※この作品はR-18です。

二次創作SS集   作:夜半の月

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友人よりの頂き物二―ドレスSSが掲載解禁されたので載せていきます


***白黒引力***

 

 

 ***白黒引力***

 

 

 

 重たい、痛み。目を覚ました時にクルスが感じたのは、腹部や指先、後頭部へ鈍重に響く痛覚だった。

 

「(……ッ、あれ、僕は一体どうして寝ていたんだ……)」

 

 痛みに朧気に歪む思考を辛うじて保ち、目を開く。目蓋の暗闇に慣れていた瞳へ除ろに飛び込んでくる風景は、黒で統一されたゴシック調の部屋。黒々として柔らかい羽毛が敷かれた寝台の上で自分は横たわっていた。辺りを見渡せば、視界のほぼ全てが黒色が支配している。黒い羊毛の絨毯、漆黒に照り光る家具達、幾何学模様が不気味なシャンデリア。何もかもが黒い影絵の中に迷い込んだように錯覚するくらいに、他の色の存在が殆ど見えないこの部屋の中で、クルスは異色を見つけた。

 

 その異色は、ミルクを入れた珈琲のようなコカブラウン。束ねられた三つ編みが印象的な髪、その持ち主は、黒い洋風の椅子に深々と背を預けて座っていた。

 

「気がついた? 随分痛めつけられたようだから、もっと遅くに起きるかと思ったわ。手、大丈夫?」

 

 少女の透き通るような明るい声が耳に入り込んでくる。ふと手に目をやると、白い包帯が幾重にも巻かれていた。重層の布地の下には、皮膚を貫き骨が軋む感覚が確かにあった。

 

(ああ、さっき美央ちゃんのぬいぐるみに潰されたんだっけ……)

 

 アイアンマウンテンにての抗争の際、彼はシメオンの手先によって手荒い攻撃を受けていた。容赦なく重圧に潰された筈の両手が丁寧に手当てされているのを理解したクルスは、その施術の主らしき彼女に頭を下げた。

 

「あの、貴方がボクを助けてくれたんですか? 手当てありがとうございま……」

 

「……助けてくれてですって? …………あははははははは!!」

 

 クルスが言葉を言い終える前に、高らかな笑い声がそれを遮る。何が可笑しいのか、少年には理解が及ばなかった。一頻り独り笑った後、本当馬鹿なんだから、と彼女は艶やかに呟いた。そして彼女は椅子から立ち上がり、ゆっくりとこちらを見つめた。燭光に照らされた顔にはまだ若干の幼さがある。しかし唇に当てられた白い指や、女性として豊かな曲線を描く肢体は何処と無く艶美であり、大人びた色香を醸し出しているのに思わずクルスは見取れ唾を飲んだ。そんな彼の頬を指でなぞりながら、彼女はこう言った。

 

「助けたられたんじゃなくて、貴方誘拐されたのよ。シメオンに。気を失う前の事、覚えてない?」

 

「誘拐……!?」

 

 その語句に、混雑した意識から過去の記憶を正確に引き出す。ああそうだ、僕はあの時、手を潰された後に美央ちゃんに殴られて……気を失った。やっぱり美央ちゃんはシメオンの手先だったんだ……。そう確信すると同時に、今の状況に対して大きな危機感を覚える。目の前で微笑む少女がシメオンの一味ならば、自分に何らかの行動を取るはず―─それも、危害に近いものを。その思考は自然と身体を強張らせた。けれど彼女は、そんなクルスに危害を加える様子もなくこちらを見つめているままである。

 

「自分の置かれた状況を理解したかしら? 私は貴方の監視役ってわけ。でも、私は貴方に危害を加えるつもりはないよ。貴方が大人しくしていてくれるなら、ね」

 

「……僕は人質ということですか」

 

 そう話しながら、羽毛の布に包まれた自らの身体には、何の拘束も施されていない事や室内には他の人間の気配が全く無いと確かめた。護衛の一つも無く、丸腰で、自分の間近にいる。そんな余裕を含んだ少女の振る舞いに、彼女がニードレスであることが暗に感じられる。それでもクルスは冷静に、目の前の少女に真直ぐな眼差しを向けて問いたのだ。只、彼女は反発を俄かに示す口調など歯牙にもかけない。

 

「そうよ。分かっているならいいのよ、貴方の持っていた極秘名簿ももうこちらのものだし。神父達をおびき寄せる餌にもなる貴方を無理に痛め付ける意味もないもの。貴方はいるだけでシメオンにとって多大な利益をもたらしてくれるんだから」

 

 にっこりと微笑みながら、徐に彼の横たわる寝台に腰をかける少女。制服調の上着から覗く短いスカートと長い黒の靴下の間にある白い太股に手のひらを乗せて、絶望するクルスの方に目をやる。

 

「……僕をもし神父様達が助けに来なかったらどうするんですか」

 

 羽毛毛布を強く握り締め、クルスは小さく呟いた。その「もしも」が本当になってしまったら、姉も失い仲間にも見捨てられた自分を想像すると、背筋が寒くなる。彼の心底を見透かすように、瞳を覗き込みながら少女は返す。

 

「私の人形にでもなってもらうわ。羞恥も欲求も感情すら捨てて、好きに遊べる傀儡なんて、誰でも一つ位欲しくはなるでしょう?」

 

 さらりと少女の口から零れたのは、凍てつくような一言。傀儡、人としての何もかもを失い生きる存在を彼女は作り出す事が出来る、そう暗に感じさせる口振りだ。その言葉に恐怖と嫌悪が沸き上がり、自然とクルスの眦も鋭いものに変わる。

 

「……随分と悪趣味なんですね。人を人形扱いになんて普通したくなりませんよ」

 

「あの神父程じゃあないけど? 同僚の話じゃ、随分と背徳的な性癖をお持ちらしいじゃない」

 

「貴女に神父様の何が分かるっていうんですか!」

 

 彼女の一言に、つい声を荒げて喰いかかる。だが当の彼女は沈着そのもの。激昂している自分とは裏腹に、彼女は感情を硝子のような微笑の下に思えた。本当の事など、殆ど話していないのではないだろうか? そのような疑惑すら浮かべさせる無機質が、彼女を覆い隠しているようだ。

 

「……確かに私は貴方程神父のことは分からないわ。けれど、私のことも分からない貴方が私の事を悪趣味と決め付けるのと私の言葉はどう違うのかしら? 貴方、まだ私の名前すら知らないでしょう?」

 

 その一言にクルスは押し黙り、暫くの間俯く。

 

「……確かにボクも悪かったです。……なら、今から貴女の事を教えてくれませんか?」

 

「はあ? 私の事を教える? 何を言ってるのかな?」

 

「貴女が自分の事を話してくれれば、僕は貴方がどんな人なのか分かる。同様に、貴女が僕のことを理解してくれれば貴女も僕がどんな人間だか分かりますよね」

 

「それがどうしたっていうのよ? 私達、敵同士なのよ?」

 

「そうだとしても、もしかしたら分かり合えるかもしれません。お互いを知れば、理解し合える可能性も少なからず生まれるでしょう? そして何より僕は、貴女のことを知りたい」

 

 彼女が頓狂に返事をしても、クルスは真摯に言葉を紡ぐ。

 

「……貴女、かなり変わってるんだね。気に入ったわ」

 

 少しずつクルスに近寄りながら呟く少女。彼女に怯える様子ももうなく、しっかりと彼女に視線を向けてクルスは言った。彼女の紅い瞳は、直視すると宝石の如き美しさがあることに少年は気がついた。口角に浮かべられた微笑からは、あどけなさすら感じられ、クルスは警戒を殆ど忘れ敵意の無い口調で尋ねた。

 

「お名前、何ていうんですか」

 

「胡桃だよ。覚えやすい名前でしょ?」

 

 肩に下がった三つ編みを軽く後ろに流しながら胡桃はベッドにもたれ掛かる。

 

「可愛い名前なんですね。ボクの名前はクルス・シルト。これでお互い名前で呼び合えますね」

 

 軽く微笑みながら胡桃に目をやる。すると彼女は笑いながらクルスの側へと更に近寄っていく。袖から覗く細く白い指が、彼の頤を柔らかに撫でた。

 

「そうだね。でもクルス君。もし今まさに、私が貴方を人形にしようとしているんだったらどうする? それでも私の事を知りたいと思える?」

 

 挑発的な表情をしながら指でクルスの顎を持ち上げる。今にもお互いの唇と唇が重なってしまいそうなくらい近い距離で紡がれていく言葉。顔に触れる吐息は妙に熱かった。

 

「ええ、貴女のことを知りたいです」

 

「そう……じゃあいい事教えてあげるね。私はニードレスなの。その能力はね、キスをした相手を思うままに操れるってものなの。だから……今貴方の唇を奪ってしまえば貴方を自殺させる事さえ出来るのよ?」

 

 胡桃は己の能力を矜持しながら、更にクルスとの距離を狭めて行く。それでもクルスは真剣なまなざしのままだ。そこに状況を危惧するような表情は伺えない。

 

「そうですか。胡桃さんのような美しい人に殺されるなら本望です」

 

「…………。貴方、何で怖がらないの? 普通こんなこと知ったらこの距離で会話なんて出来ないでしょう? 唇が一度触れれば、貴方もう私の言いなりなのよ?」

 

「別に大丈夫ですよ。それより胡桃さんは黒が好きなんですか? この部屋、殆どの物が黒一色ですけれど……」

 

 クルスの従容とした振る舞いに胡桃はいらつく。自分の力を恐れない人間なんているはずがないのに。何故この少年はここまで自分と普通に接していられるのか。そんな不如意な相手を崩してやろうと、不意に彼の唇を奪った。

 

「黒の引力に染まって……?」

 

「んぐっ!!」

 

 唇が重なり合い、ゆっくりとESPウィルスが口内から体内へと侵入していく。ウィルスが入り込む口の中では胡桃がクルスを放すまいと熱く舌を絡める。口内で唾液が混じりあい、腕では彼を抱き締めて、拘束する。だが拘束された彼が取った行動は、自分から離れようとするものではなく、自分を求めるように腕で肩を抱いて、口膣で胡桃の舌に積極的に絡み付いてきた。一瞬で終わらせる筈だった接吻が、長く続く。

 

「ん……あっ…………」

 

 予想外の抵抗に胡桃はつい耽ってしまう。交じり合う唾液は嫌に甘く、舌先から身体へと広がる感覚はぞくぞくと身体を震わせる。気がつけば胡桃よりもクルスの方が積極的に唇を貪っていた。嫌に手慣れた舌使いと指使いが官能的に身体を責める。キスが終わる頃には唇はすっかり熱くなって、恥じらいは顔を火照らせる。口付けが終わってすぐ、胡桃は身を退けて手で唇を覆い隠した。

 

「貴方……おかしいんじゃないの!? キスされたら人形になるっていうのに、なんで貴方から私にキスしてくるのよ!?」

 

「あ……すいません。胡桃さんが可愛かったのでつい……。僕のキスどうでした? これでもキスには自信があるんですよ」

 

 顔を真っ赤に染めながら怒る胡桃を気にせずクルスは平然と言いのける。

 

「……貴方、馬鹿みたい。もう私の思いのままに動かせるのよ? これがどういうことか分かるわよね?」

 

 林檎色に顔を染めながらも胡桃はクルスに脅しをかける。だがクルスはそんな彼女の表情を楽しむように再び顔を近付けた。

 

「じゃあ僕もこれでお終いですね。なら最後にもう一度だけ、キスをしてもいいですか?」

 

「え……?」

 

 胡桃に答える暇も与えず直ぐさまに彼女の唇を奪い、再び口内を貪る。しっかりと彼女を抱き寄せて、器用に舌を動かす。最初は拳で胸板を叩いていた彼女の抵抗は、接触の時間が長くなるほど弱くなり、最後には背中に爪を立てるのみとなった。目に映る胡桃の表情は驚きながらも快感に酔い痴れるものなのが少年には堪らなく愛おしい。何分か唇を接し合わせた後、クルスは顔を離してにっこりと微笑んだ。気持ち良かったですか、と。

 

「ば、馬鹿ぁ!!! また私とキスするなんて本当におかしいんじゃないの!? しかも私は……キスしていいなんて言ってないのに……」

 

 耳まで真っ赤に染めた胡桃がクルスに怒声をあげる。太股の間に手を挟み込んでもじもじと恥じらう胡桃は上目遣いにクルスを睨む。先程の威勢は何処かに消え、上辺だけの虚勢が少女の身体に残っている。少年は思いの他可愛らしい反応を早く見せた彼女の頬をつつく。

 

「あれ、もしかして胡桃さん相手からキスされたのは初めてなんじゃないですか? 顔、真っ赤ですよ?」

 

「そ、そんなことないわよッ……!! 年上を馬鹿にするのもいい加減にしてよね!」

 

「やっぱり初めてなんだ、胡桃さんってやっぱり可愛いですね」

 

 笑いながら胡桃を茶化すクルスには、もう人質としての様子は見えない。そんな彼を見て、胡桃はわなわなと身体を震わせる。

 

「何よ……ニードレスの私に何でそんな風に振る舞えるのよ……、私の唇は悪魔の唇なのに……」

 

 それを聞いたクルスの表情に、再び真剣さが戻る。

 

「……ニードレスだからって、他の人と区別したりしませんよ。僕からすれば、胡桃さんは可愛い女の子にしか見えませんよ」

 

「……また一つ私のこと教えてあげようか? 私、誰からも忌み嫌われているのよ。昔からずっとそう。やっと居場所になると思ったシメオンにだって、道具として扱われるだけで心から話せる友達はいないし、私を愛してくれる人も勿論いない。だって、洗脳の能力を持った人間なんて、不気味でしかないでしょう? 人を愛する仕草が、人の感情を殺す道具になるのよ。だからいくら私が明るく振る舞ったって変わらない。……私はニードレスなの、要らない存在なのよ」

 

 黒い燭台から漏れる黄色の光が揺れる。光に照らし出された二人の影が黒い床にうっすらと浮かび上がった。

 

「……じゃあ、僕が貴女を必要としてるのはいけませんか?」

 

 自然と涙を零し語る胡桃の頬を傷付いた指先でそっと撫でて、優しく言う。

 

「……何でそこまで私に優しくするのよ」

 

「貴方を好きになったからです。それじゃ理由になりませんか? 僕は貴女のことを、もっと知りたい。誰も知らない、貴方の可愛らしい一面も、繊細な一面も、全て、ね」

 

 徐に彼女を押し倒し、彼女の手のひらを両手で握った。それを聞いて更に真っ赤に顔を染める胡桃。心臓の鼓動が異常に早くなり、目の前の彼をまともに見ていられなくなる。薄らと顔を紅くしている彼が、自分のことだけを見つめ、他の何物にも変えがたい熱い視線を注いでいるのだから。情愛とは、一瞬から生まれる激しい熱を帯びたものなのだろうか? 誰からも素の自分に対し向けられた事のない感情を、少女は知りたくなった。何が、彼を求めているのかを。

 

「……出会ったばかりなのに、馬鹿みたい。なら誰も知らない私を知ってみなさいよ?」

 

「喜んで」

 

 にこやかに微笑むクルスを受け入れるように、胡桃は彼を抱き寄せた。二人の身体が黒い羽毛に沈んでいく。彼女を愛でるように優しく手のひらで顔を抱え、首筋に舌を這わせる。

 

「んッ……やけに手慣れてるじゃない……」

 

 

 

「……身体を売っていたことがありますから。ブラックスポットで生き残るために、自然と身に着いてしまったんですよ」

 

 再び唇を交じり合わせ、両手で彼女の豊満な胸を揉みしだく。服越しでも十分なくらいに柔らかい胸の感触が指先に温かく伝わっていく。柔丘の内側では鼓動が高まっているのだろう、仄かに浮かぶ汗が肌をつややかに照らした。その間にもクルスの唇に溺れる胡桃は、小さな喘ぎ声をあげながら彼を抱き締めた。瞬間的な接触でなく、食事に近い貪欲な接吻が此れほど甘美なものだったのか。

 

「……下着、脱がしますよ」

 

 唾液が糸を引きながら離れた唇が言葉を綴って、赤地のチェックのスカートと黒いニーソックスの間にある真っ白な太股の中へと手を伸ばす。

 

 このままそこに顔を埋めてしまいたいと思える程にいやらしいそこから、下着をするするとさらっていく。粘性のある透明な愛液が絡み付いた下着を片足に掛けたまま、ゆっくりと手をスカートの中に忍び込ませた。

 

「や……随分エッチなやり方をするんだね。……ッ、ああッ!! そんなに掻き回しちゃ……駄目……ッ……!! んああッ!!」

 

 艶めかしい声をあげて反応する胡桃を楽しみながら、濡れた花園を指で荒らし回る。動かしている際にそれを挟み込むように抵抗する太股は肌に吸い付くように柔らかく、指の動きをより荒回させた。僅かに指を押しのける弾力は、欲情を煽ぐ肉体の抵抗と要求のようだ。

 

「随分濡れましたね……」

 

 スカートの間から垂れる透明の愛液が太股と靴下を汚している。まるで失禁したように恥じらい感じる胡桃の表情がとても可愛らしく、ついに押さえ切れなくなったクルスはスカートの中へと頭を埋めた。内側にある素肌の香りが興奮を更に高め、犬のように少年は花弁を舐め回す。

 

「いやああッ、んッ……もっと……もっと舐めて……! もっともっと深く私を愛して……!」

 

 淫靡な音を立てながら暴れ回る舌は更に動きを早める。胡桃はそれをもっと深く感じようと太股で彼の頭を挟み込んで、両手で彼の頭を秘部に密接させた。

 

「はあ、はあっ……凄く美味しいです、胡桃さんの愛液。まるで蜂蜜のようだ……」

 

 尚も舌で愛液をすくい続けるクルスを求めながらも嫌々と頭を振り乱す胡桃。三つ編みがゆらゆらと揺れて、しなやかに肩へと戻っていく。

 

「んっ……そろそろ……入れますよ……?」

 

 股から顔を離して、下衣を脱ぎ捨てたクルスの股間には、血管を滾らせた大きな剛直があった。

 

「やあッ……凄く大きいのね……んッ、早く頂戴……お願い……」

 

 既に先走りが軽く流れており、真直ぐに屹立する肉槍を黒光りさせている。息を荒げ、うっすらと汗を浮かばせる胡桃の足の間へとゆっくり近付き、肉欲を宛がうと少年は前後に動き始めた。愛液が剛直に絡み付き、太股がそれをきゅうきゅうと挟み込もうとする。

 

「うああッ……胡桃さんの太股……凄く柔らかい……これだけでイってしまいそうだ……入れますよ……っ……」

 

 しばらくの間摩擦を楽しんだ後、ついに秘部へと剛直を入れ始める。

 

「ん……優しく……してね……?」

 

 緩慢な動作で、締まる花弁の中へクルス自身が入り込んでいく。愛液と粘膜が滑りを良くしながらも、花弁は剛直を締め付ける。そしてついに、胡桃自身の中にクルスの剛直はしっかりと収まった。

 

「んああああッ!!! お……おおきい……っ! クルス君……凄いっ……はああんっ!」

 

「胡桃さん……っ……!! ボクも気持ちいいです……っ……」

 

 圧搾するように締め付けて来る蜜壺をものともせずクルスは何度も何度も前後に揺れ動く。空いた両手ではひたすらに胸を触り、身体を引き寄せ腰をぶつける。飴玉を舐めるように吸い付く桃色の花は愛液を分泌してクルスを受け入れ続ける。ああ、愛されるというのはこんなに心地よいものだったのか……絶え間なく続く快感に漬かった胡桃は過去の痛痒な思い出を忘れてしまうくらいに、ただ目の前のクルスを望み続けた。目の前にいる彼に、再び唇を重ねて身体の隅まで重なり合う。

 

「はあ、はあ、胡桃さん……! イきますねっ……!!」

 

「クルス君……! あ、あああああああああああああああッ!!!!!」

 

 二人の快感も絶頂に達し、硬化し勃起した一物から白い獣欲が胡桃の中に大量に吐き出される。音を立て軽く漏れるくらいに出されたそれは、胡桃の中へと甘く染み込んでいった。荒い吐息を露出した肌に交わしつつ、顔を紅潮させ向かい合う二人の中に快感の余韻が広がっていく。

 

「胡桃さん、すいません……服、汚れちゃいましたね……」

 

 精液と愛液で濡れたスカートを軽く摘まんで、胡桃は呟く。

 

「そんなことより、まだクルス君は裸の私を知らないよね」

 

「えっ?」

 

 上着を脱ぎ出し、豊潤な胸と健康的な肢体をさらけ出した胡桃にクルスは軽く動転する。

 

「私色に染まって?」

 

 もはや敵同士だということも忘れてしまうくらいに、彼女らはまたお互いを求め愛し合う。恋をするのに深い言葉は然程必要ではなかった。恋人と恋人は自らを隠蔽する何もかもを捨てて、目前の愛情に溺れていく。黒い枠の窓硝子に入り込んでくる太陽の光は何処までも澄み切っていて、黒い部屋に白い光を差し込ませていた。

 

(終)

短編集内の各お話と投稿予定(未定)の続きやお話で読んでみたい作品はありますか?(ご期待に副える事が出来るかどうか分かりませんが、一ご意見としてお伺いしたいと思います)

  • コードギアス
  • コードギアスR2
  • 此花トゥルーリポート
  • FF4×FF6
  • カオシックルーン
  • 学園黙示録
  • ルパン三世 ワルサーP38
  • 幕末風来伝 斬郎汰
  • ニードレス
  • ヨルムンガンド
  • 少女少年
  • 北の告発
  • サラダデイズ
  • クレセントノイズ
  • ひとひら(甲斐×理咲の近親相姦物)
  • ESアザーワイズ(戒×瑠璃)
  • 遊戯王GX(十代×カミューラ)
  • 魔装機神(マサキ×モニカ)
  • 椎名君のリーズニングファイル
  • RAVE(ハル×絶望のジェロ)
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