※この作品はR-18です。

二次創作SS集   作:夜半の月

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2ちゃんねるエロパロ板投稿時より若干の改訂ありです。pixiv様にも投稿しております。
このおじさんも、ちょっと違いますが、気さくな鬼作さんが更に優しくなったイメージです。
どちらかといえば鬼作さんというよりも、禿作さんの方です。

此花トゥルーリポートはゲーム版ではなく原作:SATZ様 漫画:香椎オルカ様によりますサスペリアミステリー2003年6月号の漫画版の二次創作です。
此花を御存じない場合はおじさん×女子高生の恋愛としてお読み下さいませ。
また此花の主人公である桃井恵くんと同じく悲劇の水泳部員である石井伊都子ちゃんのCPもあります。


此花トゥルーリポート 
此花トゥルーリポート 愛は突然に


 

 

 此花トゥルーリポート 愛は突然に

 

 

 

 

 都市の中央にある広大な敷地を持つ神道系高校、此花学園。

 

 正門から見て正面に校舎、右側には立派なプール館、校舎の裏側から少し離れた位置には桜花寮という寮が建っていて、それらの建物を取り巻く形で木々が生い茂っている。

 

 その木々生い茂る森は昼間でも薄暗く気味悪ささえ漂うという、都会の中にあるとは思えない様相を呈していた。

 

 この、桜花寮と校舎やプールを繋ぐ一本の小道がある以外何もない森の中を、一人の男がえっちらおっちら歩いていた。

 

「普通に道なんか通ってたら遠回りになっちまうからなぁ~」

 

 その上下緑のジャージにサンダルを履き、無精ヒゲを生やした少し気味の悪い男は此処、此花学園の管理人をしている男だ。

 

 ブサイクよりの厳つい顔は相当な迫力があり、今年で還暦を迎えるというのに年齢による衰えを全く感じさせず、見ようによっては四十代でも通用しそうな感じである。

 

 そんな彼が小道の方ではなく森のど真ん中を突っ切っているのはプール館に向かうためだ。道を通れば遠回りになるので森を抜けた方が早い。

 

 彼が木々の中を抜けていくと目の前に立派な建物が見えてきた。

 

「ったくよぉ。高校生にこんな立派な施設が必要かぁ~?」

 

 そこらの高校にはまずない大きく立派な施設を見てそう呟いた彼は、早速中に入るとまずはこのプール館を主に使用している水泳部の部室へと向かう。

 

 一々面倒なのでこのまま仕事を始めたい処なのだが、水泳部の顧問に一言断っておかないと後でうるさいのだ。

 

「さぁ~てと、嫌な面ぁ拝むがまあ仕事だから仕方ねぇな」

 

 部室の前で立ち止まった彼がドアノブに手を掛けたとき……「や、やめてっ……くださ……っ」部屋の中からなにやら嫌がる女の子の声が聞こえた。

 

 同時にうるさいだのゴミを取ってやろうとしてるだけだと怒鳴る声も……

 

 彼がそっとドアを開けて隙間から中を覗くと、腰まで届く栗色の髪を纏めたポニーテールがよく似合う瞳のぱっちりした女の子が、三十代くらいの男にお尻を触られていた。

 

 男はゴミを取ってやっていると言うものの、明らかにセクハラだろうと思われる行為に及んでいる。

 

 この男、水泳部顧問の山内健三は、立場が上の者には媚びへつらい、下の者には横暴という小役人の典型のような男で生徒からはかなり嫌われている。

 

 同僚の教師たちには教育熱心な先生という面しか見せていない物の、時折生徒に八つ当たりやパシリのようなことをさせているらしいという話を耳にすることもあり彼自身もまた嫌っていた。

 

「ちっ、半端モンが……」

 

 彼はジャージのポケットに入れてある携帯を取り出してカメラモードにするとその光景を映し、蹴破るような勢いでドアを開け放つ。

 

「くだらねぇことやってんじゃねえぞ山内先生よぉ~」

 

「なっ!?」

 

 勢いよく開かれたドアに此方を振り向いた山内に撮影した画像を見せつけると、事態を察したのか彼の顔色が変わった。

 

「真面目で教育熱心な模範的教師さまが、こんなことしてるなんて知れたら評判がた落ちだよなぁ?」

 

「く……っ」

 

 悔しそうに、それでいて憎悪するような目で睨み付けてくる彼は「い、いくらだ……」と、財布を取り出し金で解決しようと持ち掛けてきた。

 

 正に卑怯極まりない腐った人間であるこの男らしいといえばらしいのだが。

 

「おいコラァ!」

 

「ひッ?!」

 

 そんな山内に持ち前のブサイクながら迫力ある顔で凄むと、彼は腰を抜かしてへたり込んでしまった。

 

 基本的に温室育ちのぼんぼんである彼には、管理人の男のようなゴミ溜めや社会の日陰者として生きてきた者に凄まれたりした経験がない。そのため急にへっぴり腰になって態度を変えてしまうのだ。

 

 弱い者には横暴だが強い者には媚びへつらうという、彼の本領がいかんなく発揮されているといった処か?

 

 だが男は容赦なく追い打ちを掛ける。

 

「金なんか要らねえんだよ、取りあえずテメエの汚ェ手でこの子を触るの止めろ。んでもってセクハラ行為もだ……わかったかァ!!」

 

「わ、わわ、わかった、わかった」

 

 床にへたり込んだまま首を勢いよく縦に振る姿からは爽やかな熱血教師という雰囲気は疎か、傲慢の欠片も見あたらない。

 

 唯の小役人という山内本来の人間性がこれでもかとばかりに浮き彫りになっている。

 

「わかったんなら行けやおらっ」

 

「ま、待ってくれ! 写真は?!」

 

「バカかテメエは? やってることの危うさってのを教えてやったんだぜェ? 授業料代わりだ」

 

「そ、そんな……」

 

 管理人の男はその場に崩れ落ちた彼に「二度とセクハラなんて半端なことしなけりゃ黙っといてやる」と吐き捨て、部室から蹴り出した。

 

 這々の体で逃げ出した山内を見ながら唾を吐き捨てた彼は、一連の遣り取りを怯えた様子で見ていたポニーテールの女の子に向き直る。

 

「おい」

 

「は、はい……っ」

 

 女の子は声のトーンこそ多少マシになったものの、少しドスの利いた低めの声に身体をビクっと振るわせながら返事をした。

 

 あれほど横暴な山内を簡単に黙らせてしまう迫力なのだから無理もないが。

 

「携帯貸せ」

 

「え? ど、どうして……?」

 

「いいから貸せってんだよ」

 

「っっ!?」

 

 苛ついた感じで声を荒げる男に彼女は目に涙を浮かべると恐る恐る自分の携帯を差し出す。

 

 自分の携帯に何をするのか? 自分はどうされるのか? と不安げな彼女を余所に彼は自身の携帯からSDカードを抜いて、彼女の携帯のカードスロットに差し込むと中身を読み込み彼女に見せた。

 

 そこには山内が彼女のお尻を触っている、セクハラしている場面が映し出されているではないか。

 

「まあ今度何かされそうになったらそれを警察や親にでも見せてやれ。先公でもいいんだがなァ、学校の体裁や何やらで揉み消す奴も居るからなぁ。あ~、おめぇなんて言うんだ名前」

 

「ふ、双葉……です。2年生の……藤崎双葉です……」

 

 まだ若干の怯えは残っているものの自分を助けてくれたことを理解した双葉は、彼に名前を告げてお礼を言った。

 

 彼が管理人であるのは知っていたが話しをするはこれが初めてだったりする彼女。

 

 見た目がブサイクで薄気味悪く怖いというのもあって生徒、特に女生徒に忌諱されがちなのだから仕方ないが。

 

「まあ何かあったらいつでも管理人室に来いよ。俺に出来る範囲でなら力んなってやる」

 

「は、はい……」

 

「さァーてとー、んじゃあおらあプール掃除でもはじめっとすっかなァ~」

 

 怯えがちの双葉にそれだけ伝えた彼は、本来の目的であるプール掃除に取りかかるため、彼女に背を向けてプールに向かった。

 

 

 ◇

 

 

 そんなことがあった数日後、そろそろ春休みも終わるという日に急遽転入してきた男子生徒のため、寮の管理人室から廊下を挟んで向かい側のトイレの隣にある倉庫として使っている部屋を、転入生の部屋として空けて貰った彼が、部屋にあった荷物を転入生と共に別の倉庫に移し終えたとき、なにやら外が騒がしくなっていることに気付いた。

 

「なんかあったのか?」

 

「そうみたいですね」

 

 彼は転校生──桃井恵と共に外に出て、騒ぎの起こっている森の方に行った処でその原因を知る。

 

 その騒ぎの原因とは社会科の地理担当で、水泳部の顧問、山内健三が何者かによって殺害されたというものだった……。

 

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

 

 翌日──。 彼こと管理人のおじさんは自室である管理人室で惰眠を貪っていた。

 

 平日の昼間であるというのにのんびり寝ているというのもおかしな話だが、流石に殺人事件など起こっては学校も臨時休校となるのは当たり前。

 

 学校の責任者や管理職の人間などは警察の取り調べなどで忙しいのだが、彼の場合転入生の桃井恵と一緒に作業をしていたことでアリバイが成立している。おかげで捜査対象から外れており休みとなっていたのだ。正確には事件がある程度終息するまで暫定的に三日間の休みだが。

 

 そんな彼が寝ていた処、いきなり管理人室のドアが叩かれたのだ。それもかなり力強く。

 

「なんだうるせえなぁ~人が気持ちよく寝てるってェのに……」

 

 唯、寝ている人間を起こすくらい“ドンドンッ!! ”と強く叩くということは、それだけ緊急性のあるもの。

 

 居留守を使うわけにも行かないし、気付かないふりをするのもマズイだろう。

 

「はいはい今開けますよっと」

 

 彼が扉の鍵を開けてやると、そこには学生服を着た女生徒が一人立っていた。

 

 グレーのブレザーに赤いチェックのスカート、腰まで届く栗色の長い髪を纏めたポニーテールがよく似合う、瞳のぱっちりした女の子。

 

 数日前、山内にセクハラをされていた2年生の水泳部員、藤崎双葉だ。

 

「ん? どうしたんだぁ~双葉ちゃん」

 

 双葉の様子がおかしい。何かに怯えるように震えているのだ。

 

 彼が怖いからではないだろう。それなら態々管理人室に訊ねてくる訳がない。

 

「……助けて」

 

「んん?」

 

「助けてください!!」

 

「お、おいおいっ、いきなりなんだぁ~?」

 

 彼女の様子にただ事ではないと感じた彼は、取りあえず部屋の中に招き入れて事情を聞いた。

 

 すると彼女は開口一番「山内先生に死神の呪いをかけたんです……!」と言い出した。死神の呪いというのは、この学校に伝わる死神伝説という都市伝説にまつわるものだ。

 

 死神伝説というのは、死神に魅入られた者のもとに『3』と書かれた紙が届けられ、次に『2』『1』の紙が届く。最後に『0』の紙が届いて魂を奪われるというものだ。

 

 これをもとにしたのが死神の呪いで、方法はいたってシンプル。夜の教室を訪れて憎い相手の机に『4』という数字をなぞるだけ。

 

 すると死神から呪いをかけた相手に『3』の紙が届けられ、後は伝説通り『2』『1』『0』となって相手に不幸が訪れるというもの

 共犯者が多ければ多いほど、なぞった回数が多いほど呪いの効果が高くなると言われている。

 

「なるほどねェ。でも、どうしてそんなことしたんだ?」

 

「冬休みの合宿中に……ある事件が起きたんです……」

 

 なんでもその合宿中に起きた事件で部員の一人が山内に傷付けられたとのことらしい。

 

 彼は双葉が言い淀んだある事件というのをハッキリと口に出す。山内が起こした事件で、水泳部員が全員女子であるというだけで大体察しは付く。

 

「強姦……か……」

 

「……ッッ?!」

 

 彼の一言に双葉の身体がビクッと震え、そのまま視線を反らせた。

 

「なあ双葉ちゃん……俺ぁ高校生のガキじゃねえんだ。隠したってわかる……全部話してくれねェか?」

 

「……」

 

 双葉は言うか言うまいかと悩んだ末に全てを打ち明けてくれた。

 

 3ヶ月前、冬休みの合宿が終わった直後から水泳部の3年生、石井伊都子が部活に出てこなくなった。高校最後の大会にも出ず、なにより山内を避けている様子だった。

 

 そして伊都子と同学年の先輩たちが聞き出して漸く事の真相を話してくれたらしく、彼の言ったように山内に乱暴されたとのことだった。

 

「春休みに入ってすぐ部員全員で話し合ったとき、先輩たちが訴えるように言ったんです。でも……ばれたら、生きていけないって石井先輩が……」

 

「そうか……それで報復に死神の呪いなんてのを?」

 

「はい……。で、でもッ、山内先生が死んじゃうなんて思わなかったんです……ッ! それにこんな……ッ!」

 

 双葉は今朝自分の部屋にこんなものが届いたと一枚の紙を差し出した。

 

「『3』か……」

 

「みんなにも同じ物が届けられてて……。さっき、部室でそのことを……」

 

「しかしなぁ、呪いが返ってくる話はねえだろ?」

 

 そう、死神の呪いにはかけた者に呪いが返ってくるという話はない。

 

 無論、日本中にある呪いの中には丑の刻参りのように見られたら呪いが返ってくるというのもあるが、少なくとも死神伝説の呪いにその手の呪詛返り的な話はなかった。

 

「じ、じゃあどうしてこんなものが来るんですかッッ!?」

 

 死神の呪いに怯えて目に涙を浮かべた双葉は彼に訴えかける。

 

「おじさん、私……ッ 私死んじゃうんですかッッ!? 死神に……死神に殺されちゃうんですか……ッッ!?」

 

 双葉は死にたくない、助けて、と泣きじゃくりながら彼に抱き着く。

 

 彼はそんな双葉を優しく抱き止めてあげながら慰める。彼女のポニーテールの髪を優しく撫でながら「大丈夫だ。死んだりしねえよ」と。

 

(まあ死神が犯人じゃねえのは確かだわな)

 

 死神の呪いというのは所詮都市伝説から派生した物にすぎない。そんなもので人を殺せたりするならこの学校は不審死が相次いで、とっくの昔に廃校になっていることだろう。

 

 犯人はもちろん人間だ。それも双葉に聞いた話から内部犯の可能性が高い。

 

 だが彼が予想できるのはそこまで、彼はホームズでも金田一でもない唯の管理人なのだから。

 

 暫くして泣き止んだ双葉を部屋まで送った彼は、彼女が抱き着いてきたときのことを思い返していた。

 

「しっかしまあなんだ、いい匂いだったぜぇ~。女の子ってなああんなにいい匂いがするもんなんだなあ」

 

 身体から漂う甘い香り。服越しに感じる温かい体温と年齢に見合った二つの膨らみ。

 

 撫で梳いた栗色の長いポニーテールの髪の毛は艶やかで、指の間を滑り抜けるさらりとした髪の毛の感触がまだ残っていた。

 

「っとといけねえいけねえ、不謹慎だぜこんなときに」

 

 若い女の子の匂いと身体の温もりを思い掛けず堪能してしまった訳だが、あんな場面ではいやらしい気分にもなれなかった。

 

 泣きじゃくり「怖い、死にたくない」と訴えられ続けたのだから仕方ないが、まさか年のせいで不能になったのでは? と勘違いしたくらいだ。

 

「まあなあ、最低でも双葉ちゃんは助けてぇし、力になってやるつもりだが……」

 

 生憎彼には探偵スキルも操作能力もない。

 

「ま、なるようにしかならねーか」

 

 

 

 ◇

 

 

 

 それから彼は山内に乱暴されたという石井伊都子の部屋に向かった。一つ確認をするためだ。

 

「お~い管理人だがよぉ、ちょっといいかぁ?」

 

「あ……、は、はい……」

 

 314号室のドアをノックしながら声を掛けると、腰まである長い黒髪が印象的な、清楚な雰囲気の少女が出てきた。

 

 彼女は管理人の姿を見て明らかに怖がっている様子だったが、彼にとってはいつものことなので気にしない。

 

 そして大事な話があると部屋の中に入れてもらった彼は、死神の呪いのことを話して山内が死んだのは呪いとは関係ないと告げた。

 

 無論、伊都子が強姦されたということに付いては一切口にしていない。

 

 何故彼がこのようなことをするのかというと、それは伊都子の反応を確かめるためだ。

 

 現状に於いて乱暴された彼女が山内を殺した可能性が一番高いから。まあ、彼女の反応から犯人ではないとわかったが。

 

「ああそれとな、ちょっと相談に乗ってやってほしい奴がいるんだが、連れてきていいか?」

 

「え……? い、いいですけど……」

 

 消え入りそうに言う伊都子に「ちょっと待ってろ」と言い残した彼は、彼女のお話相手をさせるべく一人の少年を連れてきた。

 

「あ、あの……こちらは?」

 

「転校生で2年生の桃井恵くんだ」

 

「ど、どうも、桃井恵です……」

 

「い、石井伊都子です……」

 

 どうして僕は此処に連れてこられたんだと悩む恵を余所に──管理人は「転校してきたばかりで友達居ない恵くんと友達になってやってくれ」と彼を伊都子に押しつける。

 

 一人で居るのもいいが、伊都子の様子だと思い詰めて自分の中にため込んでしまうだろう。それじゃいつまで経っても立ち直れない。

 

 彼としては伊都子が立ち直ろうが塞ぎ込んだままでいようが、どっちでもいいのだが、関わった以上放っておくのも後味が悪い。

 

 彼女の人間関係を知っていれば他にやりようもあるだろうが、知らないので取りあえず人畜無害で人の良さそうな転校生に任せることにしたのだ。

 

(っていうかよぉ~、あの半端モンの山内のことでいつまでも悩んでんじゃねえよ~)

 

 山内のことなど忘れさせて、早く普通の学園生活を送らせてあげたいというツンデレ的な思い遣りだった。

 

「まっ、そんな訳で少年。伊都子ちゃんのアフターケアをよろしく」

 

「え、ええ!? なんですかそれ!?」

 

「伊都子ちゃんは友達居ないぼっちな少年のケアをよろしくな」

 

「え……、あ、はい」

 

 桃井恵を伊都子の部屋に置き去りにした彼は、他の調べ物をしようと寮内を徘徊し始めた。

 

 ある意味無責任だが、彼はいま双葉のことで頭いっぱい手一杯なのだから仕方ない。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 次の日、双葉の相談に乗ると決めた以上出来る範囲のことをした彼だったが、予想通りなんの成果もないまま夕方を迎えていた。

 

 一応調べたことを双葉にも伝えようと彼女の部屋である219号室を訊ねてみたものの、留守のようで返事が無い。

 

「どこいきやがったんだ~? 出かけるにしてももう日が暮れるからなぁ」

 

 もう日は沈み外は暗くなっている。誰か友人の部屋にと言っても水泳部員以外の交友関係は知らない。

 

 となると、双葉が立ち寄りそうで知っている場所は……水泳部部室があるプール館しかないだろう。

 

 そこも居るとは限らないが。

 

「やることもねーし、念のために行っとくか……」

 

 寮から出るとすっかり暗くなっていたので足早にプール館に向かうと、さっさと用事を済ませようと水泳部部室に向かった。

 

 

 ……ッ! ……ッッ!

 

「ん~? なんだ?」

 

 部室に付くと中から言い争う声が聞こえた。

 

 数日前にも同じようなことがあったが、それを起こした山内は殺されてしまったのでその線は関係ない。

 

 喧嘩か? と思ったがそうでもないようだ。聞こえる声は二人。一人はよく知る藤崎双葉の声。

 

 もう一人も女子のようだが、この声の主が一方的に双葉を責めているようだ。

 

 そして、何を言い争っているのかを確かるため、彼が聞き耳を立てようとしたとき。

 

 “ガタンッ!! ”

 

 何かが倒れるような音がして、次いで「ぐッ……ぅぅッ……ッ」と、くぐもった苦しそうな声が聞こえたのだ。

 

 それは確かに双葉の声で、喉から絞り出すようなか細い声でもあった。

 

(なんかしらねェーがヤベーぞッッ!!)

 

「なにやってやがんだぁ~ッ!」

 

 尋常ではなさそうな様子に思い切りドアを蹴り開けた彼の目に、床に押さえつけられて首を絞められている双葉の姿が飛び込んできた。

 

 同時に双葉の首を絞めている者の姿も……

 

「おいおいおい、シャレにならねーぞッ!?」

 

 双葉の首を絞めていたのは水泳部の部長だったのだ。

 

「あ……あ……わた……し……」

 

 部長は彼の姿を見ると双葉の首から手を離して頭を抱えて蹲った。

 

 彼に襲いかかるのでも、双葉の首を絞め続けるのでもなく、まるで自分がしてしまったことに怯えているかのように。

 

「うアアああァァ──―ッッッ」

 

 唯々泣き叫ぶのだった……。

 

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

 

 その後、騒ぎを聞きつけた学校関係者が警察に連絡、部長は連行されていった。

 

 危うく殺されそうだった処を彼に救われた双葉については、何があったのかを聞かれただけですぐに返してくれたのだが、それから彼女は彼に引っ付いたまま離れようとしない。

 

「一緒に居させてください……」とのことだ。きっと殺されそうになったことが相当なショックを与えているのだろう。

 それも親しい知り合いである水泳部の部長に殺されかけたのだから……。

 

 事件のことはある程度聞いた。水泳部顧問の山内健三に好意を寄せ、つき合っていた部長が、同じ水泳部員の石井伊都子が山内に乱暴されたことを知って抱いた嫉妬からの犯行だったらしく。

 

 合宿の暴行事件以来山内が露骨に部長を避けるようになったことで愛が憎しみに変わり、彼を殺してしまったとのことだった。

 

 更には自分から山内を奪ったとの勝手な思い込みから、被害者であるはずの伊都子にまで憎しみを向け殺そうとしていたらしい。

 

 唯、双葉のことは殺すつもりなどなかったらしいが……。しかし合宿の事件のことを管理人に話したのを注意しようとして部室に呼び出したとき、部長のことを疑い出したから仕方なく殺そうとしたのだという。

 

「なんだそりゃ? それじゃあ双葉ちゃんは唯の嫉妬のとばっちりじゃねえか……、それも疑っただけで殺そうとしたなんてざけんじゃねーぞクソがァっ……!」

 

 これを聞いた彼は部長が目の前にいたら、女だからとか関係なくぶっ飛ばしていた処だ。全くの無関係である双葉を殺そうとしたのだから。

 

 大体、伊都子についても唯の八つ当たりでしかない。彼女は山内に強姦された被害者なのだ。それなのに筋違いの嫉妬を抱いたあげくに殺そうとは理不尽にもほどがある。

 

 まあ嫉妬に狂った女に冷静な判断は出来なかったのだろうが……。

 

 そもそも全ての原因は山内にある。

 

 山内に関しては単なる自業自得でしかない。強姦、セクハラ、暴力と遣りたい放題して、つき合っていた部長を捨てたのだ。

 

 恨まれて当然だし、部長の恨みを買って殺されても文句は言えない。

 

(っと、それより今は双葉ちゃんだな)

 

 桜花寮の管理人室に戻ってきてから双葉はずっと黙り込んだままだ。

 

 彼が話しかけると返事はするし会話も成立するものの長続きしない。

 

「部屋まで送ろうか?」というと頑なに拒否する。とにかく一人になるのは嫌なようだ。

 

「双葉ちゃん、まだ怖いか?」

 

「……」

 

 こくんと頷く双葉。

 

「そうか……」

 

 彼は畳の上で座ったまま俯いている双葉に徐に手を伸ばすと、そのまま彼女の身体を抱き締めた。

 

「怖かったんだなぁ。こんなに身体を震わせて」

 

「……」

 

 彼が抱き締めてあげると双葉も縋り付くように身体を寄せてきた。

 

 緑のジャージを着た太り気味の無精ヒゲを生やした中年男性と、ポニーテールのよく似合う瞳のぱっちりした制服姿の女子高生が抱き合う姿は異種異様な感じだ。

 

 二人が居るのは管理人室の奥にあるカーテンで仕切られた仮眠室であるため外からは見えないが、誰かに見られれば不倫や売春の現場と勘違いされることだろう。

 

「かわいそうに……かわいそうになぁ……」

 

「おじ……さん……」

 

 彼は左手で双葉の頭やポニーテールの髪を撫でながら、右手の平で彼女の左の膨らみに触れた。

 

「あ……っ」

 

 制服越しでも分かる柔らかくて温かい双葉の胸の感触。

 

 それを確かめるようにやわやわと揉みながら彼女の瞳を見つめる。

 

「大丈夫、怖くなんかないぞ」

 

「ん……あっ……お、おじさ……っ、だ、だめ……っ」

 

 服越しとはいえ自分の胸を揉まれた双葉は突然のことに驚いて目を見開くも、なぜか抵抗できないでいた。

 

 山内にお尻を触られたりセクハラを受けたことはあったが、胸を触られたのはこれが初めて。しかし、双葉は山内の時と違って嫌な感じがしないのだ。

 一応イケメンである山内とは比較にもならないブサイク顔で気持ち悪く、また彼女自身数日前まで怖いと思っていた管理人のおじさんにセクハラ行為をされているというのに。

 

「おじさんが双葉ちゃんの『怖いの』を、全部取ってやるからなぁ」

 

 一方で彼の方はというと、本当はこんなことをするつもりなどなかったのだが、怯える双葉をどうしても放っておけなくなり、手を出してしまったのだ。

 

 死ぬほどの怖い思いというのは生半可なことでは忘れられない。しかも彼女の場合本当に殺される処だった。ショック療法とでも言うべきか? こういう行為をしてしまえば忘れることは出来なくとも、恐怖を薄れさせることはできる。

 

 尤も、彼とて無理強いする気はないので、胸に触った瞬間嫌がる素振りを見せていれば止めていたのだが。

 

 しかし彼女は嫌がりもしなければ逃げもしない。こうなると止める理由はないだろう。彼とて男だ。還暦前といっても性的欲望はしっかり持っている。

 

「さあ双葉ちゃん……服を脱ごうなぁ」

 

「……っ」

 

 彼は双葉の胸を揉んでいた手で、制服のブレザーのボタンを一つ一つ外していく。

 

 ボタンを外してしまうと戸惑う彼女を気遣いながらブレザーを脱がせた。

 

「次はブラウスだ……」

 

「ん……」

 

 続いてブラウスを脱がすため、まずは襟元を締めている赤いリボンの結び目を引っ張り解く。

 

 しゅるりとリボンが解け襟元が緩むと、次にブラウスの第一ボタンから順に外していく。

 

「おお~、ピンク色のブラジャーかぁ」

 

「あうぅぅ……」

 

「よく似合ってるねぇ」

 

 ブラウスのボタンを外して前をはだけさせるとその下から表れたのは、女の子らしくかわいいピンク色のブラジャー。

 

 前に双葉の部屋を見たときカーテンもベッドも白とピンクで、部屋のあちこちにぬいぐるみがおいてあったので、かわいらしい物や色が好きなのかも知れない。

 

 そのかわいいブラも外した処で、漸く二つの膨らみが姿を現した。

 

「きれいな桜色だ……」

 

 大きすぎず、小さすぎずといった感じの双葉の胸。

 

 いや、彼女と同年代の女の子と比べれば大きい方だろうと思われる二つの膨らみの頂には、ピンク色の乳輪と乳首がある。

 

「あぁぁ~、きれいだ……。きれいだよ双葉ちゃん……。双葉ちゃんのおっぱい……んちゅっ」

 

 膝を折り曲げて畳の上にぺたんと座る双葉を抱き締めたまま、彼女の胸に顔を押しつけ縦横無尽に舌を這わせていく。

 

「あぁっ!」

 

「んちゅっ ちゅううっ きれいだ……なんてきれいで……ぢゅっ、美味しいおっぱいなんだ……」

 

 乳房を舐めながら、濡れた舌が這い回る感触に反応してぷっくり膨れてきた桜色の乳首を口に含んで、舌で優しく転がしてあげると、双葉の口から甘い声が漏れ始めた。

 

「あっンン! お、おじさっ……っ 吸っちゃ……っ い……や……っっ」

 

 膨れた乳首を母乳を吸い出すかのように“ぢゅうううっ”と強く吸い上げてやると、双葉は大きな嬌声をあげてイヤイヤと首を振る。

 腰まである長いポニーテールが首の動きに合わせて、右へ左へ振り子のように大きく揺れた。

 

 しかし、そんな否定の言葉とは裏腹に、強くなってきた乳首の刺激に自然と彼の頭を抱き竦めてしまう双葉。

 

「ひっ……うぅっ……っっンン~~っっ!!」

 

 ぎゅううと抱き竦めて自らの胸に彼の顔を押しつける双葉は、不意に身体を駆け抜けた痺れに“ビクンっ”と大きく震えて力が抜けてしまった。

 

 執拗に乳首を吸われ続けて軽くイってしまったのだ。

 

「んぢゅっ っっ……ぷはぁ~っ、双葉ちゃん…………ちゅっ」

 

「んうぅ!?」

 

 そして力が抜け、頭を抱く双葉の腕の拘束が緩んだ処で乳首から口を離した彼は、息つく間もなく彼女の唇を奪った。

 

「んっ…… んっ……んうう……っ ちゅっ……ちゅっ……」

 

 口付けを交わし、重ね合わせた唇を啄みながら、強引に舌を差し入れて双葉の舌を絡め取る。

 

「んぢゅっ ちゅ……っ ちゅぱっ ちゅる……っ」

 

 双葉は自分がもう六十歳になるような男性に、それも怖い気持ち悪いと思っていた男性に生まれて初めてのキスをされているというのに、意外にもショックを受けていなかった。

 

 それはほんのりと赤く染まった彼女の頬を見れば一目瞭然。嫌ならば、ショックならば涙を流している筈だ。だが、そんな感じは欠片ほどもない。

 

「んっ……あむっ……ふうっ……んっ……っ」

 

 それどころか双葉は幅の広い彼の両肩に手を置いてキスを受け入れ、彼もまた双葉の身体を抱き締めて彼女に口づけ、まるで愛し合う恋人同士が愛を確かめるためにするキスをしているかのようだ。

 

 その証拠に彼が双葉に飲ませようとして彼女の口に送り込む唾液も、こくこく喉を鳴らして飲んでいる。

 

 口の中に広がる六十のおじさんの唾は、さらっとしたものではなくドロリと粘ついたもので、飲み込むときに喉に絡まってしまう。

 

 嫌ならばそのような唾を飲む訳がない。

 

「くちゅっ ちゅぱっ」

 

 絡み合う舌と舌はぬめった感触を互いに与え、舌を伝って唾液の交流を促進させていく。

 

 双葉はキスを受け入れるだけでいっぱいいっぱいであり、彼女から唾を飲ませようとはしていないものの、結果的に舌を伝って彼も双葉の唾液を飲んでいるのだ。

 

 彼の唾液と違って粘り気を帯びながらも瑞々しい、水分たっぷりな双葉の唾液を。

 

「んっ……ふ……ぅぅ……」

 

 たっぷり時間を掛けて双葉の唇を堪能した彼がゆっくり唇を離すと、混ざり合った二人の唾が唇の間につーっと糸を引くように伸びて切れた。

 

「んん~……双葉ちゃん、キスは初めてかぁ?」

 

「は……い……」

 

「そうかぁ、初めてかぁ……。はあっ、はあっ、ん……この調子で怖いの追い出そうなぁ~」

 

 散々唾液を飲ませたせいか口の端から涎を垂らしたままぼーっとしている双葉に言い聞かせるように言った彼は、「熱いねぇ」と言いながらジャージの上着とシャツを脱いで、たっぷり脂肪が溜め込まれた中年太りのお腹をさらけ出した。

 

 別に見たところで何の得もない脂肪の付いたお腹なのだが、目の前に出された双葉はあまりにも柔らかそうなお腹が気になってそっと手を伸ばして触ってみた。

 

「おふぅっ!」

 

「あっ……、す、すみませんっ、おじさんのお腹……柔らかそうだから……」

 

「ああ~いいよ。気になったんならもっと触っても」

 

「そ、それじゃあ……、触っちゃいます、ね……?」

 

 脂肪の付いたお腹をぐっぐっと押したり揉んでみたりする双葉。彼女とて興味はあるのだ。

 初めて触る男の人の肌はとても柔らかくて手触りが良く夢中になってしまう。

 

「柔らかいです。柔らかくてフカフカ……」

 

「女の子にお腹をモミモミされるのは初めてだが、こういうのも中々イイもんだなぁ~……よかったら乳首も吸ってくれないかぁ~?」

 

「え? あ、あの……っ はい……」

 

 指示された双葉は彼の身体に手を回して抱き着くと、その黒ずんだ乳首を口に含んだ。

 

「おっ」

 

「んちゅうう~~」

 

「おっ、おおおおっ」

 

 口に含んだ乳首をさっき自分がされたのと同じような感じで吸ってみる。

 

 舌先でつついてちろちろ舐めながら、乳首を転がしていく。

 

「おおぉ~女子高生に、若い子に座れるってなあいいねぇ~っ、さっき双葉ちゃんはこんな感じだったんだねぇ~」

 

 一方で彼は自分の左乳首に吸い付く双葉の頭を抱えるように抱いて、ポニーテールに指を通して撫で梳きながら身体に感じる痺れと快楽に酔いしれる。

 

 女の子のおっぱいを吸うのは男として当たり前のことだが、逆に女の子に乳首を吸われるのは実に変な感じだ。

 

 男は女の子のように敏感ではないと思われるが、こうして吸われてみると女の子がどういう風に感じているのか少しわかった。確かに気持ちいい。

 

 男でこうなのだから、女の双葉はさぞ気持ちよかったことだろう。

 

「おおっ おほぉぉぉ~、イカンなぁ……癖になっちまうぜぇ~、双葉ちゃんもういいよ……これ以上おっぱい吸われたら変な境地に達しそうだ……」

 

「んっ……」

 

 彼の言葉に双葉が名残惜しげな様子で口を離すと、黒ずんだ乳首が唾液に濡れて輝いていた。

 

「さあ続きしようなぁ~。双葉ちゃんの怖いのは全部取ってやるから安心するんだぞぉ~。なぁ、大丈夫だからなぁ~双葉ちゃん……」

 

 彼はここで双葉の身体を畳の上に寝かせると、漸く赤色のチェックのスカートのホックに手を掛けて脱がせた。

 

 次いでスカートを脱がされて恥ずかしそうに目を閉じた双葉の、最後に残されたピンク色のパンティーを脱がせる。

 

「……っ」

 

「双葉ちゃんのパンティーもかわいいねぇ~。ピンク色の女の子らしいパンティー……おじさんは双葉ちゃんみたいに女の子らしい子が好きなんだ」

 

 双葉の脚をくるくる丸まりながら脱がされてしまったパンティーは、そのまま畳の上に置かれた。

 

「ほぉ~ら、脚を広げようなぁ~?」

 

「う、ぅぅっ」

 

 彼の手で閉じた脚が開かれると、もう何も守る物がない双葉の股間が表れた。

 

「おお~……これが、双葉ちゃんの大切な処なんだねぇ……あぁ、きれいだよ……おじさんにもっと見せておくれ」

 

 開いた脚の間に四つん這いになって顔を近づけ、股間の茂みに口を寄せると「ちゅっ」とキスをした。

 

「ひゃンっ!」

 

「ぴちゃ……ぴちゃ……、んっ……はぁ、はぁ、おいしい……おいしいよ双葉ちゃん……穴のすぐ上にあるクリちゃんが……ぷっくり膨れて……かわいいね」

 

 キスをしたまま股間の真下から茂みの上まで割れ目に沿って舌を這わせていくと、まだ小さかった肉芽が赤く充血してピンと尖るように立ち上がった。

 

 彼はその尖り膨れた肉芽を舌でぺろぺろ舐め、可愛がるように刺激する。

 

「やッ……ッ……そ、そこ……ッ、舐めちゃ……ッ……やッ……ですッ……ッ、ダメッ……ッ……ッッ」

 

 双葉は大切な処をぴちゃぴちゃ舐める彼の頭を手で押さえたまま、クリトリスや膣口の粘膜と彼の舌の粘膜が触れ合い生じる痺れという名の快感に身体を震わせ堪え続ける。

 本当にイヤならば頭を引き剥がさせるべきなのに、反対に自分の股間に彼の頭を押さえ付けている処が、本音では許していることを示唆していた。

 

「ぴちゅっ ダメってなんだ双葉ちゃん? ココはこんなに舐めてほしがってるのに……可哀想じゃないか……ええ? ちゅる……っ」

 

「ひう……っ! あっ…… ふああっ!」

 

 唾液に塗れてびちょびちょになる双葉の股間。

 

 陰毛にも膣口にも、肉芽にも彼の唾液が染み込んでいる。

 

 しかし、ダメという彼女の言葉とは逆に、穴の奥からは透明の液体がとろ~り溢れ出してきた。

 

 彼によって与えられた刺激に自然に反応した身体が、愛液を湧出させたのだ。

 

 その双葉のきれいな透明の愛液をぺろりと舐めた彼は股間から顔を離した。そして人差し指をほんの少し膣口に入れて愛液を掻き出す。

 

「んんっっ」

 

 舌の感触が消えたと思えば指を入れられた双葉は身体を硬直させて唸るように喘ぐ。

 

 ただ入れられただけではなく、膣の中でこちょこちょ動かされているのだからかなりの刺激となって彼女を襲っているのだ。

 

「きれいな愛液だ、透明でとても澄んでる……」

 

 ある程度愛液を掻き出した彼は膣から指を抜いて、出てきたそれを指に絡めると身体を起こして仰向けのまま必死に耐えていた双葉の顔に近付け見せた。

 

「ごらん双葉ちゃん」

 

「あ……」

 

「双葉ちゃんの愛液だ……舐めてごらん?」

 

 差し出された彼の指に絡みつく自身の愛液。

 

「んっ……くちゅ……」

 

 双葉は彼に言われた通り舐めてみたが、よく分からない味でおいしくはなかった。

 

「変な味です……」

 

「そんなもんかぁ? 俺ぁ美味しいと思ったんだがなぁ?」

 

 そう言いつつも自分の精液を飲んで美味しいかと? と聞かれれば、おそらく彼もマズいと答えるだろう。それ以前に飲みたくはないが……。

 

 双葉の愛液が美味しいのは彼だからであって、彼女自身はそうではないのだ。

 

 そんなことを考えながらすっくと立ち上がった彼は、続きをしようと、下だけ履いていたジャージのズボンをパンツごと降ろしてしまった。

 

「っっ!?」

 

 いきなり下半身を見せつけられた双葉は言葉を失って口元を押さえる。

 

 彼の男性器は、肉の棒は、もう見た目で分かるほど硬く大きくなっていた。

 

 彼はその黒ずんだ肉棒を双葉に見せながら、再び脚の間に入っていく。

 

 ただし、さっきのような頭を入れるのではなく、身体ごと。

 

 具体的には下半身を彼女の脚の間に入れ、肉棒の付いた股間部を彼女の股間に近づけた。

 

「お、おじさん……」

 

「大丈夫だ、大丈夫だぞ双葉ちゃん……ジッとしてるんだ、いいね?」

 

 もちろん自分の肉棒を──双葉の股間の割れ目に、愛液を垂れ流す膣口に入れるために……。

 

 くちゅり……

 

「んっ……」

 

 双葉の割れ目に宛がわれる亀頭。

 

「はあっ、はあっ、双葉ちゃんの愛液が……おじさんのを伝ってくるよぉ……」

 

 彼女の膣口に触れた亀頭を愛液が伝う。

 

 まるで美味しそうな食べ物を食べようと、涎を垂れ流しているかのようだ。

 

「ちょっと、待ってね……いま、食べさせてあげるから……」

 

「ふっ……ああ……っ」

 

 だがそのまま入れるのではなく、亀頭から竿の中くらいまでで股間を擦り、陰毛と絡ませながら愛液を塗り込める。

 

「しっかり塗っておかないと、おいしく食べて貰えないからなぁ」

 

「んっ……ぅぅ……っ、お、おじさ……っ」

 

 愛液を塗りたくった彼は再度入り口に亀頭を添えた。

 

「さあいくぞぉ……怖いのなんか追い出してやるからなぁ~……」

 

 つぷりっ

 

「あっ……」

 

 ずぷぅ……ずぶずぶ……っ

 

「あっっ、ンンぅ……っ!」

 

 彼の腰が前に出されると肉棒が双葉の膣口に埋没し始めた。まず亀頭が割れ目に飲み込まれ、続けて竿の部分がずぶずぶと挿っていく。

 

 初めて挿れられた男の人の性器を、意外にも双葉の女性器は温かく迎え入れている。

 

 本来なら痛みを伴うはずの初挿入にもかかわらず、それほど痛くないのだ。

 

 ずぶずぶずぶ……

 

「あっ……ああっ……ぁぁぁっ……っっ!」

 

「ずいぶん、楽に入っていくねぇ……身体の具合がっ……いいみたいだ……」

 

 ブチっ……

 

「あうぅぅぅッッ!!」

 

「膜、破っちゃった、みたいだぞ…………痛かっただろう? ごめんなぁ~……」

 

「だいッ、じょう……ぶ……です……ちょっと……痛かったけど……っ……っっ」

 

「そうかぁ……それじゃあもう奥までいくねぇ~?」

 

 じゅぷん! 

 

「アアっっ……っ! あ……あッ ああ~ん!!」

 

 身体の相性が良く抵抗も感じないため止まることなく処女膜を貫通した彼は、流石に痛みを感じた双葉に謝りながらも竿の残り三分の一を一気に挿入させて、自身の股間と双葉の股間をしっかりと重ね合わせた。

 

「ふう~、もう大丈夫だ……全部入ったからなぁ……」

 

 彼の熱い男性器を感じながら身を震わせる双葉。

 

 確かにしっかり入っている。彼の肉棒が膣の中に、身体の奥深く……子宮に届くような奥の奥まで肉の塊が挿れられている。

 

 ざわざわうごめく襞が硬い肉の棒に絡みつき、初めて入ってきた異性を歓迎していた。

 

「か、身体の中にっ……っっ、おじさんが……居ます……っ」

 

「ああ、居るよ双葉ちゃん……双葉ちゃんの中は温かいねぇ~、こんな温かい双葉ちゃんが恐怖に怯えているなんて間違ってる……さあ、いま追い出してやるぞぉ~……」

 

 言うやいなや彼は腰を動かし抽挿を始めた。

 

 ずぷぅ……じゅぶぶ……

 

「あっ んっ……はあっっ、あっ……っ」

 

「どうだぁ~、双葉ちゃん、気持ちいいかぁ~?」

 

「ひっ ああっ! き、もち、いいっ……っ」

 

「そうかぁ、気持ちいいかぁ~……おじさんも気持ちいいんだよ……一緒に気持ちよくなろうなぁ」

 

 カリ首から根本までの間を双葉の膣内でゆっくりと出し入れさせる。

 

 襞は粘膜同士の触れ合いを求めて動く肉の塊の、竿、亀頭、問わず絡みつき、彼に極上の電撃を流して快楽の坩堝に導いていく。

 

「あっ んん! はあっ……あっ! あ、あぁ……っっ!」

 

 そんな絡みつく襞を強引に振り切って肉棒を動かし続けることで、膣内の粘膜が強く擦られ双葉に性の快感を与えていた。

 

 彼女の口から甘く蕩けるような喘ぎが自然に零れ、熱い吐息を規則正しく吐き出しながら、襲い来る快楽の波に逆らわず、ただ彼の抽挿に身を委ねて抱かれ続ける。

 

「双葉ちゃん……」

 

「あっ んっ ううっ……っっ おじっ、さ……ん……っ……」

 

 仰向けで寝かせている双葉の背に手を回して抱き起こし、更に深く挿入して子宮の入り口を小突き回す。

 

「お、奥ぅっ、奥が、痺れ……てっ、あっ……あァ……!」

 

 双葉も彼を求めるように両手を彼の背中に回して、身体全体を押しつけながら性の快楽に身を委ねる。

 

 脂肪の付いた脂ぎったお腹が双葉の細いお腹と触れ合うと、彼女の身体が脂肪に押されてぽよんぽよんと撥ね、腰の突き込みと併せて長いポニーテールが波打つように揺れた。

 

 彼の身体に押しつけられた二つの乳房も二人の身体に挟まれる形でぐにゅぐにゅと形を変え、勃起した乳首が彼の脂肪の付いた胸板に擦りつけられる。

 

「あっ ンッ、ああっ……っ! はあっ、あッああっ! お、おじさんの、おちんちんが……っ、あッ、あッ、か、身体の奥にっ……コツコツっ、コツコツあたってる……っ……っ」

 

 既に彼の全身からは太った身体と年齢に相応しい量の汗が噴き出して、畳の上にぽたぽた落ちている。

 

 その汗にはしっかり抱き締め合って性の交わりをしている双葉の汗も混じっていた。

 

 彼と双葉は身体だけではなく、汗でも交わり溶け合っているのだ。

 

「おじさんっ、おじ……さんっっ!」

 

「はあっ、はあっ、双葉ちゃんっ、双葉ちゃんっ」

 

 ぐちゅっ ぐちゅっといやらしい水音を奏でる股間の結合部からは、二人が流す汗に負けないくらいの愛液が溢れ出ている。

 それを一心不乱に掻き出しているのは彼の肉棒。肉棒の出し入れと、膣襞との擦れ合いにより、止め処なく愛液が分泌され続けているのだ。

 肉と粘膜の擦れ合いが続く結合部から押し出される愛液が、彼の膝と双葉の膝の双方を伝い落ちて、まるで二人してお漏らしをしているかのように脚や畳をびしょびしょに濡らしてしまう。

 

 彼が双葉の中でおしっこをし、双葉が刺激によって膨れた肉芽から漏らしているかのように。

 

 下半身がそんな恥ずかしい状態になっているにもかかわらず、気にも留めずに一心不乱に腰を押しつけ合って性交に励む彼と双葉。

 

「あっ あっ んんっ んはァっ  はっ……あァ、あァっ!」

 

「ああ、ああ、双葉ちゃん……おじさんもう限界だっ……出すよっ、出すよ双葉ちゃんっ、このまま中にっ、双葉ちゃんの子宮の中にっ、おじさんの精子を出すよっ」

 

 頬をリンゴのように赤く染め、大量の汗を流して彼のセックスを受け入れる双葉には、それに対して返事をする余裕など残っていない。

 

 股間から頭のてっぺんまで異常とも言える電気的な痺れに貫かれているのだ。

 

 返事こそ出来ないが双葉の方も既に限界へと到達していた。それを示すように膣肉が擦れ合う肉棒を絡め取りながら、射精を促すように締め付ける。

 それは最早無言のサインだ。

 

「いいんだね? いいんだね双葉ちゃん? 中に出すよ? 出しちゃうよ?」

 

「あッ! ひぅッ! あッ……あァァッ!」

 

 ぱんぱんぱんぱんと、遠慮無く腰を打ち付け続けた彼は、限界を悟って締め上げる襞を振り払い、最後に思い切り腰を突き上げて、閉じた子宮口を強引に押し広げた。

 

「おじさ……ッッアアァァ~~ッ」

 

「うおおおお──ッ!」

 

 子宮口が大きく開き、肉の先が子宮内まで入り込んだのをイヤでも理解させられた双葉は、その瞬間絶頂に達して彼に身体を抱き締められたまま、大きく背を反り返らせた。

 

 一方の彼も、絶頂にビクビク震える双葉の身体をしっかり抱き締めたまま──

 

 ドクンッ

 

「く」

 

 どくんどくん……びゅくびゅく、びゅるるる~~ッ

 

 脈打つ肉の棒がその内部に濃厚なる白濁を一方向へ向けて押し出していき。

 

「ああアアァァァァァァァ──────ッッッ」

 

 どろどろの、非常に濃い精液を双葉の子宮の中に直接注ぎ込んでいく。

 

「うう、くううう、双葉ちゃんどうだァァ、おじさんの濃い精子はァァ!」

 

「あ……つッッ……あつい……おじさんの……せーし……ッッ……ッ どろどろで……ッ……ッ……あつ……っいぃぃ~~ッ」

「熱いかぁ? その熱い精子が……双葉ちゃんの怖いのをッ、全部取ってくれるからなぁ~ッ」

 

 身体の中に勢いよく入ってくる彼の精子。噴水のように吹き出す精液は勢いのまま子宮の壁にぶち当たり、全体へと飛び散っていく。

 それを胎内に受け入れ、溜め込みながら、双葉は身体から力を抜いて彼の肩に頭を乗せて熱い吐息を吐き出す。

 

「ハアッ、ハアッ、ハアッ、おじさ……ん、私の……呪いは……? 怖いの……は?」

 

「ああ、ああ取れたぞ、取れたともっ、おじさんが頑張って……双葉ちゃんもこれだけ頑張ったんだっ、取れないわけがないだろぉ~?」

 

 彼は未だ身体を結合させたまま、自分の肩に頭を乗せて荒い呼吸を繰り返す双葉のポニーテールを触ると、背中に向けてゆっくりと撫で下ろし、彼女を落ち着かせる。

 

 やがて落ち着き呼吸も鼓動も元に戻った双葉の心は、もう死の恐怖を感じることはなくなっていた……。

 

 

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

 

 

 人生で初めてとなる熱く激しい性の交わりを体験し、行為を終えた双葉は、彼の肩に頭を乗せて身体を休めていた。

 

 髪を撫でてくれる彼の手の温もりと感触が心地良い。

 

 脂肪たっぷりのお腹は柔らかく、くっついていると気持ちよくて眠気が出そうになるものの、彼女はそれを吹き飛ばして抱き合ったままの性交後の余韻を楽しみながら思いを巡らせる。

 

 落ち着いてくると自分がしたことの、されたことの意味を冷静に考える余裕も生まれるというもの。

 

 双葉はまだ16とはいえ、感受性も高く物事を冷静に見つめるという面も持っている。

 

 そんな彼女が考えるのは、生まれたままの姿にされて、セックスという男女の交わりまでしてしまった、されてしまったことだ。

 セクハラ程度のものではない。エッチ、セックス、男と女の交わりである性交。

 

 冬休みの合宿で水泳部の先輩である石井伊都子が山内にされたのと同じ行為。

 

 ただ伊都子と違うのは無理矢理犯されるのではなく、流されるままの状況であったこと。

 

 そして抵抗しようとか、嫌だとかいう気分にならなかったことだ。

 

 それはきっと、自分のことを三度も助けてくれた彼が相手だったから。

 

 山内にセクハラされていた時に、死神の呪いに怯えていた時に、そして部長に殺されそうな処を颯爽と助けてくれた彼だから。

 

 今また死の恐怖に怯える自分を助けようとしてくれた。

 

 そんな彼を拒否するなど双葉にはできないし、結果的にできなかった……。

 

 ブサイクだとか気持ち悪いとか、親子以上に年齢が離れすぎているとか、そんなものは些細なことでしかない。

 

 大切なのは、自分の初めての相手が抱かれてもいいと思う相手か? 抱かれてみたいと思う相手か?

 

 いや──―抱いてほしい相手かだ。

 

 冷静になって落ち着いて考えたからこそ双葉にはハッキリと分かった。流れに身を任せてしまったのは彼だからこそだと。

 

 どんなに格好良くても、どんなにお金持ちでも、どんなに偉い人でもダメなのだ。

 

 彼でないとダメなのだ。彼に初めてを捧げたいのだ。自分のことを何度も助けてくれた優しいおじさんに……。

 

 その結果として性的関係を持ってしまった。

 

「私……、私……おじさんが好きです……」

 

 気が付けば口にしていた。彼が好きなのだと。

 

 未だ彼と抱き締め合ったままの体勢で……。

 

 コレに面食らったのは彼だ。エッチをしようとしたのは双葉の恐怖を和らげるためというのもあるのだが、多少男の欲望も混じっていた。

 

 自分はそういう人間であるし、見てくれも年齢も性格も、凡そ女子高生に好かれるものではないと理解している。

 

 それがここ数日交流を持っただけの双葉に好きだと言われたのだから驚くなという方が無理だろう。

 

 そもそも双葉の親より20歳ほども年上の自分を好きになるなんて、どう考えてもおかしい。

 

「い、いやいや、こんなところで冗談を言わなくてもいいんだぜぇ?」

 

「冗談なんかじゃ……ないです……ホントにおじさんが好きなんです……っ」

 

(好きだぁ? 双葉ちゃんが俺を? ま、まじかぁ~?)

 

 多少のことには動じない彼も、流石に混乱してしまう。そうしてる間にも彼の肩に頭を乗せているだけだった双葉は少し身体を離して彼を見つめていた。

 

 裸で抱き合っているのを忘れたかのような真剣な眼差しにたじろぐ彼だが、覚悟を決めてその目を見返した。

 

 唇が僅か数センチの距離にあり、鼻は触れ合うという極々至近な距離で、互いの瞳を交差させる。

 

「……俺ぁそんな上等な人間じゃねえぞ?」

 

「それでも……好き……なんです……」

 

「はぁぁ……。こんなキモい、60前のおっさんのどこが好いんだよ? 双葉ちゃんくらいかわいけりゃあ、いい男なんぞ幾らでも見つかるんだが」

 

「おじさんじゃないとダメなんです」

 

「う、う~ん、でもなぁ~」

 

「私が、私がおじさんを好きになっちゃ……ダメなんですか……?」

 

 真っ直ぐ見据える意志の強い瞳。引けない何かの時、人は皆こういう瞳をするのだろう。

 

 その瞳と見つめ合えば嫌でも理解させられるというものだ。双葉は絶対に引かないだろうと……。

 

 僅かな押し問答。自分と双葉じゃ釣り合わない、おかしい、と言った彼は、その瞳を見て大きなため息を付き、そして──―諦めた……。

 

 何を言っても無駄だろう。それに──

 

「わかった、俺の負けだ。ただ、俺がイヤになったら、嫌いになったらいつでも遠慮無く言ってくれ」

 

 こんな真剣な瞳をする女の子を拒否するなど不可能だ。

 

「イヤになんか、嫌いになんかなりません。ずっと、ずっと一緒にいてください……」

 

 告白が受け入れられたことで嬉しさの余り抱き着いてきた双葉をしっかり受け止めた彼は、彼女と将来を誓い合うような優しいキスを交わした。

 

 

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

 

 

 彼と双葉が結ばれてから暫く経ったある日──

 

「ほ~らココだぁ、ココに入れるんだぞ?」

 

「う……ぅぅ……っ」

 

 彼は転校生、桃井恵の部屋にて一人の女生徒を背後から羽交い締めにしていた。

 

 腰まで届く黒髪のロングヘアが印象的なその少女は、此花学園水泳部に所属する3年生、石井伊都子。

 彼女は素っ裸にされて脚を開かされているのだ。

 

「ココだぞ、この穴が膣口だ。ココに恵くんのたくまし~いその肉棒を差し入れてやるんだ。そうして伊都子ちゃんを恵くんの女にするんだ。間違えるんじゃあねえぞ~?」

 

「は、はい」

 

 かたや恵の方も素っ裸。この部屋で服を着ているのは管理人のおじさんだけだ。

 

「石井先輩……」

 

 くちゅり

 

 伊都子の膣口に押し当てられる恵の男の象徴。

 

「あっ……ぅ!」

 

 伊都子の口から小さな喘ぎが漏れる。

 

「もも……い……くん……」

 

「石井先輩……僕、いきます……ッ、いくよ……石井せん──伊都子……」

 

 覚悟を決めた恵は、他人行儀な呼び方を改め、伊都子を、その名前で呼びながら、腰をぐっと押し込んだ。

 

 ずぶぅぅ

 

「あっ……あぁァっ……っっもも、い──め、めぐ、る……く──ァァァァッ」

 

 恵の膨らみきったペニスを射し込まれながら、伊都子も恵を初めて名前で呼ぶ。

 

 そうして2人共に名を呼びながら、恵るの押し込みは根本へと達し、伊都子と恵の股間は隙間もなく重なり押し付け合う形と成った。

 

「よし恵くんよぉ、しっかりと奥まで入れたな? 後は腰を前後に動かして肉棒を出し入れさせながら、恵くんのペースで伊都子ちゃんを気持ち良くしてあげるんだ」

 

「はッはい、頑張ります……っ」

 

 彼の助言を受けながら、恵は静かにゆっくりと腰を動かし始めた、伊都子との、初めてとなる性交。

 

 ず……じゅぷっ

 

「はッああっ……あっ……め、めぐる……くん……っっ……ダメ……イヤ……あっ……ぁっ……あっっ」

 

「伊都子っ……伊都子っ……」

 

 伊都子を気遣い優しい動きで抽挿を繰り返す恵。

 

 初めてするセックスは何とも言えない甘美な感触と背徳感を齎し、思わず欲望のままに伊都子を味わいたくなってしまうが、恵はぐっと堪えて彼女を気持ちよくさせることに神経を集中させる。

 

 この二人、桃井恵と石井伊都子が抱き合うことになったのは、恵が管理人に相談に行ったことが切っ掛けだった。

 

 あの死神事件の最中、恵を伊都子の部屋に放ってきた結果、二人は親しい友人関係を築くに至ったのである。

 

 おかげで以前よりも明るくなった伊都子だったが、やはり山内に強姦されたショックは大きく、今でも時折塞ぎ込んでしまうというのだ。

 

 そんな伊都子をどうにかしてあげたいと思った恵が、彼女と知り合う切っ掛けを作った管理人に相談した際、「これはもう同じことをして気持ちで癒すしかない」と言われてこうなったのである。

 

 どうやら伊都子は恵に好意を抱いているようなのだ、そしてまた恵も。やはり二人きりになり、お互い相談し合う仲になったのは気持ち的な変化を起こしていたのであった。

 

 これなら、多少は無茶をしても大丈夫だろう。そう考えての管理人からの提案だったのだが、結果的に正解のようだった。

 

 二人はまだ若く性のことが分からない可能性があったので一応、恵が伊都子の膣に挿入し姦通させるまでは管理人も手伝っていたのである。

 

 抽挿する毎に恵の中へと伊都子の気持ちが伝わってくる。抽挿される度に恵の優しい気持ちが伊都子にも伝わってくる。

 

 この性交が、二人の気持ちを、愛を、高めに高めているのだ。それを二人は感じ合う。互いの肌と肌で。生まれたままの姿で愛し合いながら。

 

「あッ あッ あッ ひぐ……うう……ッ んああッッ アアッッ」

 

「うっ、くっ、も、もうっ、限界ですっっ」

 

 必死に腰を打ち付けていた恵は限界を訴える。もう持たない、出そうだと。

 

 頬を赤く染めて身体から汗を流しながら、突き込みによる振動で大きな胸をたぷんたぷんと揺らしていた伊都子も同じく達しそうになっていた。

 

 喘ぎがもう嬌声を通り越して悲鳴に近くなっているのを自分でも感じていた。

 

 そんな二人を見ていた管理人は、最後の仕上げだとばかりに恵に最後の指示を出した。

 

「よ~し、じゃあ奥まで入れるんだ。奥までしっかり入れて、伊都子ちゃんの子宮を清めるんだ。山内の汚い性の残りカスなんぞ恵くんの愛で洗い流してやれッ!!」

 

 小心者の山内は万が一があってはマズイと中出しだけはしていなかったらしいのだが、伊都子が彼に汚されたのは事実。

 

 だからこそ恵は彼女の身体を綺麗にしてあげなければならない。それが出来るのは恵だけなのだから。

 

 そう言い聞かされた恵は射精の瞬間、言われた通り根本まで突き込んだ。

 

 ずぶぅぅぅ!

 

「あッアアアアァァ~~~~ッッ!!」

 

 どくどくッ、びゅううううう~~~ッ

 

 脈動を繰り返すペニスを通じて、愛する恵の精を送り込まれる伊都子は幸せな気持ちになって、彼に抱き着く。

 

「めぐるくんッ……熱いッッ、熱い~~~ッ」

 

「伊都子、伊都子の中ッ、伊都子の身体はッ、僕の精子で綺麗にしてあげるからッッ 僕が伊都子を綺麗にしてあげるからッッ!!」

 

 どくッ どくッ どくッ……

 

「めぐる、くん──ッ」

 

 そうして互いを抱き締め合いつつ果てながら。

 

 反り返っていた伊都子はくてんと恵の右肩に頭をもたれかけさせ。

 

 恵が彼女を優しく受け止め抱き締めながら、彼女の頭に頬を擦り込む処を見届けてから、管理人は幸せそうな二人を残して部屋をあとにした。

 

 

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

 

 

 二人の絶頂を見届けた彼は「良いことしたぜぇ~」と意気揚々と管理人室に戻ると、待たせていた妻を抱き締めた。

 

「ただいまぁ~双葉ちゃん」

 

「おじさん遅いですよッ!」

 

「悪い悪い、ちょっと若者の手助けをしていたんでねぇ」

 

 彼は遅いと怒る双葉の長いポニーテールの髪を優しく撫でながら、彼女の唇にそっと口付けた。

 

 甘えてくるかわいい妻は、後二年もすれば此花学園を卒業となる。だが卒業を待たずに結婚してしまったのだ。

 

 藤崎双葉は16歳。つまり親の承諾さえあれば結婚可能な年齢で、彼との結婚という選択を彼女は選び、両親をも説得してしまったわけである。

 

 なにせ彼と双葉は、双葉が此花学園を卒業すると同時に結婚しようと約束していたのだから、それならもうしてもいいじゃないですかと彼女が周囲を押し切ったのだ。

 

 このとき、双葉のお腹には彼の子供が出来ていたりするのだが、今はまだ知る由もなかった……。

 

 今日も管理人室の奥で還暦を迎えるおじさんと、16歳の女子高生な奥さん──藤崎双葉は愛し合う。

 

 一見すると不釣り合いな二人。だが、これほど深く愛し合う男と女はそうはいない。

 

 理想的な夫婦となる二人の愛の日々は、まだまだ始まったばかり……。

 

 

短編集内の各お話と投稿予定(未定)の続きやお話で読んでみたい作品はありますか?(ご期待に副える事が出来るかどうか分かりませんが、一ご意見としてお伺いしたいと思います)

  • コードギアス
  • コードギアスR2
  • 此花トゥルーリポート
  • FF4×FF6
  • カオシックルーン
  • 学園黙示録
  • ルパン三世 ワルサーP38
  • 幕末風来伝 斬郎汰
  • ニードレス
  • ヨルムンガンド
  • 少女少年
  • 北の告発
  • サラダデイズ
  • クレセントノイズ
  • ひとひら(甲斐×理咲の近親相姦物)
  • ESアザーワイズ(戒×瑠璃)
  • 遊戯王GX(十代×カミューラ)
  • 魔装機神(マサキ×モニカ)
  • 椎名君のリーズニングファイル
  • RAVE(ハル×絶望のジェロ)
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