「マルスに接続。 発射まで2秒。 《涙の星 軍神の剣》!」
修練場に響く凛とした声。 それに呼応するように、魔法陣が展開され、上空からレーザーが降る。
レーザー直下にいた種火の手は種火を残し蒸発。 それを見届けた彼女は、剣を切り払い、満足気……というより、歓喜に満ちている顔をみせる。
「宝具ぶっぱ……気持ちいい……!」
声の主はアルテラ……ではなく、アルテラになっている憐だ。 先程、軍神の剣を放ったように、運命の模倣は宝具すらも使用出来るようだ。 もうチートでしかない。
何度も何度もぶっぱしてると飽きるとも思ったのだが、そうでもない。 ノッブの姿をしているのに三段突きしたり、スカサハの姿なのに噛み砕く死牙の獣したり。
スカサハで噛み砕く死牙の獣使った時は少し体が痛かったが……
と、そんな感じで本来の宝具の持ち主ではない姿で宝具を撃っていたため、飽きることなく続けることが出来た。
そんな姿を見られたら、サーヴァント達に何か言われるだろう、と思ったが、査察(?)が来ている現状では、出歩くサーヴァント達も多くないため、修練場ならバレないだろうという結論に至り、現在まで種火周回をしていたのだ。
「やっぱ、1人なら隠さないで出来るから楽だ……さて……! 赤とか黒とか白とか消し去るべし! 皆には、内緒だよ! 《無銘勝利剣》!!」
目標に定めた50周最後の手に向かい、ヒロインX……ではなく、クロの姿で放つ。
「ふむ……やっぱり小さい体だと動きやすいな……」
種火のドロップを確認し、クロの体を眺める。 ……変な気が起きそうになったが、まだここは修練場だから、とどうにか落ち着けた。
「魔力と所持武器を変えれば宝具まで撃てるとはね……普通に皆に怒られそうで怖い」
実際見られたらなんか言われているだろう。 だがそんな心配h(ry
とりあえず目標数周回したので、部屋に戻る。その途中、誰にもバレないように、じいじの気配遮断を使う。 職員だろうと見つかると面倒でしかないからな。
「……ふぅ……疲れた……」
部屋に入ってすぐ、シャワーで汗を流しもせず、ベッドに潜り込む。(解除はしてある) 体は疲れていないのに、精神が疲れた。 宝具の使用は魔力を膨大に使う。 と聞いたが、この世界だったらNPが全て肩代わりしてくれるだろうと思い込んでいた。 だが、ここまで疲弊しているのだ。 NPが全部賄ってくれる訳ではないと確認させられる。
……そんな事より、はやく寝てしまいたい。 そういった思考をほっぽり、意識を安寧の闇に投げ出す。
「ご主人様……? あら、もう寝ていらっしゃったんですね……」
ふふふ、と慈愛に満ちた顔をする青い衣のサーヴァント。
彼女は彼の頭を撫で、霊力で編まれた服を脱ぎ、彼の眠るベッドへと、甘い、甘い毒のように、侵入してゆく。
「……ゆっくり、おやすみなさい、ご主人様……」
説明回でしかねぇ!!!
言わせてもらおう。 宝具ぶっぱして後々やりやすいようにしただけだよ!
本当ならアルテラとアルテラの絡みがあったはずなのにぃぃぃぃぃ!!