おぢさまとユフィ、ヴァルキリエ隊の二人の海水浴篇。
お出かけ致しましょう1
「んっっ、あっ、ふあぁ……っあ」
ちゅぷちゅぷ。
いつもの廃墟地下室、齢六十ほどのイレヴンの彼のねぐらで。色濃い慈愛を持つ薄紫色の瞳を、今は涙で潤おわせながら、少女……否、女とさせられて久しい彼女は、淑やかに嬌声を上げていた。
衣服下だけ脱ぎ去って、下半身が生まれたままの姿となって居る彼は、その女──公務服に身を包んだ、雑踏に紛れれば単なるビジネスウーマンとも映ろう姿の彼女、神聖ブリタニア帝国第三皇女ユーフェミア・リ・ブリタニアを木椅子に座らせ、彼女の股を大きく開かせていた。
SIDE:ユーフェミア
とろとろになってしまっている私の秘め処。そこへ彼は指を二本、奥まで差し入れながら、くちゅくちゅとの膣襞の柔肉を優しくこすり上げている。
「ふあ、んっ」
何の為?
勿論愛し合う為。
交接を交わし、身体全体で愛し合う為に。
数分の短い愛撫ながらも、何もかもが相性の良い彼との間には、ただ快感だけが残り行きます。
愛撫を受ける私は勿論、私を愛撫する彼も、私の秘め処の奥までを自身の指で触れて居るその触感と、耳に優しく触るのでしょうか? 零れてしまう私の喘ぎに、共にエクスタシーを感じていらっしゃいます。
「へっへっへ……ユーフェミア皇女ぉ~。もう貴女様の秘め処は大洪水で御座いますなァ~っ」
いやらしくただ事実のみを告げる彼の表情はにやりと口角を持ち上げたもの。不貞不貞しい彼のこうした口調は、出逢いの交接より全く変わっておらず、耳障りの良い物です。
彼の澱んだ黒い瞳に映る私の頬は薄紅色に染まっているのでしょう、とても熱い物が頭の中を駆け巡る。
事の最中にありながら、私は熱い吐息を吐き出しつつ返答を致します。
「わ、分かっていらっしゃるのでしたらっ、は、早くっ、来てっ、くださいっっ」
受け入れ態勢は整えられているというのに焦らされるのは嫌。
愛撫は心地いいのです。けれど、愛し合うの行為その物には及ばない。
私と彼の愛し合う行為、交接には、その他のどの様な性的行為も遠く及ばず。
「勿論勿論」
これを承知の彼は私の求めに応じて、私の秘め処より指を引き抜かれます。
「はっ、ふ、うっううっ……っ!」
熱く擦り付けられていた指が抜けていく感覚。気持ち良さを味わうと同時に全身が弛緩する。
彼の指を引き抜かれた秘部からは雫がつつーと滴り落ちて……。
彼は指に付着した液を舐め取りながら、椅子に腰かける私の手を取り、ダンスをリードする様に私を椅子から立たせて、私と彼はお互いを強く抱き締め合う。
「おぢさま……」
「ユーフェミア皇女……」
ほんの少しの間、そのままの態勢で抱き締め合っていた私達は、一時を終えて手を解き、彼が木椅子へと座り。
椅子に座る彼の両脚を挟み込むように跨いで、自らの両脚で彼の脚の間に立った私は、彼のたくましい男性を、自らの割れ目に添え。
「あっんン!」
「おお、うっ」
そのまま腰を下ろしていきました。
「はっ……っあァァあァっ!ああ!!」
彼の側からも動きはあります。早く、早くこの愛おしい女と愛を交わさねば我慢がならない。そんな心の声が響き。
そうして下から突き上げるようにして私の秘部に、硬く雄々しくたくましい男性を、一定速度で優しく差し挿れてくださいました。
「あっ……っああ!お、おぢ、さまぁあ!ああっ、あっ、入って、わたくしの中へっっ……!おぢさまのたくましいっ、っ男性、っが、ああぁぁっ!」
入り来る彼の男性を、よく彼が美しいとお褒め下さいます秘所で受け入れる私。
硬く、大きく、これ以上にない相性の良さと共に、強く深くそして大きな愛情を擦り込んで来る雄々しいペニスに、柔く開いていた秘所を割り裂かれる触感。
それに心の臓が切なく高鳴り、身体全身への痺れと快楽をもたらします。
「んンンン~~──ッッ!!」
ずるるる──愛液溢れる私の割れ目へと挿入っていく彼の男。彼を受け入れる私の割れ目。
お互いの肉体はこの瞬間に一つとなり、最奥までも入り切りった事を身を以て知らされる私は、何時であれ求めている彼の上半身に彼の背中へと腕を回して強く強く抱き着いた。
「おお~ぅ、おお……!!おおうッ!……ふう、ふえええッ、はあッ、ええ、おい、どうすんだもう挿入っちまったぞおい……なあ、ユーフェミア皇女よぉ」
片側通行だけでしたらこんなにも早くはないのです。求め合うからこその正面衝突、挿入しきり、包み込むその早さは倍から三倍にもなるのでしょう。
「さぁ~てっと、それではイカせて参りますよぉ~?」
直後。私の奥深くまで入りきっている彼の男性が動き始めます。
ぷちゅっ、ぷちゅっ、ちゅっぶ。
「あっ……、あっ……、あぁん…っ!」
静かな室内、静寂の中に静かに聞こえる淫らな水音。動くのは彼。大きな彼の男性が私の深部を優しく擦り付けていく。
「…ンあっ、あっ、あァ…ッ、いい、んっ、い、いああっ、んんっ」
彼が仰るに私のソプラノボイスな喘ぎ。耳にしているだけでも彼はそそられるのです。そそられている。そそられずには居られようかと。
白く大きな髪留めにて頭の後ろ高くに纏めている、私の太めな桃色のポニーテールが、しゃらしゃらと目の端で揺れて、私自身の背を撫でている。
所謂ピンクブロンドというのでしょうか?
純日本人には見られない、ブリタニア人やユーロピア人の髪色の一つが今ここで揺れています。
寂しく頭髪の無い彼は、私のこの髪の流れ一つにも嫉妬をお覚えなのだと言います。
「お、ふうっ、は、こりゃあ、いいわァ~ッ、相もお変わらず具合が良すぎますなぁ~っう、ふう」
「そう、ですわ、ねっ、あンっ、ああっ、とてもっ、とても具合が宜しくてっ、わたくしっっ、頭がぼうっとしてっっ」
熱く強くも優しく。抽挿によって擦れ合わされていく私の秘部内から最奥。
余りもの心地良さと温かさに夢見心地となってしまいそうです……。
「ユーフェミア皇女ぉ~、私めを置き去りにして気絶なさいませぬようお気を付け下さいませェ。一人で行う自己満足な交接程寂しい物は御座いません故にっ、っね!」
「はあうっっ!」
ドンと最奥を突き上げてくる彼。奥まった胎内への入り口が開く触感に彼との深き繋がりを感じる。
気を失われ、一人にされては寂しい。この深い繋がりを共に感じて分かち合っていたい。それは私も同じ。
彼は飽く迄も私と二人で愛し合い、喜びを分かち合いたいのだから。
愛する私をと。愛する私との二人だけの時間のみを、私は、彼は、欲する。
楽しく悦びに満ちた時間を彼は神聖ブリタニア帝国第三皇女殿下と過ごしたいと望みを告げ、私はその望みを叶えます。
side:おぢさま
目の前で揺れる桃色を、腐り切っているのだろう濁った瞳に映しつつ、俺は白い頬を朱に染めて喘いでいる女。
齢16歳にして、この六十がらみのむさいイレヴンおぢさんの妻となって下さった、おやさし~い慈愛の皇女様。
神聖ブリタニア帝国第三皇女ユーフェミア・リ・ブリタニアのその華奢な体の背中に回している手で、お顔の両側頭部真後ろでボンボリみたいに纏められている二つのシニヨンをもふもふ手で触り鼻頭で擽り。
次いで腰まで届く太めの長いポニーテールの中へと指を差し入れては撫でながら、桃色の髪の毛をくるくると手指に絡み付け、彼女の体をぐいっと引き寄せた。
「あ、ンっ……っおぢ、おぢさっさまあ、わ、わたく、しはぁっ、はぁ、はぁ──あァっ、き、気持ちが、よろしく、て──」
蕩ける様に熱く、甘~く訴えかけてくる彼女が愛おしい。今まで色んな女を抱いてきた…………。――もとい。犯してきた俺だが、抱いている女を愛おしいと思えたのはユーフェミア皇女ただ一人なんだよなぁ。
愛してるから? 愛って何なのよ? そういうところにまで影響を与える訳ですかね愛情って奴ァ……。でも、悪かねえんだよなこれがよぉ~っ。
別段、特別な事はしてねぇ。ただ普通に向かい合っての対面座位での交接だが……ほんとォ~にっ、ああ! いいわあ~。
「気持ちっ、いいっ、です、わ」
「ええ、ええ、よーっくわかって御座いますともユーフェミア皇女ぉ、交接が気持ち良いという事はぁ~っ。何せ貴女様とわたしめの御身体の御相性と、心と心が紡ぐ愛情は、とてつもなくよう~御座いますからね~。実によろしゅう御座いますう~はい」
本日は抱き合いたいから抱き合う。ただ愛し合う為だけが目的の交接。今この瞬間の情事は、子作りだの、そういった、大切だが目的意識を持っての交接じゃあねえ。二人でただ、想いのままに抱き合いたくなって抱き合ってるだけだ。夫婦でただ愛し合ってるだけってやつ。
ユーフェミア皇女は公務服のまま白いタイトスカートを彼女の大切な秘め処より上部目いっぱいにまでめくり上げられ。……俺がめくり上げたんだが、彼女の衣服のもう一つのスカート。腰部より腰回りから臀部へと覆い隠す薄紅色の、幾枚もの羽の様に分かれているスカートだけが彼女の臀部を隠すのみ。
対して俺は薄緑色の上下のジャージの下だけを脱ぎ捨てていた。勿論二人共下着は脱ぎ捨てている。つまり事を行うには珍しく俺も上着は着ているわけだ。
ユーフェミア皇女との交接時、自宅扱いで使ってるこの廃墟の地下で事を行い、愛を交わす時。俺は大抵裸で行う。
何故ならばも何も終わった後は休憩を設けて隣室のユニットバスにて篤と湯加減を楽しむからだ。
疎開とゲットーの狭間のこの場所は、電気・ガス・上下水道が上手い事通ってやがるんだよねえこれが。
おまけに俺がここの住人だと思われているお陰か他の誰にもこのねぐらは使われねえ。これもう俺の家じゃねーの? でイイよな?
なんてまあ色々上手い事使ってるこの廃墟だが、ユーフェミア皇女も何かと上手い事使っている。やはりこの後入る風呂なんかがそう。
女だけあってコイツも人一倍使うんだよ。俺と二人、背中の流しっこやら前の洗い合い……洗い“愛”やらと、色々と行う訳でなあ。ま、いいか。二人の間で理解してりゃそれでよお。
「あっああ~っ、んっ、ああっ、ああ……ああッ!おぢさま、やさし、いっ」
ユーフェミア皇女が俺の背中に回している手を、しがみつきつつ、円を描く様にさすりさすりと動かしながら、背中をお撫で下さる。
嬉しいのでしょうねぇ。女の感情の機微に疎い俺様で御座いましたがぁ。ユーフェミア皇女と愛し合う様になってから少しは分かる様になってきたつもりで御座いますはい。
「あんっンン! あっああん、ど、どこまで、わたくしを気持ち良くさせようと、な、なさいますの?」
ほう、それをお尋ねなさいますかぁ~?
「どこまでと申されましたのならばあ。それは、どこまででもとお答えいたしましょうねェはい。わたしめに愛などという感情をお植え付けになられた貴女様の責任で御座います、はい」
愛、そんなモノは、そんな感情は産まれてこの方知らなかった。六十年ほど生きてきて愛情に恵まれた事は無かった。
愛、それを俺に教えてくれたのは貴女様なのです。ですので、わたしめは貴女様がどこまでも気持ち良く在れる様に動くのみ。
私は、ええ、十二分に気持ちが宜しいですとも。俺の女……、俺の嫁……、俺のユーフェミア……、今となっては貴女様とのみ行う交接はいつどこであれ気持ち良く、心地よく、このわたしめを高め行くので御座います。
ああ~それももう、クソったれ、良い感じなのにもう来ちまったよぉ……。
「おおっ、おおおっ、い、イクッ、イクぜェェユーフェミア皇女っ!」
ばちゅん。俺が根元まで突き込み。押し込んで。
「はうううううう───!!!」
押し込み切ってなお押し込んで、先端で奥への入り口を押し開いてやると、ユーフェミア皇女が大きく背を反らせる。
俺の手指で絡めとっている長い桃色の髪束も彼女のお体の反り具合に合わせて宙ぶらりんになる筈だが、俺が手で押さえているから彼女の体に沿う形で流れて、張り付いている。
で、当然の事、このままユーフェミア皇女の中へと出す。我慢できないし、する必要性もねェ訳だからしてェ、はい、これが自然な終わり方。
どくん
「ああ――!!」
しっかりと隙間なく秘部同士を重ね合わせたままに。
絶頂に喘ぎ叫ぶ彼女の胎内へと。
「はっああああ!!」
「おおっ、くううっ、ユーフェミア皇女ぉっ、……ユっ、ユフィィィ~~~ッ!!」
思いっきり出す。
「ああっあああ!アぁああ~~~っっ、おぢッさまぁぁぁぁ~~~っ」
「く、ふうっ、いやぁっ、気持ちが宜しゅうっ、御座いますなァっ、ユーフェミア皇女ぉっ、この気持ちは、……っそうですな、愛おしいという感情が相応しかろうといった御具合でっ……、御座いましょうかァ~~ッ」
「いと、おしいッッ…愛おしいッッ、ああッッ、愛おしいですわおぢさまッッッ! わたくし、も……ッッ、愛おしい……ッッおぢさまあああ──!!」
熱い迸りを、熱く濃厚なこの俺の射精を胎内にお受け下さるユーフェミア皇女は、俺の事を呼びながら自身も達して体をびくつかせ──かくんと果てた。
「はぁ…、はぁ…、はぁ…、」
交接終わり、と言っても肉体同士は深く繋がり、互いの秘め処は斯くも深き重なりを保ったまま。
息も整わないユーフェミア皇女のすっかり脱力しきった御体を抱き止め、彼女の頭を俺の肩に寝かせて休ませてやりながら、俺は彼女の背中を撫でている。
特に子作りを意識した交接ではない、愛し合う男と女として求め合っただけの行為ながら、こんなのも偶にはいいなと感じ、お声掛け。
「如何だった御座いましょうか? 御満足頂けましたかなぁ?」
「ん、はあ、おぢさま、は……御満足、なさいましたか?」
質問に質問で返すユーフェミア皇女に俺は。
「ええ、はい。こうして何も考えずにただ皇女殿下と愛し合い求め合うというのも、またよろしいものかと……ユーフェミア皇女殿下の優しさを肌で感じ、心が温まりますので」
本音だけを述べる。子作りとは違う、男と女としてただ愛し合い求め合うだけの交接にはまた異なる心地よさがあると。
俺の肩に頭を乗せたまま甘い吐息を吐き続ける彼女も同じく。
「わたくしも、はあ、はあ、お、おぢさまの熱い愛情と温かさを感じます……、気持ち良く、心地良く、温かい愛情を……、御子を作る為の交接とは事を異とするこの様なただ愛し、求め合う交接も、いいものですね。……うふふふ」
心温まり愛情深まると同意してくれた。
「んっ──」
そのまんまキスだ。お口付けはお互いに求め合う形で。深くは無く浅く。唇を啄みはするがそこまで。温かい、甘い、ユーフェミア皇女の味を篤と味わう俺。
口付けはいつでも可能な行為。ながら熱の籠る愛の時間の最中の口付けが一番愛おしいと、俺ぁ思う訳だよ。
くちくち。
唇を啄み合わせながら、互いの肉体を抱き締めて、愛の時の締め括りとなるのかそれともまた始まるのか?
俺たちは互いの身体を目いっぱいに触れ合わせ続けた。
──そして、何となくわかった。彼女が唇を離すと。
なら俺もなよっちく追い掛けるよりも、自らも離れる選択を。といって、息がかかる程に近い距離だがねぇ。
ああ、相変わらず俺たちはシンクロしてんなぁ~と思う。
「ん……」
白い頬を薔薇色に染め、藤──紫色の双眸を揺らしながら、俺を見つめてくるユーフェミア皇女。ああ、なんかすげーそそられるわ。エロチシズムを感じる。
唇の間をつーっと銀に光る唾液が伸びていき、ある点まで伸びると名残惜しくも切れて消えた。その彼女と俺の唾液が混ざり合った物はそのまま垂れ落ちて俺と彼女の衣服に染み込んだ。
彼女の瞳は何を求めているのだろうか? 腐った瞳を持つ俺なんかにゃ眩しい限りの美しい紫の瞳が俺をじっと見つめていた。
◇◆◇
などという事が数日前にあった。過去形だ。
それもこれも事を終えたその翌週。毎日愛し合っている事は別として、曜日の重なる休日──という事で、ちょっとした遠出の海水浴に行く事となったからだ。季節柄丁度良いかもしれない。
提案者も計画もユーフェミア。何しろ彼にそんな気の利いた提案が出来るはずも無し。彼に任せていてはいつも通りの休日で終わってしまうだろう。
ユーフェミアとしてはそれでも別に嫌では無かったのだが、偶に重なった休日。別の事もしてみたい。
丁度季節的に暑さもある事。エリア11はとかく暑い。では何をして涼もうか? 四方を海に囲まれたこのエリア11ならではの海水浴と行きましょうとなった。
人数は二人……なら良かったのだが、それではユーフェミア皇女の護衛が居ないとなり、急遽コーネリア総督の下に今現在身を寄せているエリート騎士。グラウサム・ヴァルキリエという部隊に所属する騎士、リーライナ・ヴェルガモン。マリーカ・ソレイシィの二名が同道する事となった。
初対面、年齢も知らない彼から見て前者は美女。後者は美少女である。
どう見ても高校生以下っぽい幼さを残す後者マリーカ嬢はともかく、前者のリーライナ嬢については、彼がもしもユーフェミア皇女と出会って居なければ……もしかしたらもしかした相手だったかもしれないとコーネリア総督に紹介された時に考えていた。
勿論タイプは異なるがコーネリア総督自身が物凄い美女である。先に出会ったのがコーネリア総督だったらといったこれもまた意味もない事を考えたりして、心の内がバレてしまったりしたらユーフェミア皇女が怒りそうな事を頭の中で展開させてみたり。
ともあれ、四人旅。車窓の人となったのだが。
「まあ、本当に何方もお気づきになりませんわね」
電車の通路を歩く客の事だ。誰一人として四人の事を気に掛けない。腰まで届く長い金髪とエメラルドの様な色の透き通った瞳をした美女、彼とは向かい合わせに座るリーライナは口元に手を当てて驚きながらつぶやいた。
「ユ―フェ……ユフィがいらっしゃるというのに気付かれないなんて……」
栗色のショートヘアにアクアマリンといった感じの色合いの瞳を持つ美少女――マリーカも、リーライナと同様に驚いていた。
ここはグリーン車。指定席ではある物の一般人も普通に乗り降りする車両である。
「言ったでしょうええ? バレないと」
「そ、そうですけれど、こうも見向きをされないのは」
彼の言葉にマリーカは戸惑う。
「わたくしはおぢさまが仰っていたからには大丈夫であると最初から安心しておりました」
とは、尊き存在ユーフェミア・リ・ブリタニアの言。
そういうユーフェミアも装いはいつもと違う。下ろしても居なければ公務服時のポニーテールではない、いつものトレードマークであるシニヨンの髪を解き、彼女自身の髪で編み込んだポニーテール。緑を基調とした白の膝丈ワンピースという装い。
「日々を過ごす事に忙しい職工様とホワイトカラーサラリーマンの皆様方。蒼き血を持つお貴族様。等々が入り交じる特別では無い場所で普通のカッコしてりゃ誰が誰かなんてのは気にも留められやあ致しませんよ。気にしてんなぁ当人達ばかりですねェはい」
美女美少女の下男を装う彼の言葉。真っ先に口を開いたのはユーフェミアだ。
「わたくしも公務服姿で街中を歩けば上手くビジネスマンの皆さんの中へと溶け込めるのですよ」
「え、ええっ!! ユー……ユフィ……さん……、お一人で疎開の中を出歩かれたりしているのですか!?」
まあっ!と、リーライナは目を見開いてまたもや驚き、マリーカも追随している。
天下のブリタニア第三皇女様が護衛も付けずに疎開の中を出歩いている。大問題である。
「そ、そんな事もありましたというお話ですっ……、今はしておりませんよ?!」
嘘つけ思いっ切りしてるだろーがと、通り過ぎていく車窓からの景色を眺めながら思う彼は、美少女二人と美女一人を眺めまわす。
(こりゃ役得だわ……)
いい思いをさせてもらっているなあ。しかしユーフェミア一筋の男ならぬ漢な彼は余計な雑念を抱かないようにも努力していた。
美少女は美少女だが推定中学生のマリーカは守備範囲外である物の、リーライナはどストライク。
元プロの変質者である。ホームランのユーフェミアが隣に座っていても多少は邪な思いも抱きはしよう。長い経験上匂いで分かる、初物だと。
(おおっと、いかんいかん。俺ァユーフェミア皇女に全てを捧げてんだよ)
むくむくと込み上げてくる欲望からの妄想をユーフェミア一色に塗り替える彼。
隣、通路側に座る彼とユーフェミアの距離はゼロ。引っ付いている。この女は自分の物だが自分もまたこの女の物。
『……』
これに、はぁー……と、これまた言葉を失うリーライナ達。
コーネリア殿下やユーフェミア殿下、ダールトン将軍にギルフォード卿、そうそうたる面々が目を掛けているかの様な人間ながら、この男はナンバーズ。
それが、お忍び海水浴で電車の席は四人席ながら、こうもユーフェミアとくっ付くのだから、向かいに座る彼女達は驚いた物だ。
それもユーフェミアが嫌がらない。それどころか自ら積極的に距離を詰めている。一体どうなっているのか?
◇◆◇
ブリタニア帝国エリア11疎開エネルギー取り扱い関連施設。
「ンモウくん」
サングラスをかけた男が、同僚であり上司でもある白髪に見事な顎髭を蓄えた男を呼ぶ。
「どうしたね?」
「これを見てくれんかね」
そこには多くの計器類の画面があり、その一つにエリア11とゲットーの境目のエネルギー状況を示す計器があった。
その計器はポツンポツンと雫が漏れ落ちるの様な動きをしている、点滴の様なその動きは、明らかにエネルギー漏れを示唆しているのだ。
「どうするねンモウくん?」
「うむ……、そうだな……、一か所のエネルギー漏れだ。見過ごすことがあったとしても仕方があるまいて」
このエネルギー漏れがなにを表しているのかは分からない。ただ、ゲットーの近くだとなると。
或いはナンバーズが使っているのかもしれない。コーネリア総督よりエリア11の統治の任命も受けている身としては此処でエネルギー漏れを切断すべきなのだろう。
が、最近のコーネリア殿下は変わってきても居る。その在り方をくみ取るのならば。
「現場が見過ごす判断を下す事もあるだろうて」
そう言って、計器のエネルギー漏れを見過ごす事とした。
それにどうやら漏れているのは住宅一軒分。問題はないだろうと。
翌月、コーネリアから直接渡されたボーナスの額が雀の涙だった事に抗議した清掃員が、これまでの光熱費代だと領収書を渡されて「ただじゃなかったのかよ!」と詰め寄り「ただな訳が無かろうが阿呆めっ!」と怒られる事態があり、彼の清掃員がコーネリア総督に物言えるナンバーズとしても名前が上がったとか……。
短編集内の各お話と投稿予定(未定)の続きやお話で読んでみたい作品はありますか?(ご期待に副える事が出来るかどうか分かりませんが、一ご意見としてお伺いしたいと思います)
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コードギアス
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コードギアスR2
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此花トゥルーリポート
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FF4×FF6
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カオシックルーン
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学園黙示録
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ルパン三世 ワルサーP38
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幕末風来伝 斬郎汰
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ニードレス
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ヨルムンガンド
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少女少年
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北の告発
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サラダデイズ
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クレセントノイズ
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ひとひら(甲斐×理咲の近親相姦物)
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ESアザーワイズ(戒×瑠璃)
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遊戯王GX(十代×カミューラ)
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魔装機神(マサキ×モニカ)
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椎名君のリーズニングファイル
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RAVE(ハル×絶望のジェロ)