胸の上に重圧を感じる。 具体的に言うと、女性一人分の重さを感じる。
なにが乗っているのか確かめようと多分顔が乗っているであろう所に手を持っていき、ソレに触る。
「あんっ……」
「……はい?」
柔らかいもの、というより、ものすごいふさふさした、多分耳を触っただけなのだが、何故その嬌声をあげる?
犬や猫は耳が弱い、というのは何度も聞くが。
「……よく考えたら狐はイヌ科ネコ目だったな」
「うぅん……ご主人様……?」
俺の上に乗っていた青衣の狐がやっと起きた。
「……あれ、ご主人さま……なんかいつもと……ってジャンヌ・オルタさん!? な、なっなななな、なんでご主人様の寝室にジャンタさんが!? ハッ、もしやご主人様に夜這いしようとっ……!?」
なにを言ってるんだこの駄狐は。
「俺がジャンタ? なにを言ってるん……」
壁に立て掛けてある鏡をチラリと見てしまった。
玉藻と同じベッドに入っている、ジャンヌ・オルタの姿を。
「……え……」
玉藻にバレてしまった、という羞恥や悔恨より、なぜ寝ている最中に運命の模倣が起動しているのか、という考えが頭を支配している。
「え、ちょ、ジャンタさん?」
「……」
「何故黙るんですかぁ!?」
「ちょっと玉藻うるさい。 考え事してる」
額に右手を当てて考える。 何故発動したのか。
夢で出てきた? それは無い。
無意識下での思い? 夢と同じで無し。
自身が意図した事? 寝る前はただ疲れたとしか考えてなかった。
……現状、証明できる証拠が無い。 諦めだな。
「……タ……ん、ジャンタさん! ……マスター!」
「っ、どうした玉藻?」
「あぁ……やはりマスターなのですね」
そうだが、と返し、ジャンタなのに何故俺だと気がついたか聞いてみた。
「それは……まず仕草です。 何かをお考えになる時、ご主人様は決まって右手を額にぶつけます。 次に、その右手の令呪。 サーヴァントでも、令呪がある場所の皮を奪い、移植すれば令呪を持つことは出来ますが、その場合、皮膚の色が異なる為、奪ったものだと、第3者、この場合私ですね。 にバレてしまいます。 ですが、そういった皮膚の継ぎ目が無いため、ご主人様ではないかと勝手に想像しておりましたが、先程の呼びかけで、貴方がご主人様だと確信を持てたのです」
なるほど……分からん。
「こ、これでも簡単に纏めたつもりなのですが……」
言葉に出ていたようだ。 しゅーんとする玉藻を見ていると、苛めたくなってくる。
よし襲おう。
「へっ、ちょ、ご主人様!?」
「悪い玉藻、襲いたくなった」
「ふぇっ!?」
体の上下を無理やり入れ替え、玉藻の上に馬乗りになる。
そういえば、運命の模倣は他者に使用出来るのだろうか。 ……承諾を取らずに、とりあえずでやってみる。
「サーヴァント・リロード」
自身の周りにウィンドウが表示される。 これを見て玉藻は驚くと思ったのだが、時間が止まっているかのように微動だにしない。
疑問に思いつつ、名前の欄を見ると、俺の名前である燐、ではなく玉藻、に変わっていた。
俺以外をいじる場合は対象の時間が止まる、と勝手に解釈し、サーヴァント欄でとあるサーヴァントの名前を押す。
「項目が増えてる?」
俺が見た時は、能力・トランス・オールだけだったのに対し、玉藻は、能力・トランス・パーツ・オールとなっていた。 パーツ、というのが凄く気になり、押してみる。 すると、ホログラムの画面いっぱいに、爪先から神経、霊基までズラズラと項目が並んでいた。
「……目がいてぇ……」
正直な感想、ここまでやる必要がない気がする。 爪先とか変える必要があるのか。
……雑念は端に放り、目的の数項目を探し、触れる。
数分掛けてつけたい項目を全て押し終わり、俺自身の魔改造を開始する。
魔改造と言っても、クリトリスを俺の相棒に変えて、胸を少し大きくするだけなのだが。
「……反映してと……」
一瞬の眩暈、変質した自身(ジャンタ)の体と、胸の大きさ以外あまり変化していない玉藻に変わっている。
「さて、それじゃあ始めようか」
だめだった、頭痛くてそこまで行かなかった!
行為は次、次書きます!