「……」
執務室にカリカリと万年筆の走る音が響く。ここは城の私専用の仕事場だ。義弟でもあり上司でもあるカインがあの有様なので事務仕事が多く、それを見かねた陛下から下賜された部屋で、流石に大きな部屋ではないものの居心地は良い。そんな最高の環境で私はここ数日間仕事に没頭していた。
ところで前回グラン君に好きなようにされてからもう1週間は平気で経っている。この間彼と夜を共にすることはなかったが、かと言って私があの時の決意を守れたかと言われると残念ながらそうではない。
「ふぅ……」
なぜなら私はあの決意を3日で覆して彼の部屋を訪ねてしまったからだ。もちろん目的は彼の身体で、浅ましいとは判っていてもあの夜に思い出してしまった雌の本能のままに行う“交尾”を欠かすことなど、どだい無理な話だったのだ。むしろその日の夜には音を上げそうになった身体を3日も押さえつけた私のタフな精神を褒めてほしいくらいだ。
しかし件の人物は「もっと我慢したほうが楽しくて気持ちいいですよ」などと訳の分からない言動で誘いを拒否し、その後ものらりくらりと誘いを断られてきた。そのくせ頻繁に部屋にやってきては意味もなく滞在して私を誘惑してくるのだ。彼の僅かな体臭(別に臭いわけではない)にも身体は敏感に反応してセックスの準備をしてくれるが、それは今の私にとっては邪魔者以外の何物でもない。彼が退散するのを待ってから仕事を再開しても残り香が身体をじくじくと疼かせて仕事は遅々として進まず。結局強制的に身体を疲れさせて早々に寝るのが最近の生活サイクルだった。
コンコン
「どうぞ」
「こんにちは」
「っ……また君? 今仕事中なんだけど……」
「なんか最近冷たくないですか?」
「仕事中だからよ、君仕事してるときしか来ないじゃないの」
コッチが手を出せないのを良いことにこの人は……。
「まあまあ、そんな仕事詰めレオナさんはお疲れかなーと思ってこれ、差し入れです」
「はぁ……まあいいわ。仕事も一息ついたし、それでお茶にしましょ」
今更だが彼はこの国の客将だ。プライベートならともかく仮にも仕事中の今無碍に追い出すことは出来ない。絶賛いじめられ中だが彼のことは嫌いではないので一緒にいたいという気持ちも湧き上がりついつい長居の用意をしてしまう。部屋に備え付けられた茶器でお茶を出し、差し入れの茶菓子で一息つくことにした。
「どうして君は毎回毎回ここに来るの? 自分の部屋があるでしょうに」
「1人でお茶飲むのは寂しいじゃないですか、それにこの部屋落ち着きますし。許してください」
「お茶の相手なんて君なら沢山いるでしょうに」
「レオナさんが良いんですよ」
そんなくっさいセリフに喜んで目の前の男が今も自分を苦しめていると忘れそうになる辺り自分は相当ちょろい人種なのかもしれない。
「ねぇレオナさん」
「な、なに? どうしたの突然立って」
「……そろそろ辛くないですか?」
後ろにまわりこんで、耳に息がかかりそうな距離で囁いてくる。此方を見透かした蠱惑的な態度に身体が硬直する。
「辛いですよね、あれからずっとお預けですもんね」
「ちょっ、やめて……なんで今なの……」
後ろから回ってきた彼の両腕が身体を撫で回す。胸を揉み、ふとももをさするように愛撫してくる。
「嫌ですか?」
「あ、ああぁぁぁ……」
彼の内ももを撫でる手が徐々に付け根の方へ迫ってくるが手で払いのけることも出来ず、ただ弱々しく声を上げてもどかしい感覚を受け入れていた。
「だめ……やめて……我慢できなくなっちゃうから……」
いやらしい動きをする彼の手を止めようと自らの手を重ねるがその力はあまりに弱々しく、自分でも止めようとしているのかもっとしてと催促しているのかわからないほどだった。体の奥から温かいものがこみ上げてくる。
「嫌じゃないですよね、ずっとお預けしてましたもんね」
「うぅ……んっ」
下賜された職場で、目の前の男を払いのけることも出来ず、全身を淫らに発情させて続きが来るのを期待している。そんな背徳感がさらに興奮を掻き立てる。彼から湧き上がる甘い匂いが思考を桃色に染め上げて、期待で息が荒くなる。
「ひっ!……っ♡♡」
「ここ、弄ってほしいですよね」
彼の指先がそっと割れ目を擦ると、服の上からにも関わらず粘り気のある液体が彼の指先を濡らした。
「ぅぅぅううう……」
クリトリスに指の腹が当たって、それを合図に指を下ろし、下まで行ったらまた指で染み出した愛液をすくい取るようにゆっくりとなぞっていく。そんな覚えたての自慰のようなゆっくりとした動きで彼は私を追い詰めていった。
今すぐ彼をこのソファに押し倒したい。声も仕草も完全に此方を誘っている。彼から放たれている甘い媚香は強烈で、今女中が部屋に入ってこようものならすぐさまその香りに当てられて肌を曝け出しながら彼に情事を懇願してしまうだろうほどだった。彼が息をするごとにそれがどんどん濃くなっていって、彼の指を更に濡らしていく。
「ほんとにだめ……せめて夜に、おねがい……」
「別にいいですけど、ほんとに待てます? 腰カクカクさせながら僕の指に押し付けてきてるこのえっちな身体が耐えられるんですか?」
ソファーには既に大きなシミが広がっている。まだ彼の右手だけ、それも表面をなぞっているだけなのにである。もう誰が来ても言い訳のしようもない。
「もしかして誰か来るのが嫌ですか? 見られるのが嫌だから? なら安心していいですよ」
「?」
「今日は懇談って名目で正式にレオナさんのスケジュールに入れてもらってるんです。だから終わるまで誰も来ないですよ。って言うか今朝言われませんでした?」
「…………」
ぽかんとする。記憶を掘り返してみると、そう言えば今朝事務の担当に午後はグランが会談するために訪れると言われたかもしれない。何分ここ最近はいつもの書類仕事をやるのに精一杯でスケジュールなどろくに確認していなかったし、聞いてもいなかった。
「あ、もしかして聞いてなかったでしょ。ムラムラしてそんな余裕なかったんでしょうわぁいやらしいなレオナさん。まあ僕はその分楽しめたんですけど。」
顔が一気に熱くなる。こんなに恥ずかしい思いをしたのは何時ぶりだろうか。
「ほんとよかったですよレオナさんの切羽詰まり方。僕を見る度もじもじして日に日に欲求不満が溜まっていくのがわかりましたもん。あ、気付かれてないと思ってると思いますけど僕が部屋に来る度濡らしまくってたの知ってましたからね、でもあんな静かな部屋でいじるのは止めた方が良いと思いますよ? 水音バッチリ聞こえてましたもん。」
「 」
もう何も考えられない。考えたくない。まさか全部彼に筒抜けだったとは。当てを付けられているのと実際に見聞きされたのでは訳が違う。こんなことがもし外にバレたら生きていけない。横で楽しそうに笑っている男を始末したほうが安全ではないだろうかという物騒な考えが頭によぎる。
「で、どうします?」
「!」
急に声音を変えて、彼の止まっていた指が陰核に触れる。くるくるとなぞり、私の身体の雌を再び呼び起こしていく。羞恥で埋め尽くされていた思考は彼の指が一周する度にピンク色の霧に覆われていった。
「夜まで待ちますか? まだお預けプレイしたい?」
首を横に振る。もう躊躇う要素は一つもなかった。
「素直でよろしい、じゃあまず一回イッっときましょうか」
「っあ!? ああああああ!?」
クリトリスを摘まれ、勢い良くしごかれる。厚い布の上からでもしっかりとつまめるほどに勃起したそれをゴシゴシと乱暴に扱われても痛みなど一切感じず、身体は刺激のすべてを快感として享受する。腰は浮き、手はソファーが破けるんじゃないかと思うほど強く握られている。一擦りごとに絶頂が訪れ、しかし彼の手はそれだでは止まらない。
「お゛!! イグッ! イクイクイクッ! 止めないでねおねがいやっとイけそうだから気持ちいだめイクほんとにイッちゃう、ねイッていい? 良いよね? もう我慢出来ないからおねがい」
「良いよ、イッて」
「ありがとう好きこれ好きもっと強くおねがいだめ気持ちよすぎてもっと! あっくるくるくるくる!!」
もう思考がとめどなく口から垂れ流される、言っていることが支離滅裂だ。待ち望んでいた快感の濁流にさらされ、さらなる快感への期待で思考などまとまる筈もない。
「―――――ッ!!!!」
コリッ、と少し強く押しつぶされ体全体が大きく仰け反る。全身の筋肉が伸びきって、意識が飛びそうになる。脚をぶつけてしまいテーブルの上のお茶がすこしこぼれてしまった。
「あ゛っ♡」
「この部屋仮眠室ありましたよね? 行きましょうか?」
「……うん♡」
ここまでされて断る事のできる人間など居るのだろうか?
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!! イグッ! またっ! おくでっ!!! んぎ!? あ゛あ゛あ゛!!!!」
執務室から続く部屋、他の部屋では物置として使われるような小さな部屋に私は仮眠用としてシングルベッドを一つ置いてある。余り使う機会はないとは言え決して安物ではない。
「お゛っ!? あぐっ!? ぐりぐりって、もっと! 奥もっと! あ゛、あ゛~~~~♡♡♡♡♡」
しかしそのベッドは今絶え間なく軋み、たわみながら上で飛び跳ねのたうち回る私を受け止めている。部屋にある窓はもちろん開けるわけには行かず、小さな部屋には性臭やら媚香やらの匂いが濃厚に混じり合って充満していた。
部屋に入ってから数時間たつが、少し肌蹴ただけでお互い服は着たままだ。前戯など必要なわけもなく、すぐさまベッドに倒れ込み一つになった。
「ふっ♡ ふっ♡ ああ♡ ぎゅーってするのだめ、ずっとイッてる感じで♡ ちょっとずづ♡ 大きくっ♡ なって♡ あっ、あっ、あっ♡ あっ♡ くっ♡ っ――――――♡♡♡♡♡!!!」
空高くあった太陽もすっかり沈み、もうすぐ路上で酔っ払いが寝ている光景を見れるような時間だが、今までこの部屋から嬌声が消えたことはない。常に私の口はグランによって喘ぎ声を発し続けていた。
「Gスポットこりこりいいよぉ♡ 全然コッチに優しくない、ただイかせたいだけの動き凄く良いぃ♡ ひぃ♡」
同じ時間を共にしているはずのグランは息も絶え絶えな私とは対照的に余裕そうだ。こんなに長い時間ヤっていたらお互い飽きそうなものだがそんな気配は一切なく、覚えたての頃の様にお互いを貪っていた。といっても私は彼が与えてくれる快感に必死に縋り付いているだけだが。
一応今は彼が動きやすいようにバックの様な体勢で後ろから突いて貰っているがもう腕に上半身を支える力など無く、腰だけが彼に支えてもらうことによって辛うじて上がっている。この体勢だと彼の肉棒が余計に膣壁に擦り付けられて良い。時々倒れ込むように此方を包むようにされると彼の暖かさで安心しきった身体にポルチオを押す潰される快感が余すこと無く伝わって何とも言えない幸福感とともに身体が蕩けるかと思うような甘い絶頂を与えてくれる。
とは言え流石に彼の動きにも切れが無くなってきた、特に疲れた様子も無いがどうも飽きて来たようだ。セックスはお互いが気持ちよくなってなんぼ、ということで余裕も出てきたので一つ提案をしてみる。
「この体制、ずっと支えてるから辛いでしょ? 今度私が上になるから」
「別に大丈夫ですよ? レオナさんのお尻大きいから支えやすいですし」
「は?」
流石に聞き捨てならない。
「いえ、なんでも……でもそんなぐったりしてるのに騎乗位だいじょうぶですか? 動けます?」
「あれ使ってよ、ヒールオール」
「ええ……シてる途中に魔法って……ムードとか無いんですか」
「なに女々しいこと言ってるの、別に君が常備してるエリクシール使っても良いんだよ?」
「あ、ならそっちで。 余ってるんで」
「ええ……? あれって稀少品じゃないの? なんで余ってるのよ……」
「じゃあこれ、ちょっと激しくするからサイドボードに置いておきますね」
「……わかった♡」
彼の“激しくする”という言葉に敏感に反応した私は体温を上げて膣を彼に絡みつかせる。彼が手を伸ばしサイドボードに手を伸ばす。すると当然だが私の身体から彼の肉棒がズルズルと抜けていった。
「あっ、いやっ……」
「ん? どうしました?」
「っ!! べ、別に何も」
無意識で自分が言った言葉に我を疑う。
「あ、もしかして抜けちゃうんじゃないかって思いました? おちんちん抜けそうになって寂しくなったんでしょ?」
「~~~っ!!」
「いややっぱかわいいですレオナさん、行かないでってオマンコ必死にぎゅ~って締めて僕のこと引き留めようとするなんて、そんなえっちな汁どろどろのおまんこで捕まえられるはず無いのにね」
恥ずかしい、恥ずかしい恥ずかしい!
なんで今日はこんな恥ずかしい思いを何度もしなければいけないのだろうか。顔が真っ赤に染まってるのが鏡を見なくても判る。彼の意地悪な言葉は全て本当で、戻ってきてくれた今もそれを離すまいときゅうきゅうと締め付け続けている。
「ははは、ほんと耳まで真っ赤にしてかわいいです。……でも安心してください、辞めるつもりなんて全く無いですから」
そう言うとがっしりと腰が掴まれる。彼が動きやすいように位置を微調整するその僅かな動きで準備を整えた膣が結合部からどろどろの愛液をシーツに滴らせた。
「ふー♡ ふーっ♡ ……っ♡ っ!!! ~~~~~っ!!!」
期待に息を荒げ、準備ができたのを察し息を呑む。直後に来た衝撃に一旦区切りだから思いっきり喘いでやろうとか、自分も腰を動かしたほうが良いのだろうかとか、そんな小難しい考えは全て吹き飛ばされた。喘ぎ声を出す余裕すらない。一瞬で再び崩れ落ちた両腕でシーツを目一杯の力で掴みながら声にならない叫びを上げ続ける。息を付く暇もなく、彼が動く度にかすれた叫び声とともに肺から空気が抜けていって苦しいが、それすらも彼に求められている証拠だと嬉しさを感じてしまう。
「そろそろ、だからっ!」
彼のその言葉に脚に自分の脚を絡ませる。今更そんな意思表示など必要ないがどうしてもやってしまう。ポルチオに彼の肉棒が押し付けられ、その快感を受け止めきらないうちに胎内を叩くように温かい液体が流し込まれる。一回の射精とは思えないほどのそれは、しかし一滴も膣外に流れ出すこと無くすべて子宮に注ぎ込まれた。もう何度も出されているはずなのに私の子宮はまだ飲み足りないらしく彼の鈴口にその子宮口を張り付かせている。
「ふぅ……おまたせ、ってどうしたの?」
「ちょ……いったん、抜いて♡ 子宮、ずっと吸い付いてて……♡ ずっとイッて♡♡♡」
「ふーん……それ」
「あっぐっ!!!???? ひっ! ひっ♡」
グランがポルチオをえぐるようにぐりんっ! と腰を大きく廻す。それに呼応して絶頂する私はもう脳が追いつかず引き笑いのような声を出してしまう。いまだ抜かれない肉棒を感じながら歯を食いしばって快感に耐える。
「やっぱレオナさんかわいいよ。怒った顔も照れた顔も良かったけどそうやって泣きそうになりながら耐えてる顔が一番かわいい」
「も、もうやめ……あああぁぁぁ♡♡♡♡ それ、やさしく擦るのもだめぇ♡ はああぁぁぁ♡♡♡ 揺するのもぉ♡ 許してよぉ♡ ああぁぁぁ……♡♡♡♡」
一度発動した彼の悪癖は中々止まらず、その後も私は巧みに緩急を付けた腰使いで彼の望むままのリアクションを引き出され、結局終わったのは私の絶頂回数が2桁になって嗚咽が止まらなくなったころだった。
「ゆるさない……こうかい……しゃせてやるんだからぁ♡♡♡」
「そんなエロい声で言われても説得力無いですよ、呂律回ってないし」
散々弄ばれて精も根も尽き果てた私はベッドに横たわりながら悪態をつく。しかし傍らに座る彼は全く意に介していない様子で此方をからかってきている。もう完全に舐められている。でも今何を言ってもからかわれる気がするので抓っておくことにした。
「いたたたたた。 何するんですかレオナさん痛いです」
「……」
「あ、無視ですか―? ふーん?」
「……ひゃっ! やめっ、おしりなでないでぇ♡」
「レオナさんってシたあと妙に強気っていうか、子供っぽいですよね。前も拗ねてたし」
「いやっ、お尻揺らさないでぇ♡♡ おなか、あっつくなっちゃうよぉ♡♡♡」
「ごめんなさいは?」
「ごめん、なさいぃ♡♡♡」
「よろしい」
尻肉を揺らしていた手がぱっと離れる。水を取りに部屋から出ていった。その間私はシーツにしがみついて股座に伸びそうになる手を必死に堪える。流石に徹夜は不味い、そろそろ寝なければと深呼吸しながら体の熱を冷まそうとする。
「あれ? どうしたんですかそんな格好して、てっきりオナニーシちゃってるかと思ったのに」
「そんなわけ、無いでしょ……そろそろ寝ないと……」
「えっ寝れるわけ無いでしょ?」
「え?」
「まあ寝れるなら寝ても良いですよ?」
そう言って私を抱く様にベッドに横たわり、後ろから私の身体をいじりはじめる。冷ましていた熱がいっきにぶり返してくる。
「ちょっ、ホントに、あっ♡ ダメだって……んっ♡ 明日も私仕事なのよ?」
「ほら、僕のヒールオールもエリクシールもあるし」
「でも……」
「それにレオナさんだってまだ足りないでしょ?」
当たり前だ、あんなに焦らされて、こんなに注ぎ込まれて。これが休日なら1日ぶっ通しで交わっていてもいいくらいだ。しかもすぐ後ろにいる彼の存在がまた性欲を昂ぶらせる。
「またムラムラしながら仕事するんですか? なら今全部発散しちゃいましょうよ? そのほうが絶対いいですって」
「……」
「僕もまだ満足してませんし、ね? しましょうよ」
彼の硬さを取り戻した肉棒が当たる。身体が重く感じるほど出したのにはじめる前と殆ど変わらない彼のソレが、私の股下に挿入される。彼の肉棒が擦れる度私の自制心はガリガリと削られていく。ビンビンに勃起したクリトリスをいじられ、胸を揉みしだかれ、息をするほど彼が出しているであろう甘い媚香が肺に充満し体中に行き渡る。そしてついに……
「そうよ、ね……ちゃんと発散したほうが仕事のためよね♡」
屈してしまった。彼の甘い誘惑に、自分の性欲に。その言葉を口にした瞬間大きな後悔と罪悪感が心を黒く染めたが、それも一瞬。次の瞬間には彼がくれる快感がすべて洗い流してくれた。それにただ悦び、咽び泣く。
それからはひどいものだった。今までのような人間らしいものではない、しかし動物は決してやらない性欲を発散するためだけの行為。淫獣がお互いを求め合い、絡み合う。およそ人語のような言葉はなく。その口はただ鳴き声をあげるためだけにあった。もう記憶もあやふやだが、仕事で部屋を出る直前、書類を纏めて着替えているときでさえ彼の肉棒は膣に埋まって私の喉を震わせていた。
「こちらが先日の報告書です。承認されるなら印をお願い致します」
「うむ、先日の城の防衛設備拡充の件か……どれ……?」
いつも通り書類に目を通す陛下に胸を撫で下ろす。今日陛下に謁見しなければならないことをすっかり忘れていた。もちろん身なりや匂いには気を付けたが勘の鋭い陛下のことだから気付かれるかと思ったがそんなことは無い様だった。
「ふむ、よいじゃろ。ときにレオナよ」
「はい、何でしょうか?」
「まだ若いとはいえ徹夜は余りしない方が良いぞ、肌にも悪いからの」
「っ! ゴホッゴホッ」
吹き出しそうになるのをなんとか耐える。え? なんで陛下が知ってるの? もしかしてバレてた?
「? どうした? ほれ、これで隈を隠せみっともない」
そういって小さい化粧ポーチを投げてくる。陛下がなぜこんなものを持っているか不思議だったが言われたとおりに手鏡で隈を隠す。普段から化粧はあまりしないが今朝はそんな余裕も無かったから気付かなかった。
「終わったか? ほれ、印を押しておいたぞ。昨今の情勢からもう少し軍に予算を回しても文句は言われないじゃろうから、何か入用があったら遠慮なく申せ」
「は、ありがとうございます」
一礼して部屋を後にしようとする。すると再び陛下からお声が掛かった。
「レオナよ、あと一つ要件があった。時間は大丈夫か?」
「はい、問題ございません。要件というのは?」
「うむ、要件というか忠告じゃな。言おうか迷っていたんだが……」
なんだろう、最近の軍への指摘だろうか? それともカインの事? 心当たりが多すぎて分からない。
「その、グランと夜を共にするのは良いが、程々にな?」
「え?」
「いや、するなとは言わんよ? お互い後ろめたい関係でもないしの。しかし相手は客将じゃ下手に入れ込むのは辛いぞ? それに……」
「ああ……ああぁぁぁ……」
ショックと混乱で陛下のお言葉がほとんど耳に入ってこない。なんで? どうしてバレたの? 誰かに見られてた? だとしたらこれ以上広がらないようにしないと……
「陛下は、どうして、ご存知なのですか?」
「ん? そりゃグランと居る部屋からあれだけ派手に喘ぎ声を出していたら誰だって分かる。防音と思って油断していたじゃろ? 扉の前に立てば丸聞こえだったぞ。しかも昼間からあんなに大声を出すほど激しくとは、すこし関心してしまったわ」
「 」
「そもそもお主ら最近は休日の度に逢引しておったじゃろ? グランが長期間居ない時は日を追うごとにお前は不機嫌になるし、疎い妾でも分かるわ」
言葉が出ない。今すぐ逃げ出したい。この元凶をボコボコにしてやりたい。だから待ってって言ったのに!
「ああ、でも安心せい。その程度でお主を色眼鏡で見るような輩はほとんどおらん。居たらそいつはその程度だったということじゃ、捨て置け」
「みんなって……どれくらいの方がご存知なのですか?」
「あのあたりの区画を担当していた使用人は殆ど知っとるじゃろ。そもそも掃除や洗濯の時にバレるのだ。遅かれ早かれ、じゃよ」
「もういやぁ……」
「それにしても獣のように喘いでおったの、そんなに凄いのかグランのモノは? 今度妾も摘んでみようかのぉ。最近ご無沙汰もいいところじゃったしな」
「王よ、そのようなことを口にしてはなりませぬ」
「何じゃハクタクは堅いのー、良いではないか少しくらい」
「少しにならないかもしれないので言っているんです、あの少年からは特別な気配を感じますから。」
「ふむ、それは更に興味を唆られるの……」
「そういう訳ですのでレオナ様。あまりプライベートには口を出したくはないが貴方はこの国の重要な人物です。あまりのめり込みすぎないように」
「はい……肝に銘じます」
もう手遅れなアドバイスを貰いとぼとぼと部屋に帰る。もう今週は全部休んでしまおうか……それが良いかもしれない有給も余っているししばらく羽を伸ばそう。
「レオナさんどうでした? 謁見中に垂れてきたりとかしなかった?」
とりあえず元凶をボコボコにしておく。廊下の床で悶絶している不審者を置いて自室ヘ向かう。今日はもう不貞寝しよう……
――数時間後、レオナ自室――
「あっ♡ もっと♡ もっと激しくして♡ 奥にっ! あ、ああああぁぁぁぁ♡♡♡」
これで一応区切りということで。時間かかった癖には短くて申し訳ない(´・ω・`)
エッケ全然落ちなくて辛いです(´・ω・`)
【レオナ】
完全にグランの物に。もうどんなに怒っててもお尻撫でられたらトロ顔準備万端です。もう下着意味ないんじゃない?
新たに乳腺でも感じられるようになってきて本格的に何処をさわっても感じられる身体になってきた。
【グラン】
今回はいつもより意地悪分多めなグラン君、気に入っちゃったからねしょうが無い。ちょっかい出したくなるよね。
彼が客将というのは想像なのでもし本編と違くても許してください。
【フォリア】
実は知ってた人。最近のオナネタとして二人の情事を思い出すらしい。王女という立場故相手を求めるわけにも行かず溜まっているらしい。化粧品持ってたのは時々抜け出して城下町に遊びに行くため。
【執務準備室】
執務室の奥の部屋。今回二人が盛ってた場所。本来は倉庫代わりに使ったり仮眠室として使うのだが二人にとってはもう体のいいヤリ部屋である。
【城と使用人】
かなり大きな城なので使用人も結構いる。そしてそれだけ数が居たら多かれ少なかれそう言う関係になる人もいる。ということで「そういう事」に使われる部屋というのもあるのだ。奥まった場所にある客室とか、人気の少ない倉庫とか、外れにありすぎてほとんど誰も使わない風呂とか……