「じゃあ、その辺見てくるよ」
半信半疑のままその辺を千夏くんと見て回る。
確かに私たちの住んでいた町や近隣の街並みとは違うようだ。
むしろ、作品内の街並みに見えなくもない。
ただ、不気味な程千夏くんが落ち着いているのが、返って私を不安にさせた。
(まさかヤンデレとかで、私死んだわけじゃないよね?)
しばらく歩くと、向こう側に駄菓子屋が見えた。
(アレって!)
遠目に子供の姿が、3人ほど見える。
段々と近づくと
(間違いない。幼少期のケンイチ、美羽、龍斗のバッジ交換の話だ。でも、変だな。なんかやたら目線が低い。むしろ千夏くんや幼少期の3人と同じくらいに感じる。)
「あの~千夏くん?」
「なんですか?」
穏やかすぎて逆に怖いよこの子状態の千夏くんにどういうことか尋ねる。
「あぁ。僕と同い年まで戻ちゃったみたいですね。」
(なん、だと?)
「でも、よかったじゃないですか。犯罪にならないですよ。」
「いや、確かに合法だけどさ・・・・・・」
(そうじゃないんだよな。)
なんて、人生経験が少ない千夏くんに言ったところでわからないだろう。
とりあず、トリップの話は信じることは出来た。かな
そして、ヤクザの駄菓子屋襲撃イベントを見た後、また目まいがした。
「・・・・・・ッ」
「夜依さん!?」
最後に見えた光景は倒れそうになる私に手を伸ばす千夏くんとその様子に驚く幼少期の3人だった。
次に目を覚ました時。
私は何故か施設らしき建物の中に居た。
「え~っと?」
近くに千夏くんの姿は見当たらない。
(多分同じ世界の中ではあると思うんだけど)
私がきょろきょろと辺りを見回していると、孤児院の先生みたいな人が
歩いてくるのが見えた。
「あら、お嬢ちゃん。こんなところでどうしたの?」
「あ、あの。気が付いたらここに居て・・・・・・ここはどこですか?」
「迷子、かしら。お名前は言える?」
やたら子ども扱いされているような気がする。と思いながらも私は自分の名を名乗る。
「黒羽夜依です。」
「そう。夜依ちゃん。」
なんとなく自分の声が先ほどよりも幼い気がした。
「夜依ちゃんはおいくつ?」
素直に25歳です。なんて答えるわけにもいかないだろう。
目線が先ほどより低くなっているし、この人の言い方からして。
「えっと、4歳。」
4歳にしては、考えることがたくさんありすぎるけど。
なんで急に孤児院に飛んだんだ。とかね
「あら、夏くんと同じ年なのね。よかったらお友達になってあげて」
夏。という名前に思わず私は反応してしまう。
(ハミの名前だよなぁ。)
『ラグナレク第六拳豪。通称ハーミット』のことを略して私はハミと呼んでいる。