※この作品はR-18です。

花陽スマイル   作:セレブロス

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第2話

「花陽ちゃんは……これまでは?」

 

自分の戸惑いはさておいて、目の前の花陽ちゃんに聞くと。

 

「養子縁組先のお家で……弁護士さんから連絡が来たときに、実の家族で暮らすのが一番だからって……気にしないで行きなさいって、言ってくれたんです」

 

「……そっか……良い家族だったんだね」

 

「はい♪」

 

彼女の口振りから、本当に大切にされていたのが伝わってくる。

 

「あ、あの……」

 

「ん?」

 

「あの、でも……ご、ご迷惑……でしたか?」

 

「え?」

 

「お兄ちゃんの都合を無視して……いきなり、押しかけてきたから……」

 

「迷惑なんて思ってない。ただ、ただ驚いてるだけ♪」

 

冗談めかして答える。

 

その時……グゥ〜っと腹の虫が大きな音を発てて鳴る。

 

俺だけの音にしては大きいような?

 

花陽ちゃんの顔を見ると真っ赤だ。

 

そういえば、今日はバタバタしすぎて、殆んど何も口に入れてなかったし、ここは……。

 

「あ、もうこんな時間か」

 

そろそろ、時間じゃないか。

 

「え、あ、あの……?」

 

「冷蔵庫の中、空っぽだった筈だし……ちょっと待ってて!」

 

「ふ……え……?」

 

財布をポケットに捻り込み、呆然としている花陽ちゃんをそのままに家を飛び出す。

 

使い込んだ自転車に飛び乗り、ペダルをこぎ出す。

 

目指すは、スーパーのタイムセールだ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

矢澤さんにオマケしてもらったり、一人暮らしの東條さんとセール最後の1品を取り合ったり(勿論、彼女と折半した)したりして二人分の食料を調達して、此れからの事を色々……そして、花陽ちゃんの事を考えながら家に戻った。

 

この家にしたって、まだ実感がわかない。

 

土地つき一軒家が、俺達の家だって言われてもなぁ……。

 

「あ」

 

「あ……」

 

夕暮れに包まれたリビングで、荷物はそのままに花陽ちゃんはお米の準備をしてくれていた。

 

「あ、あの……っ、お帰りなさい……っ」

 

「あ、あぁ……だだいま」

 

こんなやり取り……少しくすぐったい。

 

「お米……準備してくれたんだ」

 

「はい……あっ……勝手にしちゃって……」

 

「怒ってないから……花陽ちゃんは座ってて、直ぐにおかずを準備するから」

 

「あの……でも……は、私が……」

 

「この家、花陽ちゃんの家でもあるんだから、自由にしてて良いんだからさ。今日は俺に準備させてよ」

 

「「今日は」……あ……はい。あ、ありがとうございます」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

そして、食卓。

 

俺の作った野菜炒めをおかずに、向かい合いながら二人で食べる。

 

「美味しいです♪ お兄ちゃん♪」

 

一口食べた花陽ちゃんが、本当に嬉しそうにそう口にした。

 

「そっか……」

 

「はい♪」

 

こんなやり取り初めてで……自分の料理を誰かに喜んでもらうのが……何だかくすぐったい。

 

「……あの、お兄ちゃん」

 

「ん?」

 

「は、私……此所に居て良いですか?」

 

まだ、気にしてたのか……。

 

俺の気持ちを正直に話すか……。

 

「敬語」

 

「……え?」

 

「正直、俺も戸惑っているけど……俺達、兄妹なんだから、敬語はやめよ。喋りやすい話方をしよ」

 

「あ……」

 

「兄妹として……家族として……そういう所から、慣らして行こう?」

 

「お……お兄ちゃん……花陽……」

 

また、目から涙が溢れる。

 

「ほら、折角の御飯が冷めちゃうぞ、花陽」

 

「うん。お兄ちゃん♪」

 

俺の妹は、泣き笑いのままお茶碗に手を伸ばしていた。

 

「そういえば花陽?」

 

「何?お兄ちゃん」

 

「荷物は其だけ?」

 

ソファーの上のバッグに視線を向けながら、花陽に聞く。

 

「大きな荷物は明日、届くようにしたの」

 

「ようし。お兄ちゃん頑張るぞ」

 

「うん♪ 頼りにしてるよ、お兄ちゃん♪」

 

名前のとうりに、大輪の花のような笑顔で答える花陽。

 

「「ははは〜♪」」

 

二人の笑い声が、リビングに響く。

 

血が繋がっているとはいえ、ずっと離れていた人間二人が、一緒の生活を始めるのだ。

 

色々な問題も出てくるだろうし、良い事ばかりじゃないかもしれない。

 

だけど、俺は此れからこの娘と……花陽と二人でやっていこうと思った。

 

 

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