※この作品はR-18です。

花陽スマイル   作:セレブロス

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第1話

ピンポーン。

 

「……んあ」

 

誰か来た……何だろうか?

 

宅配便か何かか……?

 

寝巻き変わりのスウェットのまま、玄関に向かう。

 

ガチャッ。

 

「え?」

 

玄関を開けると1人の女の子が立っていた。

 

明るめの髪を肩口で揃えた髪型……赤いフレームのメガネ……整った顔立ち……何より目立つのは……低い背丈に反して……制服を盛り上げている双丘だった……。

 

……こんな可愛い女の子……知り合いにいないよな。

 

「えーと……どちら様?」

 

「……っ!! あっ……あっ………!!」

 

「……?」

 

此方の質問に目を大きく見開いて、口をパクパクさせている。

 

「あっ……あっ……あのっ!! 小泉……太陽(たいよう)さん……ですか?」

 

「え? ああ、そうだけど……」

 

「あはぁ……」

 

俺の名前を知っている?

 

彼女は俺の事をじっと見つめている?……そんなに見つめられても……。

俺が戸惑っている間に彼女の瞳が潤み、表情が歪んで……。

 

「お……お兄ちゃああぁぁぁ〜〜〜〜〜んっ!!!!!」

 

「えええええっ!?」

 

華奢で柔らかい女の子の感触と、髪の甘い匂いがいきなり飛び込んで来た。

 

彼女は、身体ごとぶつかるように俺にしがみついてきたのだ。

 

「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃぁぁぁぁぁん!! うわああぁぁぁぁぁ〜 〜〜〜〜っ!!」

 

「えっ!? ちょっ? ええ〜〜〜っ!?」

 

お兄ちゃん!?

 

見知らぬ女の子……しかも可愛い……に、いきなり泣きながら抱き付かれ……これは、幸運と呼ぶべきなのかどうか……。

 

「お、お兄ちゃん……っ……うっ……ぐ、ぐすっ……ぐすっ!!」

 

俺の胸で、「お兄ちゃんお兄ちゃん」と言いながら、泣き続ける女の子。

 

「え〜っと……」

 

……何これ?

 

ど、ど〜なってるんだぁぁぁぁぁ!?

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「もう落ち着いた?」

 

「あ、は、はいっ」

 

弁護士さんとの電話を終え、リビングに戻ると、彼女は角の方にちょこんと座っていた。

 

「さっきの手紙もきちんと読んだよ。……ごめん、俺、何も知らなかったから」

 

「い、いえっ」

 

姿勢良く背筋を伸ばしたまま、ブンブンと首を振る。

 

「弁護士さんがね、「ちゃんと連絡をしておかなくてすまない」って言ってたよ」

 

彼女から渡された手紙を机の上に置き、俺も向かいのソファーに腰を下ろす。

 

「え、えっと……あの……さっきはごめんなさい……は、私、あんな……」

 

女の子の頬がカァっと赤く染まる。

 

泣き止むまでに随分時間がかかったから、目元が少し腫れぼったくなっている。

 

「ちょっと驚いたけど……もう気にしないでいいから……ええと……小泉……花陽さん?」

 

「あっ……あ……はい」

 

一瞬、戸惑ってから頷く女の子。

 

あ……今の言い方、ちょっと他人行儀過ぎたかな?

 

自分の"妹"に向かっては。

「ごめん。え〜っと、まだ、俺もちょっと混乱していて……」

 

「い、いえ……あ、あの……い、いいんです。その……突然やって来た人間に、いきなり「妹だ」なんて言われたら、誰だってビックリします……から」

 

 

無理に笑顔を作り、また、彼女はフルフルと首を振った。

 

なんだか、この娘、凄く良い娘そうだな。

 

「妹……か……」

 

そう。

 

突然現れたこの娘は、自分は俺の"妹"であると告げてきた。

 

俺同様、弁護士さんから連絡を受けて、俺に会うために、この家にやって来たと言うのだ。

 

彼女が俺に差し出してきた封筒には、弁護士さんからの手紙と、彼女の戸籍謄本が入っていた。

 

「……」

 

天涯孤独だと思っていた俺に、生き別れの妹がいた。

 

自分の想定外の事態が起こると……何の感情も沸く事なく……だだ……その事実を受け止めるだけで、いっぱいいっぱいだった……。

 

 

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