クリントたちの責めに耐え続ける柚希は、日常の異変に気づき始めた。
しかし、事態はすでに最悪なまでに悪化し、彼女は泥沼へとはまっていく。
~2月10日~
柚希が通う高校の屋上に、クリントは立っていた。人差し指を立てて、宙でくるくると遊ばせている。それだけ見ればまるで子供の手遊びだが、その指先はうっすらと光を帯びている。
「ふふふ、育ってる育ってる。僕の人形たちの本能が、欲望が、立派に理性を破って育ってる♪」
少年は下を見下ろした。そこには登校してくる生徒たちがいた。
「神族の女がいない今、この学校は僕のものだ」
クリントは邪悪に笑う。これから起こることを待ち望むかのように。
***
――やっぱり、どこかおかしい……。
柚希は違和感に気づいていた。先週まではそこまで気にならなかったが、今週になってから、妙な視線を向けられることが多い。特に男子からのものが多い。
柚希は基本的に無表情かつ無感情で、積極的に他人と関わる性格ではない。それは、勇者の一族として自分と接点を持つ人をあまり作らないという意図もあるが、そもそも得意ではないということもある。だからといって、彼女はそのことに悩んでいるわけではないので、別に新たに行動を起こすようなこともない。それで日常に支障は無い。
しかし、今回ばかりはそのことが事態の把握を遅らせた。数少ない友人であるクラスメイトの相川志保と榊千佳にはすでにそのことを尋ねたが、彼女たちは心当たりがないと言っていた。
これでは、男子たちから向けられる視線の理由が分からない。
――何か、嫌な予感がする……。
「んくっ…………」
柚希は身をよじらせた。それもそのはず。柚希のアナルには、アナルビーズが挿し込まれているのだから。
――それでも、こうも毎日してると案外慣れてくるものね……。
以前より快感が小さくなっていた。ビーズを挿した状態で動くことも問題無くなった。
それでも、やはり意識がそこに集中していたのは事実だった。
「きゃっ」
自分のすぐ横で起きた悲鳴に、柚希はすぐに対応できなかった。
冷たい感覚が全身を覆う。どうやら水がかかったようだ。
「ご、ごめん、野中さん!」
どうやら、窓際に置いている花に水をやろうとしていた千佳が、机の脚につまずいてしまったらしい。その所為で、小型カップに入った水を柚希に掛けてしまったのだ。
「大丈夫、気にしないで」
それだけ言うと、柚希は濡れた制服を着替えるため、更衣室へと一人で向かった。
幸いその日は体育の授業が有り、体操服を持ってきていた。アナルビーズを入れたままの体育は未だに慣れないが、それでも違和感なく動けるようになっていた。
制服を脱いでたたむ。下着の着用はアドミラスに禁止されているので、それだけで柚希は全裸になってしまう。
「やっぱり本人だったか」
「⁉」
更衣室の扉が開いた。入ってきたのは、男子生徒だった。
咄嗟に制服で躰を隠す。
その顔に見覚えがある。普通なら、刃更以外の男子に興味の無い柚希は、男子生徒の名前を覚えることは少ないが、その男だけは違った。それほど、印象的な事件があったからだ。
「堂上……」
堂上翔平は三年生だ。彼は成瀬澪のファンクラブのリーダーで、普段の素行が甚だしく悪い男子生徒だ。秋の体育祭の準備では、周囲が彼にかなり翻弄されていた。そして、体育祭で起きた事件にも、彼の意思とは別に関与していた。
「おいおい、先輩だぜ、俺は。堂上『先輩』だろう?」
堂上の言葉を無視し、柚希はかけ出していた。彼の死角に回り、掌底を彼の顎めがけ放った。
本来の女子なら、悲鳴を上げて周囲に助けを求めるところだが、柚希は即座に相手を気絶させにかかったのだ。
「っ――――!」
アナルビーズが徒となった。急に激しく動いたためにビーズが擦れ、狙いがはずれた。
結果、掌底は堂上の首元へと当たった。
「うおっ! いって!」
咄嗟に数歩下がる堂上。
「いきなり暴力かよ。きれいな顔して野蛮だなぁ、柚希姫」
「いきなり女子の着替えを覗く男に、野蛮呼ばわりはされたくない」
再び柚希は構える。
「待てよ。これ、お前だろ?」
「?」
堂上は携帯端末を取り出し、画面を見せた。そこには、とある動画が再生されていた。
そこには、男物のシャツを着た柚希が、街を歩いている動画だった。間違いない、それは先週の日曜日に、アドミラスに犯されて妊婦のようになるまで腸に精液を入れられ、衣服をクリントに剥ぎ取られたあの日の帰り道だった。
「それは……」
「どうみてもノーブラだし、体型もおかしいし疑わしかったが、顔は完全にお前なんだよな。それに、こういうのもあるんだぜ? それも沢山」
そう言って、堂上は別の動画を次々と再生して見せ始めた。
その動画はとある少女の姿が映し出されていた。少女がトイレの便座に座っているものや風呂に入っているものから始まり、どこかのプールサイドで脱糞しているものや暗い倉庫で男に尻穴を犯されているものもあった。挙げ句の果てに、本物と見まがうばかりの、到底CGとは思えないほどリアルな触手に躰を弄ばれているものもあった。そして、その全ての少女の目元や陰部にはモザイクが掛けられていた。
「それは…………」
見間違うはずもない。それは柚希自身だった。アドミラスに陵辱されているものや彼女の日常が隠し撮りされたものだった。
「どう見ても、お前だよな? しかも、中にはこの高校の中で撮影されたものもある。お前、いつからこんなAVに出るようになったんだ?」
「一体……その映像……どこで……」
さすがに動揺が隠せない。そんな様子の柚希を初めて見たのか、堂上は妙に優越感を浮かべた顔で答えた。
「とあるサイトに上がってたんだよ。その様子だと、まさか気づかれるなんて思ってなかったんだな? 悪いが、すでにこの女が柚希姫なんじゃねえかって、この学校の男の中で持ちきりなんだぜ? それで俺が直々に出向いてお前を見張ってたら、案の定、お前の尻には、いかがわしいもんが挿さってんじゃねえか」
「っ…………」
咄嗟にお尻を押さえるが、もう時すでに襲い。
「動画の中には、お前がアナルビーズを入れながら学校に通う風景も映ってんだよ」
――クリントの仕業……騙していたのね……。
決して信用していたわけではないが、それでもここまで裏切られるとは思っていなかった。
「学校の姫がこんなビッチだったとはな。まさか澪姫の動画もありゃしねえかと探してみたが、それはないようだ。俺としちゃそっちのほうがずっと良かったんだがな~」
「それで、それを私に見せて何のつもり?」
「分かんだろ? 噂にはなっちゃいるが、この動画がお前だって誰も確証は持ってねえ。俺以外は。これがばらされたくなけりゃやらせろ」
酷くシンプルな言葉だ。それでいて、欲望が丸出しだった。
「断る」
「いいじゃねえか、どうぜ東城とも毎日やりまくってんだろ? てか、これやらせてんの東城だろ? あいつゲスだもんな。自分でカメラ構えて、他の男とお前をやらせてんだもんな。もしかして今澪姫が学校休んでんのって、子供孕んじまったからなんじゃないか? 腹出ちまって学校来れないとか。だったら最低だな、東城ってのは! 今すぐ殴りに行かなきゃ気が済まねえ……俺の澪姫に勝手に手を出して許されると思ってんのかってんだ」
妙にヒートアップしているのか、一人でペラペラとしゃべり出した。
「刃更を侮辱すると許さない」
「許さない? てめえ誰に物言ってんだよ」
その時、耳元に声が響いた。
『ふふふ、インキュバスの洗礼』
その瞬間、下腹部に猛烈な熱が帯び始める。
「うっ…………!」
脚に力が入らなくなり、膝を突いてしまう。クリントが柚希に催淫を掛けたのだ。
――一体何のつもり……⁉
アナルビーズが掴まれる感覚があった。
――まさか……。
ズブズブズブ――――――
突如、アナルビーズが引き抜かれた。
「んんんんん~~~~~~!」
慣れたとはいえ、勢いよく引き抜かれるとどうしても快楽に負けてしまう。柚希は堂上の目の前に絶頂してしまった。手に持っていた制服を滑り落とし、全裸があらわになる。潮も噴いてしまい、更衣室の床を塗らした。
「はっ…………はっ…………」
カランとアナルビーズが床に落ちた。
――クリント……こんなところで抜くなんて……。
「なんだ? 準備万端じゃないか」
それからの堂上の行動は早かった。
足腰に力が入らなくなった柚希を、更衣室の真ん中にあるベンチに押し倒した。
「今楽にしてやるよ」
血走った目をしていた。堂上はどう見ても理性を失いかけていた。
「い、あ……くっ……」
すでにぐちゅぐちゅに濡れた淫裂に、堂上は取り出した己の肉棒をあてがった。
「待って……それは……」
寒気が走り、必死に身をもじる。普段の柚希の腕力なら、堂上を跳ね飛ばすくらい造作も無いが、絶頂の直後であるのに加え、催淫により力が抜けていた。
「澪姫とやることは想定してたが、まあ柚希姫でもいいか」
そんなことを言いながら、堂上は腰を前へと推し進めた。
ズブウゥッ――――ブチッ、ズブズブッ、ズゥチュッ――――
「かっ――――」
ガチガチに固まった亀頭が、いとも簡単に柚希の処女膜を突き破り、その奥へと侵入した。
クリントの約束で賭けていた柚希の処女は、全く関係の無い堂上により散らされてしまった。男の知らない膣内に、ギチギチに肉棒が詰め込まれる。
――嘘……こんな……ことって……。
さしもの柚希も、この非道な仕打ちに涙が溢れてきた。クリントたちの責めに耐え続け、必死に守ってきた処女が奪われ、すさまじい絶望感に飲まれた。
「うおぉぉ! やりまくってるかと思ってたが、お前処女じゃねえか!」
「い、痛い……ぬ、抜い……て……」
結合部からは処女膜が破れた証拠に、真っ赤な血液が流れ落ちてベンチを少しだけ染めた。
「やべえよ、柚希姫の処女を奪っちまった! 東城に襲われてなかったんだな! 最っ高だぜ!」
堂上は激しく腰の前後を始めた。柚希の膣内を強引に押し広げながら、何度もつきまくった。
「ふぐっ……ん、くっ……やめ……」
「やっぱ処女をやるのはいいなぁ! 何人やっても飽きねえ」
更衣室内に堂上と柚希の肌がぶつかり合う音が反響する。血と愛液が床に飛び散った。
――刃更……ごめん……うち……守れんかった。
刃更に対して強烈な罪悪感を覚えたが、クリントにより主従契約魔法の呪いは発動しない。
――いっそ……呪いで殺してほしい……なのに……それすらも――――
ズブッ、ズチュッ、ボチュッ、ズッ――――
アドミラスに躰が開発されていたためか、処女の痛みはすぐになくなり、新たな快楽が積み上げられる。
「やぁっ、ん、ひっ、い、いやぁ!」
それを否定するかのように、柚希は必死に首を振る。
それにより、少し体位が崩れた。それを立て直すように、堂上は柚希の尻を掴んだ。
「ひっ――――――――!」
その瞬間、再び柚希は絶頂してしまった。予期せず尻を鷲づかみにされ、快楽の天井へと打ち上げられたのだ。
「ははぁ、尻が弱点なのか? 道理で動画が尻責めが多かったわけだ!」
弱点まで言い当てられてしまい、柚希はもう逃げ道がなくなっていた。
尻を責められるのと同時に、腰の律動も速度を上げる。
「あぁ、はっ! んあぁ、あ、あかん、それはっ……」
ドチュッ、ジュチュッ、ズチッ、ジュプッ、ズチュッ――――
膣壁をガリガリとこそげながら、肉棒が何度も抽送される。
ゾクッ――――――――
――い、いや……なのに……。
心で強く否定しても、躰は男の肉棒を待ち望んでいたのだ。だからこそ、堂上の強姦にも躰は悦びを見いだしてしまう。
「そろそろ出すぜ!」
「っ…………や、やめて、それだけはっ――――」
――中まで汚されたら……。
しかし、柚希の制止を聞き入れる堂上ではなかった。
膣内の肉棒が大きく膨らむ。そしてついに、最悪の瞬間が訪れた。
「行くぜぇぇぇぇ!」
「いやあああぁぁぁぁぁ!」」
更衣室に柚希の悲鳴が響き渡った。
ビューッ、ドクンドクッ、ビュググッ、ビュルルルルッ
「ああぁぁぁ――――――――!」
柚希の膣内に堂上は汚れた欲望を容赦なく吐き出した。じわじわと広がるねっとりとした熱を感じていた。
――ほんまに…………出された……嘘や……。
「あ……はっ…………」
現実を受け入れられない。本当に自分に起きている事なのか。
「あぁ~~~~~~すっきりしたぜ」
「やぁ、もうやってるね」
別の声が更衣室内に響いた。
いつからから、別の男子生徒が入ってきていた。
「おう、穂積。悪いがお前の柚希姫、先にもらっちまったぜ」
穂積海司。柚希のファンクラブのリーダーだ。堂上と同じ三年生で、印象としては常に柔和に笑っているような男だ。しかし、以前に気持ちに応える気は無いと断言した柚希を、執拗に応援し続けている。
「いいさ、僕は柚希姫の全てを愛している。処女厨の君に彼女の純潔を奪われたくらいなんてことないさ。大事なのかここからさ」
柚希は、二人が会話しているのを初めて見た。おそらく、多くの生徒がそうだろう。だから、二人は仲が悪いのだと思っていた。しかし、二人の会話はどこか気安い感じだった。
穂積はにこやかに笑いながら、堂上に組み敷かれる柚希を見下ろした。
「こんにちは、柚希姫。絶望に歪み涙を流す君も美しいよ」
――助けに来た……訳ではない……のね……。
さらなる絶望が柚希を襲った。
「さて、この様子なんだけど、僕の携帯にすでに録画済みだ。どうやら処女だったみたいだし、この様子を東城に見せたらどう思うかな?」
「っ…………」
「いや、東城だけじゃない。今度はモザイクなしでネットに流しても良い。先生たちに見せれば、もしかしたら不純異性交遊で何らかの処罰が学校から下されるかもしれない。しかも、君は現在進行形でネットに動画が流出している。これが君であることも教えれば、退学処分も免れないんじゃないか?」
穂積の言葉がやけにぼやける。現実から目を背けたくて、柚希はもう何も考えたくなかった。
「堂上、少し避けてくれないか?」
「あぁ? 何で?」
「いいから」
しぶしぶ堂上は、柚希から肉棒を抜いた。淫裂から、白濁した精液がトロリと滴った。
その様を満足げに眺めながら、穂積はポケットからマジックペンを取り出した。キャップを外すと、柚希の真っ白な左の太ももにペン先を当て、動かし始めた。
「や……なにを……」
穂積は文字を書いた。
『2 / 10 処女喪失』
その下に短い横線を一本書き入れた。
「まずは経験一人ね。これ、落としちゃだめだよ。もちろん躰は洗って良いけど、消えそうになったら自分で書き直してね」
「そんな…………」
その時、更衣室の外から声が聞こえた。
「おい、更衣室で何をやっている⁉」
生徒指導の先生の声だった。
「やべ、予想より早いな」
別に焦った風でもない堂上が言った。
――嘘……先生……この様子を見られたら……私は……。
柚希が何よりも恐れたのは、刃更に知られること、そして、その結果日常が壊れることだ。このままではそのどちらも現実になってしまう。
しかし、更衣室に入ろうとする先生を呼び止める女生徒の声があった。
――この声……は?
どこかで聞いた声だった。その女生徒はしばらく先生と話をしていた。そして、先生はなぜか更衣室から遠ざかった。
「ふう、あっぶね」
「僕がこんな事態になることを予想していないわけないでしょう? その点、いつも後先見ないんだから、堂上は」
「うるせえよ」
二人のやりとりをよそに、更衣室の扉が開いた。
「っ…………!」
柚希は息を呑んだ。その人物が、あまりにも驚くべき人だったからだ。
「梶浦……先輩」
「野中さん……ごめんなさい」
梶浦立華。二年生だ。黒い長髪を三つ編みで結っている。確か、三年生からすでに役職を引き継いで生徒会長になったはずだ。体育祭は彼女の頑張りがなければ成り立たなかっただろう。
どうして彼女が穂積たちの味方をしているのだろう。
「ありがとう、立華ちゃん。ご褒美」
そう言って穂積は、立華にキスをした。下を絡める濃厚なキスだった。
「ふっ……んん♥ ぷはっ……」
とろけるような女の顔をしていた。それは、とても淫靡だった。
「どうして……あなたが……」
柚希の予想では、立華は刃更に少し気が合ったように見えた。それは何の確証もない女の勘だったが、それでも間違いないと踏んでいた。それなのに……。
「おう、生徒会長。どうだ? 昨日俺とやった後、ちゃんと穂積に慰めてもらったか?」
「っ…………」
状況が飲み込めない柚希に、穂積が話しかける。
「立華ちゃんは君のように堂上に処女を奪われたんだ。そしてその後に、僕の彼女になったんだ」
「『五人目』のな?」
「五人目の彼女だろうと、僕は皆平等に愛しているよ?」
「愛してる、ねえ?」
堂上は立華に近づくと、彼女のスカートをたくし上げた。
「っ……」
立華はそれに抵抗一つしない。
「それ…………」
立華はショーツを履いていなかった。そしてその代わり、左の太ももには文字が書かれていた。
『12 / 25 処女喪失』
その下には、『正』の字が二つ並んでいた。その意味を理解したとき、柚希は戦慄した。
「生徒会の年末の打ち上げの帰り道に偶然こいつと会ってな。その勢いで襲っちまったんだ」
「さて、柚希姫。立華ちゃんに圧倒されている場合じゃないよ?」
穂積はベンチに倒れたままの柚希に覆い被さった。
「今度は、君の太ももに、もう一本の線が書き加えられる番だよ」
「っ…………やぁ……」
逃げ出したい。しかし、柚希はまだ躰に力が入らない。しかし、クリントの催淫も未だに解けていないため、足腰に力が入らない。
ちょうど今は放課後、時間は五時半。
柚希は、短針が『七』の数字を過ぎるまで更衣室から出ることが許されなかった。
***
制服はすでに乾いてしまったため、それを着て柚希は帰宅した。
――全身からあいつらの精液の臭いがする……。
早く躰を洗いたかった。しかし、それよりも先にすることがあった。
玄関に入る直前、柚希は虚空に語りかけた。
「約束が違う。一体何のつもり。ネットの動画も……」
応えはすぐにあった。
「ごめんごめん、まさか僕たちとは全然違うところで君が襲われるなんて思ってもみなかったんだよ。それに、まさか個人的に見るためにネット上に残してた動画がオンライン公開されてるなんて僕も分からなかった。設定をミスったね。いや~難しいね、ネットって。知識が無いまま使うと大変だ」
現れたのはクリントだった。
そのとぼけた表情を見て、一層柚希は悲しくなった。自分は一体何をしているのだろうと。
「でも、催淫を掛けた。しかも、あのタイミングでビーズを抜くなんて……」
「だからごめんて、インキュバスとしての本能に負けちゃったんだよ。でも約束は破ってないよ。僕たちは柚希お姉ちゃんの処女を奪っていないんだから」
「っ…………それでも、これじゃあなたのいうゲームが成立しない。私があなたたちに屈し……処女を捧げる事を望めば私が負けって言うルールだった。でも……」
「そうだね、君の処女はもう跡形もないね。どこぞと知れない人間に散らされちゃってね」
わざとなのか、やたらと柚希の心をえぐるような言い回しをしてくる。
「それじゃルール変更だね。君の負けの条件はそうだね……僕たち、そして、あの人間たちに犯されることを自ら望むことにしよう。負けたら、胡桃お姉ちゃんの処女はなくなる。そして勝ちの条件は前と同じ。東城刃更が澪を見付けること」
「…………」
どんどん追い詰められていくようだった。それでも、すでに柚希一人にはどうしようもないところまで来ていた。
だから、彼女はそれを飲むしかない。
無言で頷いた。
「それじゃ、それでゲーム再開ね。そうだ、処女も無くなっちゃったし、今晩からは前穴も犯す対象にしていいね。アドミラスに後でそう言わなくちゃ」
それに反論することも、彼女には出来ない。
柚希はにじんだ涙を拭き、家の中へと入っていった。
「おかえり、お姉。遅かったね」
家の奥から胡桃の声が聞こえる。それだけが柚希を救ってくれる存在だった。
***
家へと入っていった柚希を、クリントは微笑みながら見送った。
「さてと、『本物』の胡桃お姉ちゃんは、今日はどこにいるのかな?」
そう楽しそうにつぶやき、クリントは姿を消した。