「じゃ、今日はありがとねおじさまー♡」
薄暗い裏路地で今日のお客に別れを告げる。今街をオレンジ色に染めている太陽の光もここまでは届かない。人目を気にするようにそそくさと離れていった背中が見えなくなるのを見送ると。踵を帰す。予定より早く終わったし噂のカフェにでも言ってみようと思ったからだ。
「確か大通り少し入ったところだったよね……お、あったあった」
グランが倒れてからもう結構経つ。もう完全に彼は力を自分のものにしたみたいで、片っ端から女の子を中毒症状に陥れるようなことは(彼がその気にならなければ)無くなった。あたしの症状も改善されて、グランにコマされて直後のように発狂しそうなほどの渇望感は今はない。ただ彼との関係はまだ続いている。まぁ元々そういう関係だったし何も不自然では無いが、強いて言えばグランの夜の予定が取りづらくなったのが不満だ。前までは興味なさげにしてたくせにと少し複雑な気分になる。
普段ならさっさと帰ってグランの部屋へ、と行きたいところだが生憎今日はあたしの日じゃない。増えてきたグランの“友達”同士がかち合うのを避けるためにローテーションだが、前から関係があったあたしとしては何処か釈然としない。こういうのは好きなときにするから良いのに。まぁ全ては気に入った女の子をなんにも考えずこましているグランが悪いのだが。
「さて、じゃあ行きますか」
美味しいご飯と綺麗な夕日を堪能して、また街に繰り出す。明かりの付いた街を歩きながらいつもの場所につく頃にはもうすっかり路地は暗闇に包まれていた。辛うじて人影が見える程度。ここで何時ものように一緒に暇をつぶしてくれる人を待つ。
「いい?」
「はーいどうぞー♡ ってグランじゃん、どうしたの?」
「まぁ、ちょっとね。それよりさ、コレでどう?」
「えーグランならタダでいいのに」
「こういう所はしっかりしたいんだよ、じゃあ行こう」
「女の子買っといてちゃんとしたいも何も無いと思うけどね―」
予想外のお客を捕まえて、路地を立ち去る。どうもグランはもう宿を取ってるみたいであたしを先導してどんどん進んでいく。
「カレン飯は?」
「軽くなら、ってかほんとどうしたの? 今日リーシャさんの番じゃなかったっけ? 喧嘩でもした?」
「秩序の団関連でね、急に出なきゃならなくなった」
「どれくらい?」
「2週間はかかるって」
「うわそれでお預けって事? リーシャさん耐えられるのかな?」
彼女はグランの囲いの中でもかなり旺盛なのは彼女以外全員知っていることだ。なんせルールができたのも彼女の頻度があまりに多くて他の人が出来ないからだし。ああいう硬い人ほど溜まってるというか、性欲も凄いものなのだろうかと勝手に思ってしまう。
「だから昼間のうちに済ませた」
「逆にそれリーシャさん大丈夫? 歩ける?」
「さっき港まで送り届けたよ、フラフラだった」
「そうだろうね」
つまりあたしはリーシャさんの代わりに空いた時間とまだ満足してないグランを慰めるために買われたってことだ。そう考えると一気にテンションだだ下がりだ。お金貰ってなかったら帰ってる。
「ホテルここで良い?」
「わ、ここ最近出来た有名なところじゃん、どうしたの?」
「ちょっと気になっててさ、で泊まってみようかなって」
「ふーん……」
リゾート区に新しく出来たこのホテルはアウギュステの有名な高級リゾートホテルの系列らしく、あまり興味のないあたしでも知っていたくらいには有名だ。その噂に恥じず豪華で雰囲気の良い内装はこの島の雰囲気ともマッチしていて流石は、という感じである。
「はぁ~、これがこんなじゃなければ嬉しかったのになぁ~」
「な、なんだよ結構いい部屋なのに、不満か?」
「逆に聞きたいんだけど他の女とセックスするために取った部屋に変わりに誘われて不満に思わない女の子居ると思ってんの?」
「あ、バレた?」
「バレないほうがおかしいでしょ……」
「どこいくの?」
「シャワー」
シャワールームもこれまた豪華で、数々のアメニティーに二人で入っても全然余裕そうな大きなバスタブ。恋人同士で来たならさぞ楽しい時間を過ごせただろうに。
「なんかそう考えると余計イライラしてきた……」
無意味な独り言を吐きつつ、今日の疲れと汚れを石鹸に浮かして温かいお湯に流す。備え付けのバスローブに着替えて戻るとグランが鼻の下を伸ばして言い寄って来たのでさっさとシャワーを浴びろというと素直に従ってくれた、まぁ当たり前だが。
「さて……」
「カレンおまたせーってあれ? なんで電気消えてんの?」
「寝るから」
「えーそんな事言わないでさー」
グランが全裸のままベッドに入ってくる。けどあたしはグランに背を向けたまま。それを良いことにグランが身体を弄ってくる。でも無視、あたしはこれから寝るのだ。
「へー無視するんだ、じゃあこういう事しちゃお」
「あっ! んっ♡ んー!! っぷはっ! グランそれ卑怯!」
「卑怯じゃないですー戦術ですー」
不意打ちのキス、彼の甘い唾液が流れこんであたしの中に入っていく。途端に沈んでいた気分が高ぶりだして、強制的に興奮させられる。今まで何度も経験した感覚が襲ってくる。
「どう? シたくなった?」
「……っ♡」
「ふーん、まぁ良いけど」
そのまま手の動きを再開するグラン。さっき迄のお遊びの動きとは違う、本気で感じさせようとする手付きだ。
少し弄られただけで乳首もクリトリスも硬くなっちゃって、それをグランは慣れた手付きで責めてくる。さっき強がってみたが彼がその気になればあたしの身体なんて今みたいにすぐにその気になってしまう。この代わりにされてもやもやしてる心もいつまで持つか。彼のフェロモンのせいで急速に桃色に染まっていく思考に少しの恐怖心を抱く。
「もうこんなに濡らして、指にも吸い付いてくるよ? 早く欲しいーって」
グランの指がするすると入ってくる事にこの身体は何の抵抗もせず、むしろそれを喜ぶように快感を送ってくる。身体の芯が更に熱くなって下腹部の違和感が大きくなる。
でもそこからグランは何時ものように激しくすることはせず、Gスポットを撫でるように刺激して、クリトリスも優しく刺激するだけで、まるで焦らすような責めを続けた。でもフェロモンのせいで性欲は爆発的に溜まってきて、もうかわりにされた不満なんてそれに押しつぶされてちっぽけなプライドがあたしから彼をねだることを辛うじて食い止めていた。
「ね? そろそろシたくない? イキたくない? さっきからずっと寸止めされて辛いでしょ?」
「そんな、ことぉ……っ♡」
「ほんとにぃ、じゃあもっとしなきゃ」
「やっ♡ あ、あ、あ♡ あっ♡! ぅぅ~……」
彼の指先一つで完全にコントロールされている。Gスポットを少し強く刺激されるだけで昇り始める身体。でも寸前で止められ、降ろされてしまう。その度にあたしのおまんこは不満を表すようにいやらしく彼の指を締め付ける。なんども絶頂の寸前まで行って、しかしたどり着けない身体はもう爆発寸前で、子宮がもう降りきっているのも感じる。何時もより濃くてネバネバした愛液が彼の指が動く度いやらしい水音をたてる。
「じゃ、一回軽くイッとこうか」
「んっ♡ ちょっと流石に乳首だけでなんて……やっ♡」
「どうかなー、今のカレンなら……」
「あっ♡ ちょっとこれ変な感じ……っ♡」
「お、イケそう?」
「やっ♡ そんなはず……グランやめて、ちょっと!」
「やめなーい」
「やっ♡ は、んっ♡ いやっ♡ ぐら、ん♡ あっ、あっ♡!!!!」
「おー、イってるイってる」
散々求めてた刺激、でも何時もよりずっと軽い。まるで蓮の葉に水を掛けたみたいな、そんな感覚しか無い。乾いている部分には到達せずに快感は何処かに流れていって、むしろ逆に……
「余計もどかしくなったでしょ? そりゃそうだよね」
「ひうっ♡ グラン、そこっ♡ 撫でちゃ♡」
「本当に欲しいここには全然貰えてないもんね」
下腹部、丁度子宮の上を優しく撫でられる。隅々まで徹底的に開発されたあたしはこんな刺激だけで疼く体になってしまって。それだけで今までそこにされてきたことを思い出してしまって。それにちっぽけなプライドなんて耐えられるはずもなくて。
「……せて……」
「ん?」
「グランのおちんぽで、あたしのことイカせて、むちゃくちゃにして欲しい……」
「待ってました」
あたしの脚を持ち上げて、さっきからずっとおしりに当たってたグランのガチガチに勃起したそれが膣内に入ってくる。待ちわびた太くて熱いそれがあたしを押し広げていく。
「グラン」
「なに? 言っとくけど止めないよ」
「この体勢だと奥に届かないから、変えて」
「うわーすごいエロいこと言うねカレン」
「うるさいさっさとして……あっ♡ ぅ゛ぅ゛~♡♡♡♡」
少し変えて、後背位になると奥まで入るようになる。ポルチオが彼にガッチリと押し込まれて、まるでスポンジに染み込んでいたかのようにだらだらと快感が押さえつけられているだけで頭に垂れてくる。
他の誰に抱いてもらっても、自分の指でどれだけしても得難い快感と充実感をそれは送り込んでくれる。待ち望んでいた快感に顔がゆがむのが自分でも判る。絶対他人には見せられない、そんなだらしない顔。
「動いて、はやく……♡」
「はいはい」
「あぅ♡ やっと♡ あっ!」
普段お客に見せる媚びた顔も声も、テクニックも彼には見せられない。見せる余裕なんて無いほど感じさせられる。枕に必死に顔を押し付けて、なんとか声を出さないようにする。こんな声グランに聞かれたくないから。でも彼はそんな声を上げて恥ずかしがりながら感じてるあたしを見るのが好きなようで、そうするともっと感じさせようと意地悪してくる。
「ね、もっとカレンのえっちな鳴き声聞かせてよ」
「ん゛っ♡ う゛、う゛う゛ぅぅ~♡♡♡♡」
容赦のない動きであたしを責め立てる。シロップのように甘くドロッとした快感の塊が幾重にも折り重なってあたしの意識を削り取る。そして削り取る度に絶頂に突き上げられた衝撃で辛うじて意識をつなぐ。でもそれもそろそろ限界だった。
「グランっ♡ あたしイクっ♡ イクから、もっと♡」
「わかってる」
「あっ♡! それっ! それそれそれ! おく凄い! すごいぃ♡♡♡!!!」
グランのストロークが細かくなって、ポルチオを重点的に責めてくれる。元々弱かったそこを更に彼に開発されてしまって、もうすっかり中毒みたいになってしまっている。
「おくっ♡ おくすき♡ もっと♡ あっ♡ だめっ♡ イク、イクイクイクっ♡ ―――――っ♡♡♡♡♡」
声にならない声、快感にただ押し出されただけのおおよそ人間とは思えないような叫び声をあげる。頭はその膨大な快感情報に焼ききれそうになり、しかし貪欲な身体は敏感になった今さらに快感を得ようと腰をビクビクと大きくしゃくりあげる。その度新しい快感が降ってきて、絶頂が収まらない。でも今日はそれでうずくまっているわけには行かなかった。
「お? おっ?」
「今度は、あたしが上……んっ♡」
「無理するなって、まだイッてるのに」
「大丈夫、だいじょうぶだか、らぁ♡!」
グランの上に乗って、今度は騎乗位。次は何時になるかわからないのだ、トコトン堪能しなきゃ。
「腰上がってないぞ」
「しかたない、でしょっ♡ ひゃ♡ んっ♡」
「仕方ないなぁ、ほらっ!」
「っ! あ゛っ♡ お゛っ♡♡♡♡♡」
「お、やっといつものカレンみたいな声出たね」
「やっ♡ こんな声っ♡ お゛ほっ♡ はずかしいっ♡! あ゛あ゛あ゛あ゛♡♡♡♡ おく、ぐりぐりだめぇ♡♡♡」
「何いってんだよ自分から腰動かしてるくせに」
ポルチオをすり潰すように腰を動かす。脳を溶かす快感がとめどなく溢れてきて止められない。
「どうしたのカレン? なんか変じゃない?」
「だってぇ♡ つぎ、いつ会えるかわからないし……~~~っ♡」
何時もなら絶対言わない弱音がどんどんとあふれてしまう。
「前はあたしだけだったのにぃ♡ 今じゃいっぱい女の子作って毎晩、楽しそうにして」
だめだ、これ以上は言ってはイケナイ。そう思いとっさにグランと唇を重ねる。長く、深く、そしてやさしいキス。まるで好き合っている人たちがするような、濃厚なキス。
「だからさ、もっと気持ちよくして♡ 寂しくてグラン襲わないようにさ」
その言葉にやる気を出してくれたのかグランの動きが激しくなる。最初の頃、あたしを快感漬けにして堕とそうとしていた時みたいに、女の子を快感の地獄に落とす為の動きだ。
(まぁあたししんみりしたセックス好きじゃないし、それで終わっちゃってもやだし、これでいいよね)
最後にそんなことを独白して、あたしの意識は快感の海に沈んだ。
「っはー、グランマジケダモノ。 まさか寝れないとは思わなかった」
「いやーあんなこと言われて張り切らないのは男じゃないよ」
「もー、まだ脚ガクガクだし……これ艇まで歩けないかもなー」
「……いつまで休めば治りそう?」
「んー、夕方?」
「はいはいわかったよ、おすすめある?」
「あっち♡」
そう言ってあたしが指さしたのは港とは反対側、いつもの地区だ。もちろん二人共休むつもりなんて無い。正直ヤリ足りない。グランはさっき煽った時にちょっと触ったがまだ全然硬かったし、あたしのほうは言わずもがな、下着の下はドロドロだ。
「やあっ♡! あっ! あっ♡ ああああああ♡♡♡♡ ぐらんもっと! もっとぉ!」
「大丈夫、今度は歩けなくなるまでイカせてあげるから!」
「やった♡ ずっと、夕方までずっと、ずっとね♡ あっ♡ おっ♡ おぅっ♡♡♡ あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛♡♡♡♡♡♡♡♡」
夕方、日が落ちるギリギリにあたしはグランにおんぶされて船まで戻った。他の“友達”たちの女性団員の視線が怖かったが、優越感のほうが勝っていたいたのは言わないほうが良いだろう。
カレン編はこれで終わりです。読んでいただいてありがとうございました。
女のために取っておいたホテルを予定が無くなったからって他の女の子に使うとかこのグランクズだなーと書いてて思いました。
以下別に知らなくても良い設定
【グラン】
この頃は力で女の子落としまくって好き勝手してた一番クズな時期
この少し後に能力効かなかったヴィーラにこっぴどく叱られるまで調子乗ってます。
【カレン】
グランに落とされても売りは止めなかったようだ。
というか性欲が強すぎてやめられない。でもリーシャほどじゃない。
【リーシャ】
性欲の獣。カレンどころかユエルとタメ貼れるレベルでずっとえっちなことばかり考えてる。真面目だった頃の反動かも。
性欲激強なくせに真面目だから発散する手段も自慰くらいしか無いので必然的にグランくんの元へ通う回数が増えてローテ発足へと繋がった