二人が出会ったのは?
trash.の二次創作です。
殺し屋子供とおじさん
「まずねえ、決定的に間違えてるのはあ。この街での殺しの価格が下は十万以下、上は一千万前後って話で、凡その話なんだけど。専属で雇用するにしても一億要らないのっ」
口を酸っぱくして仰ってくるのは、明るい青色、青緑色にも見える、ツインテールに纏めてもその毛先が膝下に届いているほど長い髪を持つ女子高生。
彼女ら親しい人からはおじさんと呼ばれる、実際五十代のおじさんたる私の婚約者で、元でもあり時折現職に戻る殺し屋の相原軍是さん。
彼女が滔々と語るのは、私の金銭感覚について。金銭感覚が完全に狂っているそうだ。報酬の五十万やら百万を有り難がるくせに、手持ちのお金をアホみたいに使うなと説教を受けていたのである。
「そういう軍是さんだって私から一億受け取ったでしょうに」
ええそう、彼女との出逢いと馴れ初めの中で、彼女への雇用契約金として一億円を渡して、彼女は受け取っている。
「それとこれとは話が別だってば。大体、私、あのお金には手を付けてないし。おじさんが事務所の資金やら、その後の必要経費を全部自腹で出すから」
ええそれはまあ、私は十億円の宝くじに当選したわけですし、有効に使わなければいけないでしょう。
軍是さんという婚約者が出来たのもおかしな話、この資金が切っ掛けですから。
金で女を買った? いいえ、私と軍是さんは心から愛し合っておりますよ。出逢いの切っ掛けがお金だっただけの事です。
「ニチモはまあ私の連れみたいなものだからわかるとして、エクスプローダーにまで一億、詩織さんにまで一億、そんなことしてたらあっというまに種銭が……ま、無くなりはしないか」
無くならない。会社の運転資金は初期投資にみんなで出し合った一千万で動かしてるんだけど、上手いこと回っている。
これはとんでもなく皮肉な話ながら、この街が裏主体で動いているからじゃないかというのがエクスさんの見方だった。
表の仕事をする者が少ない。実入りが少ないと見られているか、裏の方が簡単に稼げると見られているかのどちらか。
元殺し屋三人、それと少なからず裏にもかかわっていた詩織ちゃんが言うには前者と後者が入り混じっている状態。ではないかとの話だった。
だって、人探しや犬探しで都合百万の報酬があるって、誰も表の仕事をやらないからだろう? だから報酬が勝手に上がっていく。
商売敵も今のところ分かっている範囲内ではポーラさんのところだけだけど、ポーラさんのところとは業務提携を結んでいるから、別に敵という訳じゃない。
殺しの腕が落ちるか? いや、落ちない。裏の仕事も少しはしているから。ただし脚も付かない様などうしようもないクズ案件のみだ。
軍是さん、エクスさんが言うには、この街で殺しがあっても、警察業界の人間はよほどの案件でもないと見向きもしないという話。
いやあ、色々と怖い街だねえ。でもま、こんな街でも最底辺で生きている私たちのような人間もいる。
「光あれば闇もある。闇があればまた光もあるのさ。そういう事なんだろうね。ふっ」
ふ、今の私詩人みたいだったけれども、軍是さんの心にも響いたかな? ちらっと軍是さんを見ると。
半目だった『何言ってんのこのおっさん』的な目だった。
いや、まあ、ね、自分でも似合わないなと思いはしたけど、仮にも婚約者にその目は。
ちょうど軍是さんからのありがたい説教を受けつつ歩いている直ぐ右の植垣のあたりで、我が婚約者軍是さんの態度について考えたとき、何か植垣からゴロンと子供がでんぐり返しして出てきた。
え? なにこの子? なんで子供が植垣から出てくんの? この街はこんなところでもおかしいのか?
出てきた子供は、紫色の肩までの髪をした一見邪悪そうに見えて純な青い瞳を持っている、世間ではアホ毛なんて呼ばれる髪がとても長い。
濃い青色の全身服に同じ色の表地、裏地は濃色ピンクのマント。顔面には厳ついマスクを付けている少女がころころ転がってきた。
「にゃんこちゃああ……ぁぁ? おっさん誰だ?」
「ええ、と、ね」
こういうヒーローごっこぽいことをしている子には、きちんと教育しておかないと。
「ヒーローッ! 君はヒーローだなッ!!」
「おッおおッッ!! 良く分かったなお前ッ!!」
「だがヒーローとは先に名を名乗る物なのだぞヒーローよッ!」
「う、ううッ、そ、そうだったッ、これではヒーロー失格っ格好良くないっ!!」
ノリが良い。非常にノリが良いぞ少女よ!
◇
何だか気恥ずかしそうに顔を両手で隠す少女に、隣で“ぎゅううう、ギリギリギリ”っと嫌な駆動音がした。
見てみると案の定、軍是さんが義手を伸ばして、最大威力のタングステン弾の発射準備をしていた。はあっ?! 何でこの場面で?!
『ちっ、ちょっと軍是さん何してるんですかっ!?」
少女に聞こえないよう小さな声で喋る。
『何って攻撃準備じゃん』
『攻撃準備って、軍是さんのそれでタングステン弾だと砲撃準備でしょうがっっ!! あんな子供相手に何をしようってんですっ?!』
『おじさん、あの子業界じゃ有名な殺し屋でブロンコ・マスクっていうんだけど。戦闘力は私より上、初弾で決めないとこっちがやられちゃうのよっ!』
はああッ?! また殺し屋ですか?! しかもこんな小さな子がッッ。相当危険なのでしょう。なにせ、軍是さんが普段使わない奥の手の義手延伸と、タングステン弾の準備を前もってするくらいですから。
私を守ろうという嬉しい意思が其処にはあるのかも知れません。私を愛して下さって居るからこその……。
ですが……。
ですが、やっぱり駄目ですっ!!
こんな子供を殺そうだなんて、例え殺し屋だとしても。
『軍是さん、腕を直して、スリングも仕舞ってください』
『お、おじさんっ!?』
『大丈夫です。私に任せてください』
殺し屋、それもかなり強い部類に入る殺し屋と聞いて少し引け腰になってしまいましたが、私、その殺し屋の最強クラスであるエクスさんの雇い主なんですよね。
今更殺し屋一人二人でびびってちゃ行けない。知り合いは殺し屋ばかりだし、隣に居る婚約者の軍是さんも殺し屋。
といって自信なんて有りませんけれど、私は先ほどの勢いのままで、行くことにした。
◇
「ヒーローっ! 君の名を何というっ!」
「わ、私の名はブロンコ・マスクだっ! 格好いい名前だろっ!」
「うむっ、殺し屋ヒーローに相応しい名前だっ。君は当然殺しもやると聞いたが、それは悪人相手かっ!?」
「ぜ、善悪は問わない。七万二〇〇〇円でやっている!!」
や、やっっすぅぅぅ~~~~~!!
「ね? 言ったでしょおじさん。この街は命の値段が安いって。上限でも一千万クラスで見てたら良いよ。一億なんてあり得ない話なの」
やれやれと軍是さん。そりゃ呆れられるわ。このブロンコ・マスクと専属契約しようと思えば五百万で行けそう……。
「と、ところで、そのブロンコ・マスクはこんなところで何をしていたのかな?」
「う、うん、可愛い猫ちゃんがいて」
「探していたと」
「うん」
……ここは一つ、仲良くなっておくか。殺しはほとんどしないうちの会社だけど、若干はすることもある。
ぶつかったりしたときの危険度を減らすという意味でも。まあ、うちの屑みたいな事案の殺しを、こんな正義の味方みたいな子が請け負うとも思えないけれどね。
危ないと分かってる案件については事前調査で手を出さないようにもするし、表も裏も含めてあと何人か社員欲しいな、ビラは持って来てるけど無作為に渡すわけにも行かないし。
【SS何でも請負屋です現在社員募集中 募集年齢16~ 支度金一千万~二千万支給中】
怪しすぎる。SSダブルエスは警備という意味でのスペシャルサービスとも、力(殺し)という意味でのストレングスとも呼ぶ。要するに危険人物の集まりの意味で名付けた。
名前くらい居るだろうという意味で。すると条件が良いと言うことで早速一人、応募に来てくれた人が居た。名を上泉順子、長い三つ編みが特徴的で紫がかった髪色で、紫の衣服で身を固めた女性。
何でも屋という都合上、所謂ゴミ屋敷の回収もやる。その時に上泉さんの出番がある。焼却処分をすべき物を焼却場まで運んで焼却して貰うのだ。
どうやってか? 簡単だ。上泉さんの能力だ。上泉さん、下の名前で呼んでと呼ばれていたから下の名前で呼ぶが、順子さんは胃が二つある特異体質で。
片方の胃には燃料を溜めており、息を吹き出すと共に、見た感じとあるゲームのメラミからメラゾーマの中間くらいの大火を発生させることが出来、周囲10m四方くらいなら焼き尽くすことが出来る。
この炎は範囲を調整することも出来、焼却炉を使わないで、焼却施設だけを借りられるから、せこい話焼却代金を浮かせられるのだ。もちろんお金にならない物で焼却できる物に限られるが。また殺し屋なんだよね。はあ、文句言っちゃ行けないか。性格は凄く良い子だし。
ああ、話が大きく逸れるところだった。
「う~ん。よし。ヒーローブロンコ・マスク。私と、こっちのお姉さんも猫ちゃん捜しを無料で手伝ってあげよう!」
「はあっ?! おじさ――もごもご」
私は不満を言いたげそうな軍是さんを連れて、少し離れる。
「ブロンコ・マスクってかなり強いんでしょう?」
「相当強いわよ。うちじゃエクス以外太刀打ちできないわね。遠距離勝負なら私にも分があるけれどさ」
「ですから貸しを作っておくんですよ。……それに、小さな女の子が困っているんです。大人として放っておけないでしょう」
「はーあ、どうせ本音は後者でしょ。いいわ、付き合えば良いんでしょ付き合えばあー」
ブロンコ・マスクさんのところに戻ると、彼女は側溝の蓋を開けていた。
年齢に見合わず怪力だな。私も手伝う。軍是さんは他の処を探している。
「猫ちゃーん」
「猫さーん」
そんな私たちを見ながら。
「あーあ、びっくりだよ呆れて物も言えない猫チャン猫チャンなんて呼んで出てくるわけ無いじゃん」
と、軍是さん。
ブロンコ・マスクさんは怒って。
「お前には方法があるのかーっ!!」
となる、まあそうなるでしょう。
「あるよ。ちょい待ち」
言うと携帯で電話をかけ始めた。
「あ、もしもし軍是だけど。事務所に今二人以上居る? へ? 順子しかいない? うーん、まあいいわ。この時間じゃどうせ誰も来ないでしょ。順子自転車乗れたっけ? スクーターも乗れる? うん。○×公園の通り。多分わかりやすい場所。おじさ、社長も一緒。悪いけど途中でまたたび買ってきてくれない。ま、宣伝で使うから。じゃお願いね-」
なるほど、またたびか。これは気が付かなかった。
「猫と言えばまたたびでしょ。まだこの近くに居るなら匂いにつられて出てくるはずよ」
「またたびって何だ?」
「猫の好物ですっと言っても詳しく知りませんが」
「なんだよおっさん使えねーなー」
「まあ待ちましょう」
その後暫くの間だ私と軍是さんとブロンコさんは、三人で猫さんを探していたのですが、結局見つかりませんでした。
結構汚れてきたな。お風呂に入りたい気分。
そうしていると、自転車に乗って、帽子を被り紫色の長い三つ編みを靡かせながら公園に入ってきた、紫のワンピースに、オレンジ色のダイヤ模様のサイハイソックスを穿いた一人の女性の姿が。
上泉順子さん。我が社の五人目の社員で、この人もまた殺し屋。業界での二つ名はファイヤースターターとか。
「……なにやってるの、おじさん」
「ああ、順子さん。助かりました。またたびは?」
「買ってきたわ」
買い物袋の中身を見せられた。出てきたのは茶色い木。……うーん、これがまたたび、ねえ?
ちょっと予想していたのとは違うかな? もっとこう、凄い何かが出てくるような気がしてたのですが。
まあ、とりあえず。
「ありがとうございます。順子さん」
「別に、事務所に居ても何もすることがなかったし」
無表情だけど喜んでいる顔だと分かる。エクスさんと似たタイプですからねこの人。エクスさんの鉄面皮は最強ですが。
とりあえず頭を撫でながら、報酬の一万円を渡しておきました。おつりは取って置いてください。
それと、何気に頭を撫でてあげるときこの人帽子を脱ぐんですよね。
「ブロンコさん、これの匂いで行けるそうです。近くにいればですが」
「よし、じゃあ、早速やってみよう」
◇
結果だけを言えば見事に成功。ブロンコさんの仰っていた猫ちゃんは無事に見つかりました。
いやー良かった良かった、こちらも泥だらけになって探した甲斐も在った物です。
三毛猫ちゃんでした。珍しいことに雄の。雄の三毛猫って確か確率的に凄く少ないと伺いましたが。
幸運を呼ぶ猫とも言われているそうですね。みんなに幸運が訪れると良いですねぇ。私はもう幸運の貰いすぎですが、10億当たって、可愛い婚約者が出来て、家も出来て――ま社屋ですが。とにかく幸運続きで、あはは……。
「やったー! やったーっ! 見つかったよーっ! 猫ちゃーんっっ!!」
ブロンコさんの喜ぶ姿に、相手は怖い殺し屋だというのに微笑ましくなってしまう。
「ヒーローブロンコ・マスクさんの任務完了ですね」
「お、おうっそうだぜ! ありがとなおっさん、それとお姉ちゃん達っ!!」
お、おっさん……いや、そうなのですが。事実なのですが、軍是さんと順子さんがお姉ちゃんで、私はおっさんですか……。
何だか釈然と致しません。
「この子な、最近見つけた子でよくうちから出てって迷子になるんだ。うちにはもう一匹黒猫ちゃんがいるんだけど二匹とも可愛いんだぞ」
「ええ、それは分かります。私も幼い頃お家で猫を飼ってましたから。世話は専らうちの親がしてましたけどね」
猫って可愛い。寝転がってると頭を舐めてきたり、顔を舐められたり。舌がざらざらしていてちょっと痛いんだけれど、それも含めて可愛いんだ。
ゴロゴロと喉を鳴らして側に寄ってきては、身体や頭を擦り付けてきて。
はは、何だか今の軍是さんみたいだ。時々エクスさんに詩織ちゃんもしてくる。最近では順子さんまで。
好かれるのは嬉しいんですけど、私はハーレムなんて築く甲斐性もありませんし目指していません、軍是さんだけと心に決めてますし。
でも、多方で皆さんが泣いたりする姿も見たくないので、どう言えば良いのかどうすれば良いのか、難しい問題です。
私には魅力なんて無いんですけどね、軍是さん曰く。
『平凡に生きてて、私ら殺し屋をその平凡に連れ込もうとするその強引さが、おじさんの魅力っちゃあ魅力かな。私自身もそうだけど、エクスプローダーを脚抜けさせるなんて予想外も甚だしいよ』
『お金の力でしょう?』
私が軍是さんにそう返事をすると、今度は軍是さんの言葉を引き継いだエクスさんが。
『お金は切っ掛け。お金だけで人の人生が左右することはないよ。私はおじさんが気に入ったからあからさまな殺しを止めた。裏の仕事で入れば軍是同様やることはやるけれどね」
と、エクスさんのありがたいお言葉を頂いた。
う~んそんなに魅力なんだろうか? こんなただの平凡なおっさんが。というか私、つい最近までカツアゲにもビビッてた本当にただのおっさんなのですけど。
でも、新しく入った順子さんにも。
◇
『みんなが言っていること、何となく分かるわ……おじさんには殺伐としていない、安心感を感じるもの……。あのね、私子供の頃さ、妹と両親を焼き殺したんだ……』
突然のトンデモ告白だった。えーいまー? と思ったけど、私はただ耳を傾けていた。これは一人の男として聞かなきゃ行けない話だと思ったから。
『可愛げ無い妹なのに、バカ親もあの子ばっか大事にしてさ……。ムカつくから夜中みんな寝てる間に家に火を付けたの。全員逃げ遅れて死んだわ』
なんて二人きりの時に抱き着かれた。
それはもう強い抱き締め、私を求める抱擁。
『安心するの……。おじさんはあんなバカ妹やバカ親みたいじゃない。みんなを見てくれてる優しい人なんだって』
壮絶な過去話の告白だった。燃やされたりしてとか考えていた自分を殴りたい。
その時は反省の意味も込めて順子さんの頭を撫で撫で。
本当何度目になるかも知れないけれどもナデポじゃあるまいしとなでなでと十分くらい撫でてたら、順子さん、「恥ずかしくて火が出そう」なんて言うからびっくりした。
殺しの火じゃなくて感情的な火の事ねと安心しましたが。
『空っぽになっちゃった私の心、此処のみんなと、おじさんと居ると満たされる気持ちがするのよ。気のせいかも知れないけれど……気のせいでも良いよ、こんな気のせいなら』
そんな話をして黙ってしまった。私は唯々順子さんを抱き締めてその頭を撫で続けた。
『ねえ、おじさん……満たされるって……こんな、感じヒック、なのか、なヒック……』
幾らでも泣いたら良い。此処には順子さんと私しか居ないから。
そう、抱き締めて、撫で続けた。
◇
まあ、とにかく、ブロンコさんの仰るように猫さんは可愛い。
そうしてみんなで猫さんを囲んでいると、不意に大きな影が差した。
こちらはこちらでいきなり軍是さんと順子さんが戦闘態勢に構えたから。
「大丈夫だよ」
と、私が押さえた。こんな公園のど真ん中で戦闘を始めそうな人そうそう…………居るわ、エクスさん、軍是さん、ニチモさん、順子さん、皆好戦的。かろうじて順子さんが理性的なくらいか。
ここはなんとしてでも止めなければとか恐ろしく無駄な闘志を漲らせる私。いやね、軍是さんにも順子さんにもひっくり返ったって勝てるわけがないんですよ。二人の方がずーっと強いんですから。顔に穴を開けられるか焼死体にされるかどっちかしかないと、そうしていると。
「あっ! お兄ちゃん!」
え? ブロンコさんのお兄さん? 影を見上げると
「オ~マイリトルシスター」
とても大柄で帽子を被った笑顔の男性が立っておりました。婚約者の軍是さんにデブのおじさんと言わしめてしまうくらいに体型がアレな私としては、このスマートな大柄さは正しく理想的でした。
「ブロンコさんのお兄様ですか? どうも初めまして私○○と申します。ブロンコさんと一緒に猫さんを探しておりまして、つい先ほど見つけ出したところです」
事の次第を話ながら、最終的にうちの社員がまたたびを購入してきて釣り出したことまで話した。
事実をおはなしすることは大切な事ですからね。
「これはこれは、大変お世話になりました。申し遅れました。私、田宮二郎と申します。妹が大変お世話になりました。こちら少ないですが……」
ブロンコさんのお兄さん田宮さんはお金を渡してこようとしましたが、丁重にお断りさせて頂きました。
「これは依頼でも何でも無い、殺し屋ヒーローブロンコ・マスクへの助太刀!」
ばばっと子供時代に見たヒーロー物の特撮ヒーローの真似をしてみる。
心なしか軍是さんと順子さんが呆れた目つきでこちらを見ている。分かってますよ五十代のおっさんがこんな事したらイタい事くらい。
しかしブロンコさんはキラキラ輝いた目で私に合わせてくれたのです。なんて良い子なのだろうか。
「そう、我々は無事猫ちゃんを探し当てることが出来たのだ! 秘密のアイテムまたたびの力によってっ!!」
ああ~、イタい気持ちが消えていく~。ありがとうブロンコさん。
「と、言うことでして。お気持ちだけ頂きますよ、田宮さん。こちらこそ、楽しい時間をありがとう御座いました。童心に戻って楽しめました」
私が素直なところを言うと、田宮さんはブロンコさんの手を取り。
「いつでも……お困りの時はいつでもお声がけください……」
困ったときはお声がけって、あなた方の住所知らないのですが。
「じゃーなーおっさん・マスクよっ!」
二人は帰っていった、おっさん・マスクは止めてください。これが素の顔なんですから。
「帰るよーおっさん・マスク」
と軍是さん。
「帰るわよおっさん・マスク」
と順子さん。
この二人にはブロンコさんのような純粋さがない。
悪意丸出しだ。
◇
事務所に戻ると、事務所の前に、何か女子高生が二人居ました。髪の長い女の子と、短い女の子の二人。
時間的に学校帰りかな? 考えても見ればこの何でも屋というお仕事は気楽ですね。
忙しいときは忙しいですが、のんびりするときはのんびり出来る。私の性格に向いておりますね。
ところで、このお二人はどちら様?
「順子さん?」
「私が出るときには居なかったわよ」
ではその後此処で待っていたと。お客さんかな?
「あの、君たち、お仕事の依頼ですか?」
何か言いにくそうにしている髪の短い子に代わって、髪の長い子が用件を話してきた。
「あ、あの私、丸山あいりって言います。こっちの子は木田めいほ。その、この事務員募集可って応募、アルバイトでも行けるんですか?」
「ええ、行けますよ。事務作業をこなしてくれればそれでいいだけですので。もしかして事務員希望?」
「はいっ! こ、この一千万~二千万円の支度金って言うのも?!」
「ホントの話です。君たち普通の女子高生でしょう?」
「はいっ、私立萬代女子学園の生徒です」
知らない知らない。ふっと現役女子高生の軍是さんに振ると。
「所謂お嬢様学校よ。そんなとこ通ってる子でもこれには釣られるか。本気だと思った?」
意地悪をする軍是さんに、丸山さんは。
「私は賃金が良いから凄いバイトだなって思って応募しようとしただけです!」
「軍是さん意地悪しないで。ええっと丸山さん? と木田さん。学校にはきちんと通うと言うことを条件に採用で良いよ。支度金は将来を見込んで二千万出しても良いよ」
『や、やったー!!』
「ただし、悪いグループとは関わらない。手を切る。これが条件だ。トラブルを会社にまで持ち込まれたら困るからね」
順子さんが二人に殺気を放っているみたい。女子高生に殺気を放つか普通?
「場合によっては私より怖いお姉さんから何されるか分からないから。うちは表の仕事をしてるけど、裏の仕事を全くしてないわけでもないからその辺りは重々気を付けるように」
その怖い人、エクスさんを紹介して殺気を受けただけで泡ぶくぶくになってしまった二人は、詩織ちゃんにお仕事を教わることになった。
後何か、やっぱりなにか悪いグループを作り悪いことをやりかけていたらしい。順子さんも軍是さんも直ぐに気付いていたそうで、エクスさんのお灸のおかげで寸での所で確保となったわけだ。
悪い事って何だろうか?
マルはナオキとの倒錯した関係になる前の普通の女子高生だった頃でうさみたちと悪い事をする前。
めいほも援交を始めるよりも前でうさみたちと悪い事を始める前に設定しました。
ナオキは後に黒すぎる本性が出たのと、うさみグループはもうどうしようもなく裏にどっぷりで売春、暴行、恐喝、万引き、傷害、拉致監禁までやってますからね。
マルことあいりとポンことめいほは、運が良かっただけです。悪の権現であるエクスプローダーの殺気を受けたわけですからね。それでくだらんことをするなと脅されたら二度とやれませんよ。
短編集内の各お話と投稿予定(未定)の続きやお話で読んでみたい作品はありますか?(ご期待に副える事が出来るかどうか分かりませんが、一ご意見としてお伺いしたいと思います)
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コードギアス
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