「今回もダメだったか……」
リビングで沈痛な面持ちのプロメティアとハロルド。結果こそ前回と変わらないが、テーブルの上に置かれている一通の書簡が彼女らの危機感を煽っていた。
書簡の送り主はとある錬金術学会で、内容はプロメティアの子供についての催促だった。
曰く彼らはどうやらグランの生殖能力や、そもそも行為を行っているかどうかということに疑問を持っているようだった。なので2ヶ月後、もし子供が出来ていないようなら此方の用意した男性と性行為を行ってほしいという旨の文章が綴られていた。
俯いていたプロメティアが、バッと顔を上げる。
「もう半端なことは止めて、覚悟を決めましょう」
そういう彼女の顔はこれまでにない覚悟が浮かんでいた。
「で、これですか」
目の前に広がるのは白い砂浜、青い海、太陽は視界が白く霞むほど強く照りつけていた。「近くに知り合いも多いあの別荘にずっといたら怪しまれますし、なにより気が滅入ってしまいますので。苦肉の策と言うやつです」
ここはアウギュステの高級リゾートホテル。今回はここのコテージに一週間泊まり込んでするらしい。どうやら夫妻は子供が出来ないのはそもそも期間が 合っていないからだと考えたようだ。
「今までは出来るだけ短い接触時間で成功させようと思ってきましたがもはやそんなことは言っていられなくなりました、グラン君にとってもツライでしょうがどうかよろしくお願いします。」
「はぁ……」
用意されたコテージは海の上に建っておりベランダからそのまま海にも入れるようになっているタイプのものだ。この地域特有の内装は木のぬくもりを感じて非常に落ち着く。
「初めてきましたが、結構良いホテルですね。また別の機会に来てみたいものです」
プロメティアも心なしかリラックスしているようだ。そのままベランダの椅子に腰掛け沈んでゆく夕日を眺めている。
「これから貴方と夜を共にするたびに自分と戦わなければならないのですから、今のうちにリラックスしておきませんと……ね」
彼女の変化に戸惑っていたグランの心を読んだようにそう呟く。グランもその言葉に納得したように椅子に座り、夕食までの間ただ揺れる水面を眺めていた…
(やっぱり……緊張するわね……)
時刻は夜、都市部とは比べ物にならないほど明るい月が海を輝かせているころ、プロメティアはベッドの上で緊張の面持ちで座っていた。
グランは今シャワーを浴びて身を清めている。これから遂に彼女の戦いの一週間、その1回目が始まろうとしていた。
(グラン君確実に私を弄んでいるわよね……こんなおばさんを落とそうとしている訳じゃないとは思うのだけれど……)
グランはセックスのときだけ性格が変わる。普段は他人を気遣う心優しい少年だが、行為が始まれば目の前の雌をありとあらゆる手で自分のものにしようとする事を彼女はこれまでの行為で彼女が実感したことだった。
(今回で絶対妊娠するのよ、そうしたらもうこんな心配する必要もなくなるんだから。グラン君に手篭めにされないように気をしっかり持たないと!)
彼女が一人気合を入れていると、シャワーを終えたグランが出てきた。
「じゃあ、始めましょうか」
そう微笑むグランに再度先ほどの覚悟を胸に刻むプロメティアだった。
…
……
「んふっ、ふっ、ふぐっ! ん゛~~~♡」
「そんな必死に我慢しなくてもいいのに、ここだったら誰にも聞こえませんよ」
行為が始まって1時間、今回もグランによる丹念な愛撫は行われていた。前回の経験を生かし、より丁寧に、より確実にプロメティアの精神を削り取っていく。グランにとってプロメティアの膣はもはや勝手知ったるという感じで、彼の右手は常に彼女を絶頂に導き続けていた。
「ん~、プロメティアさん。じゃあ僕からお願いします。喘ぎ声出してください」
「ど、どうしてそんなこと……」
「僕がそのほうが好きだからです。それに喘ぎ声出したほうが気持ちいいでしょう? ほら、前言ったみたいに気持ちいい方が妊娠し易いらしいですから」
「う……わかりました」
(ずるい……そんな言い方、私に言い訳を用意させて……)
相手に言い訳を用意させてまるで自分に非があるように言えば大抵のことは実行してくれる、それが相手が我慢してることならなおさらだ。グランはその答えに満足すると再び指を動かし始めた。
「う、あっ、はうっ、はあっ♡」
抵抗感からか、あまりややぎこちない喘ぎ声が彼女の口から漏れる。
「あっ♡ そこっ♡ んっ、はああぁぁぁぁ♡」
ポルチオをちょこちょこっと引っ掻いてやると、可愛らしい喘ぎ声とともに膣が収縮する。
「あ、お、お゛っ♡」
ぷっくりと膨らんだ子宮口を左右から押してやると、下品な喘ぎ声とともに子宮口が開き愛液が流れ出てきた。
「ん、あ、ああああぁぁぁぁ♡」
ずるりと愛液まみれの指を抜き、腰を彼女に近づけてくるグラン。挿入しようとしていることを察したプロメティアはバックの体制になろうとするが、グランがそれを阻止する。
「今回は正常位でしてみません?」
「え、 でも……」
「大丈夫ですよ、体位がちょっと変わった所でプロメティアさんが旦那さんを愛していることには変わりませんよ。それに旦那さんも気にするなって言ってるんでしょう?」
「でも……」
プロメティアにとって、正常位は夫とするときの体位だ。最初の時からずっと守ってきたルールで、キスの次に許してはならないと決めたものだった。
「それにこれ、早く欲しくないですか?」
「んっ♡」
プロメティアの秘所にグランの肉棒がぺちんと叩きつけられる。
「プロメティアさん、僕とセックスしてから旦那さんのセックスでイけましたか?」
割れ目に竿全体をこすりつけ、彼女の愛液を塗りたくっていく。これからこの肉棒が入るぞと、これでお前はこれから狂うのだと言わんばかりに。
「イケなかったでしょう?わかりますよ、最初の日から貴女の体どんどん僕好みになっていきますもん。今だってほら、腰ちょっとあげて入りやすいようにしてる」
「!そ、そんなこと!」
事実だ、紛れもない事実だった。初めての依頼から帰ってきた日の夜、いつものようにハロルドと交わった。そして愕然とした。快感など殆ど感じなかった、まるで木の棒でも入っているかのようだった。その事実に呆然としている彼女を置き去りにしてハロルドはへこへこと腰を振り始める。慌てて感じているふりをするが、何も気持ち良くはない。ただ膣を棒が前後しているだけだ。そのまま特に彼女が感じること無く射精し、そして気持ちよかったよとやり遂げた顔で言いそのまま寝てしまう。一人残された彼女はどうすればいいか分からなかった。夫は何もくれなかった。自分の中を埋め尽くす肉棒も、昨夜感じた溺れるような快感も、天に登るような絶頂も、すべてグランなら与えてくれた。そしてそれを思い出しながら自分を慰めていることに気付き、それがどうしようもなく惨めで、一人布団の中で泣いた。
それから何回かハロルドとはセックスをした、場所を変えたり、少し特殊なプレイをしてみたりと試行錯誤を繰り返した。嘘であってほしいと、感じなくなったのは何かの間違いであってほしいと。
しかし結果は変わらなかった、どのような事をしてもイくことは愚か、感じることすら出来ない。そしてそれは2回目のグランとのセックスからより顕著になった。夜解消できない性欲を自分で発散する。しかし知ってしまった快感を忘れることは出来ず、日々悶々としていた。毎夜腰を振っているハロルドは一向に自分を気持ちよくさせてくれる気配が見えず、もはや彼女が床を共にする理由は彼への愛のみだった。
そんな彼女にとって、今回の旅はある意味待ち望んだものだった。自慰によって快感は得られるが、グランの肉棒に与えられるソレは訳が違う。あの圧迫感やゴリゴリと全体を削るように動くたびに与えられる信じられないほどの快感、そしてポルチオに押し付けられた肉棒から出るザーメンが子宮に染み込む感覚は、決して再現できるものではなかった。
「このちんぽで気持ちよくなりましょう?ねぇ?」
「んっ♡ だめぇ……♡」
今彼女は旦那への愛のみで強大な誘惑へと立ち向かっている。言い訳はたくさんあった。満足させてくれない夫、前回から約一ヶ月間ろくに発散できなかった欲求、子供を作らなければならないという使命。体は既に目の前のオスが快感を与えてくれると覚えこんでしまっている。拒むために突き飛ばすことなど出来ない。そんなことをしたら逆に何処にも行かないように抱きしめてしまいそうだ。今の彼女には弱々しく否定の言葉を吐きながら今にもグランに絡みついてしまいそうな四肢を必死で押さえつけることだけだった。
「……わかりました、降参です。これ以上お願いしても許してくれなさそうですね」
そう言って諦めたような顔でこすりつけていた肉棒を離すグラン。その言葉にプロメティアは少しホッとする。
「あ、ありがとうグランく「だからもう勝手に入れちゃいますね」んんんんんんんんん♡♡♡!!!!!」
ずるんと一切の抵抗なく固く勃起した肉棒が勢い良くプロメティアの身体に収まる。待ちに待った感覚に彼女は全身で喜びの悲鳴をあげた。
「あっ♡ はっ♡ これ、だめ♡ いやぁ♡」
「何が嫌なんですか、こんなに嬉しそうな顔して」
「これ、判っちゃうからぁ♡ あの人とのちがい判っちゃうからぁ♡ やめてぇ♡」
だから彼女は嫌だったのだ。同じ体位でしてしまえばもう言い逃れは出来ない。はっきりと比べられてしまう。夫とグラン、どちらが男として、雄として自分を幸せにしてくれるか判ってしまう。
「それは良かった、存分に比べてください。僕と旦那さん、どっちが気持ちいいのか」
「ああっ! いやぁ♡ やめてぇ♡ 気持ちよくさせないでぇ♡」
(当たってる♡ 私の弱い所ぜんぶ♡ ちゃんと当たってる♡)
凶悪に反り返った肉棒がGスポットをゴリゴリと削っていく。バックの時の様な力強いピストンではないが、それゆえに弱点をより丁寧に責められているような気がした。
「あ、プロメティアさんそろそろイキそうでしょ? 奥きゅっきゅって締め付けてきたら合図ですもんね」
「あっ! はぁっ! あっあっあっあっ♡ ……っ♡♡♡!!!」
久方ぶりの雌の本当の喜びを実感するプロメティア。セックスによる絶頂がこんなに気持ちいいとはグランと交わる前は思っても見なかった。体の奥に精を感じ、人のぬくもりに包まれながら自分はただ快感を噛み締めていればいいだけという状況がこんなにも幸福なのかと思い、そして快感の後に浮かんでくる家で待っている夫の顔を思い浮かべ憂鬱となる。今彼はどんな思いで待っているのだろう。自分が貞淑な妻として淡々と精を受け取る作業だけをこなしていると信じて待っているのだろうか。そんなことを思い憂鬱となっているプロメティアにグランはある提案をする。
「プロメティアさん、恋人ごっこをしませんか?」
「恋人ごっこ?」
「そうです、このコテージに宿泊している一週間の間だけ僕達は恋人になるんです。ハロルドさんも、錬金術協会も、騎空団も関係ない。ここにいるのはただの男と女です。」
「そんなこと……」
「それに貴女がそんなに悩んでたら子供なんて出来ませんよ。苦しいからこそ自分を騙した方が良いと思います」
「……すぐには無理ですよ。私も夫を愛していますので」
「もちろんすぐにとは言いません。僕も努力しますよ。貴女が旦那さんを忘れられるようにねっ!」
「あっ♡ こらっ♡ 急にそんな激しく♡ だめぇ♡」
コテージに響いていた嬌声が鳴り止んだころ、度重なる絶頂で疲れ切ったプロメティアの顔は何処か満足げだったという……
今回ハロルドさんが粗チンみたいに扱われてますが別にそんなことはなくグランくんが凄すぎるだけです。プロメティアさんはグランくんに作り変えられてしまったわけですね。
頭がいい人ほど性欲が強いってテレビで言ってたんですけど本当なんでしょうか?