Moon Light Another Fate a sequel 作:深緑 風龍
-新宿-
ガルッチside
休暇7日目。いやさ、そろそろ仕事に戻りたいんだけど。って言いたいが、今回はそうも言うわけにはいかない。
何しろ今日は、予定がある。その予定が、『二十世紀少年』の世界に戻ることだった。何しろ2万年も手紙を送ってなかったし、いい加減会いに行かないと駄目だからね。出来れば未来も連れて行きたかったが、どうも気にせず行ってきてって言われたそうで。
うーん、まぁ仕方ないか…………。ってな訳で、一人で戻ってきました。
ガルッチ「しかし、また随分変わったな。いい意味でだが………。」
新宿も前来たときより、賑やかになったな。恐らく、殆どの復興は終わっているんだろうな………。
って事は、もうあの駄菓子屋はもう無いかもしれないね。
???「え?ガルッチ?ガルッチなのか!?」
ガルッチ「ん?おー、オッチョ。久しぶり。っていうか老けたな。」
オッチョ「久しぶり!君も変わらず若いね。」
ガルッチ「母さんのおかげでね。ケンジは?」
ケンジ「呼んだか、ガルッチ。偶然だな、此処で出会うとは。」
ガルッチ「久しぶり、ケンジ。」
オッチョ「そういえば、未来は?」
ガルッチ「仕事。っていうか、こっちの仕事奪われちゃってね。おかげで強制休暇だよ………。」
ケンジ「社畜か、君は。」
ガルッチ「違う。ただ単に、面倒な仕事を終わらせてから休みたいの。手伝いとかはさせてるけど、けど僕が何もしないって言うのが、もどかしいの。」
ケンジ「なんだそりゃ………。しかし、お前結構変わったな。なんか、神様っぽいっていうか。」
ガルッチ「そうか?まぁ、そうかもしれないな。色々あったし…………。」
しかし、この2人が元気だって事は、恐らくカンナもそうなんだろうな…………。まぁ、結婚とかもしているのかもなぁ………。まだだったりして…………。
その後、僕は歩きながら、今までの旅路の事を話していた。
ケンジ「なんつうか、お前ホント大変な旅してるんだな。最初は人間だったのが、今じゃ神様か。しかし、そのジャックって奴を亡くしたってのは、お前に取っちゃ悲しいだろうなぁ。」
ガルッチ「ああ。けど、悲しんではいられない。彼奴に怒られちゃうからな。」
そんな話をしていると、かつて未来とともだち、僕と宇宙がこの場で戦ってた学校に着いた。どうやら、ここは未だに残っていたようだ。だが、何だろうこの違和感?まるでここに、彼奴らが居るかのような気配がする。
ケンジ「そういえばさ、ガルッチ。ここのところ最近、此処で奇妙な噂があるんだ。」
ガルッチ「奇妙な噂?」
オッチョ「うん。死んだはずのともだちと宇宙が、まるで蘇ったかのように姿を現したかと思えば、もう一度見ると消えているんだ。幻覚かと思ってたけど、影はあったように見えたし…………。」
確かに奇妙だな…………。生き返ったとは思えないし、けど影だって?霊だったら、影すらないけど…………。一度、霊探知を起動しておくか。
って、オイオイオイオイ!?滅茶苦茶反応が強いじゃないか!?もしかして、いやまさか………。
ガルッチ「…………なぁ、ケンジ。オッチョ。」
ケンジ「?」
オッチョ「?」
ガルッチ「仮にさ、もう一度だけでもいいから、今度こそ友達として、兄弟として接したいって事あるか?」
ケンジ「突然どうした?」
ガルッチ「いいから。」
ケンジ「むう、確かにこうなったのって、そもそも俺のせいだしな。それで、お前と未来はあの事件を起こしたし、辛い思いをさせちまったってのは事実だな………。」
ガルッチ「…………そっか。」
オッチョ「それに、僕がもっとしっかりしてれば、未来もああならなかったし。」
ガルッチ「多分だけど、彼ら償いたいんじゃないの?」
ケンジ「え?」
ガルッチ「大きな罪とは言え、ちゃんと生き返って、みんなに償いたい。けど、死んでいる以上、どうやって償えばいいのか分からない。
だから、ここに留まってるんじゃないかな?」
何でそう思ったのかは分からないけど、でも憎悪とかの負の感情の残留は無いのは確かだ。後は、彼ら次第だけど…………。
ケンジ「なぁ、ガルッチ。お前は、何をしようってんだ?」
ガルッチ「……………勝又未来、遠藤宇宙。お前達は改心する権利はある。もし心の底から償いたいと思うのであれば、償わせる為に生き返らせる。代わりに僕と同じ不老不死の呪いに掛かって貰う。だがその気はないのならば、お前達を成仏させる。」
オッチョ「え!?その二人、ここにいるの!?」
ガルッチ「うん。さぁ、如何する?」
答えは……………。そうか、だったら生き返らせてやる。
ガルッチ「………ここは我が国、神の国、水は潤い、実り豊かな光ノ国。
国がうつほに水注ぎ、高天巡り、黄泉巡り、巡り巡りて水天月光。
汝創造す。輪廻転生無限転輪、八尋の輪に輪をかけて、
これぞ九重、月夜見…………。『水天月光転輪転生』!!」
僕は蘇生宝具である『水天月光転輪転生』を使い、この学校に留まっている2人を生き返らせた。
2人とも何とか当時の頃の姿をしているが、宇宙の左腕、勝又は左眼と左耳がなかった。分かってはいた。この宝具は、生き返らせる事は出来ても、肉体形成となれば話が違ってくる。
この宝具は、実のところ完成していない。いや、正しくは僕の技量では完成する事は出来なかったのだ。
自身の再生は出来たとしても、他人の肉体を、ましてや1から作るとなるとどこかで欠損が招じてしまう。
その為、あくまで『蘇生』専用の宝具で、肉体を作って生き返らせると言うことは出来ないのだ。
勝又「………ケンジ。」
ケンジ「カツマタ…………?ホントに、お前なのか?」
勝又「うん。けど、ガルッチ。何で、こうなってるの?左耳も聞こえないし、左眼も見えないし。」
ガルッチ「技量不足さ。しかも、1からだと、どこかで欠損しちゃうんだ。肉体があれば、まだいいけど。」
宇宙「だからか、俺の左腕がないのは………。いや、ある意味此が俺とともだちの、罰かもしれない。」
ガルッチ「いや、ホントに此僕の技量不足なんだけど…………。」
宇宙「いいよガルッチ、どうせ俺には此が十分だしこの先これ以上の絶望を背負わされるという思うし冷たい目線とパワハラとか放火とか色々な犯罪的な─────」
ガルッチ「オイオイオイ!?ネガティブになってない!?大丈夫なの!?」
オッチョ「宇宙、そこまで責めていたんだ………。」
ケンジ「それに、これから罪を償うんだろ?ネガティブも結構だが、もう少し明るくいこうぜ?宇宙。」
宇宙「兄ちゃん…………。」
ケンジ「もう一度、やり直そう。俺達やカンナも、全力で守ってやるからさ。」
……………なんだろ、僕ここに居たら邪魔になりそうだし、ここから去るか。
ケンジ「ガルッチ、礼を……………っていない?」
宇宙「多分、邪魔だと思って帰ったと思うよ?」
ケンジ「なんだよそれ。カンナにも会わせてやりたいってのに………。愛想がねえな。」
宇宙「ううん、彼奴はそんなんじゃ無いよ。多分、たまにだけど、会いに来るかもしれないな。」
勝又「…………すまないが、ケンジ。負ぶってくれないか?片眼に片耳だと、不安定で………。」
ケンジ「やれやれ、仕方ねえな。ところでカツマタ。住む当てあるか?ないなら、俺んちに来いよ。宇宙もな。」
宇宙「ああ、そうさせて貰う。………………ありがとな、ガルッチ。」
………………………………よせよ、宇宙。ちゃんと、償えよ?さて、帰るとしますか。
ノア『よかったのか?生き返らせて。』
ガルッチ「例え彼奴らが無の神を生み出したとしても、事の発端はケンジが元凶さ。だが、それで今の僕と未来がいるんだ。
それだけは、彼に礼をしなくちゃならねえけどな。償うっていうなら、ちゃんと生きて、償ってやるさ。」
ノア『そうか………。』
ガルッチ「まぁ、今の彼らだったら、きっと償えると思うな。でも義腕が必要だろうなぁ……。」
ノア『しかし、劇的に変わったな。今までなら──────』
ガルッチ「ノア。別に変わったわけじゃない。ただ単に、罪滅ぼししてるだけ。それだけさ。」
そうして僕は、光の国に戻って久々に仕事に熱中した。なんでか母さんがまた休暇を与えようとしてるけど、今回はそうは行かんぞ?
自分で決めるから、邪魔はさせないって事で。