ガイルは突然王に呼ばれる。何かと思えば突然他国の姫君との結婚を無理やり決められ、拒否権まで剥奪される始末。
父への不満や怒りが満ちたガイルは父への叛逆を決意するのだった。
一方場面は変わってカリバルク王国から1番近い国グラディウス王国。
こっちの姫君も無理やりの結婚を拒んでいた。
互いに国の道具として利用されるもの同士、果たして結婚はどうなるだろうか?
※今回はエレン回です。
いつも釣りをする川の側で、エレンとクロは釣りをしていた。
「ふぁ〜……。」
エレンは重たくなる目蓋を擦り、再び竿とにらめっこを始める。
だが、どんなに待ってもエレンの元へ魚が来る気配は無い。
何故かというと、それは反対側を見ればわかる。
「あはっ!兄様!また釣れました!」
「あ、うん、流石だねカレン。」
エレンと対面の川岸にいるのはエレンの妹のカレンだ。身体能力の高さならエレンに勝る妹だが、身体能力以外にも釣りをしていると毎回こうなるのだった。
だが、エレンにとってはどっちが釣れようが結局は3人で食べるので変わりは無いからそんなに気にしていないのだ。また、エレンも釣りを競うためにするのが目的ではなく、のんびりするためにしているだけであり、こうして掛からなくてものんびりしているだけでも満足感はあった。
(それに…カレンも最近は楽しそうだし…)
元々カレンとは別の森で過ごしていたが、カレンの正体が近くの町の住民にバレてしまい、森を燃やすと言ったとんでもない行動を町の住民が起こし、カレンはその森を出ることを余儀なくされた。
「兄様!またです!またですよぉ!」
「凄いなぁ…。」
どうしてあんなに魚が寄って来るのかエレンにとっては不思議だった。
「エレン!兎捕まえてきたよ!」
のんびりしているエレンの背後から声が聞こえる。クロだ。クロは片手に弓を、もう片方の手に兎を握っていた。
「お、1人で出来たんだ。クロも上手くなったなぁ。」
「えへへ、私だってやればできるもん!」
クロは「ふんす!」と音が出そうなほど鼻息を出し、胸を張ってドヤ顔をする。
その際豊満な胸元がたゆんと揺れる。
(うん、今日も眼福。)
「兄様〜、そろそろお腹が空いてきたのでお昼にしましょ〜!」
対岸からカレンが話しかけて来る。
「おっけー!気をつけてこっちにおいで。」
「はーい!」
カレンは魚が数匹入ったバケツを抱えたままカレンは高く飛び上がる。その跳躍力は人間の域を凌駕するものだった。
エレンたちのいる対岸へ無事に着地したカレンは魚の入ったバケツをエレンに手渡した。
エレンはすぐにナイフを取り出し、魚を捌き始めた。
「まな板なくて大丈夫?」
「兄様は器用ですから大丈夫ですよ。」
すると瞬く間に魚の頭と骨が落とされる。
「今日はこれに極東の調味料をつけよう。」
「えっ⁉︎お魚を生で食べるの⁉︎」
驚くクロをよそにエレンは黒い液体を取り出した。
「なにこれ?」
「ショウユって言うんだ。大豆から出来るんだよ。この前たまたま街に極東から来た商人が売ってたんだ。」
クロはショウユと呼ばれた黒い液体を指に少しだけ出す。
「わ…なんだろ…トロトロ…?してるのかな?」
クロはそのまま指につけたショウユを舐めた。
「あ…美味しい…。」
口の中に広がる甘味と旨味、それと少しだけ感じるしょっぱさ、クロは本当にこれが大豆から出来るのかなんて信じられなかった。
「本当に大豆がこれになるの…?」
「うん、作るのにとっても時間がかかるけどね。」
エレンは捌いた魚を大きめの葉っぱに乗せ、生のままショウユをかけた。そのまま二本の細い棒を指に挟むようにして持つ。
「え、今度はそれ何⁉︎」
「これはオハシって言って極東の人たちがご飯を食べるときに使うんだ。持ち方はこうだよ。」
エレンは自分の持っていたオハシを使ってクロに持ち方とオハシでどうやってご飯を食べるのかを教えた。
のだが…
「うぅ…難しいよぉ…。」
「うーん…まあ、僕も最初は苦戦したからなぁ…。」
「で、でも…。」
クロは横を見る。そこにはクロと同じくオハシを初めて見た筈であろうカレンが器用にオハシを使って魚を食べていた。
「ん?どうしましたクロさん?」
「なんでカレンちゃんはあんなに上手なの〜⁉︎」
クロは「ふえぇ…。」と言わんばかりにおどおどしている。
「カレンは裁縫が得意だから器用なんだ。」
「はい、兄様の服も私の手作りですよ?」
「何それすごい!」
落ち込むクロを見てエレンはクスクスと笑う。
「やれやれしょうがないなぁ…。はい、クロ。」
エレンはオハシで魚を掴み、クロに差し出す。
「はい、あ〜ん。」
「あ、あ〜ん…///」
そのままクロの口へと魚を運んだ。
「んんっ!美味しい!お魚って生でたべれるんだ…。」
「極東ではオサシミって言うんだって。まだ食べる?」
「うん!」
引き続きクロはエレンに魚を口の中へと運んでもらう。
「……兄様のばか……。」
2人がいちゃつく声に、カレンの小さな嘆きはかき消された。
カレンは森を燃やされてからクロの住んでいる家でエレンとともに生活をしている。
「クロさん、お風呂上がりました。」
「うん、わかった!入るね。」
クロはそういい風呂場へと歩いて行く。カレンはエレンの座るソファーの横に座った。
「お兄様、新聞ですか?」
「え?ああ、カレンか。」
エレンは今日発行された新聞を読んでいた。
「森を燃やした連中がカレンを捜索してるらしい…。カレン、外に出るときは気をつけるんだ。」
「大丈夫です。兄様も知ってるでしょう?私は」
「そう言う問題じゃない。何をしてくるかわからないんだ。罠を仕掛けるかもしれないし、集団で襲いかかるかもしれない。」
「罠の捜索技術もあります。集団戦も訓練を受けてます。だから心配は」
「カレン!君は女の子なんだ!強い以前に君は女の子なんだ!」
カレンは驚いた。エレンがこんなに強く言い聞かせるのはいつ以来だろう。あんな穏やかな兄がここまで言うだなんて信じられない。
「…はい、わかりました…。
……その、兄様…。」
「あ、ごめん…強く言いすぎたよ。とにかく気をつけて。」
エレンはそういいソファーから立ち上がる。カレンは咄嗟にエレンの腕を掴んだ。
「兄様…1ついいですか…?」
「…どうしたんだ?」
「兄様は…私のことを女の子として見ているのですか…?それとも、私はエレン・エドワード・エノミヤの妹なのですか?」
エレンは振り向かなかった。カレンはエレンの腕を掴んでいる手と反対の手でスカートの端っこを握っていた。
「兄様…。」
「僕達は兄妹だ、大切な家族なんだ…。」
「……。」
カレンはそっとエレンの腕を掴んでいた手を離した。するとエレンはようやく振り向いた。
「ごめんカレン。それに僕にはクロがいる。誰よりも愛おしいクロが」
「兄様は、家族よりクロさんの方が大切なんですか?」
エレンは今になって自分の失言に気がついてしまう。
「な、違う。それは」
「以前よりも気にかけてくれないのは、私なんかよりもクロさんの方が大切だからなんですか⁉︎」
「そうとは」
「いいえ!もういいです!聞きたくありません!私、失礼します!」
そういいカレンはその場から即座に離れた。
「待て!カレン!最後まで話を!」
だが、カレンは外へと飛び出してしまう。
即座にエレンも追いかけようとしたが、身体能力は比較的にカレンの方が高いので追いつける筈もなかった。
「カレン!カレン!戻ってこい!カレン!」
声をあげるも、森の中に叫び声がこだますだけでカレンが戻ってくるはずもない。
「クソッ!」
エレンは木に拳をぶつけた。木には拳の形を模した凹みが出来上がる。
「僕は…お兄ちゃん失格だ…。」
エレンがクロの家へ戻るとクロが心配そうに玄関で待っていた。
「カレンちゃんと何があったの…?」
「流石に聞こえてたよね…。その、ごめん。カレンと喧嘩しちゃったんだ。」
「カレンちゃんは?」
「見失った…。」
エレンはその場に膝をつく、クロは咄嗟にエレンを支えた。
「僕は…お兄ちゃん失格だよ…。カレンのことを誰よりも知っているはずだった…。カレンが僕のことを兄としてだけでなく、異性として見ていることも…。」
ポロポロとエレンの目からは涙が溢れ出す。
「でも、ダメなんだ…。僕達は、兄妹だから…。それに、僕にはクロだっている。でも、カレンのことももちろん大切なんだ…。でも、またクロに対しての愛してるとカレンに対しての愛してるは、意味が違うんだ…。でも…。」
今にも泣き崩れそうなエレンをクロは暖かい手で涙をぬぐい、抱きしめた。
「うん、そう言ってくれると嬉しいよエレン。でもね、カレンちゃんもエレンのことが大好きだからこそショックだったのかもね。だとしたら、私も同罪かな?」
「そんな!君は何も…。」
クロはエレンを鎮めるかのように頭を撫でる。
「私、カレンちゃんのこと、何も考えずにエレンを独占してたんだもん。カレンちゃんだって、妬いちゃうよね。」
クロはそっとエレンから離れる。
「ねえエレン。カレンちゃんの思い、受け止めてあげれない?」
「でも…。」
「エレン、前言ってくれたでしょ?恋に種族は関係ないって。私、あの言葉とても嬉しかったの。だから、種族が関係ないのなら、家族だとか常識だとか関係ないと思うの。」
それはクロとエレンが付き合うきっかけとなった考え方だ。
そう、エレンは兄妹では恋愛できないという常識とクロと言う相手が出来ているということに縛られていた。
「クロ……。」
2人はそのまま自然とキスを交わした。そして、エレンの中で1つの感情が芽生える。
エレンは立ち上がった。
「ありがとう…。カレンを探さなきゃ!」
そういい動こうとすると何処かからか何かが近寄る気配がした。
「なんだ⁉︎」
エレンはクロを自分の後ろに隠し、レイピアを手に取る。
奥から来たのは狼だった。
「あ、あの子…。」
クロはひょっこりと顔を出してそう言った。そしてそのままクロは近寄った。
「どうしたの?何かあったの?」
その狼は咥えていたものをその場に置く。
それは、カレンの短剣だった。
「カレン短剣⁉︎おい!あの子に何かあったのか⁉︎教えてくれ!」
クロがエレンを手で抑える。
「私が聞くね。何があったか教えてくれる?」
「バウッ!バウッ!」
「そんな…!」
どんどんクロの顔が青ざめていく。
「どうした⁉︎何かあったのか⁉︎」
「ど、どうしようエレン……。カレンちゃんが…。」
その言い方からエレンは最悪の事態を思い浮かべてしまう。そのせいかエレンの顔までも青ざめる。
「ま、まさか…?」
「…うん。人間に捕まったって。」
今回も読んでいただきありがとうございます。光陽です。
過剰な愛が、逆に拒まれてしまいましたね。
そして最悪なことにカレンはさらわれてしまいました。
え?強いからそんなことないだろって?カレンは女の子ですから。
さて、物語の話からすこし離れて、雑談でもしましょう。
この小説を好きだと思ってくださる方、きっと少ないでしょうが、こんな作品をご愛読していただきありがとうございます。
もともと戦闘なんかは面倒なので取り入れたくなかったのですが、ただ平穏な日々をイチャイチャして過ごすだけなのも展開が無さすぎて…。いかんですね、平穏な日々を書くのがどうも下手らしいです。
できれば他の官能小説を読んで勉強したいところです。
あれ?小説の話をしてしまいましたね。では仕事とプライベートを少々。
あれからまだ勉強することがまだたくさんあり、勉強が続きそうです。また、実技の方もあるので腕も上げる必要があります。
職場の辛さをまだ体感したことないので何も言えませんが、これはこれで辛さがあります…。
だって一日中グラインダー使って金属削ってるんだもん。ずっと下向いてるから首痛いよね。
あ、わからない人はごめんなさい。
これでも一応工業人ですから。
※なお、電子科卒の模様
プライベートは、ボッチです。
基本ボッチです。
偶に地元の友達と通話します。
だけどここではボッチです。
さらに言います。童貞です。彼女いない歴=年齢です。
※じゃあなんでお前官能小説書いてんだよ。
あと、遊戯王をしてます。1人回しです。
※なんでもってんだよ。
そして、FKGしてます。スノードロップが可愛いです。
※わかる。
はい、調子に乗りすぎました。ごめんなさい。
なんか今回は長々と書きすぎましたね。そろそろ切り上げましょう。
改めて、今回も読んでいただきありがとうございました!
それでは次回も、お楽しみに〜!