目が覚め、ベッドから降り、欠伸をしながら白と銀の部屋の端っこで服を着替える。
なんら変わりのない1日の始m……
「……って待て待て! ここどこ!? 俺はd……綺月 憐(はづき れん)17歳!」
中肉中背どこにでもいる高校生。 明日も普通に学校があるからって12時には自分のベッドに入ったはずなのに。
「どこだよここ……」
近未来的な丸机、それなりに硬いベット、真っ白い(?)窓のない壁。 何処かで見たことがある様な無いような。
とりあえず外に出てみよう。 出たら何処かわかるだろう。 そう考え、白い両開きのドアに触れる。 開かない。
「何故!? ……あ、パネル……」
壁に埋め込まれたパネル。 そこに触れ、やっと開くドア。
部屋を出る。 やはり、部屋と同じように白と銀の窓のない壁。
数分歩いても変わることの無い壁。
「はぁ……本当に何処なんだよ、ここ……」
「何処って……カルデアですよ? 先輩」
背後から声がかかる。 初めて聞いた声、ではない。 いつも暇な時にやっているゲームの1番最初のパートナー。
ありえない。 ありえないと思いつつも背後を向く。
「おはようございます、先輩。 よく眠れましたか?」
笑顔で、そんな事を言ってくれる。 マシュだ。
自分の頬を引っ張る。 痛い。 ひっぱたいてみる。 普通に痛い。
「マシュ! 夢かもしれないから盾で首辺りを峰打ちしてくれ!」
「えっ、えっ!?」
マシュは戸惑っているが、これで確信出来た。
俺、綺月 憐は、なぜかFGOの世界に転生を果たし
「ゲフウッ!?」
「せ、先輩!!?」
背後からのなにかの突撃で壁までぶっ飛ばされる。 なんなんだよ、と愚痴りながら、俺をぶっ飛ばしたやつを見る。
「すまない、マスター。 気が付かなかった」
「いや、気づくでしょ普通! ていうか、廊下でラムレイに乗るなよ!」
今の馬の名前で分かっただろう。 乳上ことアルトリア・ペンドラゴン(ランサーオルタ)だ。
「しかし……前に許可してくれたではないか……」
「……したっけ?」
救いを求め、マシュの方を見る。 した、という顔をしているのがわかる。
「したみたい……だな……むぅ……せ、せめて走らせないで。 せめて歩かせるだけにして、危ないから……」
「了解した」
アルトリアは俺たちを避け、歩き去っていった。
「はぁ……」
「大変ですね、先輩」
「そうだなぁ……」
なんかもう順応している自分がいることにため息が出る。
が、それは仕方ない。 とりあえず、現状を知るために、管制室に行こうと思う。
「所で先輩、どこに行こうと思ってたんですか?」
「えーと、管制室だけど……」
「えっと……まだ今は行かない方がいいですよ? まだ協会の方達がいるみたいなので」
なるほど。 今はもう時間神殿攻略後なのね。 ならまだゆっくり出来る。
「あれ、まだいるんだ」
「はい、なんでも、まだ記録が全部取れてないとかなんとか……」
そんな中でラムレイ飛ばしてたのか、あの乳上……。
とりあえず、諦めた顔をして
「わかった。 じゃあ、部屋に戻ってるよ」
「あ、わかりました。 それでは、また」
あぁ、と手を振り、マシュを見送り、俺も部屋まで戻る。
「所持鯖確認しておかないとな……」
部屋に入ってすぐに、ベッドに置いてある携帯端末(どう見てもスマホ)を手に取り、起動する。
「……俺の所持鯖全員いるじゃねーか……」
霊基一覧を見てみると、転生前の世界で持っていた鯖全てがいることになっている。
「身体中が痛い……とっとと寝るか……」
電源と電気を消し、ベッドに潜る。
睡魔はなぜかすぐにやってきて、俺の意識を奪っていった。
そして、こちらの世界に来て初めの日が終わった。
うーん……なんというか……