7月7日、夜10時。俺は所属している天文クラブのOBで、現在中学生の先輩――星塚天音(ほしづかあまね)と一緒に、河川敷で天体観測をしていた。
「わぁ~~……優くん、今日は晴れてるからしっかり天の川が見えるね」
「そうですね。最近曇りがちでしたけど、こんな日にしっかり満天の夜空を提供してくれるなんて、お天道様に感謝です」
互いに自前の天体望遠鏡を覗き込みながら、顔も向けずに会話を交わし合う。
「…………」
だけど、俺は星を見ている傍らで、天音先輩の姿をチラチラと見続けていた。
――可愛いな、先輩は相変わらず……
周囲が見えないほどに必死になりながら、つぶらな瞳で星を眺め続けている先輩の姿に思わず息を呑む。
「お星さまは良いよね。どんなに小さくたって、自分だけの輝きを放ち続けていられるんだから」
「同感です。俺、中学に入ったら絶対天文同好会に入りますんで、一緒に新しい星を見つけて俺たちの名前を付けちゃいましょうね」
「うん☆」
現在先輩の中学校では頭数がそろわず、天文部は『同好会』という形での存在を余儀なくされているが、俺と同級生の従姉妹が入れば既定の人数に達するので、校内での扱いも良くなるはずだ。
「今は部費も部室も申し訳程度のお金と場所しかないけど、信じてるからね、優くん☆」
「任しといてよ、従姉妹の奴も尻に食いついてでも入部させてやるからさ」
「フフッ、相変わらずエロ頼もしいんだから」
先輩は俺に顔を向けることもなく、ずっと星を眺めたまま会話に応じ続けていた。
――全く、そんなに星が好きなのかね……
俺はそんな先輩に少し呆れながらも、気が付けばずっとその可愛らしい姿を眺め続けていた。
「…………」
そんな折、夏とは言えど冷たい風が辺りを吹き付けてくる。
「ううっ、ちょっと薄着して来たから寒いかな……」
そうすると、いかに星空観賞が大好きな先輩でも、自ずと動かねばならない野暮な所用が発生してしまうわけである――
天体観測中に腹痛を起こした先輩は、俺を付き添わせる形で近くの公衆便所に連れ込んだ。
「えーっと……やっぱり俺も居た方が良いんですよね?」
「もちろんだよ☆ だってここのトイレって男女共用だし、下の隙間が大きいし、私一人だと絶対に痴漢さんに狙われちゃうもん」
確かにここのトイレは衛生面では行き届いていたものの、先輩の言う通り男女共用でなおかつ下の隙間が手が入ってしまいそうな大きさの和式便所という、危険極まりない造りになっていた。
「それじゃあ私の望遠鏡も見ててね、優くん」
ギュム。
先輩が俺のチンコを一握りしてから個室に入って鍵をかける。
――このシチュエーション……逃す手はないっ!
俺は隙間から先輩が便器に跨ったのを確認すると、自分の望遠鏡でしっかりとその向こうの桃源郷を覗き込んだ。
――プリン。
すると、すぐさま視界にそんな音が聞こえてきそうなミドルサイズの美尻がアップで飛び込んでくる。
「う~ん…………」
だが、先輩は俺の視線になど気付くこともなく、可愛らしいうめき声で盛大に下痢便をひり出したのである。
ブリブリブビュルッ! ブリビチッ!! ビチビチッ、ビリビチュッ!! ブッ、ブリビリビリ!
――すげぇ……尻やウンコだけじゃねぇ、肛門のシワまでバッチリ丸見えだぜ!!
望遠鏡から見える世界に思わず息が荒くなる。それは俺にとっては間違いなく便器の中の天の川に他ならなかった。
「……優くん、どうしたの? さっきからハアハアしてるけど、具合が悪かったりするの?」
「いや、俺は至って健康です。何と言いますか、あまりに綺麗な星を見つけちゃったもので」
個室の中の先輩に息づかいを察知されるも、適当な言葉で取り繕っておく。
「そうなんだ……じゃあ、後で私にも見せてね」
プシャァァァァァァァ…………
俺の言葉をそっくりそのまま信じてくれた先輩が、放尿を開始する。
――いいなぁ、これは……先輩のオシッコも、俺にとっては立派な天の川だぜ!
望遠鏡越しに透明の雫を凝視しながら、俺は興奮のあまり体を火照らせる。既にチンコはビンビンで、今すぐにでも発射オーライだった。
――ま、家に帰ってからのお楽しみだけどな……
クチュッ、クチュッ、クチュチュ!
先輩がお尻と局部を拭いている光景も、しっかりと望遠鏡で観賞しながら瞼(まぶた)に焼き付ける。
どうやら今日の七夕は、別の意味でも俺に幸運と幸福をもたらしてくれたと考えて、間違いなさそうだった――
「ごめんね優くん。せっかくの天体観測の日にお腹壊しちゃって」
「気にしなくていいですよ。むしろ、俺にとってはラッキーだったぐらいです」
トイレの後でまだ時間に余裕があったので、俺たちは天体観測を再開していた。
「え? どうして私がお腹を壊してラッキーだったりするの?」
「いえいえ、何でもありません。……それよりも、今はお星さまをしっかり見ましょうよ」
「えへっ、そうだね☆」
先輩の追及をうまくはぐらかしながら、俺はしっかりと夜空を凝視する。
……すると、満天の夜空に流星を発見したのである!
『あっ、流れ星!!』
俺たちは儚くも美しい夜空の涙――シューティングスターを同時に見つけると、その輝きにしっかりと願い事を託したのであった。
……もちろん、何を願ったのかは俺たちだけの秘密なんだけどね!