「私は…………今日から…………皆の『共有奴隷』になる…………いつどこでも、私を犯してくれてかまわない…………」
~10月29日~
刃更に組み敷かれる少女は、野中胡桃だった。
しかし、正確に言えば彼女は千里の知る野中胡桃ではなかった。彼女曰く、もともとは十五番目のクローン、そして今は『本物』の野中胡桃ということらしい。一体どういう手を使ったのか知らないが、勇者の戦闘服に換装も可能で、霊操術の籠手も自由に扱えるらしい。
「『元』本物は、今頃どこかのステージで歌いながら踊ってるんじゃない?」
「話をそらすな」
千里は東城家のリビングで胡桃と二人で話していた。千里としては必至に平静を装っているが、内心は動揺で溢れていた。
――東城と…………どうしてこの子が……。
正真正銘の野中胡桃ならば別に疑問はない。しかし、目の前の胡桃はクリントの能力によって産み出された胡桃だ。言ってみれば刃更から澪たちを奪った側の人間だ。そういう存在が、どうして刃更と性行為に及んでいるのか分からなかった。
「そんなに嫌だった? 私が刃更兄ちゃんとセックスしてたのが。いいじゃん、初めてじゃないし」
「…………なんのつもりだ、クローン体。元々の野中胡桃とも、随分と性格も違うようじゃないか」
「そうかな? て言っても、私は本物の野中胡桃だよ。素体もそれを認めて、名前を変えちゃってるし」
「そう、それで野中胡桃に成り代わったあなたが、今度は刃更を騙しているということか?」
――そうだ、東城だ。どうして彼は目覚めた? そして、目覚めてすぐにどういう経緯で胡桃とあんな行為に及ぶに至った?
「刃更兄ちゃんが目覚めた理由が気になっているんだね」
千里の疑問を先読みするように胡桃がほくそ笑んだ。
「刃更兄ちゃんが心を断片化されていたのはクリント様から聞いていたんでしょう? それなら分からない? 刃更兄ちゃんが目覚める前と後で一体何が変わったのか」
「何が…………」
昨日の夜――体感として4ヶ月前――に刃更と会って以来、千里は今まで彼に会っていない。その間に起こったことと言えば――――
「心の断片のいくつかが…………彼の元に戻った」
千里は今日の昼間、鬼山の策略にはまり生徒達数名と性行為していた。その行為自体は結界内で行われていたが、その生徒達の全員が刃更の心の断片を持っていて、一人を除いて見事解放することに成功していた。
「その通りよ。別に、心が全部戻らないと彼が起きないなんてクリント様も言っていないでしょう?」
「それは……」
それでは、一体刃更の『心』を奪うのに一体何の意味があるというのだろう。奪われた分を全部取りもどさなくても彼は目覚める。いや、違う。そこで千里はある結論に至った。
――目覚めはする、ということは……。
「それが、お前と行為に及んでいる説明に繋がるのか……」
「頭の回転が速いね。そうよ。刃更兄ちゃんは無事目覚めた。だけど、元の彼じゃないの」
その時、リビングの扉が開いた。
「あぁ、自分の部屋にいてって言ったのに」
胡桃が仕方がなさそうに笑った。
――どういうことだ?
リビングに入ってきたのは刃更だった。しかし、その彼の口から離れた言葉に、千里は耳を疑った。
「くるみちゃん、まだおへやにいないとダメ? そのおねえさん、まだかえらないの?」
「っ…………!」
「もうすぐ帰るよ。怖かったね、せっかく楽しいことしてたのに、『知らない』お姉さんがいきなり入ってきて邪魔するんだもんね」
「何を…………言って…………」
刃更の口調は、まるで小さな子供のようだった。
彼はリビングに入ってくると、胡桃の後ろに隠れた。身長の高い彼が自分より低い胡桃の後ろに隠れるというのが、なんとも異様だった。
「見ての通り、これが心の大半を奪われた刃更兄ちゃんの現状。記憶も精神も退行して、今は4歳児程度なの」
「…………記憶も…………それなら……どうして……」
どうして胡桃のことは覚えているのか。
「4歳児程度って言っても、完全にそうじゃないわ。その頃の周辺の記憶の残渣が残っていたりもする。人間の記憶ってのは便利なもので、そういう記憶の断片を繋いで上手い具合に認識する。ねぇ、刃更兄ちゃん、私って兄ちゃんの何?」
「なにいってるの? くるみちゃんはおれのいもうとだよ」
「うん、そうね」
刃更が4歳の頃は、胡桃はまだ2歳程度だったはずだ。その頃に刃更が胡桃とこうして会話していたはずはない。しかし、それも数年すれば当たり前の日常になったはずだ。その頃の記憶が、今の刃更に都合がいいように認識させているということなのだ。
「まぁ、クリント様の計らいで、ちょっと見た目は細工してるけど」
「? なにいってるの、くるみちゃん」
「なんでもないよ」
クリントの計らいと言うことは、おそらく認識阻害の魔法か何かで、彼には胡桃が小さい頃の彼女の姿に見えているのだろう。
「そりゃぁ、二人で楽しくイチャイチャしてたところに、突然入ってくる人がいたら驚くわ。ね、『知らないお姉さん』?」
「っ…………」
刃更は、怯えたような瞳を千里に向けた。本当に知らない者に向けられる、恐怖と訝しみの瞳だ。
「大丈夫、私はあなたの邪魔をしない。代わりに刃更兄ちゃんの面倒も見てあげる。あなたはあなたで、クリント様から彼の心の断片を取り返すために男に腰を振っていればいいわ」
「そんな…………そんな…………」
――東城が、私を覚えていない……。
千里はかつて、勇者の里から追放された小さい刃更の面倒を見ていたことがあった。しかし、その後、彼の記憶を奪って彼の前から姿を消した。例え四歳の時の前後の記憶をわずかに持っていたとしても、その中に千里の記憶は欠片も残っていない。だから、覚えているはずがないのだ。十年後、高校生の彼と再び会ったとき、初めて会った人を見る瞳を向けられた。当然覚悟していたことだったが、千里はそれでひどく傷ついた。
もう二度と向けられることはないと思っていたその瞳が、三度千里に向けられた。その衝撃は計り知れなかった。
「頑張ってね、『知らないお姉さん』」
その後、千里はどうやって東城家を後にしたのか記憶がない。
***
外では雨が降っていた。かなりの土砂降りだ。
しかし、屋内は静かなものだった。
「お客様、今日はどうされます?」
声をかけられ、千里は顔を上げた。声をかけてきたのは黒のジャケットを着た店員だった。
彼女がいるのはとあるバーだった。千里の他にも幾人か客がいるようだ。千里はどうやって自分がここまで来たのかも覚えていなかった。いや、そもそも記憶を探ることすら、今の彼女には難しかった。
「ら、らい、じょうぶ…………だ」
千里は刃更に忘れられた衝撃でアルコール摂取に走っていた。彼のために必死に頑張っていたのに、理不尽に裏切られたような気持ちになったのだ。もちろん、そんな考えは間違っていることも充分理解していた。それでも、感情に整理が付けられなかったのだ。その結果、酒を浴びるように飲んでしまった。
普段の彼女ならば絶対にあり得ない飲み方だった。むしろ、こんな飲み方をしたのは初めてなくらいだった。それほどに、千里の精神がここ数日――プラス4ヶ月――で限界に達していたのだ。
「あぁ、大丈夫っすよ。この子、俺の連れなんで」
となりで男の声がした。ふらつく頭で横を見ると、知らない男性が千里の肩に触れていた。二十代半ばから後半くらいで、見た目は千里とあまり変わらないようだ。男は金髪だった。とはいえそれは地毛ではなく染めているようで、顔は普通に日本人顔で、生え際に少し黒みが戻り始めていた。下唇にはピアスが付けられ、かなり軽薄そうな雰囲気の男だった。
誰だ、と言おうとしたとき、千里に限界が訪れた。千里はそのまま机に突っ伏すように眠ってしまった。それは、彼女にとって一生の不覚と言っても良いような失態だった。
***
どこか遠くで何かが軋む音が聞こえた。
ギシッ――ギシッ――ギシッ――
――何の音だ? これは……ベッドか?
千里の意識はまだ半覚醒状態だ。自分の感覚すらも、他人事のように思えてしまう。
どうやら千里の体はベッドに寝かされているようだ。そしてどういうわけか、上下に大きく揺さぶられてもいるようだった。
――何だ……? 何やら動きが激しい……。
ジュブッ、ズチィ、ズブゥ――――
奇妙な水音がした。意識がさらに表層へと浮かび上がってきて漸く、自分の下腹部に強烈な圧迫感があることに気づいた。それはかなり覚えのある感覚で、そしてその感覚の正体に千里は戦慄した。
「っ………………!」
頭痛は未だに残っているが、それ以上の衝撃が彼女を襲った。
「お、千里先生起きたの?」
目の前に先ほどの男の顔があった。今にもキスをしそうな……いや、違う。自分の口と男の口の間には、どちらのとも判断の付かない唾液の架け橋が垂れていた。そう、まさに今この男とキスをしていたのだ。強烈に臭い匂いが口中に広がっていた。
「なっ…………」
千里は絶句した。それは何もキスだけのことではない。千里は全裸姿だった。そして、男も同様に一糸まとわぬ姿だった。さらにお互いの下半身前部がぴったりと密着していた。女性である千里はともかく、目の前の男の下半身とも隙間なくくっついているということ――それが意味することと言えば、男性器が隠れて見えなくなっていると言うことだ。
それはなぜか。他でもない、千里の女性器に男性器は完璧に呑み込まれているからだ。
「お、お前誰だ……そんな……」
「千里先生、美人で痴女だからてっきりヤリマンだと思ってたけど、処女だったんだね。ごめんね、眠ってるときに奪っちゃって」
「っ…………馬鹿な……」
男の言うとおり、千里は完全に男と性行為してしまっていた。それも眠っている間に、睡姦という形で。これまで幾度となく男と交わってきた千里だったが、それらは全てクリントの作り出した状態保存結界の中での行為に限られてきた。だからいくら処女を奪われようとも、妊娠しようとも全ては物事が起こる前の状態に戻っていた。それによって、今まで千里は処女でいられたし、刃更のための純潔を守ることが出来ていた。
しかし、明らかに現在結界は張られていない。つまり、ここで起こったことは全て元に戻すことは出来ないのだ。今まで戻っていた処女膜も、もう二度と、戻ることはない。刃更のために守っていた貞操も、何も残っていない。
――そんな…………。
さぁっと血の気が引いた。いつか刃更に捧げるものだと思っていた純潔。例え何度も結界内で犯されようとも、現実で純潔のままでいられるならそれで良いと腹をくくっていた。それにもかかわらず、クリント達とは関わらない全く別の場所で、学園の関係者でもなく、名も知らない初めて会った男に処女を散らされてしまった。
「ぬ、抜け……貴様……許さな――――」
そこで、両手が頭の上で拘束されていることに気づいた。咄嗟に起き上がることは出来ない。
「やっぱ抵抗するよね」
そう言って男は、千里の淫裂から肉棒を引き抜いた。
ずぷぷぅ…………どぶぅっ
男性器が引き抜かれた途端、千里の肉壺の中から大量の白濁した粘性の液体が溢れだした。その勢いからして、膣内どころか子宮内まで入っていたようだ。それは紛れもなく精液だった。
「何回か中に出したんだ。妊娠するかもね」
悪びれる様子もなく男は平然と言った。
「っ…………」
感情で目の前の男を殺してしまいそうになった。しかし、それは今の千里には出来なかった。それは何も、両手が拘束されているからと言う理由だけではない。千里は神族の力を使えるのは刃更を守るときだけに限られる。つまり、自衛では力は使えないと言うことだ。自分に向けられた黒い欲望を払いのけることも出来ないということだ。
それでも、人並みの腕力は持ち合わせている。どうやら脚は拘束されていないようだし、必死に抵抗すればこれ以上犯されることはないだろう。
すぐに千里が脚を動かそうとした時、男が携帯の画面を彼女に見せた。
「これ、見て分かるよね? そして、そこの椅子にかかっているブラジャーとガーターも」
「それは…………」
その画面には、千里がブラジャーとガーターベルトだけを身につけ、電車の扉の横に立っている写真が映し出されていた。今朝の彼女の出勤姿だ。普通の人の肉眼には至ってまともな服装に見えるが、機械を通した映像や画像には本当の姿が見えてしまう、クリントの魔具を付けられた時のものだ。
椅子には、男の言うとおり千里は着けていたブラジャーとガーター、そして変わった装飾の首輪があった。
「すごいね、最近の科学は。もしかしてこれがはやりのARとか? それともぷろじぇくしょん……まっぴんぐとかいうやつ? 一見普通の服を見ているようなのに、この首輪を外したら実はブラとガーターベルト姿、そしてまんこにはローター入りと来た。あれ、でもカメラで取ったら服は着てないんだよな。まぁ、俺は頭悪いんでその辺は分からないけど、でも千里先生、こんな写真が出回っちゃったら、仕事どころか人生終わりじゃね?」
最悪だった。クリントが唯一言及していた首輪の欠点、科学技術を通して見たら本当の姿が見えてしまうと言うことが、ここで牙を剥くなんて思わなかった。
確かに、千里は学校を出るときにクリントに言われたとおりの格好をして以来、東城家でも、そしてその後のバーでもずっとブラジャーガーターベルト、そしてローター入りの状態だった。そして、その格好が若干なじみ始めていたために、出勤帰宅を終えても着替えることを失念していた。それが、さらなる徒となった。おそらく男は、朝に見かけた千里を、偶然帰路につく時にも見付けたのだろう。一体いつの段階なのか分からないが、上手くつけいる機会をうかがっていたに違いない。
そしてどうやら、男は千里の持っていたバッグに入っていた財布から、彼女の名前や職業まで読み取ってしまったらしい。あえて聞かせるように千里のことを『先生』付けで読んでいるのも、情報を掌握していることを言外に伝えているのだ。
「この映像ネットにばらまいてもいいよ? 先生の携帯も与ってるし、不用心なことにロックもかけられてないから、連絡できる全員に送ってもいい。それにこんなのもあるよ」
男は画面を操作し、何か動画を千里に見せた。それは男が千里の処女を奪う瞬間、そして、中出しをする瞬間だった。
「覚えてないのは可哀想だと思ってね、記録しておいてあげたよ」
千里はただ男の話を聴くしか出来なかった。あまりの事態に頭が追いつかず、泣き叫ぶほどの悲しみ、怒鳴り散らすほどの怒りも、存在するのに完全に動きを停止していた。
それほど、千里の中で処女喪失は大きい絶望だった。それは最大の刃更に対する裏切りだ。しかし、当に主従契約魔法はクリントにより発動しないようにされているため、呪いに咎められることもないのだ。
――そんな…………東城…………私は…………。
千里が持つ沢山の連絡先の中には、当然刃更のものもある。彼は現在、千里の記憶を失っているが、それが逆に千里に対するイメージをおかしな物にしてしまうだろう。彼からしたら、知らない大人の女の性行為画像や動画がいきなり本人から送りつけられてくるのだから。
――それだけは……。
男は千里の左胸を鷲づかみにした。
ぴゅるぴゅるぅ…………
体質で常に母乳を作り続ける千里の胸は、その乳首の先端から白濁乳を噴きだした。
「処女って事は出産経験もないんでしょ? なのに母乳ってどういうこと?」
ヘラヘラ笑いながら、男は千里の母乳を面白そうに絞った。
びくっ…………
胸を触られただけで、千里の躰の芯に甘い熱が生まれた。快感を覚えてしまったのだ。
千里は静かに泣いていた。その瞳には光は差さず、頬を何本も涙の通り跡を形成した。
「いいね、そのレイプ目。まぁここまで来たら楽しんじゃおうぜ。抵抗したら酷い目見るからね」
微笑んでいるが、有無を言わせない圧力を感じた。おそらく男は、この手口で女を犯すことを常習的にやっているのだ。あまりにも手慣れていることがその理由だろう。
「ははは…………」
自分が情けなすぎて、愚かすぎて逆に笑えてきた。乾いた笑いとともに、次々に涙が流れた。
――東城に忘れられたから何だというのだ……そんなもの、断片を全て取りもどせば思い出してもらえるのに……一時の感情にまかせて酒に溺れ……なんだこれは……これでは、今までの頑張りが馬鹿みたいじゃないか……。
その通り。千里がここで純潔を失ったことに、何の意味もなかった。彼女の救いの道を、彼女自身が捨てたのと同義だった。
――酒覚えたての子供じゃあるまいし…………
何もかもが自己嫌悪の対象だった。これでどうして、刃更のためだと言うことが出来ようか。
――すまない、東城…………もう、顔を合わせられない……。
ズブブゥゥ――――――
「ひぃ…………」
男は静かに泣く千里の淫裂に、己の肉棒を沈め込んだ。
「やめてくれ…………もう……」
「やめないよ。一緒に気持ちよくなろうぜ」
男は千里の脇から舌を這わせ、乳房の先端の蕾まで伝わせた。
そして、腰はまるで別の生き物のように激しく動かした。相当手慣れているのか、女を気持ちよくさせる事に関して熟知しているようだ。
「んいぃっ…………はぁっ!」
男性器の大きさはかなり大きい方だが、もちろん大人クリントほどではない。しかし、腰使いや乳首への愛撫は、もしかしたらクリントよりも上手かもしれなかった。いとも簡単に千里は快楽の天井へと引っ張り上げられ、ものの数秒で限界が訪れる。
「んいぃぃぃぃ♥♥♥♥♥♥」
背中がのけぞり、ベッドから浮くくらいの絶頂が刻まれた。
――こんな……簡単に……。
考えてみればそれは当たり前だった。千里が飲んだくれて男に連行されたのが、午後十一時頃のことだ。そして、現在は日をまたいで午前二時半。移動時間を考えても、どう考えても空白の二時間半があるのだ。その間、どう考えても男は千里を犯し続けていただろう。
つまり、千里の躰は完全に性行為をする準備が出来上がっているのだ。むしろ、数多くの調教によりこれからますますエンジンがかかってくる頃だった。だからこそ、男の愛撫で容易に絶頂を迎えてしまった。
「処女なのにすげぇいやらしいな。むしろ、どうして今まで処女でいられたのか不思議なくらい」
「いあぁ…………はっ、んひぃ、ふぎぃ――――」
男は千里と鼻先1cmほどまで顔を近づけた。お互いの酒臭い息がかかり合う。
急激に律動を緩めたと思ったら、今度は肉棒を引き抜いてしまった。
「ん…………」
「残念そうな声出さないでよ」
「っ…………そんな声……!」
男の手が千里の下腹部へと伸びた。
「知ってる、先生? 酒飲んだ後のエッチの醍醐味」
男の右手の人差し指と中指、そして薬指を千里のじゅくじゅくに濡れた淫裂に差し込んだ。
「んひぅ……」
男が指を器用に動かし、千里の膣の内側を擦り挙げた。
「ここがGっと……そして……」
今度は左手が千里のクリトリスへ触れ、器用にその皮を剥いだ。最も敏感とも言える部位が外気に露出し、思わず千里は息を呑む。その部分を男は、二本の指でつまみ上げた。
「いぎいぃぃぃぃいぃぃ!」
クリトリスとGスポットへの両方からの愛撫により神経を焼き切るような電気刺激が躰を貫き、意識が快楽の激流に呑み込まれた。
プシュウゥッ――――
まるで噴水のような愛液の噴射が、それこそ鯨を連想させるような勢いで起こった。
「まだまだ出るだろう」
両手を小刻みに、まるで電動バイブのような速度で震わせた。その刺激は到底玩具では生み出せるような甘い物でなかった。ひたすらに激しく、息をする暇さえ与えないような快楽の連撃だった。
「あぁ、んあぁい、いぐぅ、イグイグ……ま、待て、いぁ、あぁっ、♥ あぁぁぁ♥♥♥」
ぷしゅっ、シュゥ、ピュゥ、ブシュゥツ――――
手の愛撫で愛液が泡立ち淫靡な水音が鳴り響く。それと同時に断続的に潮を噴いた。無色透明な快楽の象徴が何度も辺りを汚した。さらに両乳首からも母乳が噴きだしたため、千里は三点から液体を吹き出しながら背中をのけぞらせた。
「水分は酒で摂取しまくったから潮吹きが衰えない。これがまたエロいんだよね」
男はけらけらを笑いながら愛撫を続けた。
「あぎぃ、ま、まっで、あっぁ、イグゥ、いっぢゃい、あ゙ぁ゙ぁ゙♥♥♥」
加えて男は、わずかに残った千里の処女膜も完全にこそげるように、愛撫の指を三本から四本、そして五本差し込んだ。
――ダメだ…………それ以上は――――
「あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁああ゙あ゙あぁあ゙ぁ゙あ゙ぁぁ゙ああぁ゙♥♥♥♥♥」
すでにボロボロまで蹂躙された、千里の性感帯である処女膜にとどめを刺すその行為に、精神を圧迫するほどのすさまじい悦びを彼女の躰は感じていた。
プシャァァ―――――ジョボボオォォォ
勢いの良い噴射の後、比較的緩やかな勢いの放物線を描く液体が尿道からあふれ出た。それはもう潮吹きではなく失禁だった。すでに水分を吸いきれないベッドシーツには広範囲に水たまりを作っていた。
千里の顔は恍惚の表情だった。涙とよだれでぐしょぐしょで、半分白目を剥いてしまっていた。
「いい女をアヘ顔にするのがたまんないね」
カシャッ――――カシャカシャッ
男はその千里の様子を携帯に収めた。
「さて、もう足腰立たないっしょ」
男は千里の拘束を解き、正面から抱きすくめた。
ずぶぶぶぅぅ――――
「いっ…………んはぁぁあ…………」
まだ快感の海に沈んでいる千里の肉壺に、男はその欲根をねじ込んだ。何度も絶頂を刻まれた千里の子宮は一番浅いところまで降りてきてしまっていて、容易に男の肉棒の受け入れた。
「それじゃ、目覚めたての先生にとっては初の中出しいくよ」
入れた瞬間の全力の腰使いで、千里は行為の再開直後から絶頂寸前だった。
「あぁ、はぁぅ、あぎぃ、んあぁ♥ いあぁ、中は……だめ、だぁっ――――」
「もう何度も出したから一緒だって。妊娠するならもうしてるって」
――妊娠……ここでしたら、もう以前のように戻すことは出来ない。
以前クリントに4ヶ月間にわたる監禁陵辱調教をされた。それにより、千里は彼の子を孕み、お腹を膨らませるに至っていた。しかし、結界を出たことによりそれはなかったことになっていた。しかし、ここではそうはいかない。
そのことに思い至り、快楽に呑み込まれかけていた思考が元に引き戻された。
「だめだ……せめてゴムをっ――――」
排卵日が例え昨日のことだったとしても、精液を受け入れれば妊娠する可能性は充分にあった。それこそ、本当の刃更に対する裏切りそのものだ。
「そ、そうだ……ちょっと待ってくれれば、いくらでも出してもいい!」
クリントを呼んで結界さえ張ってもらえれば妊娠しても元に戻せる。しかし、そんなことを目の前の男に言って、素直に従うはずがなかった。
男はすでに躰に力の入らない千里の頭を押さえつけ、耳元に顔を近づけた。
「先生なら分かってるでしょ。エッチは子供を作る行為なんだよ。だから興奮するんじゃん?」
「だからだ……私には、東城が……」
「とうじょう? 誰それ。もしかして先生の彼氏? でもこんなにエロい彼女とやらないなんて、もしかして先生、その男に嫌われてんじゃない? それか忘れられてるかだね」
「っ…………忘れ…………」
『忘れる』それは今の千里にとって最も敏感な言葉だった。その言葉を聞いた瞬間、千里の思考と抵抗は、一瞬止まってしまった。
その時を、男は見逃さなかった。
ビュルルッ、ビューッ、ブジュルル、ブビュルウウゥウ――――
「んあぁぁ、あぁぁああぁ、あ゙ぁ゙あ゙!!!」
すでに精液が注入されている子宮に、さらなる量が吐き出された。子供を宿すその場所は男の精液タンクと化していた。
――そんな……本当に…………妊娠してしまうじゃないか…………。
「ねぇ先生。俺とセフレになろうよ。彼氏立候補は今カレに悪いからそれでいいよ」
「っ…………!」
男は携帯の画面で、千里の処女喪失のシーンを流して見せた。それは間違いなく、脅しそのものだった。断れるはずがなかった。もし断れば、刃更に千里の性行為の様子が送られてしまう。
だから、千里は頷くしか選択肢がなかった。涙を流しながら、いやいや首肯した。
「よし、それじゃセフレになって初めてのセックスといきますか」
「…………」
この展開はもう見慣れてしまった。自分が満足するまで女を蹂躙するのが、外道の男のやり方だった。
――もう…………いやだ。
これからされる行為は、千里にとって意味はもうなかった。刃更を守るという免罪符すらも通用しない、ただのセックスフレンド同士の行為でしかなかった。
「夜は長いし、思う存分やろうよ」
男は千里をうつ伏せに寝せ、尻を鷲づかみにして、再び肉棒を後ろから突き入れた。
「はぎぃぃ…………あぁぁ……」
時刻は午前三時を過ぎた。行為はまだまだ終わらない。
~10月30日~
千里が目覚めたのは、午後の一時半頃だった。
酷く頭が痛んだ。完全に二日酔いだった。いや、痛んだのは頭だけではない。全身が軋むような痛みがあった。そして何より、陰部がかなり痛かった。
――当然か………。
千里が起きていられたのは午前四時までだった。それ以降は快楽で気絶してしまって覚えていない。しかし、どうやら気絶する千里にも気にとめず、男はその後も彼女を犯したようだ。
今更だが、千里がいるのはラブホテルだったことに気づく。見たことのない桃色照明のベッドルームに、全裸で横たわっていた。
ぶぴっ………………どろぉぉ…………
起き上がって下腹部に力が入ると、女性器から白く濁った精泥が噴き出した。ベッドシーツにはその精液と、それ以上に千里が振り乱したあらゆる種類の液体がシミを作っていた。
一度眠って冷静になると、一層血の気が引いた。本当に自分は、処女を失ってしまったのだ。あれほどに大切にしてきたというのに。
ベッド横のサイドボードに千里の携帯電話が置かれていた。どうやらコミュニケーションアプリに通知が入っているようだ。
恐る恐る連絡を見ると、そこには、全裸姿の千里を犯す様子が、男の一人称視点で撮られた写真が何十枚も送りつけられていた。当然だが中には動画まであった。そして、最後に一言だけ添えられていた。
『お酒の飲み過ぎには注意だよ
千里せんせー
また遊ぼ』
送り主の名前は『ショウ』。男の名前だろう。考えてみれば、今まで男の名前を聞いていなかった。
昨日の一連の出来事は、一切魔力が関与している様子はなかったため、どう考えてもクリントのものではない。つまり、本当に見ず知らずの男に、酒で酩酊したときにつけいられたと言うことだ。クリントの命令や刃更を助けるという名目の一切関わらないところで、千里は純潔を失ったのだ。
「そんな…………そんな…………ははは……」
千里は昨日の行為の途中から、処女喪失の絶望から目をそらしていた。心を潰してしまうことからの防衛手段として、脳が思考を停止したのだ。そして自動的に、一方的に与えられる快感に身を任せてしまっていた。そのことが一層、罪悪感を生んだ。
「こんな私に……一体どんな価値がある……」
刃更も守れず、彼の所有物であるとしていながら貞操も守れず、何が彼を守るだろうか。
千里は、自分の存在価値にすら希望を見いだせなくなった。
このことをきっかけに、千里は自己評価を著しく下げることとなる。
***
「残念だったね、千里お姉ちゃん。まさか僕が関与しないところで、こんな面白いことが起きるなんてね」
マンションへ戻ってすぐ、玄関先で子供姿のクリントが出迎えた。人差し指を立てて、無邪気な子供のように手遊びをしている。
「クリント…………」
千里の目は真っ赤に腫れていた。それほどに泣きはらしたのだ。結局帰宅したのは午後四時。三時間ほどホテルでずっと泣いてしまっていた。
「勘違いしないでもらいたいけど、僕は今回の件に全く関わっていないからね。これは君が勝手に陥った結果だから」
「…………知っている。わざわざ言うな」
千里は喋るのも億劫で、クリントの横を素通りした。
「それじゃ、これからエッチするときはどうすればいい? 状態保存の結界を張る? 取っておきたい処女膜は、跡形もないようだけど?」
千里を小馬鹿にするようにクリントは言った。
「…………勝手にすればいい……私は、東城を助けるだけだ」
「そう、それじゃ勝手にするよ」
クリントは楽しそうに笑い、姿を消した。
***
~10月31日~
国語教師である市松結吏香は共有奴隷であり、そして同時に2年C組の担任である。彼女は朝のHRで、担当する生徒達の前に立っていた。その姿は教師とは思えないほど短いスカートを履いていて、服のあちこちには何人もの男の精液がこびりついていた。
「それでは…………副担の鬼山先生から連絡があります」
疲れた表情でそう告げると、教室に鬼山が入ってきた。
「皆さん、おはようございます。今日の午後にある全校集会で改めて連絡するつもりですが、私が副担任を任せられているこのクラスには、ちょっと早めに知らせておきたいことがあります。長谷川先生、入ってください」
鬼山の声に従って教室に入ってきたのは。いつも通りニットセーター姿の千里だった。
「結吏香さん、これを男子生徒に配ってください」
「…………はい」
鬼山から紙の束を受け取った結吏香は、それを男子生徒全員に行き渡るように配った。当然、クラスの半分は女子生徒だが、彼女たちには渡されなかった。
それはスタンプカードだった。一日分のスペースが三つに分けられ、その枠の上には『口内』『腸内』『膣内』とそれぞれ書かれていた。その分が、おおよそ1ヶ月分あった。
「今日から長谷川先生の口かお尻、そして膣内に射精をすれば、彼女からスタンプがもらえます。一日にもらえるスタンプは三つまで、つまり、枠三つ分です。全てを集められた生徒には…………まだ考えていませんが報酬を用意しています」
生徒達がどよめいた。学園が男の欲望に塗れた空間になっているのは皆当然のように受け入れているが、このようなレクリエーションのような試みは初めてだった。
「それじゃ長谷川先生からどうぞ」
「…………」
千里は進められるがままに教壇に立った。しかし、まだためらいがあるのか言葉が出てこない。
「どうしました、長谷川先生。自分で選んだことでしょう。ならば、その口で言うのが筋だ」
「っ…………分かっている…………」
――これが、一番効率的なんだ……。
千里は覚悟を決め、教卓の上に腰掛けた。普通なら怒られる類いの行為だが、もはやそれを咎める者はいない。
生徒達にガーターベルトが付けられた脚を向けて座り、股を大きく広げた。スカートの中には下着が履かれておらず、女性器にはかなり大きめのディルド型のバイブがスイッチオンの状態で差し込まれていた。
「んんっ…………」
下腹部に力を入れると、深く刺さっていたバイブが抜け落ち、床に音を立てて落下した。
ずっと入れられていたためか、女性器はバイブの形に広がったまま口を開けていて膣内まで丸見えだった。ピンク色の膣壁と、明かりを反射する愛液が男子生徒達を釘付けにした。
「私の口か、お尻か…………膣で射精してくれたら、私からスタンプをあげる…………皆、どんどん私を使ってくれ………………」
口を挟むように鬼山が言った。
「それは先ほど私が言いました。つまり、長谷川先生は何なのですか?」
「っ…………」
決して選ぶことはないと思っていた。しかし、現状この道が刃更を助ける一番の近道のように思えた。ならば、千里はそれを選ばなければならない。
刃更を守る力がない自分に出来ることはこれしかない、千里の頭はそのことで一杯だった。
――東城のために私が出来る唯一のこと…………。
千里は自己評価がかなり下がってしまっていた。例え自分が神族だとしても、そんなことはこの際関係なかった。神族の力は一切使えないこの状況下、最善を選んだ結果がこの体たらくだ。もう自分には、躰を売るしか出来ることがないと思ってもおかしくはなかった。
だから千里は、自分の判断で選んだ。さらに自分を追い込む修羅の道を。
「私は…………今日から…………皆の『共有奴隷』になる…………いつどこでも、私を犯してくれてかまわない…………」
どろぉぉ………………
口を開けた膣奥から、白濁液が流れ出していた。それは、千里が出勤してから鬼山に注がれた精液だった。
その時、HR終了の鐘が鳴った。
「結吏香さん、それじゃ手はず通り」
「…………はい。皆さん。一時限目は国語の時間でしたが、急遽変更して自習の時間にします。自習監督を長谷川先生にお願いしますので…………」
結吏香が最後まで言うのを待たず、一時限目の開始のチャイムを待つこともなく、男子生徒が一斉に立ち上り、千里の元へと押し寄せた。
「あぁ、結吏香にも副監督をお願いします」
「え…………?」
鬼山がそう言うと、今度は一部の男子生徒が結吏香の方にも押し寄せた。
「そんな…………話が違います…………! 私は……」
「それじゃ、私は仕事に戻りますので」
鬼山はそう言うと、教室を出て扉を閉めた。扉を閉めても漏れ出る男達の歓声が廊下まで響いた。一瞬にして、教室は乱交場所へと変貌した。
こうして、千里の奴隷生活の幕が開けられた。
クリントに刃更の心の断片を奪われてから、期間としてはわずか5日目の出来事だった。
ひたすら平謝りです。
どの口が「次こそはきっちり一週間後に投稿する」でしょうかね。
一体どのくらい経った? 一ヶ月以上だよ。
はい、更新が遅れて大変申し訳ありません。決して書くことを止めたわけではなく、単純に書く暇といろんな余裕がなかっただけです。その証拠に、柚希編でまたもや新たな試みをする予定です。おそらく前後編になります。いや、下手したらそれ以上もあるのですが、まだ書き切ってすらいないので何もはっきりしたことは言えません。
ということで、千里さんお話でした。どうも千里さんのお話は、一話一話が長くなる傾向があるようです。それも投稿が遅れる原因なのでしょうか。理想は一万文字程度の一話を毎週投稿なのですが、理想は理想で終わりそうです。
ということで、できる限り次話投稿を早めにするよう努力しますが、気長にお待ちください。もちろん、待ってくれる人がいてくれるならば、の話ですが。