※この作品はR-18です。

二次創作SS集   作:夜半の月

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クレセントノイズ

羽崎拓×エイシェト。

時の悩みに振るえる夜の続きです。



羽崎拓とエイシェトだけの話

 

 

 

 羽崎拓とエイシェトだけの話

 

 

 

 

「拓は私を壊せる──殺せるか?」

 

 恐怖故のちょっとした疑問だった。

 

 拓が私を壊す壊すと、エイシェトを壊すと、はっきりと言うからこそ、本当に壊せるのかを訊いてみたのだ。

 

「こ、壊せるよ」

 

 表情を強張らせながら口走る拓。冷や汗まで滲み出ている彼の様子にはまるで説得力を感じなかった。

 

「本当に?」

 

 もう答えは出ているとも思えたが私は念入りに尋ねてみた。

 

「ほ、本当だよ?」

 

「……」

 

 無理だな。お前の様な優しい人間が己が懐に入れ愛した存在を壊すことなど不可能。拓は私に危害を加えられないだろう。

 

「できない」

 

 びくっと反応する拓。

 

「お前は私を壊せ、殺せない。圧倒的な力を持っていても、お前には私を壊せない……それほどに、私を愛してくれているからだ」

 

 そう、単純な話だ。羽崎拓は纏司エイシェトを心から愛している。そう、愛してくれているのだ。

 

「愛してるからこそ、僕はエイシェトを壊せない?」

 

「ああそうだ。六対十二の羽を纏司でもないお前は持っている。ラビリンスの統治者である素晴らしき七人でさえも三対六枚の羽しか持たないというのに、お前は人間なのか人間ではないのか分からない存在だ」

 

「僕が、人間かどうかわからない」

 

 ああ、本当に人間ではない程の圧倒的力を羽崎拓は持っている。皮肉にもその力を開花させてしまったのは私だが。初めて私が拓にまぐわられた夜。拓の力は目覚めた……。

 

「それほどに強大な力をお前は持っているのだ。だが私は初めてお前にまぐわられた時より暫くの間は恐怖を抱いていたが、だが、今は全く恐怖を抱いていない。何故ならば羽崎拓の力が私に向くことが無いからだ」

 

 向かない。絶対にだ。言い切れる。それだけ、それだけ私は拓の寵愛を受けている自信と実感がある。

 

 私は、エイシェトは、羽崎拓に愛されている。これほどまでという基準さえ置き去りにするほどに。

 

「できるか? 拓はその絶大なる力を私に向けることができるのか?」

 

 故に私は迫る。その力を私に向ける、時折私を壊す等ととうそぶくその言葉の嘘を暴くために。

 

 何故ならば、必要が無いからだ。羽崎拓がその音、奏咒(ヴォイス)を私に向ける。そのような事。ありはしないのだから。

 

 確かに拓の奏咒(ヴォイス)が私に向けられれば、私は一瞬にして消滅する。それほど拓と私には力の差がある。

 

 拓の力、纏司の階級で言えば第1階位、最高位の熾纏司、ラビリンスの支配者素晴らしき七人をすらも超えかねない。

 

 だが、それはけして私には向かない。この数年の時を共に生き。数年の時を深く愛し合い。数年の時を共に過ごした。幾度まぐわったか分からない。幾度の口付けを交わしたか。子を成そうというし、幾度この身に拓の精を受け入れたか。

 

 今更、今更恐怖による拘束が必要か? 不必要だろうそんなもの。私は逃げないしお前に愛される今を受け入れている。

 

 それはこれからも変わらない。

 

「でき……、でき、ない……、できないよ……、出来ないに決まってるだろうっ、僕の力をエイシェトに向けるだなんてそんなことっっ!!」

 

 少しばかりの癇癪、悲鳴のように声を荒げつつ宅は答えた。そうだ。それが答えだ。

 

「ああ、拓…、私の愛しい夫……、そう言ってくれて私は嬉しい。それは、それは、私を愛してくれているからだ。愛などという唾棄すべき感情だが、お前に愛されて私は、私、エイシェトは幸せだからな」

 

 言いながら、私はベッド上より降り立ち、拓を抱擁する。

 

「拓、羽崎拓、私の愛しい人よ。私は逃げないし隠れない。お前と共の生きる。だからもう脅さないでほしい。不必要であり不可能であっても気分の良い物では無いのだ」

 

 ああ、気分は良くない。拓の奏咒(ヴォイス)と似た力は圧倒的なる力。私とて私に向けられないと分かっていても、そう、怖い。

 

 だからもう不必要な行為は不要としてやめてほしいのだ。

 

「エイシェト……」

 

 拓を抱く私の三つ編みを、拓が触る。いつもの様に私の長い三つ編みを愛撫してくれる。

 

 以前は特に何とも思わなかった行為だが、それが拓の私への愛情表現だと感付いてからは、髪を触られることが好きになった。

 

「解こうか? 三つ編み」

 

「ううん、僕、エイシェトの三つ編みの髪型が一番好きだから」

 

「そうか」

 

 それは私も嬉しい。私自身、普段から三つ編みだからな。それを好きだと言われるのは気持ちいい物だ。

 

 私の三つ編みを優しく撫でる拓、髪に感覚などないが、頭皮がむずむずして心地いい。拓も私の髪を撫でて気持ちが良いのだろう、男は女の髪に反応する生き物だというからな。

 

「それと、ごめん。エイシェト……その気も無いのに、脅かすようなことを言い続けてきて」

 

 本当、そうだぞ。お前の優しい性格上、柄にもない事をずいぶんと長い間されてきたものだ。だが。

 

「いい。もうしないと約束してくれた以上は、拓はしない事、私は良く分かっているからな。それよりも、もしも私の事を脅かしていたと祖父母に知られたら今度はお前が怒られるぞ?」

 

 祖父母は優しい。だが優しくもあり厳しい面もある。

 

「祖父母と私は友人関係だ。このまま告げ口したら」

 

「わっ、わっー! やめてよエイシェトっ! 絶対にやめてよっっ!」

 

「お前の私にしてきた仕打ちを考えるのならば安い物なのだがな」

 

「ご、ごめんっっ、本当にごめんよエイシェトっ」

 

 私の三つ編みの根元から髪を攫う様にして撫でる拓。

 

 ご機嫌取りかと思ったが、好きでやっているようだ。

 

 本当に私の三つ編みが好きだな拓は。このまま放っておいたら一日中でも撫でてくれそうだ。それはそれで気分もいいし、そこまでされたらきっと私も気持ちが良いに違いない。

 

「安心しろ。言わない」

 

 それよりも。

 

「愛してくれないか。今は、拓に愛されたい気分なのだ」

 

 拓は私の三つ編みを手の平に掴み。静かに聞いた。

 

「本当に言わない?」

 

「言わないから安心しろ。それよりも早く愛し合おう」

 

「う、うん、じゃ、じゃあ、エイシェト、ベッドに」

 

 それにしてもいつまで三つ編みを掴んでいるのか。どれだけ好きかと彼が幼い頃に聞いてみたことがあったが。

 

 あの時は頬を真っ赤にさせて照れ臭そうに『僕の宝物』と言っていたな。

 

 今でもそうなのだろうか。そうだと嬉しい。

 

「拓、私の三つ編みは好きか」

 

 率直に聞いてみると、拓は少し恥ずかしそうに、照れ臭そうに。

 

「エイシェトの三つ編み、大好きだよ……髪をほどいてるときよりも三つ編みにしているときの方が、そのう、好き、だよ」

 

「くすくすくす、そうか、拓は私の三つ編みが殊の外お気に入りか」

 

「フェ、フェチシズムって訳じゃないんだよっ、その、なんて言うかねっ」

 

 いや、立派なフェチシズムだろう、三つ編み大好き病だ。ただし、私だけの三つ編みが好きなのであって、他の誰かの三つ編みが好きなのではない。

 

「そうだな。私の三つ編みだけが好きならばフェチシズムではないな。私のだけなのだろう?」

 

「う、うん、エイシェトのだけ」

 

 嬉しいな。私も好きで三つ編みにしているから、それを拓が気に入ってくれているのならばこれほど嬉しい事は無い。

 

 それも私の三つ編みに対してだけは、フェチシズムになっているくらいに好きときている。ああ、気持ちいい。誰かに身体の何処かを、拓に身体の一部を好きになってもらえるのは。

 

 それはなんと心地の良い事だろうか。拓は私だけを欲し、私だけを見ているのだから。

 

 私の事だけを好きでなければ、私の事だけを、エイシェトの事だけを愛していなければこうはならない。

 

「だが、私、エイシェトの髪の三つ編みのフェチシズムではあるわけだ。こうしている今もほら、触り続けているではないか。私とお前は夫婦なのだぞ。齢11のお前に強制的に私がまぐわられたあの時から私たちは夫婦となった。今更なにも隠すことなど無いのではないのか?」

 

 拓の右手は未だ私の長い三つ編みを手放さない。手放すどころか編み込み目を確かめるようにして、編み込み目を指で擦りながらしっかりと優しく撫でてくれている。とても優しい愛撫で、私自身気持ちいい。

 

「そ、そんな事、言われたら、それ、否定できないじゃないか……、た、確かにそのね……。エイシェトの長く伸びる三つ編みに触れていると、こう、ドキドキするし、気持ちいい……、あ、その、手触りが良いんだよ。変な意味じゃないよ? 夫婦っていうのは……う、うん、僕が強制的にそうした……だって、エイシェトにどこかへ行かれたくなかったから、結婚して夫婦になっちゃえばずっと一緒に居れるって幼心に思ったし、小学生の考える事なんだからそんな難しい事は考えられなくって、夫婦になっちゃえ、エイシェトと夫婦になっちゃえって思って、それで……」

 

 そうだ。その手に三つ編みを持つ以上は否定できない。夫婦となった経緯も否定は……。否定する意味も必要も無いと思うが。

 

「くっくっく、別にそう否定しなくとも良いだろう。些事であり、私たちの間だけの話なのだから。私の髪が好きなら好きとそう言えば、いくらでも触らせてやろう。私が好きというのならいつでも傍に居てやろう。まぐわいたいと言えば時を掛けてまぐわおうではないか。私は拓の妻なのだからな」

 

 そうだ。これは全て羽崎拓とエイシェトだけの話。二人の間でだけの話なのだ。誰かが立ち入る話ではない。脅しの事も、愛する事も、エイシェトの三つ編みフェチな事も、夫婦関係である事も。まぐわいも。子作りも。全て私と拓の二人の間でだけの話。

 

 余人が立ち入る話ではないのだ。

 

「さあ、三つ編みを愛撫してくれている様に、今度は私の胸や、秘部を優しく愛撫してくれ……そして愛し合おう、時間をかけて、じっくりと……夫婦らしく」

 

「うん、エイシェト──ん」

 

 唇が触れ合う。ここから深い口付けに移行させる。それがいつもの拓だが今日は、今はただ私の唇を甘く啄んでくれている。

 

 甘い味だ。人間と纏司の禁忌の触れ合いだ。でもいい、私と拓はその禁忌の触れ合いをもう幾年と続けている。

 

 何度この身の奥で拓を受け止め、拓の射精を受け入れたか分からない。

 

 子はまだ出来てはいないが近くできるだろう。拓の力が成熟期に達しているいま。私は拓の旋律をこの身に受け止め子を儲ける時を待つだけ。

 

 そうして私は纏司でありながら、人間の子を授かり、産む。

 

 そう纏司(エンジェル)エイシェトは、人間、羽崎拓の子を産むのだ。これはもう決めた事。拓からのまぐわいを受ける中、人間の男と女のまぐわいの意味を深く知って行き、愛し合う男と女はまぐわいの果てに子を儲けると。

 

 私は纏司だが女。拓は人間だが男。そして今では私と拓は愛し合っている。愛し合う私たちが子を儲ける事。それは自然的行為の発露という物だろう。許されざる禁忌であっても私たちは女と男なのだから。

 

 拓ももう高校生。十二分に子を作れる精を持つだろう。私と拓の間には、いつ子ができてもおかしくない条件が整った。後は子を成す為、日毎愛を深め合うだけ。

 

 子を成す為以外でも愛を深め合う、そう、愛するために愛し合う。私と拓の関係は、拓が幼い頃より変わらないのだ。愛し、愛される。私たちの関係は始まりから夫婦なのだから。

 

「ん、んん、ん──」

 

 だがこの連続した唇を啄まれる拓よりの甘い口付け、その甘い味が甘露で心地いい。濡れた唇が静かに擦れ合わされる。

 

 この度のまぐわいの始まりは。拓の軽い口付けからだった。

 

 恥ずかしがりな癖に、私には積極的な拓。何故かは良く知っているこの身で。

 

「んちゅっ、エイ、シェトっ、んちゅっ、ちゅっ」

 

 ああ、そうだ。私と拓の始まりがまぐわいからだったから。人間どもの言うところの愛の極限が始まりだったからだ。だから私と拓はいつでも深く交わり合えるのだ。今となっては、それはとても幸せな事。

 

 湿った唇と唇が愛を以て触れ合う。温かい、拓の唇、愛している、拓。ああ、愛などとという下賤な感情を私は拓に抱いて、でもそれはとても心地よく、私を酔わせるのだ。

 

 一度口付けは終わりを迎える。名残惜しそうに私と拓の唇の間に透明の糸が引かれ、ぷつんと切れた。

 

「服、脱がせるよ? エイシェト……」

 

「言うな……、お前のしたい様にするがいい」

 

「うん、じゃあやりたいようにやらせてもらうよ」

 

 ゆったりとした私の衣服に手をかけられる。フードがずれてぶらぶらと揺れている。拓が私の衣服を脱がしていく。

 

 フードの胸元を緩められ、静かに、ばさっ、ぱさっ、音だけを残して私の衣服が上から脱ぎ捨てられて。いつもは下からなのに少し趣向が変わっている。

 

 まあ、それでも私の衣服は脱ぎ去られた。裸となった私。胸は大きい方と自負している。腰はくびれがある方だと思う。お尻もそれなりに。人間でいうところのスタイルは整っている方だろうと思う。

 

 胸に下着は付けていない。故に後は下の下着だけを降ろして貰えば、私の身に着けている物は無くなる。

 

 拓、羽崎拓、この私エイシェトの愛しい人間。ああ、愛して。愛してほしい拓。私をどこまでも愛して。天上のラビリンスよりも高く。

 

「た、く、ちゅっ、んんっっ、あっはあっ、拓っ、たくっ、愛してっ、私を愛してっっ」

 

 私は我慢できずに、拓の唇を求めた。もっと、もっとその唇で私を愛してほしいから。私自身の豊かな胸、双丘も拓の頼りない小さな胸板に押し付けて。拓に誘い水を送る。

 

「エイシェトっっ、エイ、シェトっっ、んちゅっ、はあはあっ、僕のエイシェトっっ、ちゅ、ちゅっ、愛し合おうよっ、いっぱいっ、んんっ、いっぱい愛し合おうよっ、ちゅうっ、ちゅぱっ、胸、エイシェトの胸、とても柔らかいっっ、僕ねっ、エイシェトのすべすべで艶々の三つ編みも、エイシェトの大きくて柔らかい胸もっ、大好きなんだっ、エイシェトっ、エイっ、シェトっっ、早くっっ、早く愛し合おうエイシェトっっ!」

 

 拓の興奮が止まらない。思春期である高校生。高校1年生である拓に、この迫り方は少々刺激が強すぎたのかもしれない。だが別に構わない。これから私と拓は深く深く愛し合うのだから。

 

「ちょっと待ってね。僕も服脱いじゃうからベッドの上に居て」

 

 それだけ言い、自分の衣服を脱いでいく拓。上半身の衣服を脱ぎ捨て。下半身の衣服を脱ぎ捨て。下着まで脱ぎ捨てると、ベッドの私に覆いかぶさるように私を囲った。

 

「下着、エイシェトの下の下着、脱がしちゃうよ?」

 

「いい、ぞ、もう濡れているから、少し恥ずかしいが」

 

「気にしない。どうせ愛し合うんだからさ。僕とエイシェトは夫婦なんだから」

 

 そうして私の下着に指がかかり、太もも、膝、脛、足首へとくるくると丸まりながら下着は拓の手で脱がされていった。

 

「愛し合おうよエイシェト。振夜のその深夜まで」

 

「来訪者が来たらどうする?」

 

「僕が追い払うよ。僕の力で」

 

「私も戦えるのだがな」

 

「エイシェトは弱いから、僕が守るから」

 

「くすくすくす、弱い、か。確かに拓を基準にすれば皆弱いな。私など弱小もいいところ。それどころか、ラグ様も、下層三階位を束ねる大いなる鷹ニスロク様も、中層三階位を束ねる三兄弟も、上層を統治する素晴らしき七人でさえも、拓には勝てないだろう。ラビリンスの誰が予想しようか? 脆弱なる人間の中に、六対十二枚の羽根を持つ、強大極まる存在が隠れていようなどと」

 

「そうだよ。僕は強い。今の僕は誰よりも。だって僕にはエイシェトっていう守るべき女性が居るんだから誰にも負けないよ。だからもしもの邪魔は気にしなくていい。僕が追い払うから……。エイシェトと僕はただ愛し合い続けるだけさ。愛し合おう、エイシェト……」

 

 ああ、そうだ愛し合おう拓。愛し合って子を、子を作ろう……。私とお前で。エイシェトと羽崎拓の二人の子を……、私たちの子を、私のはらからに子を宿してほしい、拓……。

 

 私は拓の子を産み、拓と二人で育てるのだ。もう一年もしない間に私と拓の子はできるだろう。その時を楽しみにして、まぐわい続けよう、愛し合い続けよう。

 

 愛している、拓……。

 

 

短編集内の各お話と投稿予定(未定)の続きやお話で読んでみたい作品はありますか?(ご期待に副える事が出来るかどうか分かりませんが、一ご意見としてお伺いしたいと思います)

  • コードギアス
  • コードギアスR2
  • 此花トゥルーリポート
  • FF4×FF6
  • カオシックルーン
  • 学園黙示録
  • ルパン三世 ワルサーP38
  • 幕末風来伝 斬郎汰
  • ニードレス
  • ヨルムンガンド
  • 少女少年
  • 北の告発
  • サラダデイズ
  • クレセントノイズ
  • ひとひら(甲斐×理咲の近親相姦物)
  • ESアザーワイズ(戒×瑠璃)
  • 遊戯王GX(十代×カミューラ)
  • 魔装機神(マサキ×モニカ)
  • 椎名君のリーズニングファイル
  • RAVE(ハル×絶望のジェロ)
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