柚希は、次から次へと男子生徒に犯される日々を送っていた。
そんな中、ついに刃更が魔界から帰ってきてしまう。
~3月1日~
ギシギシとベッドが軋む。
保健室には二つのベッドがあり、その片方が現在使われていた。カーテンは開け放たれ、隠す気は全く無い。
そのベッドでは、複数の男女が絡み合っていた。
堂上を含む男子生徒3人。その3人に犯されているのは柚希だった。
今日は卒業式だった。もちろん全校生徒が式に出なければならないが、肝心の三年生である堂上に呼び出され、こうして保健室に来ていた。
柚希はうつ伏せの状態で膝を立てて、尻を上げている。制服は着ているが、スカートはたくし上げられて、ショーツは履かれていない。
堂上はその尻を鷲づかみにして、己の肉棒を柚希の淫裂へと何度も突き立てていた。
「んあっ……あっ……く…………」
度々声が漏れるが、彼女は必至に声を我慢していた。あまり大きな声を出すと、二階の職員室に聞こえてしまうからだ。
「先輩……もう一回させてくださいよ」
「そうですよ、俺等、最初の一回しか肉姫とやってないんですから」
不満そうな2人の男子生徒は、どうやら三年生の堂上より下級生のようだ。
そんな彼らの不平不満も、堂上は右から左だ。
「いやぁ、処女奪ったときと感覚が大分変わったが、気持ちよさは格別だな。お前も気持ちいいだろう、肉姫?」
堂上はニヤニヤしながら、柚希を犯していた。
学園では、柚希は『肉姫』と呼ばれるようになっていた。誰にでも股を開き肉便器となる、学園の姫。それで肉姫。
――いい気になって……。
しかし、快感があるのは否定できない事実だった。柚希の躰は、この数日間の、男子生徒達の陵辱により、確実に開発されてきていた。一方的な陵辱だとしても、躰はどうしても反応してしまっていた。
「おらよ!」
ビュルルッ、びゅるん……
堂上の射精が子宮へと放たれた。それと同時に尻を揉みしだくことで、柚希に効率的に快感を刻み込んだ。堂上は完璧に柚希の躰を熟知しているのだ。
「んっ…………んっ…………んん……ひぅっ……」
流れ込んでくる熱を必至に耐えながら、柚希は時間が早く流れることを願っていた。
「あれ、先輩、肉姫のまんこから、血が……」
「え……?」
「なんだぁ? 生理か?」
「っ…………」
確かにそれは経血だった。しかし、正確には普通の経血でない。
柚希は現在、経口避妊薬を飲んでいる。彼女が飲んでいるのは、21日間飲んで7日間休むという仕様のものだ。長く続ける場合、その周期を守りながら飲むのが普通だ。休みの7日間は薬を飲まないが、避妊薬としての効力は続いている。通常、その休みの期間に生理が始まり、経血が出るようになるのだ。
そして、現在柚希は、避妊薬の休み期間だ。つまり、経血が出てくるタイミングと言うこと。
柚希は自分の失禁を見られるより不快な気分になっていた。
――このタイミングでなんて……。
「そういえば肉姫、ピル飲んでんだってな。穂積に聞いたぜ」
「…………」
穂積に避妊薬を飲んでいることを教えたことはない。それなのに知っていると言うことは、知らないうちに彼は柚希の荷物をあさったと言うことだろう。
――最悪……。
「なぁ、肉姫。今日からピル飲むの止めろや」
「っ…………そんなことしたら……」
このタイミングで避妊薬を飲むことを止めると言うことは、生理から通常のタイミングで排卵が起きてしまうことを意味する。
堂上は思いついたようにどこかに電話を掛けた。
「おう、お前肉姫のクラスメイトだろう。姫の荷物からピル回収しとけ」
それだけ伝えると、堂上は電話を切った
「な、そんな勝手に……」
「いいのか? お前の恥ずかし映像や写真、東城に知られても良いのか。もっと取り返しの付かないほど学校にばらまくか?」
「…………」
もはや手遅れ気味の現状だが、柚希とてこれ以上の悪化を望んでいるわけではない。まして、それが刃更に知られる展開だけは避けたかった。
「いいか? ピル飲むんじゃねえぞ。生理から危険日ってどのくらいだ?」
もう1人の男子生徒が答えた。
「大体二週間くらいじゃないですか? だから……3月15日くらいですか?」
「それじゃ、再来週はパーティーと行こうじゃねえか。お前ら、出来るだけ人集めとけ。テスト明けだし、大勢集まるだろうな」
柚希は背筋が凍る思いだった。
――一体……何を言っているの?
額に脂汗を掻く柚希に気づき、堂上は口角を上げた。
「楽しみにしとけよ? お前の危険日に、出来るだけ多くの男どもを呼んで乱交パーティーだ。誰の子供孕むかな?」
――吐き気がする……。
再来週、つまりは二週間後。
それは柚希にとって、まるで余命宣告でも受けたような気分だった。
~3月4日~
金曜日の夜、東城家に魔界から刃更が帰ってきた。
「ただいま、柚希、胡桃」
「お帰り、刃更兄ちゃん」
「…………お帰り」
一応柚希は刃更と毎晩連絡は取っていたため、久しぶりという感じはあまりなかったが、それでも以前刃更が家を出た時とは状況が一変していた。
――大丈夫……いつものように……。
元々柚希は感情が表に出るタイプではないが、それでもこの状況でも何事もなく振る舞うのは意識せざるを得ないのだ。
なぜなら、こうして刃更を目の前にしている現在だって、女性器と肛門にはディルド型のバイブが挿入されているのだから。しかし、今はスイッチが入れられていない。後でクリントに何かしら言われるかもしれないが、さすがに刃更の前であのバイブ音を聞かれるわけに行かなかった。さすがに彼をごまかすことは難しいだろう。
「何もなかったか?」
「うん、澪の手かがりは全然。里からも連絡は無いし」
胡桃が刃更の問いに答える。なぜか、いつもより彼女の刃更に対する肉体的距離が近い気がする。
「刃更の方は? 確か、大きな作戦があったって言ってたけど」
「あぁ、でも外れだった。澪の手がかりはない」
「そう……」
――つまり、まだこの生活は続く……。
こうなったら自分も魔界へ行きたいが、しかしそれはクリントが許さないだろう。今更、刃更に提案するのも不審がられるかも知れない。今まで柚希は、日常を壊さないように最低限、気をつけるべきだというスタンスをとり続けていたためだ。
そして、刃更が今帰ってきたのも、その日常を壊さないようにするためだ。来週の月曜日と火曜日に、学校では期末テストがある。澪は休学届を出しているが、刃更はそうではない。普通にテストを受ける必要があるのだ。
「早速で悪いが、テスト勉強に付き合ってくれないか、柚希?」
「もちろん、いい」
刃更に勉強を教えるのは全然いい。むしろ彼と一緒に過ごせる時間を作れるので嬉しいのだ。しかし、さすがに両穴にディルドが刺さっている事を考えれば、手放しに喜んでもいられないのだった。
場所は移動して刃更の部屋だ。
机に向かって座る刃更。その後ろに立つ柚希という構図だ。
「テストで出るところと、今後理解しないと後々響いてくる箇所を要点だけ教える。分からなかったら随時訊いていい」
柚希は成績優秀だ。刃更にとっては、勉強を教わる相手としてはこれ以上無く適任だ。
勉強会は初めのうちは粛々と何事もなく進んだ。
柚希の服は部屋着のワンピースだ。淡い水色の生地に、所々にフリルが付いているものだ。そのスカート生地が、なぜかふわりと浮かび上がった。
「っ…………」
いや、浮かび上がったというより、持ち上がったという感じだ。そして、陰部に生暖かい空気が当たっている。
すぐに分かった。クリントが姿を隠して、柚希のスカートの中に潜り込んだのだ。
――まさか……刃更の前で何かをするつもり……?
その予感は的中した。
カチリと音がした瞬間――――
ヴヴヴヴヴヴヴ――――――
「っ…………ん……!」
淫裂に入れられたバイブにスイッチが入れられたのだ。強さは『弱』だが、唐突な膣内への刺激で柚希はびくりと肩をふるわせた。
「ん? どうした柚希?」
わずかな柚希の変化に刃更は気づいたようだ。
「ううん、なんでも、ないから。そこの問題、解いて良いよ。さっき教えた内容で、ちゃんと解けるから」
「おぉそうか。さすがだな柚希」
幸い、大した不審を持たれることもなく、刃更はノートに向かい直った。
――クリント……刃更の前でなんて……。
とろぉ…………
肉壺の奥から快感の証が湧き出てきた。
――まずい……垂れてくる……。
ぴちょん
一滴の愛液が床に落下した。その音は小さく、刃更は気づかなかったようだ。しかし、柚希は内心ハラハラしていた。
ヴヴヴヴ――――
「ん? 携帯か?」
ついに刃更の耳にもバイブ音が届いてしまったようだ。
「ごめん……私の。多分、携帯ゲームの通知」
「へぇ、柚希でもゲームなんてするのか」
「うん、万理亜に勧められて……」
心音が嫌に大きい。気づかないでほしい、そうただ願った。
「あぁ、やっぱり。絶対いかがわしいやつだろう」
「そ、そう……ごめん、電源切る。それと……ちょっとお手洗い」
柚希は逃げるように部屋を出て、トイレへ駆け込んだ。
「どういうつもり?」
誰も居ないトイレに、柚希は問いかけた。
「だって勝手に電源切るんだもの」
狭い空間にクリントの声が響く。姿は見えない。
「そんなこと言っても、音で絶対にばれる」
しかも先ほど、電源を消すと宣言してしまった。同じ言い訳はもう通用しないだろう。
「せめて……電源だけは……」
「だ~め。それより、どうするつもり?」
「っ…………」
いつのまにか真後ろにクリントが密着するように立っていた。小さい手がスカートの中に伸び、アナルに入れられているバイブのスイッチを入れた。
「んんっ…………!」
両方の穴から振動が来ているためか、それぞれで責められるより何倍も刺激が強く感じられる。ほぼ四六時中感じている感覚でも、柚希の躰はそれだけで悦び、濡れてしまう。
「このままじゃ、再来週は君の孕ませパーティーがつつがなく開かれるんだろう? 何て最高なことを考えるんだろうね、彼らは。それを、君は黙って受け入れるのかい?」
――そんなこと……。
本当を言うならもう二度と学校には行きたくない。それでもクリント自身がそれを許さないうえ、もし行かなくなったら堂上達は家に押しかけかねない。それだけは阻止しなければ、胡桃どころか刃更にまで全てを知られてしまう。
すぐに隠れて避妊薬を飲むことも考えた。しかし、いざ飲もうとしたときにクリントにばれてしまったのだ。
『ふふふ、もちろんダメだよ。彼らには飲むなって言われてるじゃないか。それで飲んでませんって顔して彼らに犯されに行くのかい? つまり、ウソを吐くってことじゃないか。ウソはダメだよ?』
そんなことを白々しくも言われ、釘を刺された。柚希には隠れて避妊薬を飲むという選択肢は残されていない。
「想像してごらん。精子受け入れ準備万端の卵子を子宮に抱えたまま、いつものように学校に行く。そして、パーティーに参加する。何人が集められるだろうね。まぁ、君のファンクラブ会員は全員くるんじゃないかな? 少なくとも66人か。堂上がいるから澪お姉ちゃんのファンクラブも来るかもね。それじゃプラスで76人。合計で142人か。さてさて、一体誰がお腹の子の父親になるのかな」
父親が誰か分からない子どもの妊娠。二週間後、それが柚希を待ち受けているのだ。
「そうだ。いっそ全てを東城刃更に打ち明けて、彼に孕ませてもらうっていうのはどうだい? それはそれで面白いよ」
その選択肢だけは選ばないことを分かっていて、あえてクリントは名案を思いついたように言った。その選択肢を選ぶことは、今まで柚希が受けてきた屈辱を全て彼に教えることに等しい。
――もう……どうしようもないの?
「……そろそろ僕は消えるよ。柚希お姉ちゃんも早く戻らないと東城刃更が心配するよ。大丈夫、きっと今行けば、バイブ音は気づかれないから」
――何を根拠に……。
この土日も刃更に勉強を教え続けることを考えれば、憂鬱にならざるを得なかった。
柚希は踵を返し、ドアノブに手を掛けた。
「思い出した。君にも教えておこうと思ったことがあった」
「?」
「それはね――――――――」
クリントの口から告げられるその内容に、柚希は目を見開いた。
刃更の部屋に戻ると、調子の良いJポップソングが流れていた。
「あぁ、柚希。胡桃が音楽プレーヤとスピーカーを貸してくれてさ。BGMにいいだろうって」
「…………そう、良いと思う」
どうやら、バイブ音が刃更に気づかれることはなさそうだった。
~3月7日~
柚希は先生に頼まれていた仕事があると言い訳をして、先に一人学校へ向かった。人の少ない教室へ入って自分の机を確認すると、案の定、油性マジックで柚希に対する誹謗中傷の言葉の数々が書かれていた。
柚希はここに来る前に理科室から持ってきた100%アルコールをぞうきんに含ませ、それらをきれいに落とした。
――とりあえず、これを刃更に見られることはない……。
刃更には、柚希が周囲から肉便器として扱われていることや、いじめられていることを悟られないようにしたかった。
「おぉ、今日は早いな、肉姫」
教室の扉の前に、二人の男子生徒が立っていた。一人はよく柚希に行為を迫る生徒、もう一人は知らない顔だった。
「ちょっと、こいつ肉姫とやりてぇってんだ。やらせてくれよ、テストに遅れねぇように手短にな」
「…………」
柚希は努めて無表情のまま小さく頷いた。
「トイレに来な」
男子生徒は平然と男子トイレへと柚希を連れ込んだ。
「それじゃ、俺はテスト勉強するから先行くわ。全然やってねぇんだわ」
そう言って柚希の知る方の男子生徒は立ち去った。
「それじゃ、頼むわ」
もう一人の男子生徒、島田と名乗った彼は、柚希を個室へと招き、スラックスのチャックを開けて、すでに膨らみかけた肉棒を取り出した。
「銜えてくれよ」
それが普通であるかのように、島田は平然とそう言った。
――最悪……。
半月もの間で、柚希は男を喜ばせる技術を完全に理解してしまっていた。
柚希は島田のそれを手で扱いてある程度膨らんだことを確認し、口に含んだ。
唇で軽く挟みながら吸い上げ、頭を前後させる。同時に十分に唾液を含めつつ、鈴口やカリの部分に舌で刺激を与える。
――この人……朝に風呂やシャワーに入らない人。臭い……。
性器にこびりついた汗や精液の臭いで、柚希はそんな事まで判断できるようになっていた。
「じゅるっ……んちゅっ……じゅぼ、ちゅる……」
――早く終わらせたい……。
しかし、島田は妙に手強かった。柚希のテクを持ってしても、なかなか射精に至らなかった。
「じゅぼぼっ……じゅるっ、んんぶ、ちゅっ……」
――早くイッて……。
結局、二十分ほど柚希はフェラをし続けていた。
その時、トイレに誰か入ってくる気配がした。一人だ。彼は小便器の前で足を止め、放尿を始めた。
――出来るだけ……音を抑えないと……。
その直後、もう一人誰かは言ってきた。
「お、東城か。久しぶりだな」
「……鬼山先生」
「!」
後から入ってきたのは刃更だった。彼もトイレを済ませに来たのだろう。しかも、先に入ってきていたのは、教師の中で一番初めに柚希の躰を求めてきた男だ。
――刃更……こんなタイミングで……。
先に机の落書きを消しておいて良かったと思ったが、今はそれどころではなかった。扉一枚隔てた先に、柚希の想い人がいるのだ。彼女としては気が気では無い。
「じれったいな、もう入れるぞ」
「っ……」
島田は柚希のスカートをたくし上げ、淫裂のバイブを抜き取ると、即座に自分の肉棒を突き入れた。
「~~~~~~~!」
柚希は両手で口を押さえ、声が出るのを必死にこらえた。
「ん? なにか音が……」
「なぁ東城、どうしたんだ? しばらく学校に来ていなかったみたいだが」
「すいません、親戚の用事があって」
二人は用を足しながら会話を始めた。
「まずいな、東城はともかく、先生に気づかれんの避けないと」
そんなことを小さくつぶやきながらも、島田はゆっくりと腰を動かし始めた。
――刃更がいるのに……そんな……!
鬼山も柚希と肉体関係を持っていることを島田は知らないようだ。柚希とは反対に彼は、刃更に気づかれるよりも生徒指導に厳しい鬼山先生に気づかれることを危ないと考えているようだ。
ゆっくり動かれると、普通にするよりも肉棒の形がよく分かった。膣壁をじわじわと擦られ、快感の蓄積の仕方がいつもと違った。
「先生が入ってきた途端に、締め付けが強くなったな。やっぱり肉姫も先生にはばれたくないか。いや、もしかして気づかれそうで興奮してるのか」
島田は柚希の耳元でそう囁いた。
――そうじゃない……私は……。
ず、ぷ、ぷ、ぷ、ぷ――――
「っ…………ん…………」
少しずつ、それでも重い刺激が積み重なっていく。
「そういえば、野中はどうだ?」
「どう……というのは?」
「いいや、お前達も若いからな。色んな事をやって青春を楽しんでるのか確認しようと思ってな」
――あいつ……まさか、刃更に変なことことを言おうとしてるんじゃ……。
すぐにでも鬼山を止めに入りたい。だけど、今出て行くことは出来ない。そもそも、彼女は島田と行為の真っ最中だ。
「まぁ、色々ままならないことばかりですよ」
どうやら刃更は、鬼山の言葉の裏の意味には気づいていないようだ。
「そうか。人生の先輩として、俺は教えてやれることも多い。することに困ったら何でも相談に乗るぞ。野中や休学中の成瀬と一緒に、色々指導してやるから」
「そうですか。ありがとうございます」
二人が会話している間にも、膣内の島田の欲が徐々に膨らんでいくのが分かった。
「肉姫、出すから」
「っ…………ま、待って……」
――刃更の前で、中出しなんて……そんな!
「それじゃ、お先に失礼します」
刃更はトイレを済ませると、すぐ横の蛇口で手を洗い始めた。ここの蛇口はセンサー式だが少し型が古く、水の勢いが良すぎる。
案の定、すさまじい水音がトイレ中に響く。
「出すぞ」
「――――――――――!」
ビュルルルルッ、ドクン、ドクン……ビュググ
「~~~~~んんんんん!」
口を力一杯に塞いだが、それでも少し声が漏れてしまった。しかし運良く水音と重なってかき消された。
島田の精液が柚希の膣へと容赦なく放出された。よほど溜まっていたのか、何度も脈打ち、そのたびに大量の濁流が流れ込んできた。
同時に、柚希は絶頂してしまっていた。すぐ近くで刃更がいるこの状況で、なぜかいつも以上に激しく快楽の天井へと打ち上げられた。
「あ…………ん、あ…………はっ…………」
柚希は便座にぐったりとへたり込んだ。その様を、島田は満足そうに眺めていた。
いつのまにか個室の外の気配はなくなっていた。手を洗う音は一度しかしなかったが、刃更も鬼山もトイレを出たようだ。
ぽちゃっ……
便器の中に、柚希の淫裂から溢れだした精液が落ちた音だった。
「ああ、気持ちよかった。それじゃぁな、肉姫」
島田は陰部から精液が垂れている様子を携帯で写真を何枚も撮った後、トイレを後にした。
――ごめん……刃更……。
静かに柚希は、涙を流した。
***
「柚希、どこに行ってたんだ?」
教室に戻ると、刃更はすでに席に着いていた。他の生徒も揃っている。
「トイレに行ってただけ」
「そうか、そろそろだぞ」
こくんと頷く。
出来るだけ今は、刃更と顔を合わせたくなかった。柚希の膣内には島田の精液が入っていて、こぼれ出ないようにバイブで栓がしてあったからだ。
――疲れた……。
テストには、集中できそうもなかった。
***
刃更には友人と呼べる物がいない。ただ一人いるとすれば、もともと澪の監視役として魔界から来ていた滝川であるが、現在彼は魔界に帰っている。少なくとも、彼以外の刃更の友人を、柚希は知らない。
本当のことをいうなら、橘七緒という男子生徒(正確に言うなら、現在は違う)も刃更の友人なのだが、彼は彼で、全く関係ない個人的な理由で学校を休んでいる。しかし、それは柚希のあずかり知らないことだった。
それはともかく、刃更の友人がいないことは、いつもならあまり喜べることではないが、今回ばかりは柚希はそれに感謝した。
つまり、刃更は学校中に広まる柚希の噂を知るすべがないのだ。しかも、今はテスト期間中だ。基本的に、全校生徒はテストに気を取られている。休み時間もテストの話で持ちきりで、運良く柚希の噂が刃更の近くで話されることもなかった。
それでも、それは一、二年生の話であって、自由時間を得た三年生は、柚希に気遣うことなく彼女を呼び出し、行為を繰り返した。そのたびに何かしら刃更に言い訳を言うことに、彼女は心が痛んだ。
~3月9日~
テストが終わり、今日から通常授業が始まる。
今回の刃更の帰宅は、テストを受けるためだけが目的であった。これが終われば、魔界に戻って澪の捜索に戻るはずだ。しかし、その日の朝食時、彼はこう言った。
「もう少しだけこっちに居ようと思う」
「……ど、どうして?」
あまりにも唐突な提案に、柚希はさすがに焦った。持っていた箸を取りこぼしそうだった。
「でも、多分あまり学校には行けないと思う」
「?」
こっちには居る、しかし学校にはこないとは一体どういうことなのか。
「ちょっと、探し人かな? 大丈夫、心配は無いよ」
「…………そう」
刃更はそれだけで言葉を切った。柚希はすぐに、彼があまり触れてほしくない部分なのだと悟り、追求するのを止めた。
――でも……学校に来ないのなら……。
焦りはひとまず安堵に変わった。学校に来ないというのなら、現在の学校の状況を感づかれることはないかもしれない。
それでも、結局は一時しのぎにしかすぎないが。
この時、刃更の言った探し人とは、長谷川千里のことだった。
彼は彼で、学校に彼女がしばらく来ていないことを知り、消息をたどるために動くことにしたのだった。
柚希にとって、刃更が学校に来ないというのは幸運のような話だったが、それは逆に、彼に単独行動をさせるということになる。これは柚希にとって、決して幸運ではなかった。
変化は、二日後に起きた。
~3月11日~
金曜日。昼休みのこと。
柚希は突然、刃更にメールで呼び出された。屋上に来てほしいとのことだった。
その瞬間、柚希は背筋が凍る思いだった。もしかしたら、全てばれたのかも知れない。柚希がこれまでしてきた痴態の全て、それらが、彼に伝わったのかも知れない。
柚希は、絶望した気持ちで屋上へと向かった。
――いや、もしかしたら、全然関係ないことかも知れない。大丈夫……大丈夫。
柚希としては刃更の前でおかしな行動を一切取っていない。彼女の様子から事態を予測することは不可能なはずだ。
そう自分に言い聞かせ、柚希は屋上への階段を登る。
息を整えながら、柚希は屋上の扉を開けた。すでに彼はいた。
柚希が来たことに気づき、刃更は彼女にゆっくりと歩み寄ってきた。
「刃更……話って?」
刃更はその力強いまなざしを柚希に向けて言った。
「柚希、お前……俺に何か隠してるだろう?」
柚希は、決断するしかなかった。
前編でした。後編投稿はもう少し後になります。
というか、一日もしないうちに書き上がりました。昨日の胡桃編投稿時点では、この話は一行も書かれていなかったのに……柚希ってなぜか執筆が速いんですよ。楽しいんでしょうねw
次の投稿が柚希編になるかは微妙です。澪編かも知れません。万理亜編でもあと一つ伏線を書こうと思ってますし……まぁ未定です。