※この作品はR-18です。

人狼娘とキツネの息子   作:光陽@海神

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前回のあらすじ

雨上がりの丘の上、その夜についにエレンはクロに問い詰められ告白しておk貰った。リア充爆ぜろ

「君はもっと努力しなよ…」

新キャラ紹介

カレン 150cm B79 W54 H82
エレンの妹。狐の娘。作中では幻術で隠している。普段から鋭いナイフを二本隠し持っており、その身体能力、戦闘能力は兄のエレンをも凌駕する。その反面不器用で兄のように幻術や妖術を巧みに扱えず、耳を幻術で隠すのが限界。
そしてブラコン。


8話

 翌日

「すー…すー…」

 昨日は夜が明けるまで2人でずっと星を見上げていたのでエレンは寝不足で家でゆっくり寝ていた。

 そんな中、ドアがノックされる。ノック音でエレンは叩き起こされた。

「んん…?」

(誰だろう?)

 エレンは眠たい目を擦りながらドアへと向かう。

「クロには家を教えてなかった筈…」

 そんなことを呟きながら、ドアを開けると

「兄様!」

 突然女の子が飛びついてきた。

「わわっ!」

 そのまま押し倒される。

「きゃっ…ふふふ、ようやく会えました!兄様、お久しぶりです!」

 エレンはその顔を見つめる。自分と同じ髪の色に同じ目の色。自分のことを「兄様」と呼ぶ人物。もはや1人しか思いつかなかった。

「もしかして…カレン⁉︎」

「はい、そうです!カレンです!」

 彼女はカレン。エレンの妹である。

「久しぶりだなカレン!無事でよかったよ!お兄ちゃん嬉しいよ!」

 エレンはカレンの頭を撫でた。

「はい、なんとか隣の山で暮らしていました。久々に兄様にご挨拶しようと思いましてきました!」

「とりあえず上がってカレン。」

 そういいエレンはカレンを家の中に入れた。

 

「何か飲む?」

「お言葉に甘えさせていただきます。紅茶あたりはありますか?」

 エレンは棚の中を開ける。最近化けて近くの町で購入した紅茶を取り出す。

「あまり高いやつはないよ?」

「いえ、私にとってはお兄様が入れてくださるだけでも嬉しいですから。」

 エレンは「やれやれ」と苦笑した。カレンは昔からこうだった。何処へ行くにもいっつもエレンにべったりだった。カレンももう14になったというのにこの様子だとまだまだ先が思いやられる…。

「お兄様?」

「ううん、なんでもないよ。カレン、後で遊びに行こうと思ってるんだけど一緒に行かない?」

 するとカレンは顔をぱあっと明るくする。

「はい!是非喜んでです!」

 カレンは湯のみに注いだ紅茶を平らげる。

「お兄様!早く、早く行きましょう!」

 目を輝かせぴょんぴょんと跳ねる妹。エレンにとってはなんとも微笑ましい光景なのだろうか。

「あっははは、待ってよカレン。カレンに紹介したい人がいるんだ。」

 するとカレンは「はっ⁉︎」と声を上げる。

「に、人間ですか⁉︎」

「ううん、人狼。でも、とっても優しい娘だし、カレンともすぐに仲良くなれるよ。」

 するとカレンは少し心配そうな表情を見せた。

「うぅ〜…少し怖いですけど、お兄様が大丈夫ならきっといい人なんですね!

 ところで、その方はお兄様とどんな関係ですか?お友達ですか?」

「えっと…恋人かな?」

「え?」

 カレンはその場で硬直する。エレンは「あれ?」と声を漏らした。エレン本人は何かいけないことを言ってしまったかな?と思い困惑する。

「ご、ごめんなさいお兄様、も、もう一度伺います。その方とはどんなご関係で?」

「あー、聞こえなかっただけか。僕の恋人だよ。」

「え?」

 またしてもカレンは硬直した。エレンも「あれれ?」と戸惑う。エレン自身もどんな対応をすればいいのかわからないでいた。

「カレn」

「えええええええええ⁉︎」

 声をかけようとしたその瞬間にカレンは大きな声で叫んだ。

「わわっ!」

 びっくりしたエレンはそのままひっくり返る。

「おおおおお兄様!わ、わ、私というものがありながらまさか恋人を⁉︎」

「いや…あのねカレン。僕たちは兄妹だか」

「いえ!愛や恋に血の繋がりなど関係ありません!」

 またしてもエレンはその場でひっくり返る。

「そんな…お兄様は…妹では満足できないんですね…」

「か、カレン?」

 エレンはこの時思った。

 

(あれ?…これ…自分で罠を踏んだ感じ?)

 

 現代で言う地雷を踏むや墓穴を掘るに近い感じだろう。

「お兄様!早速その方と合わせてください!」

「おおう⁉︎わ、わかったから落ち着いてカレン。僕とその人の元へ向かおう。」

 そういいエレンは慌てて出かける準備をしてクロの家へと向かった。

 

「すぅ…すぅ…。」

 ここはクロの家。クロは静かな寝息を立ててスヤスヤと寝ていた。

「んん…エレン…好きぃ…」

 夢の中でもエレンといちゃいちゃしてるらしい。幸せ者だね。

 コンコンコン

 クロの家の扉がノックされる。

「んん?」

 クロは目覚める。夢から覚めたのか「はぁ…」とため息をついてまた寝ようとした。

 ドンドンドン!

 激しいノックが聞こえたのでクロはビクッ!と驚いたように飛び上がる。

「な、何⁉︎人間⁉︎」

 クロはブルブルと震える。そりゃいきなりそんなノックされたら怖いもんだ。

「な、何か武器…あ、大丈夫か。」

 クロは自分の右手を狼の手に変化させ、爪を出した。右手を隠してゆっくりとドアに近く。

「そっと…そっと…。」

 そうして一呼吸を置き、ドアを開いた。

「誰⁉︎」

「ひゃあっ⁉︎」

 目の前には1人の女の子がその場で尻餅をついていた。見た目的に13か14ほどだろう。

「あら、ごめんなさい。どなた?」

 クロは隠してた右手を元の手に戻した。

 そしてタイミング良く、奥の道から声が聞こえてきた。

「カレン〜待ってよ〜!」

「エレン?」

 そう、奥から1人の人影がこっちへ向かってくる。それは、エレンだった。

「はぁ…はぁ…どうしたんだよカレン。クロの家を教えるなりなんなり走り出して。」

「いえ、お兄様!お兄様がのんびりし過ぎなだけです!」

 そうしてカレンはクロの方を向く。クロは不思議そうな顔をしていた。

「あなたが…あなたがエレンお兄様の彼女さんなんですね⁉︎」

 カレンは必死にクロを見ていた。

「え?…そ、そうだけど…」

 クロは顔を真っ赤にする。

「ねえエレン…この娘、エレンの妹?」

「あ、ああ…。紹介するよ、この娘はカレン。僕の実の妹だよ。」

 するとカレンは「よろしくお願いします。」と礼をするが、まだクロのことを警戒していた。

「少しいいかな?」

 クロはカレンの元へ近寄る。

「な、なんですか…」

 クロは少しカレンを見つめて「ふふっ」と笑う。

「よろしくねカレンちゃん。カレンちゃん、お兄さんのこと大好きなんだね。」

 するとカレンは顔を真っ赤にする。

「あ、当たり前です!本当は私だけのお兄様にしたかったんです!でも…まさかお兄様にあなたのような恋人がいるとは知らず…。」

「ごめんねカレンちゃん、嫉妬しちゃった?」

「してます!でも、見る感じではあなたは悪い人ではなさそうです。」

 

 こうして話しているうちに徐々にカレンの警戒心が解けてきた。

「最初はどんな女がお兄様をたぶらかしたのかと思いましたが…クロさんなら信頼できそうです。」

 するとクロは「よかった」と胸を撫で下ろした。

「これからもお兄様をよろしくお願いします。」

 カレンは頭を下げる。この2人が仲良くなったのはよかった。だが、問題なのは。

「エレン、話し終わったよ….エレン?」

「ああああ…なんか聴いててこっちが恥ずかしいよ…。」

 木の幹に頭を付けて、俯き、恥ずかしがるエレンの姿がそこにあった。

「えっと…エレン?」

「お兄様⁉︎何があったんですか⁉︎」

「ぼ、僕の前でそんな好き好き言わないでよ!は、恥ずかしいよ…。」

 この時2人は揃って思った。

 

(エレン可愛い)

(お兄様可愛い)

 

 クロの家で3人でお茶会をする。その際にクロとの出会い、クロとどんなことをしていたのか、告白など様々な話をしていた。

「へぇ…そんな感じだったんですね!」

「うん、そうなの。エレンってば普段はとってもカッコいいのに…」

 その頃のエレンは…

「…」

 リンゴのように赤くした顔を手で覆っていた。

「お兄様、本当は照れ屋で恥ずかしがり屋なんです。」

「そうなんだね…そこは初めて知ったかな。」

「やめてくれ…話題かえよう…ね?」

 するとカレンは机をポンと叩く。

「ダメです!お兄様のここでの暮らしが気になります!もしかしたら妹ですら知らないことがあるかもしれません!」

「カレンは何を求めてるんだ⁉︎」

 その後もしばらくはカレンとクロの口からはエレンの話題ばかりを詰め込んだガールズトークに花が咲き、気がついた頃にはエレンは顔を真っ赤にして、目を回し、その場でぐったりしていた。

 

 それからその日の夕方頃…

「では、私はこの辺で失礼させていただきます。」

「大丈夫なの?隣の山まで狼とか人間とかに出会ったら…」

「大丈夫です!私、こう見えて戦闘能力ならお兄様に勝りますから!」

 するとクロは「えぇ⁉︎」と声をあげた。

「本当だよクロ。でもカレンは僕と違ってあのカゴの中にナイフが二本仕込んである筈だから。」

 そういいエレンがカゴをまさぐるととても鋭いナイフが二本出てきた。

「すごい…」

「その代わり、カレンはあまり幻術が得意じゃないからな…。」

 するとカレンは顔を曇らせる。

「はい…だから今までバレた時はしたくなかったですが、殺して来ました。」

 カレンは先ほど話していた時とは比べものにならないほど悲しい顔をしていた。

「カレンちゃん…」

「カレンは本当に優しいよ。殺した相手に謝りながら土に埋めてお墓を作るんだ。でも、カレンもこうしないと生きていけないから…」

「お兄様…。」

 カレンはぎゅっとスカートの裾を握る。

「まあ、致し方ないことだよ。

 そうだカレン。最後にお兄さんと戦うか?」

「いいんですか?」

 エレンは腰に差していたレイピアを引き抜いた。

「いつでも準備万端だよ。おいで、カレン。

 成長したカレンの力、見せてくれ。」

「はい!」

 

「クロ、その場での審判をお願い。」

「えっと…具体的には何をしたらいいの?」

 今3人がいるのは森の中にある広い空間だった。

「ルールは簡単、どっちかが戦闘不能になる、武器を弾かれ無防備になる、トドメをさせる状況になる、そして、幻術を使ったら負け。」

 エレンはいつもの格好。カレンは着ていた服を脱ぐ。すると中には全身黒い服を着ていた。袖もズボンの長さも短く、腹部に布地は無く腰回りのスリムさがよくわかる格好だった。

「さあ、準備は出来ましたよ!」

 そういいナイフを二本握り、構える。

「うん、始めようか!」

 そういいエレンはレイピアを握り、構える。

 2人の間に風が吹き、辺りに散っていた木の葉が吹き飛んでいく。

「よーい…」

 クロが声を上げる。2人の眼差しが変わる。とはいえ流石は兄妹とだけあってその目つきは似ていた。

「始め!」

 その声と共にカレンは全力で走り出した。

(速い⁉︎)

 側から見ていたクロは驚愕した。どう見ても人間離れした足の速さだ。人狼のクロでもこんなに速くは走れない。

「たぁぁっ!」

 その声と共に飛び上がり、ナイフを振るう。

「っ!」

 エレンはレイピアで受け止める。

 即座にカレンは着地し、目にも留まらぬ速さで二本のナイフを振るう。エレンもギリギリでその速度に追いついている。

 一瞬の隙を見てカレンは足払いを試みる。

「っ!」

 それに気がつき、エレンは飛び上がる。

 だが、それを見越してカレンも飛び上がりエレンを補足する。

「たあぁぁぁぁ!」

 エレンに蹴りを入れる。エレンも腕でガードしたが、あの速さで走れる脚力から放たれる蹴りの威力は察しの通りでそのまま地面へと落下して行く。

「くっ!」

 なんとか体制を立て直し、地面に着地する。

 が、その瞬間に上からナイフが二本降ってくる。

「わわっ!」

 後ろへ退がり、ナイフを回避する。その場所にカレンは着地し、すぐさま地面に刺さったナイフを手に取り走り出す。

 一瞬にしてエレンの目の前まで迫り、ナイフを振るう。

「ぐっ…」

 あまりに激しい連続攻撃にエレンも圧倒されてしまう。

 エレンのレイピアを握っていた手が上に弾かれる。その隙をついて首元の瀬戸際までカレンはナイフを近づけた。

「っ!」

「…私の勝ちですね。」

 そういいカレンは二本のナイフを鞘に収めた。その様子を見ていたクロはただ驚きのあまりに立ち尽くすばかりだった。

 

「ではお兄様、またお元気で。」

「うん、気をつけてよカレン。」

 カレンは「はーい!」と手を振りそのまま行ってしまう。

「行っちゃったね。」

「うん。」

 2人でカレンが去っていく様子をただ見ていた。

「悔しいのエレン?」

「え?」

 横でクロはニコニコ笑っている。

「負けちゃったもんね。」

「いつものことだよ。」

 それでも少しムスッとしたような感じではいた。

「よかったねエレン。」

「え?」

 エレンはキョトンとした様子でクロを見る。

「カレンちゃんに会えたのと、カレンちゃんに私たちのこと認めてもらえて。」

「…そうだね、ホッとしたよ。」

 エレンとクロは顔を見合わせ、笑う。

「それじゃあ帰ろうか。僕は今日は疲れたよ。」

「うん…あ、待ってエレン!」

 クロはエレンを呼び止めた。

「ん?何クロ…」

 エレンが振り向いた瞬間だった。

 チュッ♡

 クロはエレンの口に自分の口を重ねる。そう、キスだ。エレンにとって、人生初の。

「またね、エレン。」

 そういいクロは笑顔で家に入った。そして、ようやく状況に気がついたエレンは顔を真っ赤にした。

(ま、マジかぁぁぁぁ⁉︎)

 茹でダコのように顔を赤くしたエレンはゆらゆらと歩きながら家へ帰っていった。




今回も読んでいただき、ありがとうございます。光陽です。
というわけで続けての投稿です。大体言いたいことや状況などは前の話で言った通りです。
これからも応援よろしくお願いします。
それでは次回もお楽しみに〜!

あ、最近FGO始めました!
フランス万歳!
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