日曜日。俺は従姉妹の愛姉さんに誘われる形で映画館に足を運んでいた。
「ねえ優くん、この映画結構面白いでしょ?」
「うん、良いと思うよ。触手が女の子だけをターゲットにしている上に、命を取らずに尻の穴しか狙わないって辺りが安心して見ていられるんだよな」
人気のまばらな館内で俺は率直な見解を小さな声で愛姉さんに伝える。
――そう、確かにそこは良い点なんだけどな……
現在見ている映画は典型的なB級シネマのようなもので、ストーリーもサウンドも俳優たちの演技力も決して高くはない凡庸以下の作品だった。
――だけど……
そんな中、俺が唯一評価出来たのはヒロインの一人を演じている現役女子高生のアイドル――三伍(さんご)美春ちゃんの可愛らしさだけだった。
「ひどい……お風呂の排水溝から出てくるなんて、どんだけエッチな触手さんなのよっ!」
スクリーンの向こうではちょうど美春ちゃん演じるヒロインが全裸で触手に辱めを受けていて、苦しみながらも快楽の渦に呑み込まれようとしていた。
「……優くん、もしかして勃ってる?」
「野暮なこと聞くなよ、ここが一番の勃たせどころじゃねーか」
艶めかしい声で囁きながら俺の股間を愛撫してくる愛姉さんに嘆息しながら俺は画面に目を凝らす。事前に買ったパンフによると、美春ちゃん演じるヒロインはこのシーンを最後に出番が終わってしまうらしいのである。
――美春ちゃん……君の犯されっぷり、しっかりと目に焼き付けておくからね!
俺は汚され行く美春ちゃんの肢体に鼻息を荒げながら瞠目する。そして、絶頂を迎えて美春ちゃん演じるヒロインが失神すると同時に画面が切り替わったその時だった。
「ほっ……」
斜め後ろの席から安堵の息が聞こえてきて、俺は反射的に振り返る。
――あれ、この子って……
眼鏡とマスクで変装気味の風貌をしていたが、間違いなくそこにいたのは先ほどまでスクリーンにいた少女――美春ちゃんだった。
――そうか、こっそり見に来てたんだな…………
おそらくB級シネマゆえに試写会のようなものがなく、美春ちゃんは自腹でここに来ているのだろうと推測する。
「さてと」
すると、自分の出番が終わって気が済んだのか美春ちゃんが席を立って出入り口とは異なる奥の道へと消えて行く。
「……」
それは間違いなくこの映画館のトイレがある方向だった。
「……愛姉さん。俺、トイレに行ってくる」
「あら、怖くてオシッコが出そうになっちゃったのかしら?」
「そんなとこかな」
俺は愛姉さんにことわりを入れると、美春ちゃんの後を追ってトイレに直行した。その先に見えるであろう、映画以上の感動を期待して…………
映画館のトイレは、衛生面こそ行き届いていたものの、男女共用で小便器と和式の個室が一つずつ隣り合っているという至ってシンプルな造りになっていた。
――美春ちゃん、もう入ってるみたいだな…………
俺は個室のドアが閉まっていることを確認してから床に這い、大きめの隙間から中の様子を覗き見る。
――おおっ!
すると、俺の視界に和式便所に跨っている見事なまでの桃尻が映し出されたのである。
――良いな、美春ちゃんの尻……ミドルサイズだけど、見事なまでの美尻だぜ!
俺はチンコをムクムクと膨らませながら納得の美尻に刮目する。
「はぁ~~」
だが美春ちゃんは俺の熱い視線に気付くこともなく、吐息を漏らしながら放尿を始めたのである。
プシャァァァァァァァ…………
「………………」
その透明な放物線に俺の理性が少しずつ崩れて行く。そりゃあ現役アイドルの尻とオシッコを間近で見ているのだから当然の話である。
――いいよな、ちょっとぐらいなら……!
俺は下の隙間から手を伸ばして美春ちゃんの尻を触ろうと試みる。
「……んっ!」
しかし、次の瞬間彼女は肛門を開いて特大のオナラをかましてきたのである!
ブゥ~~ッ、ブリリリッ!!
「わっ」
俺はその爆音に驚いて反射的に声を出してしまう。
「だ、誰? 誰かいるの?」
「やばっ」
俺はあわてて手を引っ込めると即座に立ち上がって脱兎の如くトイレを後にした。美春ちゃんのオナラを浴びてしまった右手を、口元に添えながら――
映画鑑賞後。俺は愛姉さんと一緒に帰り道を歩いていた。
「楽しかったね、優くん」
「ああ。スリル満点で心臓が止まるかと思ったぐらいだよ」
映画にご満足といった具合の愛姉さんに合わせる形で相槌を打っておく。もちろん俺の場合は別の意味でスリル満点だったわけだけど。
「……ところで、ちゃんと見ることは出来たのかしら?」
そんな折、愛姉さんがいつも以上に淫靡な笑みを浮かべながら俺に妙なことを尋ねてくる。
「えっ? まぁ途中で一度抜けはしたけど俺としては見届けたつもりだぜ」
質問の意味が今一つ理解出来ず、俺は無難な言葉で受け答えておく。
「…………」
ギュム!
すると受け答えが不服だったのか、俺は愛姉さんに強くチンコを握られてしまう。
「ちょっと愛姉、痛いよ」
俺の訴えも空しくチンコを握る手にますます力が込められる。
「……そうじゃないでしょ優くん、あたしが言いたいのは――」
そして、愛姉さんは俺のチンコを射抜くかのようにこう言ったのである。
「さっきトイレでバッチリ見てきたんでしょ? 美春ちゃんのお・し・り☆」