「しかしホント良いところだよなぁ」
翌日、ホテルのスタッフがコテージの掃除やメンテナンスをしてくれているころ。グランはビーチチェアに身を預けて水面を見ていた。せっかくここまで来たんだからビーチに行こうとグランが提案したのだ。水着のレンタルがあって助かった、プロメティアの水着に少し胸をときめかせながら待っていると待ちに待った声が後ろから掛かる。
「おまたせしました、変じゃないかしら?」
「…………」
「やっぱり変ですか? あいにくこのタイプの水着しか無くて……」
そう恥ずかしそうにプロメティアが言っているがグランには聞こえない。思わず見とれてしまうほど彼女の水着は見事の一言だった。彼女の髪の色にあったセパレートタイプの水着に、上にはパーカーを羽織っているというシンプルなスタイルだが、ソレが逆に彼女の魅力を際立たせていた。セパレートの水着を着ているにも関わらず肌を隠そうとする悪あがきも可愛くてグッドだ。そのパーカーが体の凹凸を程よく隠しているせいで逆にエロティックな雰囲気を強調しているのに気付けていないのが彼女らしい。
「や、やっぱりやめます、こんな水着私みたいなおばさんには……ってどうしたんですかグラン君!?」
グランは水着を返しに戻ろうとするプロメティアの腕を掴み、そのままビーチの端の岩の影に彼女を連れてくると、岩に手を付かせ腰を突き出させる。
「いきなりどうし あっ♡」
「すみません、プロメティアさんの水着がエロすぎて、我慢できません」
水着の上から秘所をさすりながら、パーカーに手を入れ胸を揉みしだく。ソレだけで雌として成熟している彼女の体はグランを受け入れる準備を開始する。
「あっ♡ グラン君っ、ここじゃバレちゃうから、んっ♡」
「でも今辞めちゃったら貴女もツライでしょう?」
その言葉に口をつむぐプロメティア。雄に性交を迫られている女の本能か、それとも昨夜立てなくなるまで気持ちよくしてくれたグランに求められているからか、彼女の体は先ほどの簡単な愛撫で既に出来上がっていた。ビキニトップには薄っすらと勃起した乳首が浮かび、ボトムのクロッチ部分は薄っすらと湿っていた。水着の上からでもはっきりと分かる勃起したクリトリスを円を描くように集中的に撫でてやると。観念したようにグランが挿入しやすいように脚を開き、腰を落とす。
「んっ♡ はあああぁぁぁぁぁぁ♡♡♡ んっ♡ ふっ♡ んんっ!」
満たされる感覚に大きくため息をつくプロメティア。それだけで脚がガタガタと震え腰が落ちそうになるがグランにガッチリと腰を掴まれているためそれは叶わない。数十メートル先に他の宿泊客がいる状況でのセックスはバレるかどうかの瀬戸際で、ピストンのたびに漏れそうになる艶めかしい叫びを抑えることに彼女は必死だった。
そんな彼女にグランは更にピストンを激しくする。
「んっ♡ んん、んっんっんっんっ♡!」
「プロメティアさん、もしかしてこういうの好き?昨日よりおまんこエッチに動いてるよ、そろそろイきそう?」
「っ! グラン君だめ! それはほんとにだめ! 私それすると声我慢できないの知ってるでしょう!」
彼女がイきそうな事を察すると片方の手でクリトリスをしごき始める。彼女は奥を突かれながらクリトリスをいじられると絶頂する際に声を我慢できないのは昨日彼女が身をもって教えてくれた。最初は気まぐれに弄ってみただけだが本気でしごきながらイかせてみると隣のコテージに届きそうなほどの大声で絶頂を知らせてくれた。
しこしこ、こりゅ、すりすり、こすこすこすこす
「あ、だめ、あ、いく、いくいくいくいくだめいく」
抗えない、どうしようもない、クリトリスの表面で生まれた無数の絶頂が重なり、層となって積み重なっていく。積み上がった重く深い快感は膣を突き上げるピストンによって少しずつ押し出されていき、そして遂に限界を迎えた。
「もうだめ、イく、イッ!」
(ああ、もう終りね私。こんな下品な声をここにいる人達に聞かれちゃうんだわ……)
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡♡!!!!!!!!」
……
とっさに彼女の口を覆ったグランの手が、間一髪でビーチに響こうとしていたプロメティアの嬌声を押しとどめた。口を塞がれた彼女は、膣内にどくどくと流れ込むザーメンを感じながらどさりと砂の上にへたり込む。
「いやー、良かったですね。誰も気付いてないみたいですよ」
「……ばかぁ」
あたりを見渡しながら言うグランにプロメティアは消え入りそうな声でグランにそう言った。
………
「ねープロメティアさん、いい加減機嫌直してくださいよー」
そんな言葉にもプロメティアはツーンとそっぽを向いている。
あの後コテージに帰ってもご機嫌斜めなプロメティアに謝り倒しているのだが、未だに許してくれないのだ。
「いい加減機嫌直してくださいよー、僕に出来ることならなんでもしますから」
「なんでも?」
「あやっべ」
グランの安易な言葉に敏感に反応するプロメティア。すると彼女はベッドに向かうと仰向けに寝転んでグランに言う。
「優しくしてください」
「はい?」
「今は恋人なのでしょう?なら恋人にするように優しくしてください」
言い終わった後自分で言ったのに照れて真っ赤になった顔を枕で隠す。
「わかりました、キスは……だめなんですよね」
「はい、キスだけは無しでお願いします。」
今にも可愛さから襲いかかりたい衝動を必死で抑え、丁寧に服を一枚一枚脱がしていく。
「綺麗だよ、プロメティアさん」
そう言いながら一糸まとわぬ姿になった彼女の身体に口付けをしていく。彼女に綺麗だとはもう何回も言ったが、こういうのは言うだけ得だ。少なくとも彼女は褒められて不機嫌になるようなひねくれた人間ではない。
「はー♡……、はー♡……」
口付けが秘所に到達すると、彼女の息はもう既に荒くなっていた。そのことに手応えを感じたグランは舌を出し、彼女のクリトリスを優しく舐め上げる。
「あっ♡ うぅ、きもちいいですよ♡」
今までとは異なる優しい快感に蕩けるプロメティア。
「……挿れるよ」
「はい♡ 来てください♡ はあああぁぁぁぁぁ♡」
今までとは違う、優しい囁きとともに挿入される肉棒に吐息を漏らす。これまで挿れられたときの喘ぎ声を押し殺すため息ではなく。快感に押し出されて自然と出てきた開放的なものだ。
肉棒で気持ちいいところをなぞり、しかし苦しいほどの快感にはせず、その絶妙なラインを保ちながら彼女を徐々に徐々に絶頂へとみちびいいていく。
「グラン君、私そろそろイきます♡ 気持ちいいの来ちゃいます♡ あっイクっ♡」
彼女の絶頂と同時に、グランの精が膣内に放出される。その間二人は互いの隙間を埋めるように抱き合っていた。
「ああ、グラン君のが中にとくとくって……流れ込んできてるのがわかる……」
今までのような快感の渦の中にないグランとのセックスはプロメティアにとっては初めてだった。これが恋人を思うセックスかと頭のなかで考える。
「ありがとうございます、じゃあお礼です……」
「えっ!?」
礼を言うと、上下を反転させ今度はプロメティアが上になり、腰を振り始める。上下出し入れし、前後左右にグラインドさせ、まるで自分が一番気持ちいい動き方を探っているようだ。
「今は恋人同士という設定なのでしょう?ならこのような体位でも当然致すでしょう」
ぐちゅぐちゅとまるで先ほどセックスで感じていたもどかしさを解消するかのように腰を振りながらプロメティアは言葉を続ける。
「それに、この体位では今までセックスをしたことはありませんでした。もしかしたら私が自由に動けるこの体位でなら妊娠できるかもしれません。物は試しに、です」
何時も以上に饒舌な彼女はまるで誰かに言い訳をしているかのようだ、ハロルドか、クラリスか、もしかしたら自分自身かも知れない。
「んっ♡ どうです? はっ♡ 私の動きは、 ここいい♡ なれないので、不安なのですが あっイくっ♡」
どうやらコツを掴んだらしい彼女は、より腰の動きを激しくしていく。
「プロメティアさんっ! そろそろ出そうです!」
「そうですか、わたしもそろそろ、んっ♡ あっ♡ あっ♡!!!!」
先ほどまで激しく動いていた腰がびくんと硬直し、プロメティアの体が後ろに仰け反る。2,3回ビクビクと震えた後、力が抜けたようにグランの上に覆いかぶさってきた。
「はー、はー……グラン君、気持ちよかったですか?」
「はい……とても」
「そうですか……それは良かったです……」
そう微笑む彼女の顔を、グランはこの時初めて見ることが出来た。
「まだ、元気みたいですね……ですがすみません、あまり普段運動をしないものですから
もう腰が動かせなくて。動いてくださいますか?」
未だ硬さを失わないそれを感じながら、申し訳なさそうに彼女が言う。グランはそのままの体制で彼女を突き上げる。
「あうっ♡ 気持ちいです、グランさん♡ 」
「なんか前より素直になりましたね」
「だって、あっ♡ 恋人 おっ♡ ですからっ んっ♡ グランさんそこもっと♡ もっと突いて♡ 」
おねだりに答え彼女の感じる部分をこりこりと揉み込む。すると彼女は蕩けた顔をグランに見せつけながら腰を大きく震わせる。そして耳元で
「もっとお願いします♡」
と呟くのだった。
思えばこれがプロメティアの分水嶺だったのだろう。この夜から彼女達のそれまでとは比べ物にならないほどの爛れた日々が始まったのであった……
…
……
「んっ♡ はぁ♡ そんなところ弄っちゃ、んっ♡」
風呂に入り汗を流している二人。コテージに備え付けられた浴室には、本来聞こえないはずの艶めかしい声が響いていた。
「あああぁぁぁ♡ そんなちくびばっかりぃ♡ んくっ♡」
浴槽でグランの上に座っているプロメティアは、よく見れば背後から勃起した乳首を弄られている。何時もならシャワーで済ませる彼らだが、今は恋人同士なのだからとグランが提案して二人で湯船に使っている際に興味本位でプロメティアの乳首を弄ったのが事の始まりだ。そのときプロメティアが予想外にいい反応をしたために、彼の加虐心に火が付きそれからずっと弄られ続けているというわけだ。
「んあっ♡ あん♡ そんなこりこりしないでぇ♡」
時には指で弾き、時にはコリコリとつまみ、その都度違う彼女の反応を楽しむグラン。一方プロメティアは膣もクリトリスもいじってもらえないもどかしさを必死で我慢してながら、徐々に高まっていく乳首の快感をヒシヒシと感じていた。
「ちくび弾くのだめぇ♡ んっ♡ しこしこするのもぉ♡ ぁぁぁぁ♡」
乳首からの快感だけではもどかしいのか、彼女は湯船の中で腰を振ってグランの勃起した肉棒にこすりつけている。
「あっ♡ いくっ♡ 乳首だけでイッちゃう♡ やだ♡ そんな♡ こんな変態見たいな♡ だめ♡」
初めての乳首での絶頂に恐怖感を感じるプロメティアは、縋るようにグランの身体に後ろ手に抱き締める。
「あっだめっ♡! ちくびくる! きちゃう! きちゃっ……~~~~~~っ!!!」
プロメティアの腰が勢い良く持ち上がり、胸を大きくそらしながら絶頂に達する。湯船が大きく跳ね、それが彼女の快感の大きさを表していた。
「っはー♡…… はー♡……」
絶頂の余韻が収まると、再び湯船に浸かり体を休める。と言うより身体に力が入らないようで、頭をグランの方に置くと、しばらく荒い息が静まるまでグランに身を預けていた。
「こんなに乳首だけで気持ちよくさせて……此方もお願いしますよ……♡」
そう言いながら彼女は妖艶な笑みを浮かべるのだった。
…
……
ある夜、テラスに置かれたデッキチェアの上で交わる2つの影があった。
「んっんっんっんっ♡」
水面を輝かせる月など眼中に無いかのように、必死に腰を振る女性は、その長い髪を振り乱して快感を受け止めている。
「プロメティアさん、すごい気持ちいいですよ。この前も気持ちよかったけど、それ以上です……」
「グラン君はっ、変わらずすごいわ♡ 太くて♡ 長くて♡ それにこんなにゴツゴツして、挿れる度に気持ちいい所擦れちゃう♡」
彼の長大な肉棒を隅から隅まで味わおうと彼女は大きく腰を上下させる。抜く時は膣を締めてヒダへの引っ掛かりを楽しみ、逆に入れる時は重力に任せて勢い良く腰を落とす。グランの肉棒が埋まる度、結合部からごぽんっ、という粘り気のある水音が聞こえた。
「すみません、イキそうなので、ちょっと激しくしますねっ♡」
そう言うと彼女は上り詰めるためのスパートを開始する。目を閉じ、腰からもたらされる快感を一寸でも逃すまいと一心に腰を振っていた。快感を少しでも大きくしようと夢中で腰の動きをより大きくするプロメティア。普通なら抜けてしまうような大きな動きだが、グランの肉棒は彼女の膣内にとどまり続け、その貪欲な欲望通りに快感を彼女に与えた。
「っ!んんんんんんんんん♡♡♡♡」
ぐぽんっ!と一際激しく腰を下ろすと、グランの上でうずくまり小さく震えた。両目をギュッと閉じて絶頂の波に耐え、膣は肉棒を離すまいと力強く締め付けている。ただ腰だけはカクカクと精を出せとせがんでるように動いていた。
「はぁ♡ はぁ♡ んっ♡ んっ♡」
絶頂の余韻が抜けると、また腰振りを再開するプロメティア。心なしか先ほどより気合が入っている。
「イった後って、凄く気持ち良くて、またすぐエッチな事したくなっちゃうんですね、初めて知りました♡」
先ほどと違い、今度はグランの上で腰をグラインドさせている。自分の快感がより強い方を選んだようだ。貪欲に快感を貪っていく。
「だからぁ♡ 今日は私が満足するまで付き合って貰いますよ、グラン君♡」
それで会話を打ち切り、腰の動きに集中するプロメティア。ここに来てから毎日グランの精を受けているためか彼女の体力は全盛期の頃並に回復し、それにともなって彼女の元々強かった性欲は更に加速していった……
…
……
「んっ♡ ちゅ♡ ちゅる♡ ん~♡」
ソファーの上で口づけを交わすグランとプロメティア。
「ぷはっ……プロメティアさん、キスはダメだって……」
「良いんですよぉ、キスなんてただのスキンシップですよ、スキンシップ♪ 誰でもしてますから」
そう言うと再びグランに唇を重ねる彼女からは仄かにアルコールの匂いが漂っていた。普段は飲まない食後酒を飲んでしまったからであろう。グランも彼女がこんなにも酒に弱いとは知らずびっくりだった。
「ちゅ♡ ちゅる♡ んっ♡ じゅるるるる♡」
徐々にお互いの舌が絡み合い、唾液を交換し合う。それと同時に気分が高まっていき、二人の服は舌の絡みが濃厚さを増すごとに減っていった。彼女らを包むものが全てなくなったころ、グランが彼女を移動させたのか、それとも彼女が自ら移動したのか、プロメティアはいつの間にかグランの足の上で向かい合って座りながら深いキスをしていた。
「んむっ、ん、んんっ♡ んふー♡ じゅるるる♡ ちゅぽ♡ ちゅっ♡」
そのまま腰を前に出し、肉棒を捕まえるとゆっくりと挿入していく。その間も二人のキスが止むことはない。グランはペースを彼女に任せ、ゆっくりと濃厚なセックスを展開していく。
「んっ♡ ちゅる♡ じゅぼ♡ ぐちゅ♡ ゴクン れぇる♡」
まるでフェラチオをするようにグランの舌を舐め回すプロメティア、腰もゆっくりと竿全体をしごくように動き、彼女自信がセックスを大いに楽しんでいることを感じさせる動きだった。時々くぐもった声や吐息がグランに流れ込み、それがまた彼の興奮を誘い、肉棒の硬度を上げる。
「んふー♡ じゅぼ♡ ちゅぽん♡ ちゅっ♡ ちゅるんっ」
そのことに嬉しそうに目を細めながら、より激しく舌を絡めるプロメティア。
まるでときの流れが遅くなったかのような、ゆったりとした濃厚なセックスは朝まで続き、酔いが冷め正気に戻ったプロメティアがキスをしてしまったと顔を青ざめさせたらしい。
しかしキスをしながらのセックスの快感を思い出してしまった彼女は、もう戻れなかった。
…
……
そして最終日、ベッドの上には汗とお互いの体液でびしょびしょになりながらも、時間が惜しいとばかりに交じり合う二人の姿があった。
「もっと♡ グランもっと♡ もっとちょうだい♡ んちゅ♡」
これまでのセックスで聞こえていたプロメティアの快感によって押し出された大きな喘ぎ声は聞こえず、そのかわりにキスによって絡み合う唾液の音と、時折二人の口から漏れ出てくるくぐもった嬌声、それと腰がぶつり蜜壺をかき回す音のみが室内に響いている。
「プロメティア、ほんとにこれで終わり?終わっても時々会おうよ、商談って言えばバレないって」
「んっ♡ だーめ♡ 私は今は貴方の恋人だけど、外に出ればハロルドの妻なの♡ だからこれで終わり、これが最後のセックスよ♡」
その言葉に寂しそうにするグランは、それを紛らわすように腰を振る。プロメティアもそれに答えるように自らも腰を動かし、濃厚なキスを再開する。チェックアウトまで後3時間も無い。しかし彼女たちは帰り支度の時間も惜しいとばかりにお互いの身体を必死に貪っていた。グランは彼女の身体に少しでも自分を刻みつけようとし、逆にプロメティアは少しでもグランを自分に刻み込もうとする。引き裂かれる恋人たちが必死に互いを忘れまいとしていた。
腰を大きく動かし彼女の中を少しでも多く感じようとするグランの腰には、彼を決して離すまいとするプロメティアの脚がガッチリと絡みついている。少しでも身体を触れさせていようとお互いに抱き合っているため、今までは足りないほどだったキングサイズのベッドは今は真ん中の小さなスペースしか使われていなかった。
結局二人はチェックアウトの時間を3時間も遅らせ騎空艇乗り場へ向かっていた。それでも二人の旅行バッグの中身はまるで5分間で全て詰め込んだ様にぐちゃぐちゃだったらしい。
…
……
「どういうことですか!?私はこの船をちゃんと予約しておいたでしょう!?」
「ですから、その船は故障で使えなくなってしまっていまして、今お客様には宿など別の便が手配できるようになるまでの対応をしておりまして……」
ここはアウギュステの港の騎空艇のチケットカウンターだ。恋人ごっこも終わり、当主としての顔を取り戻したプロメティアが従業員に食ってかかっている。どうやら予約していた便が欠航になってしまったようだ。
「わかりました、では替えの便の手配をお願いします。」
「申し訳ありません。この時期は最繁期ということもありましてどれも満席でして……一番早く目的地にされている島に着くにはポート・ブリーズやバルツを経由する船で行っていただくのが早いかと思います……それでも3日は掛かりますが」
「3日……」
思案するプロメティア、いち早く帰りたいのは事実だがそこまでするなら正直グランに連絡を取ってもらってグランサイファーで帰ったほうが早いし安上がりだろう、彼の団員には商品の採取場所を見に行っていたとでも説明すればいいだろう。
そんなことを考えていると、背後にいたグランが口を開いた。
「いいじゃないですか、プロメティアさん。それで帰りましょうよ」
「いえ、でも貴方に船を呼んでもらったほうがと思いまして……」
「ウチの船は今ダイダロイトベルトで依頼をこなしてるよ、ここまでは少なくとも一週間は掛かると思うけど……」
「……分かりました、ではその船のチケットを取ってください。」
「わかりました、今回はお詫びということでSクラスの個室をご用意させていただきます。一部屋で大丈夫ですか」
「いえふた「はい、1部屋で大丈夫です!」ちょっとグラン君!?」
「わかりました、一部屋でチケットを取らせて頂きます。ご協力ありがとうございます。」
無事チケットを取って船に向かう二人、しかしプロメティアの顔は不満げだ
「グラン君、どういうつもりですか。無理やり一部屋にするなんて」
「たぶんですけどあの状況だと一部屋しか空いていなかったと思うんですよ。態々Sクラスの部屋を用意してくれたのも他が全部埋まってたからだと思うんです。あそこでまた部屋がないとあたふたしてると今度こそ帰る手段が無くなりそうだったので」
「なるほど……たしかにそのようですね。なら仕方ありません」
乗り場に着くと、そこにはこの船に本当に入るのだろうかという数の人々が橋桁の前に列をなしていた。これでは売店も望み薄だろう。先に3日間の食事を買っておいてよかったとプロメティアは安堵する。
「ところでプロメティアさん。この船って豪華客船にも使われてるタイプなんでSクラスの部屋ともなるとかなり防音設備が良いそうなんですよ。かなり騒いでも全然外には聞こえないらしいです」
その言葉にプロメティアはピクリと反応する。
「だから、どうしました?」
「いえ、ただ僕最近ごっこ遊びに夢中でして、これが結構楽しいんですよ。プロメティアさんもどうですか?騙されたと思って……ね?」
「……そうですね。騙されたと思って、貴方のごっこ遊びに付き合ってあげても良いですよ」
「ありがとうございます。じゃあ部屋についたら早速始めましょうか」
この日はこの時期のアウギュステらしく強い日差しが照りつけており、また船着き場に人がごった返していたためかなり熱かった。そんななかで頬を上気させているプロメティアを不思議に思う人は誰も居なかったし、隣の少年が彼女の尻を彼女の劣情を煽るように撫で回しているのにも気付く人は居なかった……
…
……
「プロメティア! おかえりなさい!疲れただろう、中に紅茶を用意してあるから」
「ありがとうハロルド。でもごめんなさい、帰りの船がすごい揺れて全然寝られなかったの……だから先に寝かせてもらえるかしら?」
「あ、ああ、わかったよ。お疲れ様」
そう言うと眠そうに寝室に向かい、そのまま泥のように眠るプロメティア。彼女らは3日間、一歩も部屋の外に出ることは無かったという。二人が部屋で何をしていたか、そしてそこでどんなやり取りがあったのか、それは彼女たちしか知らない。
今更ですが今回の話は夏頃のお話です。
この次は後日談になります。
ちょっと時間掛かるかもしれませんがよろしくお願いします
5/28:表現がおかしかった部分を直しました