平穏な日々を過ごすエレンとクロ、そしてカレン。
エレンの妹であるカレンはその裏で、エレンを兄としてではなく、ひとりの男として好意を寄せていた。
しかし、エレンは「兄妹」という理由でそれを拒み、カレンはショックで激情し、家を出てしまう。
クロによって決意を固めたエレンは再びクロを探そうと試みたその矢先に伝えられた事実、
カレンが人間によって捕まってしまったのだった…。
投稿遅くなってすんませんでしたぁ!
カレンがエレンから逃げ出した後のこと…
「はぁ…!はぁ…、はぁ…!」
暗い森の中をカレンはただ一人走り続けていた。
わかっていた、兄妹だからダメなことくらい。気がついていた、昔から自分がおかしいことを…。
でも…それでもカレンはもう止まらなかった。
クロに贔屓していることに妬んで、兄妹として生まれたことが悔しくて…
それで感情が爆発したカレンは気がついたら走っていた。
今更戻っても…あんなに言ってしまった…。
カレンは疲れて、足を止める。そして、あることに気がついた。
「…ここは…?」
この森に慣れていないがため、気がついたらここが森のどの辺なのかもわからなくなってしまった。
「どうしよ…。……そうだ、ブルーノさんの所へ行けば…!」
そう言いカレンはまた走り出す。
ドンッ!
「ひゃっ!」
走っている拍子に何かにぶつかってしまう。
「おっと…ん?なんだ?」
人間だった。
「っ!」
カレンは今帽子をしていない。獣人だということがバレバレだった。
「あっ」
そこからカレンの動きは早かった。
即座に男に襲いかかる。両手にナイフを握り、男の首元へ斬りかかる。
男は下がった拍子に石につまずき、運良くかわせた。
「運のいい人間ですね…。でも、あなたの命もここで終わりです!」
そう言いカレンがナイフを振り下ろそうとしたその時だった。
「ッ!」
カレンの首元に痛みが走る。手を当てるとそこには針が刺さっていた。
(しまった!吹き矢⁉︎)
あたりを見渡すも、気がついた時には徐々に体の力が抜けていた。
「あぅぅ…」
そのまま、フラフラとふらつき、とうとうその場に倒れこんでしまう。
(だめ…力が…)
「おい!あんた大丈夫か⁉︎」
人間たちの会話が聞こえてくる。
(……助けて…。お兄……)
「さま…。」
そのままカレンの意識はシャットアウトされた。
その後、ブルーノの仲間のオオカミがカレンが人間に運ばれてるところを見たのと、カレンのナイフが落ちていたことをエレン達に報告して、そのことが発覚した。
カレンが誘拐された翌日。クロの家にエレン、クロ、ブルーノが集まり、その家の周りをブルーノの手下の狼たちが数匹囲っていた。
「エレン!あれは本当か⁉︎」
「ブルーノ…。……うん…。本当だよ…。」
ブルーノはここに来た時呼吸を荒げながらやってきた。おそらく走って来たのだろう。
普段のように部下の背中に乗って移動すればいいのに。
「その、ブルーノ、僕…。」
ブルーノは軽くエレンの額に拳を当てた。
「っ。」
「何も言うな。その分、俺の方からも何も聞かねえよ。ただ、力は貸す。」
「…ありがとう、ブルーノ。」
エレンは手のひらをブルーノの前に差し出す。ブルーノはそれに答えようと先程握っていた手を開き、前に出そうとした。
コツン。
「っ!」
「お返し。」
「……おいおい…。」
ブルーノも呆れ顔で、それでも少し余裕のある表情で「やれやれ」と言わんばかりに首を振る。
「それじゃあ、気を取り直して会議をしよう…。」
先程何も聞かねえとは言ったものの、流石に何も知らない以上はどうしようにもないので、クロが現状をブルーノに説明した。
「なるほどな…。やはり、お前のことがすきだったのか…。」
「…ブルーノも気がついてた?」
クロは「だよね。」というような表情で見ていた。
「エレン、お前はカレンが兄としてではなく、ひとりの男としてお前のことが好きだったことに気づいてたのか?」
「……途中から気がついてたよ…。でも、僕にはクロがいる。その時はそう思ったんだ…。
でも、もう僕は迷わない。クロ、君が許してくれるなら。」
クロは笑顔で「うん。」とだけ答えた。
「だけどよ…肝心なのはカレンがどこに連れ去られたかだ。この辺には村の奥にあるカリバルク王国と、反対側のグラディウス王国の2つの国がある。」
この辺の地形を簡単に説明すると…。
エレン達の住む森を中心と見るならば
北には山があり、その麓にブルーノ達は暮らし、かつては森全体を支配域としておいていた。また、北の山の向こう側にはグラディウス王国があり、山の東側にまた森があり、かつてカレンはそこに住んでいたが、そこはグラディウス王国の敷地内でもあり、森は燃やされ、現在では田畑を耕し、道を作り、村を新たに作る予定となっている。
東側にはパルチの村があり、その奥へ進むとやがて城下町があり、そこがカリバルク王国なのだ。
西側はハルバの人里。クロの母親のふるさとでもある。西側といえど、森を抜けてからは道だけ作られた平原がある程度広がっているため、ハルバの人里からは少し遠い。
また、ハルバよりさらに奥へ進むとまた別の国があるんだとか。
南側には特に王国といったものはないが、港町があり、海が広がっている。
港町はカリバルク王国の敷地内となっており、王国からはこの森を抜けるか、湾岸沿いの道を通るかの二択となる。
ただ、この森は一番近い国がカリバルク王国ではあるのだが、どの国にも属さない地域となっている。
つまり、どの国の狩人が捉えたかによっては国が変わってくるのだ。
「3つのどれかではあるが…。」
「カリバルクの可能性が高い…。でも、カレンが獣人とバレてしまったのはグラディウス王国の人間。」
「でも…他の国の人たちも、それだけ噂になると…」
「うん、カレンの存在を知ってる可能性もある。」
そうなると捕まえた報酬目当てで来た人間の可能性もありえる。
そして、グラディウス王国へ持っていき、報酬をもらう事も想定できる。
「どうする…?一体カレンはどこに…!」
バウ!バウ!
外でブルーノ一味のオオカミ達が吠えている。
「この鳴き声…人間が来か…!」
「「⁉︎」」
エレンとクロは動揺を隠せなかった。まさか、カレンから情報を聞き出したのだろうか?
(カレン…きっと僕を恨んでるんだね…。)
エレンは深呼吸を一回して、ドアへと向かう。
「エレン!」
「…大丈夫だよ、クロ。」
そう言いエレンはドアを開けた。
「ちょ、なんでこんなところにオオカミが⁉︎」
「わ、わたしにも分からん!」
オオカミに囲まれていたのは一人のメイドと一人の第二王子だった。
「ガイル⁉︎」
「エレン!これは一体どうなってるんだ⁉︎説明してくれ!」
「お前が来た目的を言えば警戒を解いてやるよ。」
そう言いクロの家からブルーノが出てきて、ガイルへ向かいそう言い放つ。
エレンは「ブルーノ」と言うがブルーノはそれを手で止める。
「人間、よりによっても王族か。お前、カリバルク王国の王族だったな…。あの国はこの森から狼を追放しようとしてるらしいな…。」
「「えっ⁉︎」」
「……。」
エレンとクロは驚き、ガイルはおし黙る。
不快に思ったのか横にいたアイナはナイフを構えた。
「よせ、アイナ。私は彼らと争いに来たわけではない。」
「ですが」
それでもガイルはアイナを抑え、そのまま前へと近づく。狼達の警戒は解かれておらず、グルルルと声を上げる。
「私は君たちにお願いをしに来た。」
「側から願い下げだ!おればお前達が気に入らないんだよ、他所から勝手に来て森を荒らし、街を作り、俺たちを脅かす。お前たちのようなのが、支配者気取りか?」
「ブルーノ!」
クロが怒りをあらわにする。だが、ブルーノの警戒は一切解かれない。
だが、ガイルは冷静に口を開く。
「……カレンの居場所を知りたいか?」
その言葉がトリガーとなった。
ブルーノは速攻で走り出す。ただ一直線、ガイルの元へ。
立ち尽くすガイルの前にアイナは立ち塞がる。
ブルーノは拳を握り、アイナへとぶつける。
「邪魔だァァァァ!」
ゴーンッ!
互いの拳がぶつかり合う。だが、ブルーノは既に対して、アイナはガントレットを装着していた。
「話を聞くと言うことを知らないのですか?これだから野蛮な生き物は…。」
「話を聞かないのはお前達だ!お前たちだな⁉︎カレンを攫ったのは!」
ぶつかった拳が離れ、互いに距離を取る。
ブルーノは再び近づき飛び上がり、半回転して、蹴りを浴びせる。が、アイナは腕をX状に交差させ、攻撃を防ぐ。
そのままブルーノは着地し、また左中段蹴りをする。
ように、見せかけ足をさらにあげ、上段を狙っていた。
だが、アイナはその動きをあらかじめ読んでいたらしく、右手で足を掴んだ。
「こいつ…強い!」
ブルーノはそのまま右足でサマーソルトをし、よろめき、左足が右手から離れた隙にムーンサルトで再び後退する。
「カレンは…何処だァァァァァァァァ!」
「敵意あるものは、全て排除します!」
互いに同じタイミングで走り出す。その距離的にはもう近づくのは直ぐだった。
アイナは飛び上がり、拳を握り、ブルーノに打ち込もうとしていた。
「はあァァァァ!」
アイナの一撃は、
空を切った。
「っ⁉︎」
ブルーノは足を止めることなく、そのままの勢いでガイルの元へ近づいていく。
「まずい!あのままじゃあ!」
エレンは行こうとしたが、この距離的には間に合わない。
「カレンを、俺のダチの大切なものを…返せぇぇぇぇぇ!」
ブルーノはガイルめがけて飛びかかり、拳を握る。
そして、それを突き出した。
バァンッ!
鈍い何かがぶつかり合う音。
だが、ブルーノが殴ったものは周りの予想を遥かに上回っていた。
「……え…?」
ガイルの目の前にいたのは。
「…あれ?……私…なんで?」
クロだった。
間違いなく重たいであろうブルーノの一撃を片手で、しかも棒立ちから手を前に出しただけの状態で止めていた。
「これは…!」
そう、これは少し前に似たようなことがあった。カレンとブルーノが組手していた時の事だった。エレンとクロは川のほとりで話していたら、カレンが手から離してしまったナイフがエレンたちへめがけて飛んできた。
だが、そのナイフを受け止めたのはクロだった。
あまりの出来事から、ブルーノも、アイナも驚き、先ほどの熱も冷めたのか、お互いに退いた。
あたりの狼たちもまるでクロに怯えるかのように震えていた。
「……私、何か悪いこと……したのかな…?
なんで…だろ?なんで…ここに?」
クロはどうやら自分の置かれてる状況を理解していなかった。
エレンは近づき、クロを抱きしめる。
「いいよ、そんなこと…。とにかく2人を止めてくれたんだね…ありがとうクロ。」
「エレン…。」
2人は互いに向き合う、そして、微笑みあった。
「さて、本題に入るよガイル。カレンの居場所を知ってるのは本当?」
「ああ、今朝報告があったし、会ってきた。君に似ていたし、なんとかコンタクトを取れたんだけど、本人もそう言っていた。
そこで、提案がある。君の妹救出に協力したい。」
その言葉にブルーノは眉を動かす。
だが、クロが側で「落ち着いて。」と声をかけていた。
「その分、君たちも私に力を貸して欲しい。どうだいエレン?私は君を信じてる。」
「……カレンは、無事なんだね…?」
「ああ、無事だ。私の城の牢獄にいる。」
エレンとガイルは互いに向き合い、その目で互いの目を見据えていた。
「……わかった。」
エレンは微笑んだ。
「ガイルはあの時言ってくれた。僕を友達だって。僕も力になれるのなら力になるよ。だって、友達だから。」
「エレン…。」
「私も手伝うよ!」
クロもエレンに引き続き声をあげた。
「クロ!本気かお前⁉︎」
ブルーノは信じられないと言わんばかりの顔をしていた。
「エレンがやるなら、私もやる!」
「ありがとうクロ。」
エレンとクロは手を繋ぐ。2人の強い絆と、意志が伝わる程にしっかりと握られていた。
「ありがとう2人とも…。……君はどうする?」
「……。内容を聞こうか。お前は俺たちに何をしてほしい?」
ガイルはアイナの方を見る。
「ここは正直に話しましょう。相手の目的も分かっています。最悪お2人だけでも十分な戦力かと…。」
「……分かった。」
ガイルは再びエレン達の方へと向き合う。
「私は…。」
「私は、カリバルク王国にクーデターを起こす。」
今回も読んでいただき誠にありがとうございます。光陽です。
……はい、サボってました。ほんとすんませんでした。
いや、その、言い訳してもいいですか?いいですよね?します。
突然書けなくなるんです…。はい。
それまでやる気がバンバンあっても、突然書けなくなるんですよ。
世の中不思議なもんですよね〜。←しばきあげて結構です。
まあ、本当に投稿が大幅に遅れたことに関しては改めて謝罪させていただきます。誠に申し訳ありませんでした。
さて、最後の投稿が7月でしたね。仕事の方は現場に配属されましたね。現場でも覚えることは多いのでしっかりやらないとです。
とはいえ現在年末年始ということでおやすみなんですけれども。
やはり大型連休はしっかり休むか遊ぶのが一番です!
プライベートはやっぱりボッチ基本ですね。
最近なんかはPS4を買って地元の友人達とゲームなんかしてたりします。
少し話し込みすぎましたね。
では、この辺で失礼させていただきます。
それでは次回もお楽しみに〜