※この作品はR-18です。

二次創作SS集   作:夜半の月

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久しぶりのtrash.
えちはありません。


あらすじ。

午前中にほぼ仕事の終わった面子は、午後全員事務所で待機。
ソファで寝っ転がって遊んでいた相原軍是はおじさんを呼んで彼の膝に座る。
そうして少しお話をする。


別に鋭くない

 

 

 別に鋭くない

 

 

 

 花の髪飾りが付いたシュシュを使い、頭の左右両側高くで二つ括り。若い子たちの間ではツインテールと呼ばれている髪型。

 

 その毛先は優に膝関節にまで届く程度に長く、解けば膝下へと流れ落ちるだろう程の長さを持つ明るい青の髪の毛の持ち主。

 

 上下高校の制服で、上はブレザー、下はプリーツスカート。

 

 肌にぴったりとフィットしたサイハイソックスを穿いた姿は、世の男子高校生を魅了する事だろう事この上ない。

 

 何せ容姿が整い過ぎている。所謂も何も美少女の範疇に入る一人であり、同じクラスの同級生から優良物件として狙われているだろう事なんて簡単に想像がつく。

 

 そんな美麗な女性、少女は、事務所のデスクの前にあるソファでスマホゲームを弄っていた。

 

「ふんふんふふん~ん♪」

 

 誰がどう見てもただの美少女な女子高生が、場違いなオフィスビルで遊んでいるとしか思えない光景。

 

 事実として遊んでいるのだが。

 

 本日は外回りのお仕事が表のお仕事しかなかった為に、皆、早くに帰社して思い思いの時間を過ごしているのです。

 

 そんな中でも。

 

「んふふふ~クリア~、おじさ~ん見て見て~」

 

「は、はい」

 

 一番付き合いの長いこの美少女、相原軍是さんは最も私に遠慮がない。

 

 私が近づくと、ここここ、と指示されてソファに座らされ、軍是さんは私の膝の上へと遠慮も何もなく乗っかってくる。

 

 柔らかい、軽い、女子高生の身体。長い髪からはとても甘ったるくいい香りが放たれている。世の男性のどれくらいがこの様な行為を行われて堪えられるだろうか? 私はどうやら堪えられている。別に彼女とのスキンシップに免疫が付いたわけではない。寧ろ交わせば交わす程に新しい彼女を知り免疫が落ちていくくらいだ。

 

「ん~っ、やっぱしおじさんの膝の上は座り心地最高だよね~♪」

 

「ぐ、軍是さっ、こういうのは二人きりの時──」

 

「え~っ! 別にいいじゃ~んっ!! 私達って婚約者なんだよ~! こ・ん・や・く・しゃ!」

 

 睥睨するように軍是さんは辺りを見回して大声で叫ぶ。

 

 そう、この美少女にして危険な殺し屋さん、元でもあり時に現でもある殺し屋──相原軍是さんと私は婚約している。一般人の五十代派遣社員だった私が、美少女殺し屋女子高生とどうやったら婚約? といったところなのですが、事の始まりは振り返ると長くなるので省きますが。

 

 軍是さんの右腕は義手になっており、そこに強力なスリングショットをはめ込んで、ガス弾、鉄球、タングステンを打ち出したり、奥の手として義手その物を延伸させる事で弾丸の威力を数倍に倍増させてターゲットを確殺する手段も持ち合わせた、裏業界では結構名の知れた殺し屋なのだ。

 

 そんな彼女曰く、私の住むこの街はヤクザ・マフィア・半グレ・ヤンキー・不良・裏家業をしている人間のパラダイスで警察機構は一切と言っていい程機能していない。何なら裏組織と癒着している連中まで居るくらい腐りきっている。殺しなんてのは枚挙に暇がないそうだ。

 

 私自身、こんな表も裏もこなしつつ、極力殺し案件は避けるといった何でも屋なんて事を始める前、恐喝に合っている。

 

 軍是さんはその程度で済んで良かったねーっと仰いますが、暴力が無縁な私にとってはとんでもない話です。

 

 そんな私が宝くじで10億なんて恐ろしい大金を当てて、当時トリガーハッピーズという殺し屋グループの一員であった軍是さんを専属で雇い。序とばかりに女の子にしか見えない男の子、チップソーというのこぎりを高速回転させながら弾丸の様に撃ち出す恐ろしい武器を手に人を惨殺する殺し屋──愛河内ニチモさんも雇った。

 

 ニチモさんはフリフリの可愛らしい女の子の服を着て、長い黒髪に頭の上でリボンを結んでいる可愛らしい女の子なのですが、正体は男の子で重そうな鉄下駄を履いている。

 

 二人とも一級の殺し屋。私の自尊心を満たす為と、これ以上の被害者の拡大を防ぐ意味でも、普段はホームレスとして△公園でうろうろしている、その正体は特級の情報屋であったカレーおじさんの情報の元、私と軍是さんとニチモさんは不良グループを殺した。それが全ての始まりだった。

 

 軍是さん達を紹介してくれたのも情報屋のおじさんだったりするけど其処は割愛。

 

 その最中、私は事もあろうに女子高生な軍是さんと、男と女の関係に至ってしまった。

 

 軍是さんが誘い、誘われるままに彼女の義手を舐め、髪を触り、胸を撫で、服を脱がせて自分も服を脱いで、惹かれ合う男と女のその有りの儘に、私と軍是さんは一線を越えたのだ。

 

 気持ち良かった。心地よかった。良く分かる。本当に良く分かったのだ。私の心と肉体が相原軍是を求めているのだという事を。

 

 私を受け入れて下さった軍是さんも私の全てを余すことなく受け止めてくれた。幾度も、幾度も、何度でも繰り返される愛し合うというまぐわいの中。確かに私と相原軍是は幸せだったのだ。これ以上、この上もない程の幸せ。

 

 以降はもう毎日、この社屋、社宅でもあるこのビルの私と軍是さんに宛がわれている一室で、時があれば愛し合っている。

 

 私から誘うというよりか、軍是さんから押し切られる形で。彼女から言わせると私は「鈍い・弱い」だそうだ。

 

 軍是さんがしきりに私への愛情を示すのも、何も所構わずイチャイチャしたいわけでは無い。

 

 私という男が、相原軍是の物だというその証明をしておきたいからだという。求愛行為、マーキング。おじさんは相原軍是という女の物だよというサイン。

 

 私を誰にも渡したくないが故の行動。そんなに、それ程までに深く想っていて下さるなんて正直に嬉しい。

 

 こんな何も無い、ただラッキーで宝くじに当り、人の輪が広がっただけの、本当に何も無い五十代の、軍是さん曰く「デブのおじさん」な私への独占欲を持ち、自分の物だと愛して下さるなんて。

 

 幾度も泣いた、涙を流した、彼女の前で大粒の涙を流しては私なんかが貴女の傍に居てもいいのですかと問い質した。

 

『しつれーなおじさんだねー。…………それは私のおじさんへの愛を疑う行為だよ。私はそりゃ人を殺しまくってきてるし殺人に対して思う事なんて無いよ? ある意味ではぶっ壊れてる物騒な女だね。けれどさ、愛する男に疑われたら女として傷ついたりはするもんなんだよ…………だからあ、ね? おじさん、今から愛し合おうよ。おじさんと相原軍是にはまだまだ愛情が足りないんだよ。もっと高めて大きく膨らませちゃおう』

 

『……すみません、軍是さん……、私、こんなですからね。自信が無いんですよ。軍是さんとは年齢が離れすぎてるし、容姿も力も実力も釣り合いが取れない』

 

『だ~か~ら~、そう自己嫌悪に陥らずに私を愛してくれたら良いんだってば……私はね、私は。おじさんに愛されて、おじさんに抱かれて、おじさんを受け入れる事が出来てこれ程の幸せはないって思うんだよ。これまでも、これからも……』

 

『軍是、さん……』

 

『おじさん……』

 

 そうなんだろうな……あの日に大きくスイッチが入ったと思う。

 

 何度愛し合ったかなんて覚えていない。

 

 二十四時間愛し通しで、私も軍是さんもぐちゃぐちゃになっていたから。

 

 体中べとべと、軍是さんの綺麗な髪も、美しい義手も中までべとべと。でも軍是さんは幸せそうに微笑んでいた。

 

 思えばあの辺りからか。軍是さんの私への独占欲が物凄く高まったのは。

 

 その後も、私は、殺し屋業界のトップクラス。国際的にも名が知られているらしい殺し屋、知らなかったとは言えそんな人──エクスプローダーさん、エクスさんを雇い入れた。

 

 腰まで届く長く真っ直ぐな黒髪。左目に掛けた大きなモノクル。上下黒のダークスーツに黒のネクタイ。カッターシャツまで黒を意識したグレー。黒、黒、黒。鋭い視線も伴いこれぞ殺し屋という、殺し屋としての体現者。私には分からなかったけれど、エクスさんが殺気を放ったとき、軍是さんとニチモさんは吐き出しそうになったのだとか。そのあまりにも大きすぎる殺気に。

 

 私はそんなエクスさんに近づいて。

 

『ウチの従業員への“暴力”、やめて下さいませんか? エクスプローダー……いえ、エクスさん』

 

 そう告げて、失礼ながらエクスさんの頭をぽんぽんと叩いてみると、彼女はほけっとした表情になり、殺気を霧散させてくれた。

 

『あなたは?』

 

『申し遅れました。わたくしSSの代表の……ま、代表なんて言っても何にも出来ないただのお飾りですが、○○と申します』

 

『……』

 

 受け取って下さった名刺と、平凡に過ぎる私の顔を何度も繰り返して見つめながら。マジかって顔を為さってお出でだったエクスさんの驚き顔は忘れられない。

 

『私の殺気を間近で受けて何の影響もなく素で居られたのはあなたが初めてだよ』

 

 とても好印象にして好意的な始まりだった。

 

 その世界的にも有名な殺し屋コンビの片割れを期せずしてゲットしてしまってからは、用心棒だの護衛だのと言ったお仕事が山のように舞い込んで来た。正直お断りしたかったけれども、表の商売だからという事でアメリカのマフィアや、アメリカの世に言う‟王様”と呼ばれるような財界の大物の護衛までエクスさんは引き受けていた。お陰で物凄い大金が転がり込んできたけど。

 

 名前を出すのも憚れるアメリカの王の一人とも伝手が出来たりしたのが喜んでいいやら恐怖したらいいのやら。エクスさんの元相方のハルバートさんがアメリカで暴れている事も関係しているらしい。

 

 そのくらいに凄い殺し屋なんだなあとエクスさんを見ていると、私と目が合った彼女は、冷徹な表情の多い鉄面皮な彼女にはある種似合わない、柔らかい微笑みを私に返してくれる。普段は絶対に微笑みなんて見せないエクスさんはしかし、私にだけは微笑みや羞恥の顔を見せてくださいます。

 

 エクスさんは大人の女性だが、素直に可愛らしいなと思った。

 

 と思った瞬間──ギリリぃっ!

 

「い゛ィ゛っっ!!」

 

 ギリギリギリ。

 

 義手の音。

 

 私の膝に乗っかっている軍是さんの滑らかな義手な左手が物凄い力で私のデブっ腹をねじり上げている。

 

「痛い痛い痛いっ、軍是さん痛いですよっ」

 

「ふんっ、な~にエクスと見つめ合って微笑んでんのよこの浮気者がッ。目と目で通じ合って愛し合っちゃったってェェ!! 女子高生よりも大人がいいってかああ~~~!!!」

 

「そ、そんなこと、ひとっことも言ってないでしょうがっ! 何でそうなるんですかっ?!」

 

 私は私の膝に乗っている軍是さんの頭を撫でます。こういう時は身体で、心で接して気持ちを伝えるに限るのですよね。

 

「んっ、そんな誤魔化し……」

 

「じっとしていて下さい」

 

 軍是さんの頭を何度も撫でて、撫でながら彼女の長いツインテールの右側に指を差し入れて梳き通しながら撫で。

 

 繰り返し撫でつつも、その髪の艶やかな手触りを撫で、楽しみ。優しく想いを込めての愛撫を繰り返します。

 

 勿論のこと、左側のツインテールにも愛撫は欠かせません。

 

 左側の髪束の中に指を差し入れ、指の股の間を滑り抜けさせながら梳き通していく。

 

「髪先まで、届きませんね」

 

「んっ、いい、よ……、おじさんの好きなように、しても」

 

 軍是さんの髪はツインテールに束ねていてもその毛先は膝関節に届くほど長く、手指が届かない分は。

 

 女性の髪になんて事をッッ──!、と、世の男性諸氏から猛抗議されそうな扱いでぐいっと引っ張って。

 

「んんっ」

 

 喘ぐような声を上げる軍是さんに、優しく微笑みながら、笑みに負けずに優しく彼女の髪を愛撫していきます。

 

 二人きりならばこれから口付けや、胸を揉みし抱いたり、スカートの中へ手を入れて軍是さんの大切なところを撫で摩り、気持ち良くさせて差し上げながらの睦み合いと行くのですが、皆さんの居る前でそれは出来ませんしね。

 

 ただ、後ろからこうなんでしょうかね。ブスブスと刺さってくる視線が痛いです。

 

 仕事中にそんな事をするなと言いたいのでしょうか? 

 

 そもそも会社でやるな。二階の社宅でやれっていう事でしょうか? 

 

 こう、ダークスーツの女性の視線と、反対側に座っている腰まで届く紫色の髪を三つ編みにして一つに纏めた大人の女性──上泉順子さんの視線がぶっ刺さる。

 

 他に控えめと言えば控えめではあるんですけど、事務要員で雇った昔なじみの長谷川詩織ちゃんもあからさまな不機嫌顔を見せている。

 

 上泉順子さん。彼女も殺し屋だ。業界ではファイヤースターターと呼ばれているらしい、その名の通りに炎を自在に操る。

 

 仮採用としていたところ、この街から離れたお金持ち(石油王、自動車王、情報王等々、世に言うところのアメリカの王様達と比較すれば普通の小金持ちさん)の豪邸の“ゴミ”と呼んで良いのか? マイセンだのKPMだの古伊万里だのとにかくお高い、お宝物の処分を頼まれたときに、倉庫一つ分を頼まれて人海戦術となり。(好きなの持って帰ってもいいですよ~と柔らかい奥様よりのありがたいお言葉)

 

 社員総出でお宝探し──もとい。ゴミ処理作業をしていたんだけど追いつかず。さあどうしようとなったところで。

 

『燃やそうか?』

 

 の一言で順子さんが全部処理してしまったのだ。

 

 一度豪邸の外に出してしまえば広い敷地内。

 

 何処を使っても良いとのことで、広場をゴミ処理に使わせて貰った次第で、見事一瞬で片付けて下さった順子さんに思わず『ありがとう!!』と抱き着いては頭をなでなで。

 

 軍是さんにお腹をつねられて、エクスさんにはベレッタを頭にゴリっと充てられてしまいましたが、この件で仮採用だった順子さんを正式採用。続いて殺し屋子供のブロンコマスクさんとの出逢いと、彼女の愛猫の捜索。後、事務所に戻ると事務所前に居た女子高生二人。

 丸山あいりさん、木田めいほさんを正式に採用。短期間の採用人数が多いと思うけど、時に人海戦術が必要になることもあると考え多人数の採用となったのだ。

 

 後々詳しく経緯を辿るかも知れないが、これで軍是さん、ニチモさん、エクスさん、順子さんと、裏要員が四人。

 

 私と詩織ちゃん、あいりさん、めいほさんと表要員が四人。

 

 厳密には事務仕事を除けば表裏両方共可能な人数が七人、私入れて八人。

 

 会社らしくなってきたと思うけれど。アメリカの王様の一人と取引を初めてから書類量が増えて、もうちょっとばかし手勢が欲しいところ。

 

「ねェ、おじさん」

 

 髪を撫でてあげていた軍是さんが猫撫で声で抱き着いてくる。髪への愛撫ではもう満足できなくなったのだろうか? でも、これ以上となるとココでは出来ないよ?

 

「おじさんさ、私だけだよね? 何があっても愛するのは私だけだよね? 例えそれまでに誰かと身体の関係を結ぼうとも私の事だけは裏切らないよね? そうじゃないと私寂しくて死んじゃうよ?」

 

 何が言いたいのだろうか、この可愛くて怖い、殺人者な婚約者は。

 

「私はね。極論を言うならおじさんがエクスを抱いてもいい、順子を抱いてもいい、詩織をあいりを抱いてもいいと思ってる」

 

 私の耳元で小さな声で告げてきた婚約者のとんでも発言。

 

 エクスさん、順子さん、詩織ちゃん、あいりさんを抱いてもいいのだと。

 

「まだ新人のあいりはどうか分からないけどさ、出逢った時にはってくらいに早かった私とおじさんの関係もあることだし。めいほにはその気は無いって何となく分かるからまあ良しなんだけど、あいりは怪しいんだよね。おじさんさ、鋭くないんだよ。鈍いんだよ。自覚が足りない。まあそんな彼女達の想いを受けたおじさんがいつもの優しさを発揮しちゃって手を出しちゃったとしても、私は怒るけど裏切りとは見なさない」

 

 私がエクスさんを抱く。

 

 私が順子さんを抱く。

 

 私が詩織ちゃんを抱く。

 

 私があいりさんを抱く。

 

 …………そんな事、あるのだろうか? 

 

 百歩譲ってエクスさんには口付けられたから、エクスさんが私みたいな何の取り柄もない中年おじさんに好意を抱いてくれている事は分かりますとも。

 

 しかし、他の皆さんは如何なのでしょうか? 私、順子さんに何もしてま……ああ、抱き締めて頭撫でたか。あいりさんにも同じ事をしましたね。詩織ちゃんとは一緒に暮らしたこともありますし…………、し、しかしそのくらいの事で愛だの恋だのって、そんな事……ある事も、あるのかなあ。

 

 悩む私に軍是さんは他のみんなに聞こえないよう、相変わらず小さい声でボソッと呟く。

 

「何度も忠告するけどおじさんはさあ、鋭くないんだよ。アンテナが伸びてないの。男と女については本当に些細な切っ掛けが男女関係に発展したりするわけよ。私とおじさんがそうだった様に。エロトピアなんて言葉だけで私たちは最後までしたし、婚約までしちゃったでしょ? 分かってる? 私とおじさんは結婚するんだよ?」

 

「それは、その、軍是さんは特別ですよ。私が初めて女性として意識した女の人ですから……、世に綺羅星として輝ける青い星──相原軍是、私の愛しいヴィーナスです」

 

 自分で恥ずかしいと思いながらもぶちまけた恥ずかしい言葉の羅列に、当然の事軍是さんも。

 

「うわ~っ、クサいクサいよぅ~っ、顔から火が出そうだよもう~っ」

 

 そうなりますよねー。ですが。

 

「本心からの言葉は偽りたくないので」

 

「後ろの連中に聞こえたらちょっとシャレんなんないね。特にエクスは不味い。まあ、あいつだって私とおじさんが婚約者だって事知っててモーション掛けてきてるから一線くらいは心掛けてると思うけどさぁ、力尽くで奪われたら私じゃどーしよーも出来ないのがねえ」

 

 無駄な心配を為さる軍是さん。思春期特有の物でしょうか? 私の思春期は何にもありませんでしたからね……。

 

 ぽん。彼女の頭に手を置く私。

 

「ほえ?」

 

「大丈夫ですよ軍是さん」

 

 私は先程と同じ様に、軍是さんのツインテールの髪束に五指を絡めて梳き通します。

 

 長すぎる髪束は手繰り寄せて、今は軍是さんの膝の上でとぐろを巻いておりますので、しっかりと全体を撫で梳いて差し上げられます。

 

「ん、おじさん」

 

 軍是さんの甘い声。

 

 まるで愛し合っている時の様に甘く切なく、私を見る彼女の瞳には潤みが見て取れますね。はあ、時が時。場所が場所ならこのまま軍是さんを愛したい。

 

「一応ダメ押ししておきますけれど軍是さんの仰るとおり私は鋭くありませんよ? まあ確かにエクスさんはそうでしょう、こんな私を愛してくれてます何故か。詩織ちゃんもそうでしょうね、付き合い長いですから。順子さんとあいりさんは正直想像の域を出ません。仮にそうであったとして、仮に私が彼女達の想いに負けて彼女達を抱いたとしても、彼女達をまた愛したとしても、本当の愛を、一番の愛を捧げているのは相原軍是という女性にのみなんです。それは違えることはありません」

 

「おじさん……」

 

 一度潤む瞳を閉じた軍是さん。キスを強請っているのだと思う。

 

 でも、彼女とて場所が場所だと分かっている。

 

 私が彼女の髪を梳き通した手指で、そっとその潤う唇を優しく撫でる。

 

 一度撫でて、自分の唇に指を当て、曳いて。唾液の付いた人差し指を、彼女の唇に当ててゆっくりと静かに唾液を塗り込みながら曳いて行った。

 

「ん、ん……ん」

 

「本当ならキスですよねこの場面は……でも今は……、今はこれで我慢して下さい」

 

 

 その代わり終業後にたっぷりと愛し合いましょう──軍是さん。

 

 

 うん……おじさん、たっぷりと、心の赴くままに私を愛してね。

 

 

短編集内の各お話と投稿予定(未定)の続きやお話で読んでみたい作品はありますか?(ご期待に副える事が出来るかどうか分かりませんが、一ご意見としてお伺いしたいと思います)

  • コードギアス
  • コードギアスR2
  • 此花トゥルーリポート
  • FF4×FF6
  • カオシックルーン
  • 学園黙示録
  • ルパン三世 ワルサーP38
  • 幕末風来伝 斬郎汰
  • ニードレス
  • ヨルムンガンド
  • 少女少年
  • 北の告発
  • サラダデイズ
  • クレセントノイズ
  • ひとひら(甲斐×理咲の近親相姦物)
  • ESアザーワイズ(戒×瑠璃)
  • 遊戯王GX(十代×カミューラ)
  • 魔装機神(マサキ×モニカ)
  • 椎名君のリーズニングファイル
  • RAVE(ハル×絶望のジェロ)
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