※この作品はR-18です。

二次創作SS集   作:夜半の月

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形なんてどうだっていい

 

 

 

 

 形なんてどうだっていい

 

 

 

 

 

 魔を払う仕事を終えた小明は、サポートに付いてくれた女性と共に大叔父である寿海の寺へ来ていた。

 

「うわぁー酷い、掃除きちんとしてるのあんたのとこ」

 

 呆れ声の小明、然もありなん。

 

 彼女の視線の先には落ち葉の散乱する境内が広がっているのだ。

 

 指摘を受けたのはサポートに付いていた女性だったが、この大叔父の寺はこの女性の家でもあった。

 

「まあ失礼なことを仰るわね」

 

 膝下まで伸ばされた女性の長い髪が吹き抜ける秋風に煽られ流れる。

 

 真紅の紅を引いた唇、吊り上がり気味の鋭い目、20代中頃といった風体の妖艶な美を持つ女性──闇呪羅は、その煽られる髪を手で抑えながら反論した。

 

「今朝方出掛けにきっちりとお掃除致しましたわ」

 

 掃いても掃いても差ほどの時間をおくことなく木から散り集まってくるのだ。

 

 秋も深まり冬へと移行する季節。落ち葉舞うのは仕方ない。

 

 特に今日は風が強くいつも以上に落ちてくるわけで、少し目を放すとこうなる。

 

「和尚様も小坊主ちゃんも祓いのお仕事に奔走中ですし、手の空いている人間が一人もおりませんのよ今日は」

 

 言いながら闇呪羅は掃除用具を取りに行く。

 

 二人分。

 

「えーっと、なんであたしまで?」

 

「あら、大叔母であるわたくしがお掃除をするというのに、小明ちゃんはお手伝いしてくださらないのかしら」

 

「大叔母って、自分で言っててこうモヤっとかしないわけ? オバサン扱いすんなーっとかってさあ」

 

「しませんわ。事実、大叔母ですもの」

 

「そーんなこと言ってると、そのうち闇呪羅おばさんって呼んじゃうわよ」

 

「ホホホホ、どうぞお好きになさいな」

 

 確かに寿海の妻である闇呪羅は親族関係で言えば大叔母に当たる。

 

 ただ自分が同じ様な立場になったとき、果たして叔母と呼ばれることをあっさりと受け入れられるだろうか?

 

 それともまだ自分は若いという証明? 対する闇呪羅は余裕の笑みを浮かべている。

 

「ほら小明ちゃんの分ですわ」

 

 首を捻る小明に差し出された竹箒。

 

「わかったわよやればいいんでしょやれば。ったく、こういうのは栗林の仕事でしょうに」

 

「その小坊主ちゃんも出ているからこうしてお願いしてますの」

 

「うちのことも気になるってのに-」

 

 家に残してきた前鬼が冷蔵庫の中身を開けてしまう可能性があるので早く帰りたいところだが、一人で境内の清掃も大変だろう。

 

 お人好しでもある小明はそう考え、闇呪羅を手伝う事にした。

 

 したのだが、ふと掃除を始めた闇呪羅を見てこの寺の住職夫妻は檀家の人達からどう見られているのだろうかと気になった。

 

「そのかっこで掃除してると何だかやらしービデオの撮影してるみたいに見えるんだけどよく平気よね……」

 

 闇呪羅の退魔服は誰の目から見ても紛う事なきハイレグレオタード。

 

 しかも黒で皮製となれば、彼女自身の妖しい美と合わさりとてもエッチに見える物だった。

 

「動きやすいんですのよこの服」

 

「それはわかるけど。もうちょっとこう恥じらいを覚えるとか、ねえ」

 

 退魔の仕事は常に危険を伴う。

 

 憑依獣などとの闘いでは素早く動かなければ命取りとなる場面も多く、動きやすいにこしたことはない。

 

 だがそんな服装で竹箒を手に境内の掃除をしていると。

 

「どういうお寺なのかって参拝する人が混乱しちゃいそう」

 

 お参りに来た境内に皮のハイレグレオタードを着た色っぽい女が居て、掃除してるの見ればそれはびっくりしそうなものだが。

 

「オホホホ、大丈夫ですわ。わたくしの退魔服に尽きましては檀家の方達の間でも広く知れ渡っておりますもの」

 

「それはそれで余計恥ずかしい。あたしだと耐えられないわ……」

 

 

 

 *

 

 

 

 そうして会話を交えながら掃除をしていると寺の住職が帰ってきた。

 

「おお小明ちゃん来ておったのか」

 

 緑の迷彩服と背中に背負った自動小銃(モデルガン)でバチっと決めた役寿海和尚。

 

 丸坊主の頭と合わせて本職の兵隊さんに見えないこともない。栗林は一緒でないようだ。

 

「お帰りなさい和尚さまァン♪」

 

 寿海を見た闇呪羅が駆け寄っていく。

 

「おおっ ただいまマイハニー闇呪羅ちゃん♪ そちらも無事終わったようじゃな」

 

 小明の目の前で抱き合ってキスをする寿海と闇呪羅。

 

 仲の良い夫婦愛には違いないのだが、どう見ても老兵とSMの女王にしか見えなかった。

 

「な、なんで和尚様そんなかっこなの??」

 

 闇呪羅と抱き合ったまま顔だけを此方に向けた寿海は満面の笑みを見せる。

 

「ああこれはな、最近近くに出来たばかりのミリタリーショップに寄って買ったんじゃ。どうじゃ似合っておるか?」

 

 似合ってはいたがそんなこと聞いてない。なぜ態々袈裟から迷彩服に着替えてきたのかを訊いているのだ。

 

 あんた坊さんだろう、小明は思わず突っ込んでいた。しかし大叔父はたったひとこと。

 

「軍事関係好きだからのう~」

 

 趣味と言われたらそれまでだった。兵器の名称や搭載する武装に弾丸の名まで暗記しているような重度の軍事マニアたる寿海に訊くだけ無意味なことだという話だ。

 

「和尚様はなにをお召しになさってもステキですわァ」

 

 寿海の頬に付けた頬を擦り寄せてそのかっこを全面肯定する闇呪羅。

 

「うふふ、和尚様ぁ~」

 

 すりすりする闇呪羅に。

 

「闇呪羅ちゃ~ん♪」

 

 彼女の頭や髪を撫でて応える寿海。

 

 エッチなところがある彼らしく、闇呪羅の髪を撫で下ろしながらさり気なくお尻にも触れている。

 

 結婚して一年ほどながら衰え知らずのラブラブっぷりにやれやれと首を振る小明。

 

「はいはいごちそうさまごちそうさま、あーもうごちそうさまったらごちそうさまッ」

 

 寿海はもちろん、闇呪羅の退魔服もある意味ではコスプレっぽく見えるため、案外似た物夫婦ではなかろうかと。

 

 結局は、二人の間に愛さえ在るのならば、服装や形など、どうだっていいことなのだろう。

 

 そう、だって自分から見ても二人は幸せなのだから……。

 

 小明はひとりそう思うのだった。

 

 

 

 

 

 更にその後、小明に用があるからと探していた有記が寺へやってきたが、案の定、見かけ老齢の兵隊と、妖艶な雰囲気の女王様の求愛の様子を見て。

 

「ね、ねえ小明……ここ、どういうお寺なの?」

 

 等と小明に訊ね、混乱していた。

 

 

 

 実にらしい反応だったとさ。

 

 

 

 

短編集内の各お話と投稿予定(未定)の続きやお話で読んでみたい作品はありますか?(ご期待に副える事が出来るかどうか分かりませんが、一ご意見としてお伺いしたいと思います)

  • コードギアス
  • コードギアスR2
  • 此花トゥルーリポート
  • FF4×FF6
  • カオシックルーン
  • 学園黙示録
  • ルパン三世 ワルサーP38
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