また、キャラ崩壊が酷いです。
苦手な方は併せてご注意ください。
後日の登校日。
朝普通に学校行ってお昼食べて、放課後演劇部に顔を出すことになっている。
「ホントに俺が女装しなきゃダメかい?」
「私だって男装するんだから当然。まぁ、夏子ちゃんはアドリブでいいよ。見たいのは男装女子の方だけみたいだし」
私の夏子ちゃん呼びにイラッとした様子のなっつんはさておき、前回のリハ用のウィッグをつけて男子っぽい服装に着替え
久々の部室へ
「紅葉ちゃん来たよー」
「あ、先輩! ・・・・・・そちらの美少女は?」
「誰か分かんない?」
「まさか・・・・・・」
正体を知らない他の部員は誰あのイケメン、謎の美少女夏子ちゃんという話題でざわめいている。
「皆静かに! こちらは演劇部の引退した先輩たちです。今回の『リバーシブル』の役のイメージについて参考の演技をしてもらう為にわざわざ来ていただきました。」
紅葉ちゃんが、手を鳴らして部員たちを鎮めると、説明を始めた。
(うん。部長に任命して間違いはなかったかな。)
「紅葉ちゃん。こんな先輩居た?」
「1年からいる子と私が写真を見せた子は知ってると思うけど、こちらの白髪の方が黒羽夜依先輩。女性です。こちらが谷本夏先輩。は説明しなくても知ってるよね?」
「えっと、先輩方のその恰好は普段からですか?」
「違います。恰好をした方が感情入れやすいからわざわざ着替えてきました。」
まぁ、あまりにも似合いすぎて私も正直びっくりしたけど。
まだざわざわとしてはいるけど、いつまでも時間をとられるわけにはいかないので
「じゃあ、受験生の先輩たちの時間を押すのも勿体ないので、早速お手本を」
「シチュエーションとかは?」
「あ、これ台本です。」
「ふむふむ。」
台本的には
男性恐怖症で女の子を口説くのが生きがいになってしまった男装女子の子が、偶然助けた美少女が実は女装男子所謂男の娘で
見た目にそぐわぬ男らしさと見た目の女子力のギャップに惹かれていくラブコメ・・・・・・・
「この台本選んだの誰?」
「あ、私です。」
新しく入った子なのか、見知らぬ子が手を上げる。
「これ、アニメとか漫画にあるような話だけど大丈夫? 私の知ってる作品だけで少なくとも3作品はあるけど」
「そういわれると不安になってくるんですが・・・・・・」
「ま、いいか。ってよくないわ。これ明らかに深夜のエロアニメ枠の内容入ってるじゃん。」
「え!?」
台本を読み進めていくと劇としてはきわどすぎるシーンがあるし、よくて男性向けラノベの下ネタ的展開。
「ま、まぁまぁ夜依。台本は最悪書き直せばいいんだしまずはイメージだけでも掴んでもらいましょう。」
「そうだな。夏子」
(あれ、先輩たちもう演技入ってる?)
「それで、僕たちはどんな演技を見せればいいのかな? そこにあるみたいなきわどいのはちょっと、だけど」
「さっきまでと別人みたい。声も低いし態度も俺様っぽいね。」
「ね。」
「夏先輩は女性らしい素振りだね。声はまぁ、仕方ないかもしれないけど。」
「えっとやっぱりこのシーンは外せないのでこのシーンのイメージで」
「え、このシーンホントにやるの? 大丈夫?」
そのシーンというのが、いつもドキドキさせられっぱなしで悔しいヒロインが、仕返しにと
男の娘にやられていたことをやり返し、最後に壁ドンからのキス。というものである。
演じる二人は本当に付き合っているので、キスシーンは問題ないそうだが、ってそういう問題じゃない。
イメージを掴ませるためとはいえ、後輩たちの前でこれはかなり恥ずかしいかもしれない。が、まいっか。恥ずかしいのは一人じゃないし。
「じゃあ、やろうか。さぁ、夏子。こちらへおいで」
私は適当な椅子に座り、自分の膝の上をぽんぽんと叩く。
浮遊感が苦手だと言っているのに、いつもの自分の脚の上に座るよう言ってくるなっつんの真似をしてみた。
「い、いや・・・・・・」
「やれやれ恥ずかしがっているのか。君がいつもしていることだろう?」
そう言いながら、無理矢理なっつんを抱きしめる。というより引き寄せる。
耳元で囁くのがポイントだ。
「って感じ?」
「やだ、私ドキドキしちゃった。」
「私もー」
「先輩。それって実際にやられたことあるんですか? なんかヤケに嬉しそうでしたけど。」
「しょっちゅうなっつんにやられてるよ。」
「や、夜依!」
王子モードで恥ずかしがっているのか、はたまた女装が相当キツイのか。
「あ、そういえば生徒会の時谷本先輩がやってるって聞いたことある。」
「あー、そんなこともあったね。・・・・・・で、壁ドンだっけ?」
「はい。」
遠い目でそんなこともあったな。と思い出す。
何故か生徒会の話し合いに私が連行され、まだ決まってない書記にすると生徒会長をしていたなっつんが抜かした時だったか。
それ以外にも、前回のデート前とか部活を引退してからやたらなっつんはスキンシップをしたがる。
が、別に恋人っぽくイチャイチャしている風でもない。と私は思っているのだが、どうしたんだろう。
「ちょっと立ち位置はリセットするか、ほいなっつん。」
「本当にやるのかい?」
「まぁ、性別逆だけど問題ないっしょ。」
プライドはズタボロになりそうだけど。
「谷本先輩顔赤いですけど、大丈夫ですか? 無理しない方が・・・・・・」
「自分代わりましょうか?」
本番で女装男子役をやるらしい青年が尋ねる。
「いや・・・・・・俺がやるよ」
無理矢理笑ってるのは、嫉妬からか演技を磨くためのプライドからか。
「じゃあ、ほら壁の近くに立って。」
見やすそうな位置の壁に立ってもらう。
(壁ドンなんて、してもらったことないしな。床ドンはあるけど。)
考えた結論。
私がよく見る少女漫画系の壁ドンを再現してみようという結論に至った。
少し離れた位置から、怒ったような真剣な表情でなっつんに近づき壁ドン。
思ったより至近距離になってしまった。
っていうか、割とコレ怖いって聞くんだが、ときめくって聞くのは近いからかな。
「さっきのドキドキした? いつもの仕返し。」
壁ドンしてない手で顎をくいって向かせてキス・・・・・・のフリ。
「先輩。そこはホントにしちゃいましょうよ。」
(言われると思ってました。)
とはいえ、壁ドンの時点でなんかなっつん怯えてる? ような気がするので、かなりふわっとしましたけどね。
ちなみにこれがファーストキスではないですよ。
告白されたときに奪われてますからね。
女子部員たちからは
「きゃー」
と黄色い悲鳴が上がり、男子部員たちからは
「先輩惚れそう(男として的な意味で)」
という感想が聞こえる中、なっつんが走り去った。