放課後の帰り道。ふと立ち寄った公園のトイレ(男女共用)で妙な問答が繰り広げられていた。
「あの……すみません、そこを通していただけませんでしょうか?」
「だからさっきから言ってるだろ? 有料なんだからあたしに3万払えってよぉ」
大人しそうな女性が凶暴そうな女に入り口を塞がれて、トイレの前で立ち往生している。
――おいおい、何だあのヘドが出そうな悪党面は……
凶暴女は鎖に繋がれた鉄球を振り回し、威嚇するかのように女性をにらみ続けていた。
「その……持ち合わせがないので今日のところは1万円で勘弁していただけないでしょうか?」
「あぁん!? だったら使わせてはやるがあたしの監視付きになっちまうなぁ、かっかっか」
「そんな、ひどい……」
女性が決壊直前の前後の穴をおさえながら半泣きで下半身を震わせる。もちろん、こんな光景を目の当たりにして俺が黙っていられるはずなどない。
「おい、いい加減にしろよ。こんな公園のトイレが有料なわけねえだろ?」
両者の間に割って入り、俺は女性を守るようにして凶暴女の前に立ち塞がる。
「なんだテメエは? このあたしが泣く子も黙る涼姫様だと知ってて邪魔立てしようってのかぁ?」
「アンタが誰かは知らねえが、邪魔立てはさせてもらうぜ」
俺は内心ビクつきながらも凶暴女――涼姫へとファイティングポーズを向ける。本当は女に拳を向ける趣味などないのだが、状況が状況なだけにやむなしといったところである。
「おうおうおうおう、やんのかオラぁ!!」
涼姫が鉄球を振り回し続けながら今度は俺を威嚇する。しかし、ここで怯(ひる)んでいては守るべきものも守れない。
――彼女の下半身は既に切羽詰まってるんだ……すぐに決着をつけなければ!
俺は右の拳を強く握ると、渾身のストレートを涼姫の顔面へと繰り出した!
「だあぁぁっ!」
――ボゴオッ……!
俺の一撃が涼姫の左頬に見事なまでにクリーンヒットする。
「ぐはぁっ……」
すると、その一撃で涼姫はダウンとともにのびてしまったのである。
「……よく分からないけど見掛け倒しだったんだなコイツ」
白目を剥いていた涼姫を邪魔にならないところまで引きずりながら俺は漠然とそんなことを口にする。本当はマンホールでも探して中に投げ落としてやりたいところだったのだが、今はそれよりも――
「お姉さん、変な奴は退治しといたから安心してトイレを使って下さい」
俺は女性に向き直って彼女をトイレへの中へと促す。
「…………」
ギュム。
「えっ?」
しかし、女性は俺のペニスを優しく握ると出し抜けにこんなことを言ってきたのであった。
「危ないところを助けていただきありがとうございました。お礼と言っては何ですが、私の排泄姿をあなたにお見せして差し上げます――」
「あぁっ! 私の中の魔物たちが今にも飛び出してしまいそうです!」
個室の中。女性は段差型の和式便器に屈むと、そんな言葉とともに溜め込んでいた老廃物を盛大にひり出したのである。
ブリブリブリブリブリリッ!! ブビュルルルッ!! ビリビリビリビリビリッ!! ビリビッ、ビチャアッ!!
女性の大きな尻から下痢便が激しい音ともに噴き出され、便器の中に臭くて汚い山を作り上げる。その便質は本当にビチビチで、尻から茶色いおかゆを産み落としているかのようだった。
「申し訳ありません、ちょっと臭いでしょうか?」
「いや、ちょっとどころかかなり臭いと思います。でも構わないんで続けちゃって下さい」
俺は瞬きもせずに彼女の排便姿を見届けると、膨れ上がったチンコに手を添えながら漂い続ける便臭に嗅覚を研ぎ澄ませる。
――こんなおしとやかそうな子でも、ウンコはやっぱり臭いよな…………
小さな正義感から彼女を助けたつもりだったのだが、それがこんな手厚い見返りを受けることになろうとは。
「はぁ~~」
プシャァァァァァァァ……………………
女性が解放感あふれるような吐息とともに放尿を開始する。さり気なく前に回り込んでその部分に目を凝らすと、そこには申し訳程度の毛に覆われた桃色の秘境がクパリと広がっていた。
「……やはりあなたも男の子だから女性のオ〇ンコが気になるのでしょうか?」
「いや、それは聞くだけ野暮ってもんでしょう」
女性のあまりにもストレートな質問に俺は赤面しながら受け答える。全く、そんなことをわざわざ聞いたりするものかね。
「そう言えばあなたのお名前をまだ聞いておりませんでした。よろしければ私に教えて下さいませ」
「俺は間瀬優太。この近所に住んでる小学生です」
「優太さん、ですか。優しくて力強そうな良いお名前です」
感銘を受けたのか、女性が俺の名前を妙に持ち上げてくる。自分では分からないけれど、そんなに素敵な響きだったりするものなのだろうか。
「私は島野美雪と申します。あなたと同じくこの近所に住んでいる大学生です」
ブウゥゥッ!!
女性――美雪さんが自己紹介とともに大きな屁をかます。
それは半端なく臭かったものの、俺にとっては祝福の香りに他ならなかった。
「美雪さんですか……なるほど美しさとたおやかさを携えた、素晴らしい名前だと思います」
「まぁ、嬉しいですわ☆」
美雪さんが俺の率直な見解を素直に喜んでくれる。その笑顔はとても可愛らしく、俺は股間だけでなく全身が熱くなる。
「その……美雪さん、出来れば俺に尻とマ〇コを拭かせてほしいんですけど…………」
俺は思い切って初対面の美雪さんに大胆な行為を申し出る。すると――
「そんなことまでよろしいのですか? ならばぜひとも拭いて下さいませ」
なんと美雪さんは即決で了承してくれたのである!
「ほ、本当に良いんですかっ!? そういうことなら喜んで!!」
俺は激しい興奮とともに備え付けのペーパーを引き抜くと、大量の糞尿を出したばかりの美雪さんの穴(×2)を丁寧に拭いてあげた。
「優太さんは良い手付きをされているのですね。あなたのような殿方ならば、いつでもトイレに同伴を願いたいぐらいです」
「はは、美雪さんのような人だったら食事中でも大歓迎ですよ」
アブノーマルな会話とともに異臭に満ちた個室の中で笑いを交えて盛り上がる。
こうして、下校中に芽生えた俺の小さな正義感は最高の形で花開いたのであった――
「素敵なお時間を堪能させていただきましたわ。またどこかでお会いしましょう、優太さん☆」
「こちらこそ、またすぐに会えることを期待してますよ」
トイレでの一時を済ませた俺たちは、心からの笑顔とともに再会を約束して互いの帰路についた。
――さて、家に帰ったら早速美雪さんをオカズにでもして……?
だが楚々とした足取りで公園から去っていく美雪さんとは裏腹に、俺は目の前のただならぬ存在に気圧されて立ち止まる。
「えっと、あなたは……」
そこにいたのは、かつて体育館で出くわした某校の排球部コーチ――江上萌加だった。
「あーっ! 江上コーチ、この子です! 前にこの公園で私がウンチしてるところを見てたエッチな人はっ!」
今度は背後から聞き覚えのある大きな声が響いてくる。
「げっ……」
そこにいたのは、間違いなく以前この公園で電話をしながら野糞していた女――『奈美子ちゃん』だった。
「優太君。先ほどは随分と涼姫に目の覚める一撃を喰らわせたそうじゃないか。私はてっきりビール瓶で殴られたのかと思ったぞ」
江上コーチがやんわりと怒気を孕(はら)んだ口調で俺に尋ねてくる。
「そんな大げさな……大体、元をただせばあの涼姫とかいう奴が公衆便所を利用してアコギな金儲けをたくらんでいたから……」
「いや、その件に関してはアレに非があるのだから責めるつもりはない。大したケガではなかったし、アレも今は自宅で爆睡中だから心配する必要もない」
俺の言い訳を遮って江上コーチが現状を説明する。どうやらお礼参りとは違うみたいなのでその辺りは一安心である。
「それよりも、見掛け倒しとはいえ凶器を持ったあの涼姫を相手に立ち向かった君の男気を評価して一つ頼みがあるのだよ」
「頼み……まぁ、難しいことでなければ」
俺は曖昧気味ながらも江上コーチの頼みとやらを承諾する。
「そうか。ならば単刀直入に言わせてもらうのだが――」
すると、江上コーチは俺の両肩に手を添えて、至近距離まで顔を近付けながら本件を切り出したのであった。
「優太君……我々の合宿に参加してみないかね?」