※この作品はR-18です。

二次創作SS集   作:夜半の月

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原作山本賢治先生
漫画D.P先生
作品名Trashトラッシュ
CPオリキャラおじさん×相原軍是


北の告発
「笑って笑って素敵だね」


 

 

 

 

「笑って笑って素敵だね」

 

 

 

 

 仕事終わり。給金は日6000円だが、5日分貯めたので30000円だ。

 

「それなりに頑張れたよね」

 

 世間的には、もうすぐ六十を迎える男の給金じゃないのだろう。私くらいの年齢なら役職のついた席に座って、五十、六十、いやそれ以上の給金を貰っているのが当たり前だ。

 

 そうでなかったら独立して起業し、社長の椅子に収まっているかも。それが、現実には日雇い労働者。宿こそ安宿に泊まれているが、そこもいつ追い出されるかもわからない。

 

 それでも人って奴は生きていけるらしい。一度宿なしで公園に住んだことがある。以外に住めたし、そこで知り合った少し年上のおじさんなんかもいる。

 

 まさかこの歳で友人が出来るとは思わなかったけれど、そのおじさんは物知りで色んなことを知っていたが一点。暴力的な事についてだけは語らなかった。

 

 彼のおじさんくらいの歳になれば、作り話だろうとそうでなかろうと、武勇伝の一つくらい語ったりするものだ。だが、一切なかった。

 

 ただ、そういうのが嫌いなだけかもしれない。そんな風な帰り道。唯一の楽しみにしている、駅前で売っていた宝くじ十枚3000円分を購入。

 

 どうせお決まりの300円しか当たらず、2700円を捨てるだけのパターンだが、それでもこんな終わった人生に、一つくらい夢を抱いてもいいじゃないか。

 

 そうして残り27000円の残金を手に、駅近くの高架下を歩いているとき。

 

「ぎゃっはははは、それってあれじゃね?」

 

「だよなあああ」

 

「だから俺やってやったんだよ。そしたらそいつぎゃーぎゃー泣きわめくもんだから、もう一発殴ってやったら黙りやがったんだよ」

 

 ガラの悪そうな高校生くらいだろうか。派手な色のセーターやTシャツを着て、腰でズボンを穿いた連中が座って話をしていた。

 

 私は目を合わさず道の端の方を通る。情けない話だが、堂々と道の真ん中を歩いて渡る勇気はない。

 

 目を合わせず静かにしてれば、変に絡まれることも無いだろう。こんなくたびれたおやじにかまうほど、彼らも暇じゃないはずだ。

 

 そう勝手に思い込んでいた時だった。

 

「おいっ、おっさん」

 

 びくんっ。身体が震えて硬直した。三人組の一人に声をかけられたのだ。笑ってごまかそう。

 

「はは、なんですか」

 

 だが、ダメだった。

 

「なに笑ってんだコラっ。ここはなあっ、てめェみてーなくたびれたおっさんが渡っていい道じゃねーの。通行税払ってちょ?」

 

 

 ◇

 

 

「はっはっはしけてんなおうっ、まあ遊び代くらいにはなるわありがとさーん。あ、宝くじは残しておいてやったから。来月300円入るぞー」

 

「俺たちって優しいな。暴力も振るわず金だけ、通行税だけ取るんだから」

 

 そう言って笑い、蒼い顔をして冷や汗をかいている私の肩をポンポンと叩く若者。

 

「は、はは、そーうですよねーラッキーですよね私」

 

 笑ってごまかそうとする私の鼻頭に、ごつい男の拳が叩き込まれる。

 

「ちょーしくれてんじゃねーよ」

 

 怖い、痛い、惨めだ。

 

「は、は、申し訳ありません」

 

「ま、いーわ。も~用ねーから行けよ」

 

「は、はい、」

 

 私は言われるがまま道を通っていった。

 

「なさけねーおやじ。将来ああはなりたくねーな」

 

 そんな声が聴こえて余計に惨めさに拍車をかけた。

 

 その場から大分離れたところで、私は立ち止まり、財布の中身を見た。小銭まで盗られて宝くじしか残っていない。

 

 今日の宿代も払えない。ふらふらと歩き出した私は、昔一時期住んでいた公園へと足を運んでいた。

 

 △公園。そこそこ大きな公園で、結構な人数のホームレスが生活をしている。

 

 そこで空いていた椅子に座り、前傾姿勢のままこくりこくりと船をこぎ始めた。今日は疲れた。

 

 

 何時間くらい寝ていただろうか。ふと気付くととなりに誰か座っていた。

 

「よお。どうした、そんなしょぼくれた顔して。顔に青たんまで作って。誰かに殴られたんか?」

 

 昔知り合いになったおじさんだった。そう言えばこの人、ここに住んでるんだったな。

 

「ど、どうも、お久しぶりです」

 

「まあ、まずは一杯飲めや」

 

 余り強いお酒が飲めないことも知っている彼がくれたのは、5%のアルコール缶チューハイ。

 

 話をしていく内に段々と気分も晴れてきて。酒がからになる頃には今日の出来事による落ち込みは消えていた。

 

 だが、代わりに腹の中に黒い物がたまっていた。

 

「あんまりいい顔してないな。まあ無理も無いか。連中な、ここらで良くおやじ狩りをしているグループだよ。儂は狩られたこと無いから分からんが、結構被害にあっとる人がいるよ。まあな、こんなホームレスしかいない公園には流石に来ないから安心してええよ」

 

 そうなのか、私以外にも被害者が、大勢……みんな、悔しかったろうな。

 

 

 ◇

 

 

 あれから一週間。怪我人を仕事には出せないと日雇い先から通達され、数日野宿をしていた私は、おじさんから炊き出しの場所に連れて行って貰ったりしながら過ごしていた。

 

「ここのメシも結構美味ーだろ」

 

「はい」

 

「兄ちゃんも早くこんな生活から脱出できたらいいね」

 

「いえ、私なんてもう」

 

「…………お! そういや10日ほど前の宝くじ、今日頃受け渡しじゃ無かったか」

 

 宝くじ。ああ、言われてみればそんなの買ってたな。

 

「300円確実にあたっとるから、値下げ弁当買えるぞ。豪華なお祝いだ」

 

「あー確かに。豪華なお祝いですね。でもここの暖かい炊き出しの方が私は好きですけど。とくにカレー」

 

「ああ、カレーは美味いよな。でもま、とりあえず金換金しておいで」

 

「はい、行って来ます」

 

 

 ◇

 

 

「は?」

 

「ですから、こちらは高額当選券になりますので銀行の方に行って下さいと」

 

 高額当選?まさか10万とかあたったのか? だとしたら面接様式一式揃えて、また仕事……無理か、こんな歳じゃ。とにかく銀行へ行こう。

 

 銀行へ着いて窓口で宝くじを渡すと、別室へと案内された。大げさだな10万円で。

 

「どうも、当支店の頭取をしておりますもので」

 

 と、頭取?! なんで頭取が出てくるんだ?

 

「ええ、お客様。落ち着いて下さい。お客様のご当選額は一等前後賞合わせて10億円となります」

 

「え?」

 

 そこからは何の話しも頭に入らなかった。分割で支払われることや、その日から読む本とかそんな本を読まされたり。訳も分からないまま手続きが進んでいって。

 

 

 ◇

 

 

 気が付いたらあの公園に戻って、おじさんとお祝いしていたお祝いしていたんだけど。お金を手に入れた途端、ムクムクと黒い感情が沸き立ってきたのだ。

 

「おじさん、ヤクザとかに知り合いっている?」

 

「…………バカなことを考えん方が、と、言いたいが、そんな顔しとったらな。それに被害者も多い。ああいう連中ははよう消えて貰った方が治安の為にもなる。お前さんは真っ当に生きとったようだから余りしらんだろうが、この街は結構危ない街でな。個人で殺し屋業やっとる連中や、女子高生でヤクザやっとるのもおる」

 

 そ、そんなのがいるのか。まさかそんな街に住んでいたとは。

 

「当然学生で殺し屋というのもおってな、知り合いに居るんだよ。そういうのなら紹介できる」

 

 紹介? 詳しく聞いてみるとおじさんはその筋の情報屋で、ホームレスをやっていればよく情報が入ってくるのだという。もちろん紹介料は貰うと言われた。

 

 本来なら1000だが、お前さんとは何かと融通し語り合ってきた仲だから100でいいと言われ。今月中には100万払う約束をして、翌月ある学校の一室に呼び出された。

 

 私はこの日のために用意してきたある物を学校に持ち込みながら。結構重い、歳のせいで身体に応える。肥満気味なせいもあるがとにかく運び込みつつ。

 

 変に思われないように作業員の格好をして入ってこいと指定され、指定された一室へと入ると少し待つように言われた。

 

 暫く待っていると。

 

「Hey! youが情報屋から紹介されてきたおじさんか!?」

 

 無駄に大きな声と共にカウボーイハットを被ったアメリカンスタイルな、短い髪の女子高生、間違いなく外人だろう? 女子高生が入室してくるのに合わせ。

 

 小柄な小学生みたいな女の子、毛先が膝下まで届くほど長い青緑の髪のツインテールの女子高生、やたら可愛らしいエプロンドレスの黒髪ロングヘアの女子高生、最後に目つきの鋭い凶暴そうな女子高生。

 

 多分全員この学校の生徒ながら、それぞれに違う制服を着ているところからして、校則の緩い学校なのだろうか。

 

「紹介イタしますネ。あちらの凶暴そうなのは童友ともかデース。武器は見ての通りガントレットデース」

 

「初めましてねおじさん。ボコボコになりたかったら言ってね」

 

 怖い。これで女子高生か。

 

「次にあの小さいのは百々栄代。得物は主に対戦車砲デース」

 

「よろしく」

 

 あ、あんな小さな子が対戦車砲を使う?! どうなってるんだ?!

 

「続いてエプロンドレスの黒髪の子、あれでもボーイだったりするのデスが、武器はチップソー。愛河内ニチモデース」

 

「よろしくねー♪ 太ったおじさーん」

 

 男っ?! み、見た目は男にはとても見えないが……チップソーってなんだろうか。

 

「続いて、こっちのツインテールの奴は相原軍是イイマース。武器はスリングショットデース」

 

「おじさん暗い顔ー笑って笑って素敵だね♪」

 

 ツインテールの毛先が膝下まで届いてるやたらと髪の長い子だが、一番普通の子っぽそうだ。でも面子が面子、どうなんだろうか。

 

「最後にこのワタシ。トリガーハッピーズ団長ポーラ・ライツデース武器はCZ-100とコルトピースメーカーデース」

 

 なら次は私自身の紹介だな。

 

「私は――」

 

「まる禿げデブのおじさんでいいじゃーん」

 

 ツインテールの子に言われた。

 

「ま、話しは情報屋のオジサンからある程度は聞いてマスね。なんでもオヤジ狩り常習者に復讐したいとか」

 

「復讐の意味もあるが、これ以上被害者を出さないため。この街は警察権力の監視の目が緩すぎる」

 

「だから私たちが活動しやすいんじゃん」

 

「でもだからこそあんな連中も蔓延る」

 

「ねえ、おじさんさー、そこに私たちの仕事が生まれるってことも理解して貰える?」

 

 相原さんが言う。

 

「バカが一杯いるから私たちのお仕事も生まれるの。生産性はあがってラッキータイムなんだよね」

 

「そうか。ならキミは決定だな相原さん」

 

「は、どゆこと?」

 

「ホワイ?」

 

 相原さんとポーラさんが何のことか分からないと言った様子で私を見る。

 

 私はポーラさんに告げる。

 

「相原さんを引き抜きたい」

 

「WHY? Youの理由を聞きたいネ」

 

 私は私の理由を語る。コレは私自身の復讐。ただ依頼するだけでは私の責任の下での復讐には成らない。私自身で復讐する力が無い以上は当然あなた方のお力に頼ることとなるが。

 

 それでも自分自身の責任の下での復讐を行いたい。その為には私が依頼するのでは無く私が命令する立場に立たなければならない。だからこその君たちの引き抜き。

 

「ナルホド。デスがこちらも長年TEAMでやってきておりますネ。引き抜き料は安くは――」

 

「相原さんの引き抜きに2億、相原さんには1億払います」

 

「えッ?! ま、マジなのそれ?!」

 

「マジなのデスカっっ!!! 嘘ならこの場で射殺デース!!」

 

 色めきだつ相原さんとポーラさん。流石に金額が金額だ。彼女たちもこのレベルの取引は一度もしたことが無いらしい。

 

 警察がいい加減で犯罪天国らしいこの街。命の値段も安いのか、聞いてみると一人数百万がざらだということが分かった。

 

 数百万で人一人の命を奪える。なんて命の安い街なのか。私があの恐喝犯に殺されなかったのはまだ運が良い方らしい。

 

 私は持って来た鞄を、ジュラルミンケースを机の上に置くと開いた。

 

「oh!!」

 

「う、嘘おッッ!!」

 

 ポーラさんと相原さんは驚き。

 

「マジモンにやば」

 

「キャー、すごいお金ーッ♪」

 

 百々さんと、愛河内さんは歓喜し。

 

「ふん……大した物ね」

 

 落ち着いているように見えて目が見開いている童友さん。

 

 それぞれ反応は違うけれど、皆2億円というお金に驚いているようだった。

 

「どうですかポーラさん、引き抜きは」

 

 ぷるぷる震えるポーラさんは。

 

「お、OKOKッオーケーデースッ! グンゼッ、今日までご苦労デシターッ!!」

 

「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待った、私の1億はまだ見てないんだけど1億ッ!」

 

「急がないで下さい」

 

 私はもう一つのジュラルミンケースを出す。

 

 もちろん中身は1億円、正確には2億円だ。

 

「やっほーいッ!! おじさまおじさまッ! 私、今日からおじさん専属で働いちゃうからーん♪」

 

 お金の魔力は物凄いな。

 

「ちょっとマツデース」

 

「な、なんでしょう」

 

 やっぱりダメとでも言うつもりだろうか?

 

 戦々恐々とする私だったが、どうやらそういうことでは無いらしい。

 

「そこにもう1億あるデース。よければそれでもう一人引き抜かないデスか? 2億戴いた分、特別サービスでその1億でイイデスヨ?」

 

 なんともう一人引き抜きをさせてくれるらしい。そうだな、それじゃあ。

 

「一見武器とは見えない武器を使う方が良いですね。あからさまに武器だと分かると持っているだけで目立ちますから。相原さんのスリングショットはスポーツ用品としても使われていますのでまだそれほど目立たないでしょう。同じように目立たない武器を――」

 

 言いかけたところで相原さんが。

 

「ニチモー使命入ったよー! これでまた職場仲間だね!」

 

「ウフフ、おじさまよろしくね」

 

 いきなり愛河内さんだった。愛河内さんの武器を見せて貰う。

 

「え? なに、これ。これ武器なのですか?」

 

「武器よー。威力も強いんだから」

 

 確かに銃の形はしている物の、丸くて大きく、見た目だけで言えば完全に何かのおもちゃだった。確かにコレなら女の子に見える男の子である愛河内さんが持っていても違和感は無い。

 

「はい、じゃあ私にも1億円頂戴♪」

 

「ああ、今手元に無いから支度金と言うことで」

 

 財布の中の100万円の札束を渡す。流石に0円は悪いからな。しかし、帰りの交通費残しておいて良かった。

 

「ねえ、おじさんさー、事務所とかあるのー?」

 

 相原さんが聞いてくるので、奥まったところの雑居ビルを借りてある。防音設備は完璧だというと。

 

 良かった良かったと相原さん。仕事の都合上家には帰れないからアパートを借りていたらしい。だから事務所があるならただで住めるから丁度良いということらしかった。

 

 愛河内さんも同じ理由で寮に住んでいるらしい。男なのに寮って、この高校って色々と校風がおかしいな。

 

 しかし愛河内さんは寮で良いとして、だったら相原さんも寮に、というと、寮は今一杯で入れないとか。だからってうちの事務所に住むって。おじさんも住むんだけど。

 

「うふふふふッ、別にめくるめくエロトピアな世界は気にしてないから1億もくれたおじさんになら」

 

 なんて冗談めかして言うから男として見られてないなコレと思うと悲しくなってきた。

 

「では商談成立ネー。ワタシたちは3億円の引き抜き料を戴き、グンゼとニチモがそれぞれに1億の引き抜かれ料を戴き、此処にコレまでのトリガーハッピーズは解散とナリマース。本日よりグンゼとニチモは我々とは何の関係もアリマセーン。責任はおじさんにアリマスのでヨロシクデース!」

 

「それでは商談成立ですね」

 

 私はポーラさんと握手をすると、相原さんを連れて行く。愛河内さんは寮住まいなのでこのまま学校に残り、後日迎えに行き、残りのお金を渡して事務所まで案内する運びとなった。

 

「ねー、おじさん、お金一気に使っちゃってタクシー代あるの?」

 

 心配する相原さんは今1億円のお金持ちだ。何なら自分が出そうかという相原さんの心遣い。

 

「そのお気持ちだけ受け取っておきます。相原さんは優しいですね」

 

「や、やさッ?! べッ、別にそんなんじゃないんだけど。くたびれた中年のおデブなおじさんにあれだけ金出させておいて、タクシー代まで出させるのが可哀想だなーと思っただけだよ」

 

 少し頬の赤い相原さん。熱っぽいのだろうか。チュッパチャップスみたいな飴ころをずっと口に含んでいるけれど。

 

「少し失礼」

 

「んんッ?! ちょッ、なにッ?!」

 

 相原さんのおでこに手を当てる、ああ良かった。熱は無いようだ。

 

「いや、今さっき相原さんの頬が赤かったので熱でもあるのかと。熱があるならこのまま病院の方に直行しようかと思ったんですよ」

 

「ね、熱なんか無いよーもうーあんなのよお」

 

 少しブツブツ言う相原さんの手を取る。

 

「だッ、だからなにさっきからッッ」

 

「いや、片手1億持ってて重いでしょう。だから私がお持ちしようかと」

 

「う、うう、ううううッ、じ、じゃあ、持って」

 

「はい」

 

 その後タクシーを呼び、二人で後ろの席に乗り込む。行き先を告げ発車。同じ街だからそれほど時間も掛からず着いたが、幾つかメーターが回ってしまった。

 

 降りて暫く歩く。無言で歩いている中、少し思い出したのは恐喝犯の顔。怖い顔をしていた。中年おやじには十二分すぎるほどに。

 

 でも、隣を歩く女の子を見る。女子高生。一見普通の女子高生。こんな女子高生が何人も人を殺してきた殺し屋だなんて誰も思わないだろう。

 

 それほど怖い女の子と一緒に歩いているが、彼女のことを怖いだなんて思ったことは無い。今日出逢ったばかりながら、そんな怖いはずの彼女を見てなんとも思わないのに、今更恐喝犯を怖がってどうするんだ。

 

「んっ? なに? 私の顔に何か着いてる?」

 

「え? ああ? いや、髪長いなあと思って。二つ結びにしていても毛先が膝下まで届いちゃってるから」

 

「え? おじさんって長い髪嫌いなの?」

 

 相原さんが髪の毛をいじる。こんなおやじにどうこう思われてもやっぱり気になる物なのだろうか?

 

「ううん。好きだよ長い髪。いや、凄く長くて似合ってるなあと思ってね。綺麗だよ相原さんの髪」

 

「……あ、ありがと……」

 

 話し序でに聞いてみた。

 

「相原さんはおじさんみたいな中年デブは嫌いだろう。こう、臭くておやじ臭がするって。今時の女子高生ってそういう子が多いから」

 

「……べ、別に私個人は気にしてないよ。あ、あとその相原さんっていうのは止めて欲しいかなぁ~」

 

「え、でもなんて呼べば」

 

「ぐ、軍是でいいよ」

 

「ぐ、軍是さん……、その、なんだか、遭ったばかりで名前で呼ぶのも何か恥ずかしいね、ははっ」

 

 そんな風にぎこちない会話を続けながら三階建ての雑居ビルまで着いた。

 

「で、ここの何階のどの部屋なの?」

 

「全部だよ」

 

「は?」

 

「だから全部。多少ぼろい感じだけれども防音もしっかりしてるよ」

 

「ま、マジで~。ニチモは寮だからほとんど二人だけで使うのに。広すぎない?」

 

「はははっ、でもそんなに広くは無いよ。1階は受付スペースみたいになってるから使えない。事実上使えるの2階3階の八部屋だけだよ」

 

「オフィスが八部屋なんでしょ?! 無駄に広いだけじゃん!!」

 

 文句と言うよりも、注文というか抗議、無駄金を使ってんじゃねー的な話し方をする軍是さん。まあ実際に二人で使うには広いからな。でも狭いよりも良い。値段も1億かからなかったしまだ安い方では……いかんな。

 

 金銭感覚が狂ってきた。愛河内さんに払う残り9900万円とこのビルと軍是さんの引き抜きに、全部で5億6000万くらい使ったから、残り4億4000万。まだ余裕があると考えてるとダメなんだろうな。例の宝くじの本にも書いてあった。

 

 これからは注意して使っていかないと。でも、別に仕事をやる訳でも無し、一時の復讐のためと家を買っただけ。軍是さん達を引き抜いたのも、その為だけ。余生を過ごすには1億とちょっとあれば充分。だから3億は追加報酬で1億5000万円ずつ二人に支払うつもりだ。それでこの復讐はおしまい。

 

 とりあえず二人で中に入った。場所は2階の一号室。別にどの部屋でも良いんだけど、一番近い部屋でソファがある部屋が此処だったから。壁掛け時計があって、デスク用の机が一つある、そして来客用のソファ。前に使っていた業者が置いていった物を綺麗にした物。そのソファに隣り合って座る私と軍是さん。

 

「軍是さん」

 

「何?」

 

「追加報酬は1億5000万円でいいかな。それで計2億5000万円。ゆっくり使っていけば女子高生のキミでも一生遊んで暮らしていける額だ。どうだろう?」

 

 その私の提案に。

 

「も、貰えない貰えないっ! おじさんこの業界の相場を考えてよっ! たかが恐喝犯三人殺すくらい一人頭百で三百でやれるってば。この街とにかく命の値段が安いんだかんねっ。おじさん完全に金銭感覚おかしいよっ! それに引き抜かれた私らどーすんのさ? まさか一時の復讐のために引き抜いたとかなら、おじさんただのアホじゃん」

 

 むう、そういうものなのだろうか? しかしまあ軍是さん達を引き抜いておいて、私個人のことが終われば後は知らんぷりというのは、確かに無責任だな。

 

「だからさあ。私とおじさんとニチモで会社やろうよ。もちろん表でも裏でも良いよ? 何でも屋から、殺人代行はおじさんいやがるだろうから復讐代行みたいなの。おじさんみたいに嫌な目にあった奴からお金貰って復讐すんの、どう? 私の提案イケてない?」

 

 私の様に暴力にあって警察にも対応して貰えない。そんな人の代わりに復讐する代行業と、あと何でも屋か。うん、それならいいな。私も悪い気はしないし。復讐の代行をしてあげた人も多少は気分が晴れるだろう。相手は悪人に限る、で。

 

「凄いね軍是さんは。こんな提案がぽんぽん飛び出すなんて」

 

「うえっ?! ほ、褒められるほどのことじゃないってばっ、おじさんの頭が硬いだけだよっ、私らそう言った類いの業界にいるからそういう発想が出てくるんだよ」

 

「いや、でも軍是さんは凄いよ。私は私がいた業界、日雇い業なんだけど、ただ言われるがままに一日を過ごして生きてきたからね。だから軍是さんみたいに発想力とかある凄い人と出逢えて嬉しいよ」

 

「な、なに? おじさん私を褒め殺しにしてるわけ?」

 

「単純な思いだよ」

 

「も、も~っ、調子狂うなあ~っ」

 

 そう言えば軍是さんと私は四十くらい歳が離れてるんだったな。孫子と言っても良いくらいに。そうして考えると殺し屋さんと言っても可愛く感じてしまう。

 

 いや、実際に軍是さんは可愛い。

 

 花柄の髪留めで纏められているツインテールは髪先が優に膝下に届くほど長く。明るい青の髪の色も綺麗で美しい。

 

 通った目鼻立ち、瞳も美しい明るい青で深くも浅く、浅くも深い綺麗な色をしている。女子高生という年頃ながら厚ぼったい唇は色っぽく。

 

 そう、どう見ても可愛くそして美しい少女だ。人生六十年近く生きてきたけど、軍是さんほど美しい少女に出会った事は無い。

 

 そうか、私自身の学生時代はもう四十年も前になるのか、そう思いながら、その右手は自然に軍是さんの頭を撫でていた。

 

「え? にゃっ、にゃにっ? 何なんだよ?! ち、ちょっと!」

 

「ああ、ごめんなさい軍是さん。その、軍是さんが可愛らしくてね、ついその、嫌だったら」

 

 女子高生の身体に勝手に触るだなんて変質者だ。そんなことも忘れてしまうくらいに引き込まれてしまっていた。

 

「あ、ああっ、べ、別に、いいよっ、頭撫でるくらいっ、おじさんくらいの歳だと、私くらいの年齢の孫がいてもおかしくないし、そ、その、撫でたいなら、どこでも……」

 

 い、いいんだ。いや、そこまでを求めているわけじゃ無かったけれど。せっかくのお言葉を不意にするのも、それはそれで悪いこと、かな?

 

「じ、じゃあ、その、もう少し」

 

「ん」

 

 こくんと肯く軍是さんの、まずは頭をずっと撫でていた、手の平から熱い熱が伝わってくる。のぼせているような。

 

 それから右側のツインテールに指を通して絡めながら、何度も繰り返し梳いてみた。髪束は長く、毛先まで抜けさせるには彼女の膝下にまで梳き通さなければならないけれど。

 

 さらさらで、艶々で、何度梳き通しても飽きが来ない。同じことを左側のテールでもしてみる。花の髪飾りが付いたシュシュっていうのかな。その根元に指を差し入れてすーっと下へと撫で下ろしていく。

 

 滑らかな肌触りが気持ちいい。指を絡めながら右のテールと同じように梳き通して弄んでいると。

 

「おじさん」

 

 急に尋ねられた。

 

「私の髪の毛、綺麗? 好き?」

 

 女性の髪の毛が好きか? ではない。軍是さんの髪の毛が好きか?だ。それならもちろん。

 

「好きだよ。綺麗で、滑らかで、とても美しい明るい碧い色。こんな綺麗な髪の毛初めて見るけれど、綺麗だから好きなんじゃ無くて、軍是さんの髪だから好きなんだ」

 

「そ、そうなんだ、あはは~、嬉しい、かなあっ」

 

「でも軍是さん気持ち悪くないのかい? こんな中年太りな不細工おじさんに髪の毛を触られて」

 

「別にキモくないよ。私はそういうのあまり気にしない方だから。世の中みんながみんなおやじ嫌いとかばかりじゃないからね」

 

 右のテールを梳いて、左のテールを梳いて、二十分くらい軍是さんの長い髪の毛を触らせて貰っていた。一応手はしっかりと洗ってるから皮脂は着いてないと思いたい。それを伝えると。『一緒にお風呂でも入る~? あるんでしょお・ふ・ろ。めくるめくエロトピアの世界へ連れてってあげよっか?』なんて冗談を、淫靡な雰囲気で言われた物だから、アソコが反応しそうで危なかった。

 

 あと、髪を梳いていて気になったので、左手を触らせて貰った。

 

「軍是さん、左手これ……義手?」

 

 軍是さんの左手は素肌が無かった。硬い何かの感触がして、たぶん特注の義手だと思われた。

 

「そっ。義手だよ。……キモい?」

 

 気持ち悪いか? 人間の普通の腕じゃ無くて気持ち悪いかと尋ねられた私は、思ったことを伝えた。ただ、素直に思ったことを。序に言葉遣いを丁寧語にしてみる。思ってもみれば彼女たちの方が社会的地位は上なのだから。

 

「いえ、そんなこと全く。それどころか、素敵ですよ。触り心地が良いし、すべすべしていて、とても、美しい手です。綺麗な手です」

 

「ええっ?! あっ?! えっと……ええっ?! そ、そんなに褒められたの、初めてなんだけど……、き、綺麗だなんて言われるの……って言うか何でいきなり敬語?」

 

「社会的地位の問題です。しかし、見る目の無い人達ですね。こんなに美しい手を見て、引かれないなんて」

 

 何度も何度も、その滑らかな義手を私は触り続ける。この綺麗な腕を。

 

「綺麗だ……、美しい……、軍是さんの義手。この手が、すべすべして、滑らかで、この触り心地を味わえない世の男性にお悔やみ申し上げるよ。どうして誰もこの美しい手に気付かないのだろうか理解に苦しむ」

 

 ただ本心のみを言い募る私の頭に手が置かれた。確かに手の感触。剥げているからこそ良く分かってしまうその感触に、私は一転、気が動転してしまう。

 

 軍是さんが、私の禿げ頭に手を置いて、なでなでと撫で始めたのだ。

 

「ぐ、軍是さんっ?!」

 

「おじさ~ん、私の義手をそこまで褒めちぎって、美しい手とまで言われたの私、初めて……。ねえ、一緒にめくるめくエロトピアの世界に行きましょ~?」

 

 え、エロトピアって。何かを言わせてくれる間もなく軍是さんは、私の身体を抱き起こすと、その厚い唇で私の唇を塞いだ。

 

「んんっ?!」

 

「ん……」

 

 生娘のような反応をする私だが、生娘なのは恐らく今までの反応からして軍是さんだ。因みに私は童貞だが。

 

 だが、いきなりのキスに私の心臓はバクバクだ。こんな、女子高生からの、美少女からの、き、き、キスなんて。

 

 し、しかし、暖かいな。暖かくて切なくて気持ちが良い。唇同士が重なり合ってくちゅくちゅ音を立てて。水、唾液の感触が唇全体に広がっていく。生暖かい感触が、これがまたたまらない。若い彼女の唇はみずみずしく、枯れた私の唇に潤いを戻すかのように濡らしてくれる。

 

 ただ濡れる唇と、女子高生な軍是さんの暖かい鼻息が重なって、確かに彼女の言うエロトピアの世界に迷い込みそうだ。

 

「くちゅ、くちゅ」

 

 濡れた音が、しっとりとした唇となった事を保証する。それ以前、既に私の唇は、軍是さんの甘酸っぱい唾液に濡らされて、もうとろとろになっていたが。

 

「ん、おじさん、キス、上手いね、ハアハアっ、思っていたより経験豊富?」

 

 唇が離れ、暖かくも湿り、ぬめった、甘酸っぱい感触が遠のいたことに、残念な気持ちに成りながらも、私は軍是さんの質問に答える。答えはNO。

 

「いえ、キスは、軍是さんが初めてです、いえキスも、さっきしていたことも、軍是さんが初めて」

 

 すると彼女は嬉しそうに笑う。

 

「アハっ、アハハハっ、実は私もおじさんが初めてなんだよね~。エロトピアに行くの」

 

「そ、それは嬉しい――んむうっ?!」

 

 か、顔と唇が急接近してきたと思えば、ま、またキスをされてしまった。今度のキスは先ほどと違う。軍是さんのぶよぶよした舌の感触が唇にしたかと思えば、そのままぐいぐいと唇をこじ開けられて、軍是さんの舌が私の唇の中へと挿れられたのだ。

 

 ディっ?! ディープキスううううう────っっっ?!!

 

 あ、ああ、軍是さんの舌が私の口内を這い回る。粘着質な粘膜同士がぴちゃぴちゃと触れ合い、生暖かくも甘酸っぱい唾液が共に流入してくる。

 

 く、くううっ、美味しいっ、気持ちいいっ、ディープなキスってこんなにも気持ちがいいものなのかっっうく!!

 

「う、んんっ、う」

 

 わ、私は私で試みてみようと思った。こんなに気持ちのいいキスをくれる彼女になにも返せないのはいけないっっと、私はその口の中に流れ込んできた軍是さんの唾液を嚥下しながら、歯茎や舌裏を舐める彼女の舌に逆に自分から舌を絡めていったのだ。

 

「んん?!」

 

 軽く仰け反る軍是さん。ああ、軍是さんも私なんかの反撃に感じてくれているのだろうか? 私は彼女を逃がさないように、彼女の身体と頭を抱き締め、舌先で彼女の舌を突きながら。舌全体を絡め取った。ぬらりと滑る生暖かく甘酸っぱい軍是さんの舌。

 

 これが軍是さんの味。なら私の味も味わわせたい。欲望のままに舌で繋がる彼女の口内に私も唾液を送り込む。

 

「んッ、んんッ、」

 

 果たして、軍是さんは私のその想いを呑み込んでくれた。ごくごくと。私に舌を、ぶよぶよとしたその舌を絡め取られたままに、軍是さんは私の唾液を飲み干した。なんて嬉しいことなのだろうか。

 

 そうして暫くの間続く唇の中の攻防は、甘酸っぱい唾液をお互いに呑ませ逢いながら終わりを告げた。

 

「んふう――……ウフフ、ようこそおじさん、エロトピアの世界へ」

 

 い、依然、私の唇と軍是さんの唇の間を唾液の糸が繋げているが、その水分量の多さからか、混ざり合った唾液は、重力に引かれて、つーっと下へ落ちていった。当然どの唾液に濡れる、私と軍是さんの衣服。

 

「あーあ濡れちゃった。これは脱がないとね-」

 

 態とらしく呟く軍是さんは、制服のブレザーの前をぐいっと開く。だ、大胆だが、素敵でもあった。わ、私も着ていた作業服を脱いでいく。

 

「んふふふふ」

 

 含み笑いをしながらブレザーを脱ぎ終わると、続いてカッターシャツのボタンを外していく軍是さん。え?ちょ、ちょっと、軍是さん、ほ、本当に、その、何かするの? 聞いてみると、いちいち言葉で言う必要ある?と説教されてしまった。つまりこれは、その、私にも、その、脱げと? そういうことでいいんですよね、ぐ、軍是さん

 

 誘導されるかのようにして、私もシャツを脱ぎ、ズボンのベルトを緩めて、パンツのみの姿となる。中年デブオヤジ、不細工付きのパンツ姿なんて、軍是さんくらいだろう。需要があるのは。

 

 そうしている間にも、軍是さんはカッターシャツを脱ぎ捨て、焦らすこと無くブラジャーも脱ぎ捨てた。や、やっぱり、そ、そういう、こと?

 

 露わになった軍是さんの乳房は、大きくも無く小さくも無い、普通くらいの大きさだが、いわゆる形の良い美乳と呼ばれる物。

 

 たまらず私は近づいて、スカートとショーツを彼女が脱ぎ捨てたタイミングで、彼女の美乳に吸い付いた。いいんですよね?軍是さん……お、おっぱい、す、吸っても。

 

「んッああ、おじさん、から……くるんだ……せ、積極、的ぃ」

 

 ふ、普通サイズながらむっちりしている。詰まった肉の弾力の内部が私の指を押し返してくる。ああうう、なんて、なんて、柔らかくて、綺麗な、乳房何だろうか。

 

 私は指圧する要領で押し返してくる弾力に、抵抗しながら、軍是さんの乳房全体にかぶりつき、桜色の乳輪に囲まれた美しい乳首を吸い上げる。

 

「んッ、はああ、お、おじさ、ん、そんなに吸っちゃあッ、わ、たしッ、き、気持ち良くてッ」

 

 その言葉の続きはイキそうだろうか?

 

 え、エロトピアに私を誘ったのはキミだよ軍是さん。だから軍是さんが私を案内して下さらないと。

 

 ちゅうちゅうちゅうッ。右の乳首を吸い続ける。乳首からはもちろん乳液もなにも出ない。だが私にはするんだ。感じるのだ。軍是さんの味が。軍是さんが出しているだろう母乳の味が、私には感じ取れるんだ。錯覚だろうことはわかっていても、確かな味として脳内に刻み込まれる軍是さんのおっぱいの味。

 

 続いて左だ。右だけで終わらせられない。ここまできたら左の乳房も味わいたくなった。私は美食家では無いが、こと軍是さんのことについては甘さを得たいらしい。

 

「ぷはッはあ、はあ、軍是さん」

 

「な、なあ、に、」

 

「ソファに、寝るか、座るかしてください」

 

「ま、だ、早い、よ、おじさん、今、エロトピアの入り口に、入ったところ、なのに、ふああっ」

 

 言い訳じみたことを言わせまいと左乳房に吸い付いた。唇で吸い付きながら、舌を使い今度は硬くなった乳首を転がしてみる。

 

「ひああうっ、あ、ああ、気持ちいい、そんなに乳首を転がされたら私っ、ど、どうにかなりそうっ」

 

 どうにかなってしまえば良い。この硬く美味しい乳首の甘い味が、私を妙に積極的にさせてくれる。童貞のくせに何か偉そうな気分だ。軍是さんに顔向けできない。

 

 だが、軍是さんは軍是さんで、乳首に吸い付く私の頭を、両腕で抱え込んで、愛おしそうに撫でてくれている。禿げは撫でやすいですか? 思わず聞いてみたくなる。

 

 ただ、この甘い味をコロコロ、コロコロ、乳首を転がして楽しむ私にそんな余裕も無い。彼女が舐めていたチュッパチャップスもこんな味なのだろうか。いや、私は勝手ながら断じる。今吸い続けているこの軍是さんの乳首と乳房以上の甘味はこの世に存在しないと。

 

 ちゅうちゅうちゅっ、ちゅ~~~~~~~っっ!! 吸って吸って、最後にキスを送って、私は彼女の左乳房を解放してあげた。

 

「んあ、ふああああ、ふう、ふううううう、は、はあ、はあ、ど、どう、おじさん、美味しかった? わ、私のおっぱいは」

 

「ま、不味いわけが、ないでしょう。この世の甘味の最高潮でした。また、吸わせて頂いても良いでしょうか?」

 

「いいよ、もっと官能的にしてあげる」

 

 軍是さんがソファに座った。私はその正面に立つ。

 

「ウフフフ、おじさんのペニス。すっごくたくましくて大きいね」

 

「そ、そうでしょうか」

 

「ビデオとかの男優に負けてないよ。自信持って良いと思う」

 

 言いながら私のペニスを手に持つ軍是さん。ぞくぞくっとした感覚が背中を突き抜けていった。これだけでこんなになるなら。

 

 大口を開けた軍是さんは。

 

「あああむううう」

 

 わ、私のペニスを、その、お口の中に、呑み込んだ。

 

「お、おおっおおおおっ、これが、これが、フェ、フェラチオっ。ぐ、軍是さんいいですっ」

 

「もごもごも、ンっ、んんっ」

 

 私のペニスを口に含んだまま、頭を前後に動かし始めた軍是さん。私はそんな彼女の頭の両側頭部を持つ。ツインテールの下に両手を入れる形で。ソファの上に二つの髪束が渦を巻いている。それだけ長い証拠だが、私はこの長い髪が大好きだ。

 

「ああ、うああああ」

 

 ぞぞっ、ぞぞぞっ、背筋を迫り上がっていく官能的な感覚。軍是さんの首が前後するごとに、軍是さんの頭が前後するごとに、官能的な痺れは増していく。

 

 私は堪らず自らも腰を動かしてみる。彼女が首をこちら側へと押し出したとき、自らも腰を押し出して彼女の喉を突く。ただ苦しくさせないように優しくだ。私は軍是さんに苦しんで貰いたくないから。彼女の口蓋垂にはなるべくペニスを触れさせないよう口の中に前後させる。

 

 口蓋垂に当てないように擦るということは、余りペニスを突き込みすぎないように注意するということだ。中程までで充分。私には過ぎたる気持ち良さだ。こうしている間にも背中を駆け上がっていく快楽は脳に達し続けている。

 

 軍是さん、ああ、私は……!

 

 軍是さんも私の意図に気付いているようでモノを飲み過ぎないように注意しながら頭を前後。舌の上に載せて、優しく擦ってくれている。ああ優しいな軍是さんは。

 

 そうしてペニスと舌の擦れ合いも最高潮を迎え、私は。

 

「うう、ぐ、軍是さん出ますっっ、の、呑んでっ、呑んで下さいっっ」

 

 私はどうしても軍是さんに呑んで貰いたくて、呑んで欲しくて、頼み込んだ。

 

「んっ、んんっ、んんっ」

 

 くぐもった声を上げて少し肯いてくれた。ありがとう軍是さん。

 

 了承を貰ったところで陰嚢から込み上げてきた精液を全て軍是さんの口の中に出した私。逃げることは無いと分かっていても軍是さんの頭をぐっと手で押さえたまま。

 

 ドクドクと出る精子。どれだけため込んでいるのだろうか。コレは今終わっても終れそうもない。

 

「んぐっ、んぐっ、んぐっ、」

 

 ああ、軍是さんが私の精子を呑んでくれている。軍是さんが私の精子を。その事実がとても嬉しい。私は今日出逢ったばかりのこの殺し屋にどうやら惚れてしまったらしい。歳を考えろと思われそうだが、四十ほども年下だが、それでも美人でこんなことをさせてくれて、ここまでされて、惚れるなという方が無理な話じゃ無いのか?

 

 しかし、いつまでも出続けるわけも無く。栓を閉じるようにポタポタと垂れて落ち、やがて出なくなったペニスを彼女は口の中から出してしまった。ただ、口の中に出た精液は「ごくっ、ごくっ、ごくっ、」と嚥下してくれている。

 

「ごくんっ、……はあ、はあ、はあ、おじさん、どんだけ出してないの? 濃すぎるよ。たぶんもっと濃いのが出ると思う」

 

 軍是さんの髪、軍是さんの胸、軍是さんの膣、見ているとまたむくむくと大きくなってしまった。射精感も、官能感も全快に。ああ、確かに軍是さんの言うとおりだ。これはそれだけ相原軍是という少女を、女性を求めている証拠でもあるのだ。

 

「軍是さん、私をエロトピアへ導いて下さい」

 

「いい、よ」

 

 私は軍是さんの前に跪く。跪いて彼女の両脚を大きく開く。

 

 くぱぁ

 

「んんっ」

 

 綺麗なサーモンピンクの割れ目が姿を現した。たまらないと言いたい。クリトリスがぷっくりと膨れて自己主張をしている。これはあれか? 舐めて欲しいと言っているのだろうか? 下の唇、私が入るべき場所よりも早く此処は。

 

 分かった。そんなに舐めて欲しいのなら舐めてあげます。私がこの口で、舌で。

 

 ぴちゃ。

 

「ひゃあう!! そ、そこ、ちがっ」

 

「違いませんよ軍是さん。ぐ、軍是さんのココは、舐めて欲しいと充血し、膨らんでいます。私のと同じように」

 

 ぴちゅ、ぴちゃ。

 

「ああっ、ひゃああっ! ァ……んんっ、わ、たし、いっちゃい、そ……っ」

 

 彼女の今がどんな感じかは分からない。男と女は別の生き物だから。でも何となく分かる、ぞくぞくと泡立ち、背筋を駆け抜けるようなあの感覚にその身を襲われているところなのだろうと。

 

 危うい状態だろう。

 

 コリ

 

「ひゃあああ!! ダメっ、ダメェェェっ!!」

 

 唇で少しコリッと甘く噛んであげるだけで、エロトピアの案内人は大声で叫んだ。きっと、我慢できないのだろう。分からないでもないその気持ち。

 

「気持ちぃっ、だめっ、おじさ、んっ」

 

「き、気持ちいいのには、抵抗しない方がきっと楽です……軍是さん。さ、さっき、私がそうでしたから。軍是さんに気持ち良くされるままに抵抗しないで身を任せていたら、最高に気持ちが良かったから。だから、貴女も、んむっ」

 

「んっン……ン、あっ、くるよ、きちゃう、これ……ダメっ……あっ……ダメダメっ……あああっっ……ダメェェっっ!!」

 

 軍是さんが叫ぶと、私が口に含んだクリトリスからぷしっと塩みたいなのがふき出た。良くは知らないが男がイクのと同じような現象だと聞いたことがある。性知識に詳しそうな軍是さんなら知っていそうだけれど。

 

 ぴくんっ、ぴくんっ

 

 身体をぴくぴく痙攣させてイッている最中の彼女に聞くのは憚られた。

 

 しかしここまで来てコレで終わりでは無いでしょう軍是さん。ですよ、ね?

 

 私は、少し悪いと思いながらも、この五十八年間生きてきて、一度も経験したことの無い、彼女の言うエロトピアの極地を、この場この時に、体験してみたかった。だからこそ、ぴくぴく痙攣する軍是さんの両脚を、もう一度大きく開いて抱え上げ。

 

「ふえっ、ちょっ、待ってっ、ま、まだっ、イッて、りゅ」

 

 亀頭部で、膣口を、探るのだ。軍是さんの中に入る為に……。

 

「ひいんっ、あっ、やめっ、まっ、……って」

 

 だらだらと蜜の溢れ出している、愛液の溢れ出している其処を探り当てた瞬間――ゆっっくりと挿入した。

 

「ああっあああっっ」

 

 軍是さんが喘ぐ。いい声だ……。聞いているだけで心地いい、いい声だ。軍是さん、もっと軍是さんの声が聞きたいんです……。

 

 ぬるりと挿入っていく亀頭部位は、エラ下まで直ぐに呑み込まれていく。ぞくぞくとした官能的な電撃は変わらず背筋を駆け抜けていくが、今度のはそこだけじゃない。身体中にびりびりと広がっていくのだ。

 

 竿まで挿入したあたりで抵抗感を感じた。侵入してくる異物に対して軍是さんの身体が拒絶反応を起こしているのだ。だから私は無理には挿れてしまわず、そこを中心に前後運動を行った。

 

「ああっ、ダメェ、ダメダメっ、っあああああ!!」

 

 その間、軍是さんは連続で数回達していた背をソファに預け、反り返らせ喘ぎながら、私の抱え持つ脚をぴんと伸ばしきり、びくんびくん、と身体を痙攣させている。長い二つの髪束は先の方が床に流れ落ちてしまい、床で渦を作っていた、正直失礼だけど綺麗だ。美しいと思ってしまった。軍是さんのその姿が。

 

 軍是さんが喘ぎながら達する姿がとても美しく愛おしい。女性を愛するとはこんな感覚だったんだな。初恋なんてもう随分昔の話しだからすっかり忘れていた。

 

 竿までの挿入での抽挿は、ざらざらした膣肉の抵抗と柔らかさを感じてとても気持ち良く、私もココで達してしまいそうになる。何度もなった。キュッと締まる膣肉と、ざらざらとした感覚が相まって、程よい快感を与えてくれるのだ。

 

 だが、私には軍是さんが何度も達しているように、ここで達することは出来ない。達するのは一番奥で。精子を出すのは子宮の中へ。愛してしまった軍是さんには申し訳ないけれど、愛するが故に中で出さずにいられない。私ももう歳だ。いつ死んでしまうかも分からない。だから軍是さんを妊娠させたいと思ってしまったんだ。

 

「軍是さん、そのままで聞いて欲しいんです。私はこの歳五十八歳となりますが軍是さんに惚れました。だから軍是さんには私の子を産んで貰いたいのです。もちろん生活の安定はこれから、私と軍是さんとニチモさんの三人で始める企業でなんとかすると保証します」

 

 軍是さんは私の言葉を聞いてほけーっとした感じになっていましたがやがて。

 

「そ、そういう意味でエロトピアを始めたんじゃな――」

 

 反論してきました。それは当たり前でしょうね。ただエッチを、セックスをする程度までしか考えていなかったでしょうから。私も誘われるがままエロトピアに入りましたがここまで最初は考えてなかった。

 

「軍是さん愛しています」

 

「そ、そんにゃこと、いわりぇったって、わ、私――っあああああ!!」

 

 告白と返事を聞く最中、こなれた感覚を感じ取った私は、軍是さんの奥へと一息に突き込みました。亀頭部は子宮口にめり込んでいるのか奥へと突き抜けている感覚。

 

 背中を仰け反らせながら喘いでいる軍是さんが愛おしい。

 

 膣全体が強く圧迫するように締まる感覚。私のペニス全体が圧迫される中、軍是さんと一緒に私も達した。

 

「ちょ、中はっ」

 

 一瞬感じた危機感に軍是さんが拒否するも。もう遅かった。軍是さんの中に出したいという私の意思が勝ったのだ。

 

 ドクンっ、どくんどくんっ、次から次へと陰嚢から迫り上がってくる私の精液、自分でも分かるほど濃厚に過ぎるドロドロの精子が軍是さんの子宮に出され、流し込まれていく。

 

「だ、ダメ、だ、って、いって、ん、のに、私のっ、なかっ、っ出て――ああ……ああああ……」

 

 軍是さんがまたイッたソファに預けた背が反り、床にまで着く間の長い二本の髪束が大きく揺れる。

 

 その様子を視覚から脳に入れた私は、連続で射精したドクン、どく、どく。私と軍是さんの股間同士は隙間無く重なり股間同士がキスをしている状態。逃げ場の無い濃厚な精子は再び軍是さんの子宮の中へ。

 

「……っっ!!」

 

 連続で達している軍是さんは言葉も無く、びくびくと身体を震わせた。中に出された精子に反応して。それが致し方無しなのか否定なのか? 言葉が無いから分からないけど。私は訴え続ける。

 

「軍是さんっっ、愛していますっっ」

 

「ほん、きっっ……?」

 

「本気です。軍是さんを愛していますっ、」

 

 軍是さんの中に濃厚極まる精子を出しながら、射精を止めること無く告げた。

 

「こんな禿げで、デブで、不細工、中年と、四拍子揃った私ですが軍是さんに、子供を生んで頂きたいんです。軍是さんを、愛しているから。軍是さんの喘ぐ姿、軍是さんが私のペニスを飲み込んで精子を飲んでくださる姿、貴女の美しく長い髪、貴女の美しく深い瞳、所々に感じる貴女の残虐性、そして貴女の美しい義手、相原軍是という女性を、私は愛してしまったから」

 

 そして、こんな私みたいな外見の悪い男をエロトピアな世界へと導いて下さる優しさ。

 

「貴女のフェラを受けたとき、こんな私のような男のペニスを優しく優しくお口で扱いて下さったとき、私は決定的に惚れたのだと思います」

 

 私は抽挿を始めた。思えば初めてする抽挿だ。

 

「あっ……、あっ……ああっ……、っああ、き、きもち……いい、っわたしの中が、おじさんのペニスとっっ、こすれ、てっ、あっ、っああ……こ、こが、エロトっ、ピア……」

 

「わ、私も、気持ちっ、いいです、軍是さんの中で……、こうして……擦れ合えて……、愛していますっ、軍是さんっ、貴女にエロトピアへ連れてきて頂いて……、幸せだ……軍是さんと、せ、セックスが出来て……幸せです」

 

「っあ、ああ……、っひう、あっ、っはああ、ああ……気持ちいいっ……、っきもちいい、よォ、あっ、ああっ……気持ちい……い……あっ……っああ、は、ああっっ……っあ」

 

 

 めくるめくエロトピアの時間は終わらない。夕食も食べず、風呂も入らず、夜も眠らず、夜明けを迎えてもまだ。おじさんと相原軍是は、エロトピアの中で、気持ちの良い幸せなる時間を過ごし続けた。

 

 

 ◇

 

 

「この間のおやじしけてたなあァ」

 

 柄の悪い不良達がたむろしている。

 

「あの歳で財布ン中にカードの一枚も入ってねーとこからして大体終わってんだよなあ」

 

 いつもの三人組はここらあたりで獲物となる、弱そうなサラリーマンやおやじを見ていた。

 

「場所変えっか、全然人通んねーじゃん」

 

「まあまあ、急がず焦らずまちましょうや」

 

 ゴツ、ゴツ、ゴツ

 

 今日自分たちが獲物になる番だとも知らずに。

 

「あ? なんの音だよ」

 

 ゴツ、ゴツと音がした方を見ると。そこには。

 

 頭に大きなリボンをした腰下まで届く長い黒髪のメイド服を来た女が歩いていた、結構、いやかなりの美少女だ。

 

「イケてね」

 

「服はヤベーけどイケてんなあ。ちょっと声かけっか?」

 

 三人は歩いてくる少女に声を掛けた。これだけの美少女だ。連れ去って回すのもアリだと。

 

「よーよーねーちゃんスゲーかっこだな」

 

「……」

 

「おいおい無視すんなよ声かけてんだからさああ」

 

「……」

 

「だから無視すんなって言って」

 

「黙れ」

 

 ここで彼らは決定的に間違えた対応をした。彼女の前で大声を出したことだ。

 

「んだとコラァ!! 人が優しくしてりゃ!!」

 

「だァ~まァ~れェ~っっ!!!」

 

 ガチャっ

 

 瞬間、少女がスカートの中から銃のようなおもちゃを取り出したかと思うと、それを不良の一人。一番煩い声を上げた不良に向けて発砲。

 

 次に彼らが気付くとボトン。首が落ちて血を吹き出す仲間の姿があった。やったのは少女だ。状況的に間違いない。

 

「う、うわああああああああああああ!!」

 

「煩い煩い煩いぃぃぃぃぃ!!!!」

 

 カシュン。

 

 ボトン再び大声をあげた不良の首が落ちた。

 

 びゅーっと振ったコーラのように血を吹き出す首から上の無い二体の死体を見て、少女――愛河内ニチモは笑顔になった。

 

「これで私もおじさんに褒めてもらうんだあ~~~えへ♪」

 

 

 ◇

 

 

「なんだ、何なんだよあの女っ、頭イカレテやがる!!!」

 

 一人で何とか逃げ出せた不良は、簡単に人を殺す、殺せる武器を振り回す少女を思い出して、このあたりにはああ言うのもいたことを今更ながらに思い出した。

 

「そういや、ここらでたまにああ言う殺人鬼がいるって聞いたことあったな。ヤクザの組事務所も多いし、暫く大人しくして――」

 

 だが、彼だけが逃げられるほどこの街は平和に出来てはいなかったのだ。

 

「ビックリパピポ~~~。バカが一人でやって来たよ~~~~」

 

 急に声を掛けられた。また女だった。明るい青の髪をツインテールに纏めた毛先が膝下にまで届く女。ブレザーの制服姿でこちらもそうとうな美少女だった。

 

 特に何かを持ってはいないところから、コイツは大丈夫だろうと考え、イカレ女から逃げる盾にでも使ってその後は犯してやると短絡的に考え、手を出そうとしたが。

 

 女は左手を伸ばすとネジ巻きのようにキリキリと腕を伸ばし、手の甲にスリングショットを嵌め、弾を込めてこちらへと向けてきた。

 

「汚い手で触んないでくんな~い? この身体はおじさんのモノなんだからさァ」

 

「う、うわあああああ~~~~っっっ」

 

 こいつもだ。コイツもあの女と同じ殺人鬼だ。逃げねーと!逃げるんだ!俺は助かるんだ!!俺は――パンっっ。

 

 頭に穴が空いた死体は、最後まで助かるんだという感じの表情で死んでいた。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「おじさん最初のお仕事完了~ってことで」

 

 そう言って中年のおじさんに駆け寄り抱き着いたのは、ツインテールの少女――相原軍是。

 

「おつかれさ、ん――……」

 

 口付けを交わす軍是。おじさんにだけであり、おじさんも彼女にだけだ。抱き合いキスを何度も行う二人。そんな二人の元へ

 

「あー! 軍是せこーい! おじさん私も頭撫でて撫でて~♪」

 

 おじさんは駆け寄ってきた少女――愛河内ニチモが合流すると。彼女の頭と髪を優しく撫でてあげる。

 

 片腕で軍是と抱き合いキスを交し続け、片手でニチモの頭と髪を撫でるおじさんは、そこそこ時間が過ぎたところで。

 

「二人ともそろそろ撤収しましょう。ニチモさんは寮に戻らないとダメだし、軍是さんと私は事務所に帰らないと。これが仕事始めだからね。明日からは自分たち自身で依頼人を探していかなきゃ」

 

「そうね~♪」

 

 と、分かっているのかいないのか?脳天気に答えるニチモ。

 

「だね~」

 

 こちらもあっけらかんと答える軍是だが、軍是はきちんと理解していた。

 

「知り合いに情報屋さんも居るからその人を伝手にする方法もありますよ」

 

 そうして何でも屋を始めた三人は、各自帰って行くのであった。

 

 

 ◇

 

 

「あっ、あっ……っああ、きもち、いいよ、おじさん……っわたし、わた、し……っああ、っああ……、はあっあ、あっ……っああん、っああン」

 

「軍是っ、さんっ、私もっ私も気持ちいいですっ、軍是さんの中っ、暖かくて……、っ程よく、締まってっ、最高ですっ」

 

 事務所に帰って直ぐ、私と軍是さんは互いに互いを求め合い、エロトピアへと足を踏み入れた。復讐も遂げて、初仕事でもある事を終えて、でも疲れたわけじゃ無いからと。

 

 私も軍是さんも全裸。一糸まとわず、セックスをしていた。

 

 初めてした日から、初めてしたときから、もう何回したか分からない。

 

 僅か数日前のことなのに。私と軍是さんは身体の相性がとことん良く、どれだけしても気持ち良さに限りが無いらしい。

 

 今日ももう五回目。気持ちが良い、ただただ気持ちが良い、軍是さんと愛し合うのは。

 

 そうだ。これはセックスでもあって、愛し合う行為でもあるのだ。何故なら、私の告白を、求愛を、軍是さんは受け入れてくれたから。

 

 あの一晩中のセックスを終えて、軍是さんは、私の言葉を振り返っている中で、義手について美しいと言った私の言葉を思い出していた。それが決定打だったのだという。

 

 義手についてあんなに褒められたことが無いから、あと、セックスの真剣さ。告白の真剣さ。そういうのもあって。

 

『私もおじさんに惚れてるみたい。おじさんの子、産んであげるよ。あときちんと結婚もして貰うから』

 

 となって、いまは婚約中状態となった。

 

「あっ、ああっ……っあ、はあっ、いいよ、おじさ、ん、っいいよぉ、きもち、っいいよぉ、もっと、もっと奥……っおく、きてェ、あっ……っああ」

 

 それからは毎日必ずエロトピア的セックスをしようという話になった。早い話が長時間のセックス。

 

「うっ、ぅぅっ、出るっ、出すよ軍是さんっ、奥にっ、っ子宮に! 軍是さんの子宮の中に!」

 

「いいよっ、きてっ、あっ、奥っ、わたしのおくっ、に……っわたし、の子宮、の中にっ、おじさんの精っ、っ子を……っあ、ああ、ああああああ」

 

 ドクンドクンドクンやっぱり自覚できるドロドロに濃厚な精子だ。それを軍是さんの子宮の中へと注ぎ入れる。

 

「っっああああああ、あつ、いっっ、おじ、さん、の、ドロドロ、せい、し、すっごく……っ熱い、よ」

 

 軍是さんの子宮の中へ精子を注ぎ入れる瞬間も愛おしい、けど。

 

「また、始めましょう」

 

「うん」

 

 抽挿を、セックスその物、軍是さんと愛し合うことその物が。喘ぐ軍是さんの姿が。

 

「あ……っああ、あっ、あっ、はああっ、っああ、きもち、っいい……っああ、っああ」

 

 愛おしいんだ。

 

「ねえ、お、じさん、」

 

「は、い、なんでしょうか軍是さん……」

 

「笑って、わら、って、すてき、だねっ、っっあああああ!!」

 

 背を仰け反らせてイク軍是さんを強く抱きしめ、ドクン、彼女の子宮の中へと繰り返し射精しながら、私は返答した。

 

「笑ってっっ、私と軍是さんのッッ、す、素敵な家庭をっ、築き、ましょうっっうううう」

 

 イク私とイク軍是さん。

 

 幸せな私たちの家庭は、もうこのエロトピアに作られていた。

 

「ああっ、ああっ……っはああ、っあ、あ……ぁぁっ、っぁあ、き、きもち、いいよォ……っああ……っあ」

 

「軍是さんっ、ああっ、気持ちっ、良いっ……っです、ね」

 

 軍是さんとの愛おしい六回目のセックスの始まりだ。

 

 

 

短編集内の各お話と投稿予定(未定)の続きやお話で読んでみたい作品はありますか?(ご期待に副える事が出来るかどうか分かりませんが、一ご意見としてお伺いしたいと思います)

  • コードギアス
  • コードギアスR2
  • 此花トゥルーリポート
  • FF4×FF6
  • カオシックルーン
  • 学園黙示録
  • ルパン三世 ワルサーP38
  • 幕末風来伝 斬郎汰
  • ニードレス
  • ヨルムンガンド
  • 少女少年
  • 北の告発
  • サラダデイズ
  • クレセントノイズ
  • ひとひら(甲斐×理咲の近親相姦物)
  • ESアザーワイズ(戒×瑠璃)
  • 遊戯王GX(十代×カミューラ)
  • 魔装機神(マサキ×モニカ)
  • 椎名君のリーズニングファイル
  • RAVE(ハル×絶望のジェロ)
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