前回のあらすじ
森の中でひっそりと暮らしていたクロ。そんな時に2人の男に正体がバレてしまう。そんな絶対絶命の中、助けてくれたのはキツネと人間のハーフの少年、エレンだった。そこでエレンとクロは友達になったのだった。
関係ないですけど、遊戯王の「トリックスター」って可愛いですねよね。作りたいです。
あの夜クロは母親のお墓の前で今日の出来事を話していた。
「あのね、今日はね、友達が出来たの!
あ、でもね、人間じゃないよ?狼でもないの!キツネと人間のハーフの…ええと…なんだったかな?でも、エレンっていう男の子なんだよ」
そんな風に今日の出来事を話してから、クロはいつものように家に戻り、寝ることにした。
その次の日のこと、クロはいつものように出かけていた。
「今日は何かいいことあるかな?」
そういいクロは心を弾ませながら歩く。友達が出来たことがさほど嬉しかったのだろう。
「クロ〜」
どこから声が聞こえてきた。クロは辺りを見渡す。だが、何処にもその正体は見当たらない。
そこでクロは自分の特技を活かすことにした。
「すんすん…エレンの匂い…」
そう、クロは人狼であるため嗅覚も人間以上に優れていた。
「この匂いがするのは…そっち!」
そういい茂みを掻き分けると。
「あー…見つかった…」
「やっぱりエレンだ!おはようエレン!」
「おはようクロ。今日もお出かけ?」
エレンは茂みから出てきて、服についた葉をはたき落とす。
「うん、いっつもこんな感じで食べ物を確保してるの。」
「そうなんだ。それなら僕もお手伝いしていいかな?狩猟本能ならある程度あるし、道具もいろいろあるよ。」
そういいエレンはなにやらアーチ状に加工した木に糸を張った道具を取り出した。
「それは何?」
「これ?これは弓だよ。人間がその昔狩に使ってた道具なんだ。今では鉄砲が主流みたいだけど」
クロは興味深々で弓を見つめる。
「どうやって扱うの?」
「じゃあ今から見せてあげるよ。ついてきて!」
そう言ってエレンは走り出す。
「まってよ、エレン!」
そういいクロもそのあとを追いかけた。
たどり着いた先は森の中にある川のほとりだった。
「多分この時間なら…やっぱりね。」
「ここは…川?…あ!」
2人の視線の先には喉が渇いたのか水を飲みにきた野ウサギがいた。
「みててごらん。」
そういいエレンは筒から矢を取り出し、弓に構えて引く。
そして、前方を見据えて深呼吸をし、矢を放つ。すると矢は一直線にウサギの元へと飛び、首筋を射抜いた。
「わっ!」
クロはその光景にビックリしたようだった。
「こうやって扱うのさ。まあ、今回のように上手くいくとも限らないけどね。」
そういいながらエレンはウサギの元へと近づき矢を回収して、川のほとりで血のついた矢を洗う。
「さてと…今日のお昼ご飯にはちょうどいいんじゃないかな?」
そういいウサギを差し出した。
「ねえエレン!私もそれ使いたい!」
「弓かい?かなり難しいよ?」
そういいつつもエレンは弓と矢をクロに渡した。
「えっと…ここをこうして…」
クロはエレンのさっきの動きを見よう見真似で矢を手に取り、弓を引いた。
「こんな感じかな…えい!」
ぴょん。
「あ…」
矢は勢いの無く、そのまま下へと落ちた。
「う〜…」
「あははは、まだ最初のうちはそうなるよ。僕だって最初はできなかったから。」
「難しいね。」
「でも、練習すればそのうちに出来るようになるよ。クロ、お腹減ったからこのウサギ食べよ?」
そういいエレンは懐からナイフを取り出した。
「ここで食べるの?」
「うん、クロは適当な木や草を持ってきて。その間に僕がこのウサギを捌くから。」
「わかった!」
クロはそういい森の中へと戻って行った。
クロが川岸へと戻っていると、エレンがちょうど下ごしらえを終えたところだった。
「あ、おかえり。ありがとうね。」
「うん、もしかしてこれに火をつけるの?」
そういいクロは適当な場所に草木を置いた。
「火打ち石なら持ってるよ。」
そういいエレンはまた懐を弄り、火打ち石を取り出した。
「凄いね。よろず屋さんみたい。」
「あはははは。普段から狩をして生きてるから道具は普段から一式揃えてるんだ。でも、本当になれるかもね。」
エレンは笑いながら火打ち石で火をつける。
するとすぐに草木に火が移った。
「それじゃあウサギを焼くか。」
そういい木の串でウサギを突き刺し、火に通す。
「川の近くならもし火が強くなりすぎて移りそうになったならすぐに消火活動が出来るからね。」
「そんなことまで考えてたの⁉︎」
クロは驚いた。ここにきたのはしっかりとした意味があるとは思っていなかったのだ。
「その昔にお母さんが教えてくれたんだ。慣れないうちは本当に大変だったよ〜。」
その後もエレンとクロはウサギを食べながら、エレンの苦労談や豆知識を聞いていた。
「エレンって、なんでも出来るんだね。」
その日の夕暮れの帰り道。
あの後もエレンは様々な知識や技術でクロを驚かせた。狩りも出来て、料理も出来て、自然界を生きていく知識も豊富にある。クロにとってそんなエレンに少し憧れた。
「なんでもって訳じゃないけど…自分でも出来ることはたくさんあったほうがいいなって思ってる。そのほうがきっと役に立つから。」
エレンは少し照れくさそうにそう言った。
「私もエレンみたいになりたいな。」
「頑張ればきっとなれるよ。何事も諦めずにトライするのが大事!そうだ、これあげるよ!」
そういいエレンは弓矢をクロに渡した。
「え?いいの?」
「うん、頑張って練習してみれば?最初は大変だけど、出来るようになったら楽しいよ!」
「ありがとうエレン!」
クロは嬉しさのあまり腰のあたりから隠していた尻尾が出てきた。
「あ」
「あはははは!クロってなんだか犬みたい!」
「ぶぅ〜…犬じゃないもん!狼だもん!」
頬を膨らませ、口を尖らせて怒る。
「ごめんごめん。それじゃあクロ、また明日。」
「うん、バイバイエレン。」
そういいエレンは去って行った。
「エレンと一緒にいるの…楽しいな…。」
クロはエレンから貰った弓矢を大切に握っていた。
「帰ったら練習しよ!」
そういいクロは心を弾ませて帰って行った。
今回も読んでいただき誠にありがとうございます。光陽です。
果たしてこの作品はどこまで続くのでしょうか?
GWももう最後って言うのが寂しいですね。あー…学校怠い…。
それでも、やらなきゃならないことはやらなきゃですね!頑張ります!
この作品を読んでギャグ要素が欲しくなった人へ、
僕が書いている他の作品、「艦隊これくしょん 艦これ 小動物提督さん」を読んで見てください。
艦これを知らない人でもワンチャン淫夢を知ってれば読める…かも?
…セッセンシャル!(すんませんでした?)
ではこの辺で失礼します、次回もお楽しみに〜!