風邪を引いてしまったクロをエレンが看病してあげた。
「久々のあらすじこれで終わり?」
そうだよ
それでは本編をお楽しみください
風邪が治った数日後、今日は雨が降っていた。
「今日は雨だね。」
「そうだね。」
昨日エレンはクロの家に泊まっていた。2人は一緒に外を眺めていた。雨の日はまた風邪を引いてはいけないということで遊ばないことにしていた。
「家で何かできることがあればいいんだけどなぁ…」
先ほどからエレンは退屈そうだった。普段から活発に動き、よく遊ぶので外に出れない雨をエレンはあまり好まない。
「やっぱり退屈?」
クロは横から聞いてきた。
「まあね。外で遊ぶの大好きだからさ。」
そんな様子のエレンを何か喜ばせることは出来ないだろうか?…ふと、外を眺めていてあることに気がついた。
「ねえエレン、耳を澄まして。」
「え?…いいけど…」
エレンは意識を耳に傾けた。
「あ…」
木々に雨が当たる音や水溜りに雨水が落ちる音が森全体に響き渡っていた。
「雨も悪いものじゃないでしょ?」
クロは微笑みかけて言う。
「そうだね。ちょっと雨が好きになったかな。」
エレンはにっこり笑いながら言う。
昼過ぎあたりになると雨は止んで空も晴れて来た。
「あ、晴れたね。」
エレンは窓を眺めて言う。
「ほんとだ。これで外に出れるかな?」
「地面がぬかるんでるところとかあるから外に出るときは気をつけた方がいいよ。
それにしても、もう少し味わっても良かったかなぁ…雨の森も。」
エレンは少し名残惜しそうに空を見上げた。
「雨が好きになっちゃった?」
「かもしれないね。さて、出かけるかい?」
「私はどっちでも。エレンは?」
「同じかな。」
そう言い2人で見つめ合いクスクスと笑う。
「出かけようか。足元に気をつけて行こう。」
「うん!」
そう言い2人は出かけることにした。
2人が真っ先に行った場所はあの花畑だった。
「わぁ…」
「虹だね…綺麗だ…」
空には虹、足元には花と綺麗な光景が2人の目に映っていた。
「やっぱり僕、雨好きかも。」
「どうしたの急に。」
「雨だと君と一緒に虹が観れるから。」
そんな言葉を聞いてクロは顔を赤くした。
「エレン…。」
「ねえ…クロ。夜になったらまたここに来ない?その…ここの夜空は綺麗なんだ。」
エレンの口調も少し落ち着きのないものになって来た。
「エレン?」
「まあ、寝たいならいいよ。僕も無理強いはしないから。」
そう言いエレンはあえてこっちを向かずにそう言った。クロはなんとなくだが、エレンの気持ちが伝わるような気がした。
(思い込みじゃ…ないよね…?エレンもきっと…)
クロの胸が熱くなる。
(私、待ってるから…)
「うん、いいよ。」
クロはそう頷いた。
その日の夜にエレンとクロは花畑へと向かった。
「わぁ…」
2人が空を見上げると、そこには辺り一面星が広がっていた。
「明かりを消すと更によく見えるよ。」
そういいエレンは手に持っていたランプの火を消した。
するとあたりは星の光以外何も見えなかった。
「わわ、暗い。」
「大丈夫?」
そういいエレンは手を差し伸ばし、クロの手を握る。
「あ…」
「こうすれば大丈夫だよね?」
「….うん…。」
そういいお互いに手を握り、その場に座る。
「ねえ…エレン…。」
「ん?どうしたの?」
「エレンは…異種同士の恋とかどう思うの…?」
その言葉にエレンはドキッとした。
「あ…そうだね…悪いことなんて思わないよ…。」
「そう…」
そういいまた上を見上げる。月が顔を出している。
「まだ満月じゃあないみたいだね。」
「うん…。」
それ以上の会話は何も出てこなかった。ただ2人は黙って空を見ている。
(言わなきゃ…でも…)
(言った方がいいかな…?)
エレンもこれまで自分を好きになってもらえるようにリードしてきたつもりだ。
「ねえ…クロ…。さっきの質問だけど…クロはどう思う?」
突然そんなことを聞かれたクロはビクッ!と肩を震わせる。
「え?ええと…それは…。
私はね…いけないことなんじゃないかって思っちゃって…」
「それは…?」
エレンはクロの方を向いて問う。決してクロの顔が見える訳ではない。でも、クロがどんな表情なのかはエレンにはわかった。
「私のお母さんはね、狼男のお父さんに恋をしたの…。そしたらね、そのことが村の人にバレて村から追い出されちゃった。お父さんも、人間に恋をしたことから狼の群れから追放されちゃって….。
それでも2人は決して挫けなかったんだ。それからお母さんはお父さんの住んでいる森に家を建てて2人で幸せに暮らしてたの。
ある日、お父さんは私たちの食べ物を取るために、人間を襲ったの。そしたら、その人間にお父さんは殺されたの…。」
「そうか…。」
エレンがクロの手を握る強さが少し強くなっていた。それでも、クロが痛くないように程々に握っていた。
「でもね、お母さんは『決して人間を恨まないで』って言ってた。それからしばらくして、病気で亡くなったんだ…。」
「そんなことがあったんだ…。」
「こんな異種同士の恋がなかったら私は生まれてなかった…。でも、その反面お母さんもお父さんもこんな目にあう必要もなかった…。だから、本当は異種同士の恋なんて、ない方がいいって思ってるの。」
エレンはただ黙って聞いていた。
「でもね….どうしてだろうね…?しちゃいけないってわかってるのに、私は…恋しちゃったんだ…。」
エレンはそのことに驚愕し、息を飲んだ。
「え…?」
「だからね…エレンに聞きたかった…。なんでも知ってる…エレンに…。異種同士の恋に対する意見…それと…エレンの答えを…。」
クロは震えている。恐怖なのか緊張感なのかわからない。エレンはランプに再び火をつけた。
「それなら…ちゃんとクロの顔を見て話したいな。」
「う、うん…。」
「僕はね…恋の形に間違いなんてないと思うんだ。人が誰かを好きになることなんてよくあることだと思う。最低僕たちも人の血が流れている。種族の違いだけで人の思いを砕くなんて、そんなことは間違えている。
だから僕は人間が憎いんだ。」
エレンは自分の手を見る。その手のマメは剣を沢山振るってきた証拠。その昔、彼も多くの人間を殺してきたのだ。
「でも…もう殺さないで…?」
「…クロがそう言うなら、僕は人間を殺すのをやめるよ。」
エレンはこれらの会話かるある仮定を思い浮かべた。
(そうか…もしかしてクロは…)
そう、クロが好きなのはきっと「人間」の誰かなのかもしれないのだと。
だとしたらここで諦めるのが妥当?彼女の恋を友達として支えるのが正解?
きっとそれがいいのかもしれない。エレンはそう思った。でも、それでもエレンは胸の中が苦しくなるような感覚が走る。
「クロ…もしかして…好きな人がいるの…?」
「え?」
クロはそう言われて少し慌てるような様子を浮かべていた。
「え、ええと…。い、いるけど…。」
「そう…やっぱりそうだったんだね…。」
「…エレン…?」
「ううん、なんでもないよ…。」
エレンは肩をすくめる。
(やっぱりそうだったか…)
エレンはそう思う、一方クロは
(もしかして…エレンは私が他の人が好きなんだと思ってる?…じゃあエレンは私のことを…ううん、もう確かめる必要なんてない!今ここで覚悟を決める!私は、エレンのことが、好きだから!)
「クロ、そろそろ帰ろうか?」
エレンはそういい立ち上がる。
「あ…待って!」
クロはエレンの腕を掴んだ。驚いたエレンはその場で足を止めた。
「クロ…?」
「エレン、ねえ、エレンは私のことをどう思うの?」
「え?」
エレンは戸惑う。突然クロからそんなことを言われるとは予想していなかった。
「それは…」
「答えて、お願い!」
「…!好きだよ!クロのことが、あの時から気になってて、ずっと前から好きだった!でもクロにはいるんでしょ⁉︎好きな人が!」
エレンは必死に訴えるように言う。クロも負けじと言った。
「いるよ!でも、違うの!私が好きなのは…エレンだよ!」
「ほら!やっぱりいるじゃ………え?」
エレンは反論を述べようとしたのだろう。しかし、予想外な回答に驚いた。
「え?ええと…それ、本当?」
「え?あ…うん。えっと…ほ、本当だよ!私ね、少し前からエレンのことが好きだったの。」
「え、えええええ⁉︎」
エレンは驚き、大声をあげた。
「ほ、ほほ本当⁉︎本当なんだねクロ⁉︎」
「ほ、本当だよ!本気で私はエレンが好き!」
ランプで灯された2人の顔は赤くなっていた。それはきっとランプの灯りの所為ではない。
「それじゃあ…私たち…恋人同士で…いいのかな?」
「僕は是非ともなりたいな!いいかなクロ?」
「うん…もちろんだよ!私、クロの恋人になりたい!」
そういいクロはエレンに抱きつこうとする。エレンはランプを下に置いて、その場で2人は抱き合った。
「エレン…これからも、よろしくね。」
「うん…僕の方こそ…よろしくね。」
2人はしばらく愛を誓いながら、星空を眺めていた。気がついたら朝になっていたことなんて全く気にも留めずに。
みなさんお久しぶりです。光陽です。
この作品も久々の投稿になります。
ここ最近就職試験へ向けて忙しくなって来ました。
なのでこの作品も2話連続で投稿しようと思います。
そして今回も読んでいただいた方々、また、お気に入りに入れてくださってる方々、本当にありがとうございます。
もしよろしければ僕の他の作品も読んでいただけると嬉しいです。
まだまだ未熟ですが、頑張ります!
それではこの辺で失礼させていただきます!