リハビリをするエレンだった。
\雑っ⁉︎/
キャラ振り返り
エレン・エドワード・エノミヤ(16)
人間と妖狐のハーフ。クロのことが大好き。
クロ(16)B86 W60 H85
人狼の少女。発育が中々いい。エレンのことが大好き。
カレン(14)B79 W54 H82
エレンの妹。超絶ブラコンだが、戦闘技能では兄を上回る。
ブルーノ(16)
かつてエレンと何度も殺しあった狼。今では人間の体を手に入れた。
ガイル(16)
カリバルク王7世。本当は第二王子だが、母の提案で時期国王に定められた。
アイナ(18)B83 W57 H82
ガイルの使いのメイド。家事、戦闘を得意とする。
エレンたちがいつも釣りをする川の側で、2人は対峙していた。
「来たんだな。俺はすっかり来ないかと思ってたよ。」
まず先に口を開いたのはブルーノの方からだった。
「男に二言はないってことだ。だが、目的はなんだ?僕の命か?クロか?」
ブルーノの首を横に振った。
「この前も言った通り君を殺すのもやめたし、クロを奪うのもやめた。しばらく部下に調べさせて貰ったよ…。」
ブルーノは背を向け語る。
「部下たちはみんな声を揃えて言っていた。2人とも幸せそうだと…。俺は確かにクロが愛おしかった。だから奪い去って、今以上の幸せを与えたかった。」
ブルーノが振り向いた時には、彼の目には涙が溢れていた。
「だけど…俺にはその資格がないよ…。何故なら、全て自分のワガママだったから…。彼女の気持ちも汲み取らず、彼女を奪おうとしたからだ…。きっと、俺と一緒にいるよりも、エレン、君と一緒にいた方が幸せだろう…。」
「ブルーノ…。」
ブルーノは涙を拭った。そして、その目でエレンを見つめる。
「だから、改めて言いたい。ありがとう…。」
エレンは少しむず痒い気分になった。子供の頃に殺し合い、そしてここ最近でもまた殺し合い、そんな殺しあった相手にお礼を言われるなんて思ってもなかった。
「…お前らしくもないな、ブルーノ。」
エレンはレイピアを取り出した。
「お礼なんていい、今は、それ以上にするべきことがあるんじゃないか?」
ブルーノは顔を明るくして「ああ!」と答える。彼の手元にはハルバードが握られていた。
「呼んだことは他でもない、リハビリに手伝ってくれるかい?」
「勿論だ!殺すつもりで来い!」
最初に駆け出したのはエレンだ。カレンとのリハビリの成果かエレンの走る速度は信じられないほど速かった。
「たあァァァッ!」
エレンはレイピアで一撃をかます。だが、ブルーノはその一撃をハルバードの持ち手のわずかな部分で受け止めた。
「ふん!」
そのまま横に大きく薙ぎ払う。エレンは高く飛び上がり、回避した。
「妙ですね…。」
「え?」
その様子を見ていたカレンは言った。
「ブルーノのことが、そんなに信頼できない?」
「いえ、そっちじゃないです…。あの2人のぶつかり合いを見ればもう2人に敵対意識がないのはわかります。まあ、何故心を入れ替えたのかは知りませんが…。それよりも」
カレンが見ていたのはブルーノの方だった。
「あの男は、どうしてあんな重たい武器にこだわるのでしょう?攻撃速度で言えばどう考えてもレイピアの方が有利です。」
「うーん…確かにエレンの武器の方が軽いよね。」
現状、ブルーノは防一方的になりつつあった。
カレンはこう見えても暗殺や武器の扱いに長けており、14という若さとは思えない強さを持つ。魔術関連を除けばどの能力を見てもエレンを上回るほどだ。
「ただ拘ってるのか…それとも何か作戦なのか…。」
「うーん…私にはちょっと難しいなぁ…」
クロはただ2人の戦いを見守るだけだった。
カンカンカンキン!
高速で繰り出される刃をブルーノはギリギリで受け止める。その度に辺りには甲高い金属音が響いた。
(もう少しだ…エレンには勝負には負けた…だが…俺は…まだ試合に負けてない!)
ブルーノは元からこれが目的だった。
もうクロのことなど気にしていない。いや、実は誘拐した時に気がついたのだ。
クロは頑固な性格だ。きっと何をしてもこっちに振り向くことはないだろうと。元々あれはエレンと決着をつけるのが目的たった。
そして、今も同じだ。自分が求めるものはお互い素の状態でどちらが強いかを単純に比べたかった。
(この感覚だ…ギリギリのこの感覚…ゾクゾクする…!)
エレンがハルバードの持ち手を蹴り、後ろへ飛び、華麗に着地した。
「どうした?まだ攻めないのか?」
「これが俺のやり方なんだ。その動き、まだなんとかついていけてる程度だけど、そろそろ読めそうだよ。」
「何?」
するとブルーノはハルバードの斧の部分にあった杭のようなものを強く引っ張り抜き取った。すると刃の部分を固定していた金具が外れ、ハルバードは先端についた刃だけを残す形となった。
「槍か…。」
「今まで色々な武器を試したけど、これが1番ピンときたかな。」
「今までハンデだったのか…⁉︎」
「いや、本気だよ。ただ、この力を活かすのならハルバードの方がいいと思ったけど…エレンが相手になると別になる。」
「なるほど…重たい武器で体を慣らしてた…ということですか…。」
「えっと…つまり?」
カレンはわかりやすい例えを考えたのちにこう答えた。
「重たい手押し車を押し続けると、その仕事に慣れていきますよね?」
「え?う、うん。」
「重たい手押し車に慣れた後、その手押し車よりも軽い手押し車を押したらどうなると思います?」
「えっと…いつもよりも、軽く感じる?」
カレンは指を慣らし、「そうです!」と言った。
「つまり、あれで筋力を鍛えてた。いや、あの動きなら斧も十分強いでしょうけど…あの重みがなくなった分、兄様の速度にも対応できるようにしたのでしょう。」
カレンは冷静に分析しながら、その様子を見届けていた。
「エレン…」
ブルーノは槍をブンブン回し、戦闘態勢を取った。
「次はこっちから行こうか!」
ブルーノは駆け出した。向こうも少し前に寝込んでいたとは思えないほど速かった。
ブルーノは大きく横に薙ぎ払う。エレンはバク転で回避する。するとブルーノは着地した瞬間を狙い、突く。エレンはそのまま横に転がって避けた。
そのままブルーノは槍を連続で突いた。
その速さは槍に残像が残るほどだった。
だが、エレンも負けじと避けたり、避けれない攻撃をレイピアで受け流したりとうまく対応していた。
エレンはブルーノの攻撃を防ぎつつ隙を探っていた。
(いくら高速の連続突きでも、必ず隙はあるはずだ。)
そう思った瞬間、レイピアと槍がぶつかったのを気にブルーノは槍を小刻みに横に振るう。
するとエレンはレイピアをそのまま下に落としてしまう。
(しまった!)
そのまま距離を詰められ、ブルーノは足払いをする。
(っ⁉︎)
ギリギリで避け、後方へ転がりレイピアを手に取った。
(反撃かい…)
ビシッ!
エレンは自分が置かれていた状況を理解するのに少し時間がかかった。
エレンの目の前に突きつけられたのはブルーノの槍の先端。それが今トドメを刺さんばかりに前に突きつけられている。
エレンは初めてブルーノに負けた。
「…僕の負けだ…」
「…うん。」
ブルーノは槍を背中に背負い、膝をついているエレンに手を差し伸べた。エレンはその手を取り立ち上がった。
「エレン!」
エレンの元へクロは駆ける。
「ははは…悪いねクロ…。僕、負けたみたい。」
エレンはそういいクロを抱きしめる。その様子をみたブルーノは背を向けて、その場を離れようとした。
「ブルーノ!」
その声に振り返る。声の主はエレンだ。
エレンはブルーノの側まで歩いてきた。
「ありがとう。」
エレンは手を差し伸ばす。握手を求めたのだ。
「…はは。俺たちはどうして殺しあってたのか、もはや分からんな。」
ブルーノも手を出し、握手を交わした。
「元々、ブルーノが『ここは俺の縄張りだ』とか言い出すからだろ?」
「そんなこともあったな、んで負けて、気がついたら人間の体を手に入れてて…。」
この前のように殺しあった。だが、2人の血の連鎖に歯止めをかけたのはある1人の少女だった。
「クロが証明してくれた。恋も友も、種族に関係ないって。」
「クロは俺を信じてくれた。そして彼女も信じて欲しいと俺に願った。だから俺はエレンとクロを信じよう。あの時負けたのは悔しいし、今でもクロのことは好きだ。でも、エレンが一番クロと釣り合ってる。俺が首を突っ込むことじゃないな。」
そういいブルーノは手を離した。エレンも立ち去るブルーノの背中を見送った。
「エレン、信じてくれたんだね。」
横にいるクロはエレンを見つめて言う。
「うん…僕はクロを信じる。クロはブルーノを信じてる。ブルーノもクロを信じてる。だから僕もブルーノを信じよう。ブルーノとは分かり合える気がする…。」
ブルーノとエレン。かつて殺しあった2人にはもう殺意などは微塵もない。ブルーノはエレンなら自分よりもクロを幸せに出来ると信頼し、エレンはブルーノの思いを受け止める。2人が分かり合えるのはそう遠くなさそうだ…。
お久しぶりです。光陽です。
今回も人狼娘とキツネの息子を読んでいただき誠にありがとうございます。学生の方は新学期、社会人は新たに新社会人として歩み出す頃ですね。
私も新たに新社会人として一歩を踏み出したところです。
一人暮らしも始まり改めて親へのありがたみを感じます。
また、地元を離れるので友人関係も0からのスタートとなります。最初は孤独感を度々感じてましたが今ではそのようなこともなくなって来ました。
まだ研修中ですが、頑張っていきたいと思います。
最近ネタが思いつかなくて更新が遅くなりそうです。楽しみにしてくださってる方には大変ご迷惑をおかけします。
やっぱ他の人の作品や本を読まなきゃダメですね。頑張って時間を作っていきたいです。
それでは今回はこの辺で失礼させていただきます。
次回もお楽しみに〜!