうね、ここは先輩の私から見せてあげましょうか♥」
「いいえ、母上、ここは私が」
シェーラを遮るようにルキアが発言した。いつものように凜々しい声ではあったが、彼女も衆人観衆の前に全裸をさらしていることに変わりはない。
「おい、何だよこの人だかり」「痴女がいるってよ」「おいおい、ここは神聖な場所だぜ。いるわけないだろ」「そう思うなら見てみろよ。三人もいるんだぜ」
「ちょっと、あの背の高い美人、ラムサス様の側近のルキア様に似てないか?」「あぁ、前に特別講義で教鞭執ってたっけな」「いや、まさか……」「いや似てるって。てか、本人じゃね」「ウソ、憧れてたのに」「失望した」
「ルキア様以外の2人って誰?」「子供?」「片方知ってるぜ。確か、ルキア様の母親だった気がする」「母娘そろって痴女とか」「あれ、でもルキア様の淫乱説最近あったじゃん」「あぁ、夜の町歩くとルキア様そっくりの美女に迫られるってやつ?」「噂じゃなかったんだな」
「誰か、呼んできた方がいいんじゃない?」「ちょっと待てって」「そうだよ、きっともう誰か呼んでるって」「何するか見てみたい」「気持ち悪い」
――そうだ、ここは。
マリアはここがどこだか思い当たった。来たことはなかったが、ここはウィルダートで一番大きな教育施設で、様々な分野の研究所が集まった機関だ。刃更たちの世界の言葉に言い換えるなら『大学』と呼ばれる場所。だから若者がここまで集まっている。そしてどうやら、ここはその施設の中庭のようだ。
ネットがない魔界においても、はやり若者間に情報が伝達するのはあっという間だ。それを考えれば、マリア達の痴態は瞬く間にウィルダート中に広まるだろう。
ジュクッ…………
下腹部に今までに感じたことのない熱が生まれた。羞恥に対する快感。それがマリアの感覚を支配した。
とろぉ…………
四つん這いになるマリアの淫裂から、透明な蜜液が滴り、石畳の地面に落ちた。
――私……見られて……感じてる……。
自分の中の感情に戸惑うマリアをよそに、ルキアが四つん這いの体勢を変えていた。地面に腰を降ろし、脚を大きく広げていた。それにより、彼女の秘所が大勢の前にさらされた。重なって全員が見れたとは限らないが、建物の窓から覗く人達も合わせると目算500人以上は間違いなくこの場にいる。
――姉様……一体……何を?
「皆様、私は大勢の前で裸体をさらし、いやらしく感じてしまうようなどうしようもない淫乱メスブタでございます♥」
声を張り上げるでもなく、しかし確かに通る声でルキアがしゃべり出した。普段の彼女だけを知っている者ならば絶対に耳を疑うような言葉だった。
「ラムサス様の側近ルキアとしていつもは振る舞っていますが、本当はもっと恥ずかしい姿を色んな人に見てもらいたいのです♥」
そう言いルキアは、自分の淫裂の肉ヒダに指を添え、左右にぐにっと押し開いた。ぷくっと愛液が玉になって溢れだし、尋常じゃない流れとなって滴った。
ジョロジョロ…………ジョロロロロロ――――――――
その格好のまま、ルキアは放尿をし始めた。黄色い聖水の放物線が、500人もの大勢の前に解き放たれた。
「ああぁぁ…………おしっこ……しちゃってるぅ。この私が……♥」
顔を真っ赤にしながらも、恍惚の表情を浮かべるルキアは、まさに周囲が言う痴女そのものだった。
「あら、ルキアちゃん。私も負けていられないわね」
そう言ったのは母シェーラだった。シェーラは四つん這いのまま観衆に尻を向け、そのまま放尿し始めた。ルキアと比べて高い位置からの放尿だったため、尿は石畳に強くたたきつけられ、周囲に飛沫を上げて飛び散った。
「ふふふ、こんな変態な私が生んだんだもの。ルキアちゃんがこんな変態なのも当然ね♥」
唐突に放尿を始める2人に、辺りは一気にざわめき出す。ここが普通の人間たちの住む世界ならば、美人のこんな姿を記録に収めようと携帯端末を取り出しているところだろう。事実、マリアも自分の4Kカメラで記録に収めたくてしょうがなかった。しかし、それよりも強い衝動が彼女を支配していた。
――おかしいです。こんな趣味、私にはなかったはず……なのに……なのに――――
マリアはすっくとその場に立ち上がった。それにより、高さが低いシェーラとルキアよりもマリアの方が注目を浴びる形になる。
いつのまにか、マリアの乳首は行為のさなかであるかのように硬く勃ち、恥ずかしさで白い肌は朱に染まっていた。彼女の息は荒く、それでも口角が上がってしまっていた。
「学生の皆さん、このエッチなロリサキュバスの恥ずかしいところ、全部見てください!」
下腹部に刻まれた奴隷の焼き印に手を添え、腰を少し前に出し、そして一気に膀胱に力を加えた。
チョロチョロ…………チョロロロ――――
足を開いているわけでないため、淫裂から放たれた尿は彼女の白く細い太ももに、黄色い筋を何本も作った。重力に従って脚を伝って流れ落ちていく尿は、膝、ふくらはぎ、足首、甲を通過し地面を濡らした。
急に立ち上がったマリアもまた放尿を始めたことで、好奇の目がマリアに降り注いだ。突き刺さるようなその視線に、彼女は子宮がブルブルと震えた。
「はぁぁ…………気持ちいぃ……♥」
プシュッ――――プシッ…………
マリアは立ったまま、放尿しながら絶頂した。尿に混じって潮を吹いたため、一体どちらが淫裂から噴いているのか分からなくなった。
「はっ…………はぁっ…………」
フラフラとなりながらも、マリアは倒れることなく快楽の波を終えた。
「んああぁぁっ、はぁぁ……♥」
横に目をやると、ルキアとシェーラも失禁しながら絶頂していた。それどころか、ルキアは脱糞までもし、さらに自慰行為まで始めていた。
「ルキア姉様……」
ヴェルガ達に命令されたわけでもない。マリア達は自分たちの判断でこんなことをやっているのだ。相当快楽に溺れた自信はあったが、こんなことを自分からするようになっていたつもりはなかった。
しかし、なぜか正体の分からない衝動が彼女たちをかき立てるのだ。大勢の前で痴態をさらせと、もっと自分を辱めろと、どこからどもなく絶対に逆らえない命令の声が聞こえるのだ。
――どうしてこんな……そういえば、あの男性の目を見てから……。
先ほどの金髪魔族の瞳を思い出す。その時だった。
「おい、お前達、一体そこで何をしている⁉」
人混みの向こうから、何やら声が聞こえた。どうやら警備兵が駆けつけたようだ。
そこではっとし、マリアは絶頂で震える脚に鞭を打ち、警備兵が来る方向と逆の方へ駆け出した。後ろでルキアとシェーラが警備兵に取り押さえられる声が聞こえたが、振り返らなかった。
重なる人混みを躰が小さいことを利用し、上手くすり抜け中庭から飛び出した。校舎の裏側へと周り、一体どこに向かうつもりなのかはっきりしないまま走った。ただ、あそこにいたら――――
――あのまま捕まったら、この欲求を解消できないじゃないですか!
古くさい倉庫の脇を通ったときだった。倉庫の扉が開き、中から手が伸びてマリアの腕を掴んだ。
「っ……⁉」
そのまま倉庫の中へと引き込まれ、勢いよく扉が閉まった。後ろから口を押さえられ、大きな影が覆い被さった。
「静かに。ここでやり過ごそう」
マリアを引き込んだのは、どうやらここの学生のようだ。薄暗くて目が慣れるのに少し時間がかかるが、見たところ学生は全部で4人はいた。
倉庫の外を、警備兵が走りすぎる音が聞こえ、そして遠ざかった。
「……よし、もう大丈夫だな」
「どうして私を助けてくれたのですか?」
「あぁ、それは……」
学生達は全員男で、少し言いにくそうに視線を背けた。
――そうですか、サキュバスの私には分かりますよ♥
マリアは彼らの要求ならぬ欲求に気づいた。
「皆さん、私の目を見てくださいね」
そう言うと、自分に視線を合わせてきた彼らにマリアは、『サキュバスの洗礼』を浴びせた。何てことはない、催淫、だ。
「っ……これ、は……」
自分の中に湧き上がる性的衝動に戸惑っている様子の学生たち。それを受け入れるように、マリアは正面の学生に近づき、大きく膨らむ股間に手を触れた。
「マジ、かよ…………」
「いいんですよ、私を犯したくてしょうがないんでしょう? 良いですよ、犯して。レイプでも良いですよ。あぁ、合意ならレイプって言わないですかね。正直、男性なら誰でも良いんですよ。サキュバスだからとか、女だからとか、もうどうでもいいです。私、メスブタですから、どうぞ汚く使ってください♥」
気づけばマリアは、男に押し倒されていた。下半身が尿まみれであることもかまわず、男は己の膨張した欲根を、小さな肉穴へとねじ込んだ。ぎこちなくも勢いのある挿入だった。
「はぁぁぁっ、は、入ってきましたぁ♥」
――ヴェルガ様よりずっと小さくて、欲しいところに全然届かないですけど……それでもいい。このメスブタを使ってくれるだけで嬉しい♥
それは、先日マリアがヴェルガに言ったことと正反対だった。躰の相性が良いからとか、快楽を感じたいからとか、そんなことは些事であるかのように、ただひたすらに『性行為をすること』が目的になっていた。それはもう女であることやサキュバスであることを捨て、本当に奴隷という名のメスブタになっている証拠だった。
――どうして自分がこんなことになっているのか分からないけど、そんなこともどうでも良い……ただ、使って欲しい、こんな私を♥
「ほら、あぁっ、ほ、他の皆さんも、じゅ……順番待ちは、辛いでしょう? ひぎゅぅ……、んあっ、もし、良かったら、わ、わた……私の手と口を使っても良いですよ」
力任せの抽送に、小さな彼女の躰は大きく揺さぶられた。正面から抱きすくめられ、殴りつけられるように突き上げられた。
「おぐぅ、はぁっ、えぐふっ……あぁあっ♥」
「とんだ淫乱娘だな。中庭であんなことして変態なのは分かってたけど、出会い頭に犯してくれなんてな!」
「ふふっ、ふ……私、メスブタ、肉便器ですからぁ……おぐぐう……!」
マリアが喋っているの遮るように、別の男がマリアの口に肉棒を突き入れた。喉まで距離が短いため、簡単に亀頭が喉奥に到達し、途端に嗚咽感が彼女を襲う。しかし、それすらもマリアにとっては打ち震えるほどの悦びだった。
――あぁ、私の口で気持ちよさそうな顔しています。
「やべぇ、こいつ気持ちよすぎ」
「こんなにまんこ小さいのに、簡単に俺のを呑み込んだぜ、相当なヤリマンだなきっと」
「分かってたろ、そんなこと。でなきゃ、あんな大勢の前でしょんべん垂れ流してねぇって」
「それもそうだな」
会話をしている男二人に上と下から串刺しなさながら、マリアは何度も絶頂を迎えていた。そのたびに喉や膣がぎゅうぎゅうに収縮した。それが一層男達を悦ばせ、行為の苛烈さを増した。
「んぐっ――――」
合図もなしに、男は二人とも肉棒を深くまで突き入れ、それと同時に果てた。
ビュルル、ビュグッ、ビューッビューッ……ビュルビュル……
「んんん~~~~~んっ、ひぐっ、んぐぶぅ……」
背中が折れんばかりにのけぞり、同時に激しい絶頂をした。両手と両脚が電撃を浴びたかのように小刻みに痙攣し、無防備な子宮と胃に男達の精液を受け入れた。
「あぁ……ゾクゾクします。もっと……もっと雑に使っても、いいですよぉ♥ はぁ♥ ザーメンだけでなく、おしっことかも私……大好きですから。どうぞ、このメスブタ肉便器を汚してください♥」
まだ物足りないマリアは、口の周りに残った精液を指先で拭い、口に運んだ。
「っ…………そこまでいうなら、とことん使ってやるよ。孕んでも知らねえからな」
――残念です。もう私、孕んじゃってますから。まぁ……そのお詫びとして、どんどん使わせてあげます♥
マリアは悦びに瞳を細めた。
今度は別の男がマリアを抱き上げた。
ズブッ――――ズズズゥ……
そのまま彼女の小さな淫裂に己の欲根を突き入れた。マリアの軽い体は結合部で軽く支えられた状態になった。
「おうぅ…………はっ……♥」
「これでどうだ。これでも気持ちいいか?」
男はマリアの躰を支えていた両手を離し、彼女の首に回した。彼の大きな手が、マリアの首を締め上げていく。
「はっ…………おぐぅ……ぐ、ぐるじぃ…………」
「すげぇ締まるぞ! 皆もこれやって見ろって」
マリアの首を絞めたまま、男は腰の律動を始めた。
「ぁあ、あぁは♥ おぅ、はがぁ゙、んあぁ♥」
空気を求めてマリアは口をパクパクさせた。しかし、男はかまわず抽送を早める。
――死んで……じまぅ……
ビュルルルルッ、ドクドクドクッ…………ぶじゅるっ……
シャァァ、ァァァアァァ…………
男がマリアの膣内に射精するのと同時に、彼女は失禁した。先ほど出したばかりで膀胱に尿が残っていないのか、その勢いはなかった。
「はは…………きも、ちいぃ……♥」
息苦しい中でも、マリアは行為の快感に浸っていた。
それから、男達は次々と己の欲望を小さな躰の少女にぶつけていった。容赦なく、思うがままに。
***
しばらく経った後のことだった。
「こんなところにいた、マリアちゃん」
倉庫にヴェルガが現れたのは、二時間後だった。
そこには、マリアだけが一人床に倒れていた。全身精液まみれで、気絶していた。よほど乱暴に扱われたのか、口の周りには吐瀉物がこびりついている。あちこちに彼女のものなのか、それとも男達のものなのか、黄色いの尿が飛び散り、さらに彼女は脱糞までしていた。
ぶぴゅっ…………
「あぎぃ………………はぁ♥」
淫裂から入りきらない精液が吹き出た。ヴェルガの登場でわずかに下腹部に力が入ったのだろう。
「あぁあ、見付けるのに時間かかっちゃったよ。まさかこんなところにいるなんて。やっぱりマリアちゃんも、ルキアちゃんや淫乱ママさんと一緒で、魔眼による『暗示』にかかっているのか――――――
――――――でも、かけた本人がもう死んじゃったから、もう解きようがないや」
残念そうな発言ではあるが、別段落ち込んだ様子はないヴェルガだった。
「しかしあいつ、あのヴァンパイアの女の子を手駒として使っていたとは……。まさかクローディア様やクラレンス様が出し抜かれることがあるなんてな。おかげで闘技大会は後日に仕切り直しになっちゃったし」
ヴェルガはマリアの腕を掴んで立ち上がらせようとした。しかし、彼女はまだ気を失ったままだ。
ジョロ、ジョロジョロ…………
尿道が緩んでいるのか、躰が持ち上げられたまま彼女は途切れ途切れに失禁した。また新たな汚水が、床を塗らした。
「本当は俺っちたちだけのマリアちゃんでいてくれた方が良かったけど、こうなっちゃしかたないか」
ヴェルガの言うとおり、マリアにはとある暗示がかけられた。
その詳しい内容はかけた本人――話の脈絡上、それがヴァンパイアであることだけは分かる――が死んだ今、詳らかになることはなくなってしまった。それでも分かることは、マリアはところかまわず服を脱ぎ、自分から痴態をさらすような変態になったこと。そして、男なら誰でも腰を振る、正真正銘の淫乱になったこと、それだけだ。
その暗示をかけた犯人は、あの闘技大会で現れた金髪の青年である。彼が一体どういう素性だったのか、どういう風に今回の件に関わっていたのか、そして、どういう過程で命を落とすことになったのかは、また別の話だ。今回の話は、事件の終局だけを一部切り取ったに過ぎない。
一つ言えることは、今回の件に関してマリアはただの被害者であるということだ。また、マリア以外にも、柚希や胡桃、ゼストも同様に被害に遭っている。
それでもともかく、事件は解決した。マリアの全くあずかり知らないところで。少しのネタバレをするならば、ゼストがその全貌を知っている。
予想外の邪魔が今回入ったものの、クローディア達の作戦はつつがなく進行している。
変わらずマリアは、歯車の一つに過ぎない。
昨日ぶりです。
毎日投稿週間二日目です。
そして、ヴァンパイア編の第一話です。といっても、この物語は四人のヒロイン(マリア、柚希、胡桃、ゼスト)にまたがって書かれた物語なので、マリア編だけでは全く全貌が明らかになりません。実際、マリア編ではこれ以上ヴァンパイアが絡んでくることはありません。
気になる方はこれから投稿されるヴァンパイア編をご覧ください。サブタイに必ず「ヴァンパイア」と銘打っているのでわかりやすいとは思います。
ということで変態になったマリアちゃんの物語でした。