※この作品はR-18です。

二次創作SS集   作:夜半の月

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友人よりの頂き物作品です



***『白日狂艶』***

 

 

 

 ***『白日狂艶』***

 

 

 真夏の月である八月がここ日本において旧来の暑さを熱帯の猛暑と変えたのは投下された核爆弾の群が為したのか、地球の気まぐれだかは定かではないが、ここブラックスポット有数の断崖内が灼熱の地獄と化しているのは間違いなかった。

 

 日中の暑さは最早人肌にとって立派な「熱さ」であるのを物語るのは、道端で項垂れ座り込む屈強な住民らの頬を伝い地へと流れ落ちる汗が一瞬で路面から蒸発するその様だ。

 

 道路はまるで火に掛けられた鉄板のようであるから、座り込むのが苦痛なのは間違いない。

 

 しかし、水が充分に摂れないこの地において炎天下で移動や活動を続けるのは困難な話であり、職業の無い貧しい者や定まる収入の無き追いはぎなどは路地裏を熱中に踊った挙句倒れるか座り込むかが常であった。

 

 故に窓の外でどのような人々が衰弱していても、クルスは水を施す気にはなれなかった。

 

 大抵の場合、水を一杯でも与えれば自分達の分まで奪われる事になるのは明白で、下手をすれば金品、家財、それだけならばまだ良いほうで最悪なら命を、そして何よりも大切な恋人を奪われかねない。

 

 真上から差し込んでくる垂直の陽光が持つ熱を少しでも避けようと、少年は窓際の開きかけたカーテンを閉じた。

 

 普段ならば日光の届かぬこの断崖は日中でも時折寒いくらい涼しくなるものだが、夏至に当たる今日はそんな時間などなさそうである。

 

 寧ろ、熱が篭るような入り組んだ構造は穴倉の家を蒸し風呂、いや蒸し釜のようにしていたので、寝具の上で輾転反側する胡桃もクルスと変わらず身体に夥しい量の汗を滴らせずにはいられなかった。

 

「あつい、あつい、ほんと暑いー……。こう暑いと折角の休日なのに何も出来ないよー……」

 

 うつ伏せになり腕を伸ばした彼女は肉付きの程よい脚をばたつかせて言った。

 

 薄手のワイシャツ一枚にレースの下着、太股の半ば辺りまで伸びる靴下のみである格好でそのように動かれると、欲求の盛りである少年は自制を試みながらもそちらを見ずにはいられない。

 

 黒い靴下の軽い食い込みの上で震える太股は彼の情欲を激しく刺激し、思わず唾を飲み欲情は自然と疼き跳ねた。

 

 今すぐにでも彼女に圧し掛かり、欲望が尽きるまで突き倒したいとさえも自然に少年は感じた。

 

 しかし、こうも暑いと途中で二人とも絶頂ではなく熱中に昏倒するのが目に見えていたので、クルスはデニムを力一杯握り締め堪えるより他は無かった。

 

 それでも胡桃はあついあついと騒ぎながら、寝返りを打ったり胸元を大きく開いては閉じたりをして熱さを紛らわそうとし続けるので、クルスは終に耐えかねて言った。

 

「そんなに暑いなら、外にでも行って涼みませんか」

 

 汗で透けたワイシャツの下で御椀型に自己主張する双丘がこちらに向き、僅かに揺れた。

 

 涼むといった言葉に直ちに反応した胡桃は嬉しげな表情を見せながら、そうしたいと二回繰り返した。

 

 女の子座りをして彼に「涼むあてがあるなら早く外に行こうよー」と懇願する彼女の嬌態に魅了されたクルスは、彼女に一枚だけローブを羽織りように告げて自らも軽装を纏い始めた。

 

 暑いときに重ね着するというのは妙に聞こえるかもしれないが、肉体を直射日光や熱風から守る大きな黒い布は実際に暑さを凌ぐための立派な防具となる。

 

 大きな水筒にたっぷりと水を入れ、干し肉を何切れか、塩を皮袋に入れれば外に出るために必要な全ては充分なように思えた。

 

 ただ、念入りに酷暑への準備を進めた所で、外で室内よりも涼しくなる手段に当てなどはないのだが。

 

 賢明なクルスには珍しく、殆ど情動からの行動であった。

 

 そんなことも露知らず、胡桃は熱帯の現状から解放されるのを夢見て、鼻歌を歌いながら彼の準備を手伝うのだった。

 

「ねえ、なにこれ……全然涼しくないんだけど……?」

 

 何の算段もなく家を飛び出したのは良いものの、断崖を上り詰めた先に拡がる砂漠の景色に佇めば当然、熱は激しさを増して彼らに襲い掛かった。

 

 ローブの下は半裸なのにも関わらず、胡桃は自分が火の中に投げ込まれているような錯覚を覚えていた。

 

 少年もそれは同じで、いきり立つ情欲の権化も勢いを弱める程日輪の熱射は激しかったのである。

 

 太陽がこんなに照りつける中、砂漠と変わらない荒野に飛び出していくなんて僕は頭が狂ったのかもしれない、とクルスはぼんやりとした頭で考えた。

 

 水を飲んでも飲んでも、暑さに目が眩み身体が変によろける。

 

 これじゃ自殺に行くのと変わらないんじゃないの、と胡桃がぐったりとしながらクルスに毒づいた。

 

 反論など言えるわけも無く、クルスは黙って頬の汗を拭った。

 

 暑さは人の判断を鈍らせるというが、まさかこれほどまでとは。

 

 家でおとなしく夜を待ち、行為に耽ればよかったのだろうと正常な頭脳の断片が冷ややかに彼の中で囁いた。

 

 もう戻ろうか、と彼が言いかけたその時、視界の片隅に歪な影が映りこんだ。

 

 日光の球を頂点に輝かせ、残るは黒い影となったそれはどうやら廃屋らしかった。

 

「あそこです、あそこで涼もうと思っていたんですよ、胡桃さん」

 

 クルスは深く考えもせず出任せを口走り、鉄筋が剥き出た廃屋を指差した。

 

 あそこが実際に涼しいのかは甚だ疑問ではあるのだが、輪郭を見る限りそれなりに影を落としていそうな建造物なのは間違いないと言葉を告げ終わってから判断したクルスに、熱帯からの脱出を希う胡桃は弱弱しく頷いた。

 

「どこでもいいから、涼しいところで休ませて……このままだと本当……死んじゃう……」

 

 胡桃の願いも、クルスの判断も虚しく廃墟の中には溢れんばかりの日光が差し込んでいた。

 

 丁度日が傾いた頃合だったせいで、西日は廃墟の崩落した壁だった場所を筒抜けて影を完全に抹消していた。

 

 この状態では流石に、帰る為の体力を回復することも出来ないと直ちに判断したクルスは、自分と彼女の黒衣を剥いで、鉄筋を用いた簡素なテントを作った。

 

 布の裂け目から僅かに日光は零れてきたが、久方ぶりの日陰は何よりも心地よいものとして完成した。

 

「あー、本当死んじゃうかと思った。シメオンから逃げてて、その逃亡先で追っ手じゃなくて暑さに殺されるとか笑えないわよねぇ」

 

「本当ですね、涼しくなって良かった」

 

 日陰でゆっくりと水を飲みながら、二人は自分達の愚行に笑った。

 

 日に照り付けられ続けていた煉瓦敷きの地面に多少の水打ちをしたお陰で、爽やかな風も流れ込んでくる。

 

 暑さに苦しみ続けていた肉体は、徐々に平常に立ち直りつつあった。

 

 そうして余裕が生まれてくると、クルスは目の前の状態に再び激しい性欲の高ぶりを感じた。

 

 普段ならば野盗に警戒する必要のある屋外も、今日に限っては暑さで人一人全くいない無人状態。

 

 連日の仕事で疲れ果てていた身体は本能をより鋭敏にし、自らの遺伝子を目の前でむぼうびにいる少女の中に残したいと跳ね回っている。

 

 加えて、胡桃はいつもと変わらない調子で天真爛漫に伸びをしたり、彼に笑いかけたりしてくるもので、薄着が透けて素肌が殆ど露になっているのも気にせずにいることは、彼の理性を完全に断ち切るのに充分すぎる要因だった。

 

「それでね、そこの承認が値切る私に冗談みたいな要求を出してきたわけ」

 

 臀部を覆うワイシャツから伸びる艶めかしい脚に垂れる汗は黒い靴下に滲むか、太股の影に滴り落ちる。

 

 滑らかな絹のようなその太股に愚息を挟まれればどんな官能に溺れられるだろう。

 

「そうなんですか」

 

 服から透ける胸は半分が布に隠れ、合間から一筋の汗を滴らせている。

 

 挟み込まれた液体の代わりに、自身をあてがい忍び込ませたらどれほどの心地よい弾力を感じるだろう。

 

「安くしてやるから、代わりに一回抱かせろっていうのよ。たかがパン二日分の為に。有り得ないでしょ?」

 

 服の隙間から見える細腰と臍は妙に艶やかな桃色を纏って、彼の接吻を待ちわびているように見える。

 

 舌でなぞれば、脳髄にはどんな快楽が浮かぶだろう。

 

「それは酷いですね」

 

 もう少年は殆ど思考していないも同然だった。

 

 空返事を繰り返してばかりで、視線の移動と共に息は徐々に荒くなり、じりじりと距離を詰める。

 

 ブラックスポットにおいてはかなり頭の回転が早いといえども、肉体はまだまだ自制よりも発散を求める少年そのものだ。

 

 大人ぶった理性の糸が次々と断たれているのを俄かに感じ取った胡桃は、身を固め「なんかクルス、狼みたいになってるけど大丈夫……?」と冷や汗を垂らした。

 

「ええ、大丈夫ですよ、僕の方は……!!」

 

 そう言うと、少年は服を一気に脱ぎ捨て、警戒を示した彼女に突然覆いかぶさった。

 

 普段数え切れぬほど性交を重ねている間柄であるにも関わらず、平時では有り得ない完全に獣欲に靡いた彼に胡桃は思わず悲鳴を上げた。

 

 ただ、悲鳴は砂漠の天空を揺らすことなくクルスの口の中でもごもごと掻き消えていく。

 

 無理矢理に重ねられた唇は情欲の頂点に達するその時のように初めから熱く、また繊細に彼女の性感を刺激する。

 

 口内で逃げる胡桃の舌をクルスは容易く絡めとり、自らの唾液を擦り付け、彼女の口腔に粘り気を含んで分泌される涎を下品な音と共に飲み干していく。

 

 紳士的なクルスには考えられない貪るようなキスに胡桃は弱い抵抗をしながらも、白磁の双丘に実る果実を硬くし、乙女の秘所を愛液に熟れさせつつあった。

 

 それを見越してか、クルスは敏感になりつつあるそれらの箇所を右手と左手で器用に愛撫した。

 

 口付けを続行しながらも、しごくように桃色の突起を刺激する右手は動き続け、滑り込む蛞蝓のように割れ目をなぞる左手の指はいやらしく動いた。

 

 最初は呻き声をあげていた胡桃も断続的な愛撫に喘ぎを漏らし、彼の為すがままに力なく快楽に身を委ねていく。

 

 その時、既に二人の間を遮蔽するものは黒い靴下以外になかった。

 

 太陽がテントの真上に指す吹きさらしの荒野で、靴下以外の衣服は完全に脱がされ、全裸の少年に胡桃は組み伏され己の秘所に性欲の蛇が侵入しようとしているのを感じていた。

 

「おやおや、無理矢理しててもこんなになっちゃうなんて……胡桃さんって本当にいやらしいですよね。もしかしてさっきのパンの話でも、無学な店主にされるがまま抱かれちゃったとか? こんな風だと、そうだとしても不思議じゃないな……」

 

「やッ……そんなわけないでしょ!! 今は相手がクルスだから……あうッ、こんなになってるだけで……うああっ……それにクルスがいるのに他の人に抱かれたりする訳ないじゃない……それなら死んだほうがまし……っあううう!!」

 

 胡桃が弁解する合間も少年は彼女の身体に密着し身を揺らし、首筋を唇で挟み・噛み、白い太股を仕事に荒れた手で執拗に撫で、柔らかな双丘をもみしだいてはしゃぶった。

 

 弁解の最後には既に肉欲は彼女の中に入り込んでいた。野外・それも自らを隠す遮蔽物が全くないこの状況において、緊張した秘所は涎を溢れ返しながらも彼の剛直をきつく咥えこんだ。

 

 妙に昂った性の興奮と夏の厳しい暑さは肉体の交わりに大量の汗を生じさせ、その粘性が二人の身体をより密接に結びつける。

 

「う、うああああっ!! は、入ってきた……クルスの、いつもよりおっきいのが入ってきたよぅ…………!! ッ、ああああああっッ!!」

 

 完全に挿入が終わると、胡桃は耐え切れずに嬌声を上げた。

 

 白日の下解き放たれた艶やかな声は、一層性欲に滾る少年の腰を激しく動かした。

 

 彼女に覆いかぶさり一心不乱に腰を振るクルスの顔は恍惚と征服感に艶美として歪み、細い線の身体にしっかりとついた屈強な筋の表面からは球状の汗が落ちる。

 

 玉の汗は胡桃の太股に落ち黒い靴下へと薄らいだスペルマと共に染み込んでゆき、白い胸の先端に雨水の如く垂れた。

 

 汗による微弱な刺激と結合部に響く乱暴でいて男らしい腰使いの歓喜、体中に絡みつく手や舌や唇、汗に塗れた皮膚や髪のしたたかな愛撫に胡桃はただただ女としての悦楽を極め、頬を林檎色に染め上げ涎と喘ぎを絶えず漏らしながら自らもそれに答えた。

 

 柔らかな少女の腰はクルスの律動に合わせ動き、肉と肉芽・汗と汗とが交わる淫靡な音を青空の下に立て、くねるように動く肢体は自然と胸や太股・柔らかな下腹部を彼の硬い身体に擦りつけ、一層の欲情を煽った。

 

 次第に二人は外にいるという事実も忘れ、お互いの名を呼び、愛を囁き、快楽を叫び、ただ一心に性欲の赴くままに交わった。

 

「胡桃さん、胡桃さん、好きだ、好きだッ!!! くうううううううう、イクうううう!!!」

 

「う、ん、あはぁ、あたしも、大好きだよ……!? っつ、ああああ!! 来る、クルスの熱いのが沢山くるよぅ…………!!」

 

 後背部から少女を犯すと、クルスは自分が捕食者になったような、雄としての快楽を覚え膣から溢れかえる程の精液を射精した。

 

 また胡桃は少年の上に跨り腰を前後に振ると、彼を食しているかのような情欲の征服感を覚えていく。

 

 そうして四十八の体位を全て堪能し終わる頃には、熱い太陽は疾うに水平線に隠れ、青い月が紺色の夜空に浮かび汗だくで未だに繋がりあったままの彼等を見下ろしていた。

 

 出せども出せども収まらない剛直は未だに彼女の中で跳ねている。

 

 繋がりあい、吐息を互いの鼻先に感じたまま二人は性の奴隷と化したかのような虚ろな表情で話す。

 

「…………ちょっと……やりすぎましたね……」

 

「うん……頭おかしくなりそう……というかもうおかしいよ……私もクルスもまだ腰ふってるんだもの……ん、ひゃううッ」

 

「ん……あー……また出そうです……なんかもうこのまま死んでもいい気すらしますよ……」

 

「死んだら気持ちよくなくなっちゃうかもよー……っ、あん、でも本当そろそろ帰らないと……ってこら、また出てる……」

 

「じゃあ、あと一回だけしたら……」

 

「……もうそれ、五十回くらい言ってるわよね……って、ほんとにまだするのクルスってば……い、いやああああ……」

 

 そうして僻目で彼を見つめ何か文句を言おうとする胡桃を、クルスは腰の動きを再び荒げて誤魔化した。

 

 ぶらっくすぽっとの夏は熱い。

 

 涼しげな夜すらも、人の理性を熱情と欲望に溶かしてしまうほどに。

 

 三日月の浮かぶ夜空の下、二人は一度足りとも汗を拭う事なく交わりあった。

 

 無論、早朝に帰り着いた家の中でも昼夜通して同じ交わりが再び行われたのは、少女の媚態と少年の欲の昂ぶりが今も尚物語っている。

 

 恍惚に呆然と寝そべる胡桃の太股と靴下に描かれた精液のラインは、当分消えそうにない。

 

(終)

 




友人の書いたクルス×胡桃はこれで終わりです
二人の物語はブラックスポットで結婚して私の短編などに繋がっていきます

短編集内の各お話と投稿予定(未定)の続きやお話で読んでみたい作品はありますか?(ご期待に副える事が出来るかどうか分かりませんが、一ご意見としてお伺いしたいと思います)

  • コードギアス
  • コードギアスR2
  • 此花トゥルーリポート
  • FF4×FF6
  • カオシックルーン
  • 学園黙示録
  • ルパン三世 ワルサーP38
  • 幕末風来伝 斬郎汰
  • ニードレス
  • ヨルムンガンド
  • 少女少年
  • 北の告発
  • サラダデイズ
  • クレセントノイズ
  • ひとひら(甲斐×理咲の近親相姦物)
  • ESアザーワイズ(戒×瑠璃)
  • 遊戯王GX(十代×カミューラ)
  • 魔装機神(マサキ×モニカ)
  • 椎名君のリーズニングファイル
  • RAVE(ハル×絶望のジェロ)
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