※この作品はR-18です。

二次創作SS集   作:夜半の月

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ちょっとだけ未来の遊城さん宅
えち無し短編


十代とカミューラの日常 ヴァンパイアはにんにくがお好き?

 

 

 

 

 

「ただいま……」

 

 プロデュエリストとして活躍する遊城十代は、今日も数々のデュエルを行い愛する妻と娘が待つ我が家へと帰ってきた。

 

 その割にどこか元気がない様子の彼だが無論理由があった。

 

 玄関で靴を脱いでいるとパタパタと足音を立てて、まだ幼稚園児くらいと思われる長い緑色の髪を頭の左右で纏めたツインテールの少女、いや幼女が駆け寄ってくる。

 

「パパ、おかえりなさ~い!」

 

 元気よく飛び付く幼女を抱き留めた十代は「ただいま」といって彼女の頭を優しく撫でた。

 

 この幼女、よく見れば耳の先が尖っていて口の中に見える犬歯もまた鋭く尖っている。

 

 それもそのはず、この娘は遊城十代と十代の妻のヴァンパイアの貴婦人カミューラとの間に生まれた娘で、名を遊城エルザ。

 

 カミューラの血を色濃く受け継いだ純粋なヴァンパイアなのだから。

 

『人間とヴァンパイアの間にはヴァンパイア、若しくはヴァンパイアハーフが生まれる』

 

 というカミューラの言葉通り、十代とカミューラが愛し合い、情交を交わし続けた結果としてカミューラが妊娠し、生まれたのがこの子だったのである。

 

 親の贔屓目を抜いて見ても十二分な美少女だ。カミューラ似という時点で推して知るべしだろう。将来は妖艶な美女に育つ事疑い無しの女児だった。

 

「ところでエルザ、カミューラママは?」

 

「う、うん……、カミューラママ、お夕飯作ってる……」

 

「そ、そっか……」

 

 娘にママはどうしているかと聞くと、にこにこ笑顔が一変して、暗く塞ぎ込んでしまう。合わせるように気落ちする十代。

 

 別に夫婦喧嘩をしている訳ではない。今朝だって周囲がうらやむほどに仲睦まじい夫婦っぷりを披露していた、いってらっしゃいのキスなど恥ずかしげもなく行っているくらいなのだから。

 

 では何が原因か? 

 

 それは「お夕飯」についてのことだった。

 

「ただいま……」

 

「あら? お帰りなさいアナタ」

 

 食卓のあるリビングに入ると、夕飯の準備を終えたらしい妻カミューラが、キッチンで手を洗っているところだった。

 

 彼女は食事の準備の邪魔にならないようにと、膝裏まで届く程長い緑髪を首の後ろで一つに束ね、いつもの紅いドレスとは違う、紅のワンピースを着て白いレースのエプロンを着けている。

 

(うっ……くっせ~っ)

 

 十代の鼻を刺激する何とも言えない臭いが部屋中を漂っていた。

 

 臭いの出所は食卓に並べられた料理。

 

「パパ~……」

 

「あ、ああ座ろっか」

 

 並べられた料理を見てイヤそうな声をあげる娘。自分を呼ぶ娘と共に席に着いた十代は、味噌汁と思わしきお椀の蓋を開けて思わず嘔吐きそうになってしまった。

 

「にんにくの味噌汁……」

 

 味噌汁の中身、その具が一部の野菜を除いて全てにんにくだったのだ。

 

「はいアナタ」

 

「あ、ありがと……」

 

 カミューラに手渡された茶碗、白いご飯と共に細かく砕けた白に近い黄土色のものがいっぱい入っている。

 

(にんにくご飯……)

 

 更に、にんにくの炒め物。にんにくのお漬け物。極めつけにデザートとか言って出されたにんにくジュース。

 

 見ているだけで嘔吐きそうになるほどの、にんにくのオンパレード。

 

 これこそ彼の元気が無かった理由だった。

 

 なにせここ三日ほどこのにんにくパレードが続いているのだから無理もない。

 

「もうにんにくイヤ~!」

 

「何言ってるのエルザ! にんにくは身体にいいのよ? いっぱい食べなきゃママのような立派なレディになれなくてよ?」

 

「うう~っ」

 

 嫌がる娘を叱るカミューラだったが、嫌がっているのは十代も同じなのだ。

 

「あのさ~、こう毎日にんにく尽くしじゃ飽きもするだろ?」

 

「ほら~パパもイヤって言ってるよ~」

 

「アナタがそんなことでどうするのよ! 子供の手本になるのが親の勤めでしょう!」

 

「いやだからってこれはやり過ぎだろ? 大体にんにくが嫌いって訳じゃないんだからちょっとぐらい良いじゃねーか……」

 

 娘はヴァンパイアだが生まれながらにしてにんにくを食べられるのだ。

 

 これはおそらくにんにくを克服したカミューラと、人間である十代の血も流れているからこそだろう。

 

 そして娘はにんにく嫌いではない。寧ろ好きな方だ。

 

 だが、いくらなんでも全てがにんにく料理で三日も続けば別のものを食べたくもなるし、にんにくが嫌にもなる。

 

 それこそ人間だとかヴァンパイアだとかは関係ない。

 

「仕方ないじゃない。お母様に『にんにくって美味しいですわね』なんて電話で話してたら、段ボール箱にぎっしり詰めて送ってきたんですもの」

 

「それはわかってるけどなぁ……母さんも余計な事を」

 

「それに、にんにくってもの凄く美味しいじゃない?」

 

「あ、あはは……」

 

 ヴァンパイアはにんにくが苦手、命に関わる食べ物。かつてカミューラはそう言っていたし、事実として彼女は餃子を食べて食あたりを起こした事もある。それがヴァンパイアという種族なのだ。だが、カミューラはにんにくを克服してしまった。故ににんにくがヴァンパイアの弱点──―というのがデマになるのも、そう遠い話ではないのかもしれない。

 

 妻──遊城カミューラと、娘──遊城エルザ。目の前ににんにくを食べても平気なヴァンパイアが二人もいるのだから。

 

 尤も、このまま行けば娘は大きくなったらにんにく嫌いになりそうだが。

 

「お魚食べた~い! お肉食べた~い! カレー食べた~い!」

 

「文句言ってないでお食べっ!!」

 

「カミューラさあ、オレも肉とかカレーが食いてェんだけど」

 

「ええいお黙り!!」

 

 今日も平和な遊城家は、こうしてにんにく臭い夜を送るのだった。

 

 

 

 

 備考

 

 

 

 遊城エルザ。

 

 遊城十代とカミューラの間に産まれた娘。まだ保育園児。

 

 純血のヴァンパイアながら、従来持っているヴァンパイアとしての弱点は一切なく、普通の人間のように暮らしている。

 

 時々十代が血をあげている物のご褒美のおやつの様な物でそんなにいっぱいは吸わない。

 

 容姿は腰まで届く真っすぐな長い緑髪と、尖った耳と尖った犬歯を持つ。

 

 普段は母親のカミューラと同じ瞳の色をしているが、デュエル時に本気になると十代の様にオッドアイになる。

 

 カミューラ譲りの容姿を持つために超の付く美少女。

 

 

短編集内の各お話と投稿予定(未定)の続きやお話で読んでみたい作品はありますか?(ご期待に副える事が出来るかどうか分かりませんが、一ご意見としてお伺いしたいと思います)

  • コードギアス
  • コードギアスR2
  • 此花トゥルーリポート
  • FF4×FF6
  • カオシックルーン
  • 学園黙示録
  • ルパン三世 ワルサーP38
  • 幕末風来伝 斬郎汰
  • ニードレス
  • ヨルムンガンド
  • 少女少年
  • 北の告発
  • サラダデイズ
  • クレセントノイズ
  • ひとひら(甲斐×理咲の近親相姦物)
  • ESアザーワイズ(戒×瑠璃)
  • 遊戯王GX(十代×カミューラ)
  • 魔装機神(マサキ×モニカ)
  • 椎名君のリーズニングファイル
  • RAVE(ハル×絶望のジェロ)
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