こうして私たちの小学生時代は過ぎ、中2になった頃にもう一度なっつんから告白されて正式に付き合うことになったものの、
私の中ではやはりどうしても、年齢という壁が気になってしまい。
ついでに言うと、なっつんの家に一緒に住んでいる形なので、付き合う。うんぬんの前に同棲しちゃってる訳で、あまり新鮮な感じはしなかった。
っていうのもある。
ただ一つだけ変わったこと。と言えば、付き合うなら演技をしてないなっつんがいい。ということは、条件で付けたかな
ハーミットとしてのなっつんが好きなのはそうなんだけど、谷本王子を演じているなっつんが嫌いな訳じゃない。
それもなっつんだからね。
でも、やっぱり幼馴染としては精神的に楽そうな素の方が嬉しいかな。と思う訳で・・・・・っていうのも本音なんだけど。
まぁ、それでも好きだから結局甘やかしてしまうし、甘えちゃうんだけどね。
ちなみになっつん。中学時代から演劇部でしたよ。
私も強制入部ですよ。
まぁ、現実時代元演劇部だったからいいんですけど。
頼むから私にキャストやるのを求めないでくれ。
演技するのは好きだけど、人前は苦手なんだよ。
そんな感じで、2度目の青春は謳歌出来たのか、出来なかったのかわからない感じで終わりましたとさ。
なお、荒涼高校受けるのは確定事項らしいです。
まぁ、受からなきゃ本編始まらないもんね。
「あーもう疲れたぁ。」
なんでもう一度受験勉強しなきゃいけないのか。
気にはなってたけど、時間飛ぶのかな。って思ってた自分が憎い。
人生2週目でよかった。
「そうだね。少し気分転換でもしようか。」
「っていうか、なっつん。なんで王子モード?」
中2で再告白されて現状中3の受験勉強中な訳ですが、もう年齢的な面では割り切れたつもりだった。
「夜依の前でも維持出来るようにならないと。と思って」
「ふーん。」
最初はそれで納得してたんだけど、いろんな意味でなっつんは狼だったんだな。と思いました。
「・・・・・・そうだ気分転換ならデートとかどうかな?」
「デートぉ?」
え、今更? っていうか、散々恋人らしいこと何一つやってないし、むしろなっつんが普通に手を繋いできてるからなんとも思ってなかったけど、
ん? あれは、繋いでた。でいいのか?
とにかく、10年近く一緒に居てそれらしいことを言ったのが、今回だけ。
しかも受験真っ盛りにすることじゃない気がする。
したとしても図書館とかで勉強デートしか出来なくね?
「ずっと忙しくてまだ付き合ってからちゃんとしたことなかったし、」
「そりゃまぁ、そうだけど。」
なっつんと付き合ってというのも変だけど、トリップしてなっつんと知り合いに慣れた時点でもう、私は多くを望むまい。と思っていたし、
現実では喪女系でオシャレに興味がなかったから、こちらでもいくら若返ったとしたってかわいい服や綺麗な服なんて自分では買ったことがない。
見かねたなっつんが、誕生日とかにプレゼントでワンピースとかプレゼントしてくれたけど。
精々自分でいじると言ったら、髪型くらいなもので。
「じゃあ、決定。ほら、着替えよ。」
「そこまで本格的にどっか行くの?」
現在の時刻13時半。
凄く中途半端だと思います。
「せっかくだし」
「図書館とかでよくない?」
「あれ、夜依は乗り気じゃない?」
「そういう訳じゃないけど、着替えるの面倒・・・・・・」
流石に一緒にいる時間が長かったから、私がめんどくさがりなのは、なっつんも知っている。
2週目の人生くらい女の子らしく・・・・・・はちょっと無理でした。
「いいから、ほらこないだプレゼントしたワンピース。あれ着てきてよ」
「わかったよ」
なっつんは、頭がいいからまぁ、半日くらい遊んでも大丈夫でしょう。
ってことで、私が折れた。
(・・・・・・うぅ。やっぱりスカート嫌い。落ち着かない。)
なっつんのご指定通り、こないだ買ってもらったワンピースと髪型はまぁ、適当にハーフアップにして、一応服に合いそうなサンダルをチョイスしたけど
「早いな。」
「そう?」
あ、コレ割とマジなデートかもしれん。
「じゃあ、行こうか。」
「どこの行くの?」
とりあえず、出かけるのに必要最低限そうなものはバックに入れたけど、わざわざ着替えてまで勉強しに行くってことはないだろうし。
「映画でも見て、適当にぶらつく」
つまりノープランですね。
「修行と勉強はどうするんですか。」
「時間ずらしてするから、気にしないで。」
いまいち納得できなかったけど、なっつんに引っ張られてしまったので、考えるのはやめることにした。
最初は、普通の漫画に出てくるようなデートだったんだけどなぁ。
映画見て(意見の一致でアクション映画)、カフェで感想話したり雑談して、商店街でウィンドウショッピングして・・・・・・がいけなかったかな。
「何か欲しい服でもあった?」
相変わらず。というか、基本外出るときは王子モード発動な、なっつんですが、
「いや、楓ちゃんが着たら似合いそうだな。と思って」
「夜依・・・・・・」
「ほら、次行こうか。」
苦笑いでその場は誤魔化したけど、結局気を遣われてまた休憩することになった。
(うーん上手くいかないな。地雷踏みまくってる気がする。やっぱり私に恋愛は早すぎたか)
なっつんが飲み物を買ってくるってんで、椅子に座って待っていると
「おねーさん。」
下卑た笑顔の男が数人声をかけて来た。
正直知り合いでもないし、気持ち悪い。
「一人?」
「いや、彼氏と来てるんで」
間違ったことは言ってない。
「彼氏ってあの優男のこと?」
「・・・・・・(何やってんだ。なっつん。)」
断って去ろうとしたら、後ろの方に捕まった。フリをしているなっつんが見えた。
素人判断でも、なっつんが余裕で勝てる相手であることは明白。
「そうですけど」
「あんなよわっちそうな彼氏やめて、俺にしとかない?」
「結構です。」
どこからその自信来るんだ。
ってか、初対面で人の恋人をけなすとは何事か。
「そんなこと言わずにさ。」
腕を掴まれた。
気持ち悪いけど、それよりはなっつんだ。
最初は修行の一環で喧嘩でも打ったのかと思ったけど、そういう訳ではないようだし。
多分俗にいうナンパなんだろうけど。
(なっつん。キレかかってんぞ。ここまでしといた方がいいと思うけどな。)
(へへ、震えてる。可愛いなぁ。)
私を掴んでいる腕に力が入る。
「っ!」
気が付いたら、その男を投げ飛ばしていた。
「あ。・・・・・・ったくベタベタ触ってきて気持ち悪いんだよ。アタシは好きでコイツと付き合ってんの! 初対面のアンタ等に指図される覚えはない。」
我ながら、恥ずかしいことを言ったもんだと思う。
しかし、下手につい投げ飛ばしてしまった。なんて言って反感買うのも嫌だし、かと言ってなっつんが助けに来た場合。
コイツ等死ぬかもしれないし。
演劇部で台本の読み合わせに参加しといて本当に良かった、そういう演技だとなっつんは察してくれるだろう。
「このアマ!!」
(って結局逆ギレかい!)
殴られるのを覚悟したけれど、衝撃は来なかった。
恐る恐る目を開ければ、
「テメー等半殺しで許してやる」
何故半殺しで済んだのかは、不明だけど(なんかなっつんの機嫌よかったから?)
流石に騒ぎが大きくなってしまったので、公園へと逃げた。