事務員探し 詩織ちゃんの内心
私の名前は長谷川詩織。
今となってはもう無関係な長谷川地所の総裁、長谷川克己の娘――だった、あの橋から身を投げる日まで。
いえ、身を投げようとしていたとき。おじさまによって助けられたあの日に、長谷川克己の娘だった長谷川詩織は死んだのよ。
そう、おじさまに助けていただいたあの日に、“長谷川詩織”は死んで、“長谷川詩織”に生まれ変わった。
正直に告白しよう。一目惚れだった。
橋から落ちようとしていた私を、身を乗り出して引き留めてくれて。
『人間生きていれば死ぬほど辛いことがある。けどその死すら笑ってしまう生き方をしている人達だっているんだ。だから、さ、』
――もう少し、生きてみよう。死ぬ事なんていつだって出来るんだからね。
死ぬことはいつでも出来る事、でも生きることは疲れて辛いこと。
その疲れて辛いことの中にこそ、『楽しい』は隠されているのではないか。
そう、僕と一緒に宝探しをしよう。
『楽しい』という名の宝探しを。
おじさまはその頃、底辺も底辺、最底辺を生きていた。
よくドヤと呼ばれる安宿に泊まり、日雇い作業をするという。お泊まりしているところの環境は、一言で表わせば、とても悪かった。
汚いし、変な匂いがするし、あの虫は出るし。それでも長谷川克己以上に汚い生き物を知らない私にとっては、十二分以上に快適な居心地の良い場所だった。
そこに住むおじさまと同じような生活を送っている住人さん達は、とても優しかったことを覚えている。
おじさまが“一度死んだ娘だ。手を出したら許さない”と、最初に気迫を込めていてくださったからなのかも知れない。
おじさま自身は、脚が震えていたけれど。
本当は気弱で優しい人なんだと、その気弱さを吹き飛ばしたのは私のために……そう、思えば、益々恋心は大きく強くなったと思う。
昼間は私は宿でおじさまのお帰りを待っていたり、近くの△公園で遊んでいたりしている。子供は遊ぶのが仕事だよと、といっても君の場合は子供と大人の境目に居るけどねぇ。諭されて。△公園はホームレスの人達が多いけれど、みんな優しいから安全な場所だという場所をうろうろしていた。
よくお餅をくれるおばさん、よくカレーをごちそうしてくれるおじさん。みんなホームレスというだけで色眼鏡で見るけれど、とても優しい人達ばかり。
死ぬのは簡単。それじゃあ難しい宝探しをしよう。宝はその辺りに落ちているようで落ちていない。詩織ちゃんはソレを自分で見つけるんだ。
宝はあった、自由なるこの場所に。窮屈な財界にはなかった宝が今、私の目の前にある。
昼間、私は本当なら学校に行かなければならない。高校に通っているから年齢だから、これは本当は未成年者略取の犯罪なのだけれど、おじさまは私に勉強道具一式を買ってくださり仰った。
『こんなで悪いけれど。君の素性とかバレても不味いんだろう? 長谷川詩織ちゃんは死んだ事にされてるから。だから、勉強はコレで、我慢してくれると助かる』
事実父の手で私は死んだ事にされた。死の安いこの街ではありきたりのこと。ニュースに成りもしなければ、警察も動かない。
仮にも長谷川地所という大企業の長女が死んだというのにこんな扱い。まるでゴミのような。
本当に、私は誰にも必要とされていないのだと知り、おじさまの胸で泣いた。
おじさまはただ何も言わず、私の頭や髪の毛を優しく撫でたくださった後、一言。
『誰にも必要とされてないなんて事は無いよ。この僕が必要としている。詩織ちゃんがいないと僕は寂しくて死にそうだ、この、暖かい温もりが僕には必要なんだよ』
それに、△公園で詩織ちゃんが知り逢ったおじさんやおばさんも、詩織ちゃんが死んだら悲しむよ。
『本当に?』
『ああ、本当さ』
『じゃあ、それじゃあ、証明してください』
『証明?』
我ながら今思い返せばませた子供だなあと思う。
私に恋心を教えてくれて、私に恋心を抱かせて、そして私を大切にしてくれる男の人、私の命を助けてくれた人。
大人達の中で話し接し、生きてきたから、大人の接し方しか教わってこなかった所為。
悪い面で私の仮面の向こう側が出て、その恋するおじさまを困らせてしまった。
『キス……してください!』
『は……いや、ええっ?!』
『おじさまのキスを私にくださいっ!』
初恋だった。
おじさま。
とてもお歳の離れた私とおじさまだけれど、それでも男と女です、おじさまもとても焦り躊躇われていましたね。それもそうよね。女子高生の女の子からキスしてなんて言われたら。おじさまからすればこどもみたいな年齢差だもの。
子供の悪戯、子供の好奇心、そんな物じゃないという事をおじさまは理解されていた。本物のキスを私にくださいと言われているのだと。
だからおじさまは次善策を打たれた。
『詩織ちゃん。じゃあその、証明として、キスをしてあげるよ。唇と唇の、本当のキスだよ? ただし、これはノーカウントのキスだ。意味は分かるね?』
ノーカウントのキス。つまりファーストキスではないキス、キスと言いつつ子供へのそれ。アメリカなどでは良くある光景のそれのこと。
LoveではなくLikeのキス。でも、だけどねおじさま。私にとってはLoveのキスなのよ。
『はい。それでもいいです。私にキスをください。おじさまの……キスを……私を……長谷川詩織をみんなが大切にしてくれていることが本当だというなら』
大切な人にはキスをする。
代表はおじさま。
皆さんを代表しておじさまがキスをしてくださるのだ。
はっきりと言ってしまえば、おじさま以外の誰かのキスなんて私は嫌だもの。
愛する、恋する、おじさまの唇が私は欲しい。
『じゃ、じゃあ、行くね』
おじさまはムードも何も作らず、ううん、きっとそういうの経験が無いから作れないんだ。
ムード無く。
――ちゅっ。
「んっ――」
私の唇に、確かな口付けを、送ってくださった。
あの瞬間、一瞬だったけれどおじさまの唇の湿り気と甘酸っぱい味、温もりを感じた。
二度とは無い初めてのキス。おじさまはノーカウントだなんて仰っていたけれど、私はあのキスを。
あの優しく甘い口付けを、カウントに入れずには居られなかったし、これから先も、おじさま以外とのキスなんて考えられない。
恋は何度だってするって言うけれど、私の恋は、おじさまが私を助けてくださったときに始まって、あのキスで大きく開花した。
責任を取ってくださいなんて迷惑なことは言わない、でも、おじさまのファーストキスの相手は私で、私は今もおじさまの事が好きだということ。
それから16歳の終わりごろになるまで、おじさまと生活を共にした。お風呂に入るのも子供だからと、“子供”を存分に使って”女子高生だろ君っ!”‟女子高生でも子供は子供です”なんておじさまとのお風呂を共にした。
ドヤの管理をしているおじさんも、身寄りのいない子だからと大目に見てくれたこと、良くも悪くもドヤの皆さんと仲良くなっていたことが大きかった。
寝るときはおじさまに抱き着いて寝る。これも“子供の強み”を活かした。
思えば計算高い女だったなと思う。
だけどその時間、私は手に入れた宝箱の中で過ごせたのだと思うわ。
おじさまと、おもちのおばさんと、カレーのおじさんと、安宿の常連客に、管理をしているおじさん。
財界にはなかった本当の人間の姿みたいな物がそこにはあった。
皆さん苦労して毎日を送っていらっしゃるのだろう。薄給で、清潔な宿にも泊まれず、アパートも借りられず、こんな危険な街で。
どこそこで誰かが死んだなんて話は日常茶飯事だったわ。
殺し屋も多く、ヤクザ組織も多い。裏の世界の臭いがこびり付いた腐れた街。
おじさまはこの街の危険性に気付いていらっしゃらなかったよう、ううん、ほとんどの人がきっと気付かずに日常を送っている。
でも、少し裏を覗けば血だまりの臭いがするこの街で、それでも私が生きていこうと決めたのは、此処におじさまがいるから。
やってきたその日。その日を迎えた頃、おじさまは僕から私へと一人称を変えていた。
『本日を以て、長谷川詩織は一人前になる。だからずいぶん遅まきの一人前ながら、僕も私になるとするよ。社会人だからね』
『うふふっ、私も今日から社会人ですよおじさま』
高校に通うお金の余裕はない。だから仕事をする。それに高校に通えなくとも勉強は独力で出来る。伊達に大企業長谷川地所で英才教育を受けて来たわけではないから。
『一緒に社会人になろうね、詩織ちゃん。といっても、私はこれからも同じで日雇い作業員になりそうだけれども、詩織ちゃんには幸せな人生を送って欲しい』
そうして笑い合った後、おじさまに見送られながら私は別れた。
汚れた衣服じゃない、綺麗な白いワンピースを着て。
最後におじさま。幸せな人生をというのならば、私を娶ってください。
私の今の夢は、いつかおじさまのお嫁さんになる事ですもの。
◇
「詩織ちゃん。詩織ちゃん大丈夫」
「えっ あ?!」
現実に戻ってきた。
おじさまの姿が目の前にある。顔が凄く……近い。
だけど、おじさまの背後に居る二人の女性が凄い目で睨んできていて、私を牽制している。
一人は明るい青緑? の色のツインテールの髪をした女子高生。ツインテールに纏めてもその毛先は優に膝下にまで届くほどの長い髪。とてもショックを受けたけれど、この方、相原軍是さんはおじさまの婚約者らしい。
私と別れた後、特にここ最近おじさまの身に色々と起きて、おじさまと相原軍是さんは男女の仲になって、婚約したのだとか……でも、キスは私の方が先ですから。隠し事だから言いませんけれど。
もう一人は、腰から腰下くらいまでの長さをした真っ直ぐな黒髪の、年の頃は私よりも上だと思う、大人の女性。左目に掛けたモノクルが印象的なエクスプローダーさん。
この事務所のエースらしく、主に裏のお仕事専門だけれど、表のお仕事もされるとか。迷子の探し人の依頼で、三歳くらいの小さな男に懐かれたのだそう。
「エクスお姉ちゃんが危ないときは僕がこの銃で守ってあげるねっ!」
そう言って銀玉鉄砲を取り出して、パチンパチンと弾を発射していたのだとか。
「実に強力な銃を持っているな坊主。だがそういうのはいずれ大きくなったら出来るだろう恋人のために取っておけ」
そう返して母親の元へ送り返したのだとか。怖い人に見えてもおじさまと触れ合って優しくなったのかしらね?
このエクスプローダーさんって人、見てる限りその様子と言動からしておじさまに恋心を抱いて居る。
女の勘とでも言うのかしらね。エクスプローダーさんは間違いなくおじさまの事が好きだ。婚約者持ちのおじさまを好きになっても先はない……。
でも、だけど……、別に好きになるのは自由よね? 女だもの。好きな男性が重なる事だってあるわ。でも、私は自分の独占欲が深い事を自分でも知っている。
おじさまは言葉遣いまで丁寧な言葉遣いに変わってるけれど、昔のままちっとも変わってない。
とても優しい瞳と、温かい表情をしている。容姿は悪い、デブのおっさんなんて婚約者の軍是さんが言うくらいだから。
だけど、その温かさと優しさは昔のまま、虚勢を張ったり無理をしたりするところも。
軍是さんもエクスプローダーさんも、これは怒らせたら危ない人だって、短い裏世界の経験則上分かる。
とくにエクスプローダーさんは危険だ。怒らせれば周りの全てを破壊してしまいそうなほどの威圧感を持っている。
そんなエクスプローダーさんだけど、おじさまを見ているとき、無表情の中に微笑みが混じって、頬が赤くなっている。
こんな危なそうな人を虜にさせてしまうおじさまって、そういう才能の持ち主なのかしら。
でも、だけど……、おじさまは婚約者で、いずれは相原軍是さんと結婚するわけで、エクスプローダーさんや、私がどれだけおじさまを愛そうとも、その恋が、この愛が実ることはない。でも……私はおじさま以外の男性なんて、この先一生愛せない、おじさまは運命の人だもの。
きっとエクスプローダーさんもそう、おじさま以外を愛せない女性。
……
……
……
ああ、もういいっ! 婚約者持ちだって愛しちゃいけないなんて法律はないし、この街にはまともに法の力も及ばない!
開き直ろうっ! 私が一番最初におじさまを好きになったんだものっ!! 私がおじさまを愛しちゃいけないなんて法律もないのよ!!
「詩織ちゃん!!」
「は、はいっ!!」
おじさまの大きな声にまた再び現実に引き戻された。
いけないいけない、おかしな妄想や、思い出すことばかりを思い出して、現実に手を付けられないだなんて、社会人失格だわ。
「雇用契約に伴う我が社の社則を読んで置いて。これ」
薄いペーパーを渡された。
えっ? こんなペラペラなの一枚で良いのかしら?
すると軍是さんが。
「その社則、かなり適当に作った物だから。私とニチモで」
こ、高校生が作った社則なの?! なんて適当なのかしらっ。
「スペルマはぶっかけて仕上げてあるから大丈夫よお姉さん」
またスペルマ……。というか、このニチモって子、本当に男の子なの? 長い黒髪に愛らしい容貌にエプロンドレス。手足も女の子のそれで、態度や仕草も。
「お、おじさま、その、ニチモさんって本当に」
こちらの質問の意味を直ぐに察してくれたおじさまは。
「あ、うん、ニチモさんは男の子だよ」
「……」
人間の不思議って言って良いのかしら? 髪の毛は地毛らしいから、服を男性用の衣服に替えても女の子にしか見えないわ……。
またエクスプローダーさんは。
「私の時もそのテキトーな雇用契約書と社則の説明書きだった。私も含めて全員事務が未経験だからテキトーになるんだよ。日雇い仕事だったおじさんは勿論、殺しが専門の肉体労働な私、軍是、ニチモもな」
だから事務員が必要で、事務仕事が出来る人間が必要だったのね。
それが私とおじさまを再び巡り合わせてくれるだなんて、運命的な物を感じるわね。
うん、婚約者が居ようと好きな気持ちを捨て去るだなんて出来ない。
別におじさまとどうこうなりたいとか、そんな、そんな贅沢なことは望んでいないから、軍是さんとの結婚が決まっていても良いから、少しだけその愛と優しさを私にも振り向けてねおじさま。
個人的なことは別として、事務員、私だけじゃ足りないわ。
「あの、おじさまは私以外で事務員の宛ては?」
「日雇いのおじさんにあると思いますか? 現場労働者なら何人か知り合いに居りますけれど、意味が無いでしょう?」
確かに無意味よね。現場労働者の方に事務作業をしてと雇うのは。
すると、何を思ったのかエクスプローダーさんが、おじさまの左半身にペトッとくっついた。
え? え? 婚約者がいる前でそういう事をしてもいいというの?!
「エクスっ、あんた少しは遠慮するって言葉を知らないわけ?」
悪態を吐きながら軍是さんは右半身にペト……。え、軍是さん怒らないの?
「あ、あの、軍是さん、良いのかしら、その、婚約者として?」
「良くないっ! 良くないけど好きな物は仕方ないじゃんっ! もちろん一定以上は弁えて貰ってるけどさぁ……弁えてるよねエクス?」
「……弁えて、いるつもりだ」
「アンタねェ何なのよその間はっ! 言って置くけれどおじさんはこの相原軍是の婚約者だって事みんなしっかり覚えておきなさいよっ!!」
キッっと、私を見る軍是さん。え? え?
「あんたもバレバレなのよッ、そのおじさん好き好きオーラッ!! あんたも恋する乙女でしょうけどッ、こっちも恋する女なのッ、分かるのよそういうのッ! ほら、おじさんにくっつきたいなら今がチャンスよ? 私公認で許してやってるんだからッ!」
え、え、ええ?! い、いいの? おじさまにくっついても。……そ、それじゃ、えいッ。
私はおじさまの腹部に頭を載せた。太鼓腹っていうのかしら? 昔別れたときよりもお太りになっているような……。
でも、柔らかくて暖かくて……気持ちいい……。
「私は吸着剤ではないのですが……」
困ったようなおじさまの声と共に、私の頭と髪を優しく撫でてくださるおじさま、ああ、このときをずっと夢見ていたの。
またおじさまに頭を撫でて頂く瞬間を……。
「別れたときよりも更に髪の毛伸びましたね詩織ちゃん」
「嫌いですか? 長い髪の毛……」
嫌いと言われたら泣いてしまう。だけれど、おじさまはそんな事、仰らない。おじさまはいつだって私を守ってくれたもの。
「いいえ、好きですよ詩織ちゃんの長い髪の毛……とても綺麗です……艶があって、滑らかで……」
何度も何度も私の髪を撫でてくださるおじさま。ああ、やっぱり駄目……私はおじさまを愛しているわ……今でもずっと……。
「私の髪は撫でてくれないのか?」
今度はエクスプローダーさんが頬を膨らませているかのように駄々をこねる。
「もちろん、エクスさんのこの長く真っ直ぐな夜のとばりのように美しい黒い髪も好きですよ」
本心だと思う。おじさまは大切な人に嘘を吐かないから。
「っていうかさあ、なんでこの二人が先なわけ?! 普通婚約者の私が真っ先でしょうがー、おじさん!!」
「ああ、いえ、もちろん……軍是さんは特別です」
憤慨する軍是さんのツインテールに指を通して、絡めながら撫で救うおじさま。ちょっと特別な感じなのが焼けるわね。婚約者同士だから仕方が無いのでしょうけど。羨ましい。
私はおじさまの膨らんだお腹の温もりを堪能し続けた……。
ニチモさんが「私はー?」と仰っていたのが引っ掛かったけど、おじさまって誰に対してもお優しいから。
◇
「ところで皆さん、引っ付き虫になっている場合ではないのですよ。最低あと一人できれば今後の事も踏まえて二,三人事務員を探さないと、全部詩織ちゃんが回すことになって、事務所が書類で埋もれる嵌めに」
一斉に離れるみんな。私からすると子供や孫みたいな年の女性ばかりだから、ついそんな目で見てこういう事を許してしまいますが、私、軍是さんと婚約しているのですよね。
自重するところは自重しないと。ただみんな可愛らしくてつい、頭なでなでとかしちゃうんですよ。昔逸ったナデポじゃあるまいし。好かれていることは嬉しいのですが。
そう、それはともかく事務員捜しです。この問題は早急に解決するべき問題の一つですよね。高校生でも大人でも良い。裏世界につかりすぎていない子が。
または脚抜けさせることが出来るような子が。まあ、軍是さん曰く『エクスプローダーを裏から脚抜けさせたおじさんなら大抵の奴はいけるでしょ』その為に、残りの宝くじ当選金は慎重に使うべき。
この意見に。
『おじさんは金銭感覚が狂っていると思う』
『エクスの言うとおり。ちょっと使いすぎだよねー』
と、エクスさんと軍是さん。
『おじさんお金は慎重に使いましょうねー』
『そ、その私も無茶苦茶な使い方をしていると思います』
ニチモさんと詩織ちゃん。
見事に全員一致で異常なお金の使い方をしているという。でもね。
『そのおかげでみんなこうして集まれた。私はこの結果に満足しています』
そう言ってやったら、四人にひしっと抱き着かれた、う~ん。なんだろうかこの、金で女を買っている感。
詩織ちゃんを除いて全員元殺し屋。しかもエクスさんに至っては業界最強の殺し屋というから、普通に考えて怖い状況なんだけど。
みんな何だか可愛くて頭を撫でてあげた。
◇
「なんかさー、おじさん直ぐに私らの頭や髪を撫でたりして誤魔化す癖も付いてない?」
軍是さんの鋭い指摘に、無くも無いかなと考える私。
「私はおじさんに頭を撫でられたり髪を撫でられたりするのは好きだが……確かに誤魔化しも入っているな。おじさん、残りのおじさん個人資金の残金は?」
エクスさんの鋭い一言。何のことか分かりませんと顔を見合わせているニチモさんと詩織ちゃん。
「2億5000万」
「……今の調子でスカウトしていたら直ぐパンクだね」
「まず5000万で一人は厳守だ。これで五人行ける。一人を雇うのに一億も要らないぞ? 何なら1000万でもこの街でならそこそこの腕の殺し屋を雇える」
「エクス、今必要なのは事務員。詩織さん一人じゃ回らなくなるの目に見えてるし? でもま、エクスの言うとおりだよ、そりゃ軍是さんとしちゃ一億出されて嬉しかったし、それがあったからおじさんと出逢えて婚約者にも成れたから? 文句言えないけどさ。やっぱしある程度の線引きは必要だよ。まあね、おじさんのお金だから私たちが口出しする事でも無いけどさ」
「そうだな……、とりあえずそこらの不良女子高生でも良い。殺し屋でも機械作業などに明るい輩なら事務作業もこなせられるだろう。それっぽい情報や人物を見つけたら声を掛けてみる。これで行こう。無論、表の張り紙は支度金2000万前後に下げてだ」
なんだかエクスさんが仕切ちゃってるけど、妥当な線であるとも思うし、それで行こうか。
短編集内の各お話と投稿予定(未定)の続きやお話で読んでみたい作品はありますか?(ご期待に副える事が出来るかどうか分かりませんが、一ご意見としてお伺いしたいと思います)
-
コードギアス
-
コードギアスR2
-
此花トゥルーリポート
-
FF4×FF6
-
カオシックルーン
-
学園黙示録
-
ルパン三世 ワルサーP38
-
幕末風来伝 斬郎汰
-
ニードレス
-
ヨルムンガンド
-
少女少年
-
北の告発
-
サラダデイズ
-
クレセントノイズ
-
ひとひら(甲斐×理咲の近親相姦物)
-
ESアザーワイズ(戒×瑠璃)
-
遊戯王GX(十代×カミューラ)
-
魔装機神(マサキ×モニカ)
-
椎名君のリーズニングファイル
-
RAVE(ハル×絶望のジェロ)