合宿を目前に控えた日曜日。俺は従姉妹の未衣ちゃんと一緒にアニメグッズ専門店『アニメイド』に来ていた。
「優ちゃん優ちゃん、来年のカレンダーはどのアニメにしよっか?」
「そりゃあ宇宙船サジ〇リウスに決まってるだろ」
「もう、そんな古くてマイナーなアニメのカレンダーなんてあるわけないじゃない。優ちゃんのレトロオヤジ」
他愛ない会話を繰り広げながら俺たちは店内を練り歩く。見たところ取り扱っているグッズは数あれど、その8割近くは女性向けアニメの商品ばかりで俺にはあまり居心地の良い空間とは言えなさそうだった。
――これなら『バナナブックス』にでも行っていた方が良かったかもな……
そんなことを考えながらBLチックなポスターに目を輝かせている未衣ちゃんを横目で見ていたその時だった。
「どういうことですの!? 入荷日は今日だと言っていたはずよ!!」
ふとカウンターの方から甲高い怒鳴り声が響いてくる。
『…………』
見てみると、高慢そうな女がメイド服姿の店員を相手に牙を剥いている真っ只中だった。
「すみません、こちらのCDは諸般の事情で発売が1週間延びてしまったんですよ」
「だったらどうして事前連絡をよこしてくれなかったのかしら? 不測の事態が起こったのならそれを報告するのもあなたたちの義務でしょうに」
平身低頭な店員を相手に女がなおも責め立てる。言っていることは間違ってないものの、やはり高圧的な態度が鼻に付く。
「申し訳ありません、私を含めたスタッフ一同完全に忘れておりました。心よりお詫び申し上げます」
「……まぁいいわ。だったら来週改めて取りに来てあげるから今度こそ用意しておきなさい」
だが女は思ったほどゴネることなく店員を許したみたいだった。
「すみません、ありがとうございます」
「ふん、この高菱(たかびし)レイラのお慈悲に感謝することね。オ~ホッホッホッホ」
高慢女が高笑いとともに店の奥へと進んで行く。そして、その方向は――
「未衣ちゃん、これは何だか香ばしい予感がするぞ」
「うん。未衣も感じてる」
「だったら……」
俺たちは小さく頷き合うと、彼女の後を追って店の奥へと突き進んだのであった。
店の奥にあるアニメイドのトイレは、一つの室内で男子用と女子用が区切られているバナナブックスと同じ造りになっていた。
「未衣ちゃん、しっかり見てやろうぜ。偉そうにしておいてちゃっかり便所を借りてやがる高慢女の恥ずかしい姿を」
「そうだね。えへへ、隙間が大きいからお尻が丸見えだよ」
俺たちは『男子専用』とドアに書かれた温水便座の個室の中で『女子専用』と書かれた和式便所の個室に入っていた高慢女――レイラのトイレタイムを下の隙間から一緒に覗いていた。
――なるほど、美人なだけに相応の美尻持ちなんだなコイツ……
赤いハイヒールで便器に跨り屈んでいるレイラの尻を凝視しながら俺は股間を固くする。
「あっ、お尻の右側にホクロ見つけちゃった☆」
未衣ちゃんがさり気なくレイラの右臀部に刻まれたホクロを発見する。
「んっ……」
だが当のレイラ本人は俺たちの視線に気付くこともなく放尿を開始する。
プシャァァァァァァァ…………
「ねえ優ちゃん、このアングルで見てるとお尻からオシッコを出してるみたいだね」
「言えてる……って言うか俺、昔は本当に女は尻からオシッコ出してるんだと思ってたぐらいだよ」
未衣ちゃんと一緒に便器へと注がれる透明の放物線を眺めながら変な話題で盛り上がる。
「うっ……くっ……!」
一方でレイラの方は尻をプルプルと震わせながら何やら気張っている様子だった。
『…………』
俺と未衣ちゃんは固唾を呑みながらその光景を瞬きもせず瞠目する。
「う~ん……」
すると肛門がモコリと開き、レイラはその桃尻から特大のウンコをひり出したのであった――
ムリムリムリムリムリムリメリリリッ…………ビチャァン!!
――す、すげえ……!
茶色の大蛇が産み落とされたかのようなデカウンコに俺は驚愕する。
「む~~……」
隣では未衣ちゃんが頬を紅潮させながらその姿に熱い眼差しを送っていた。
「全く、男子用が温水便座なのにどうして女子が和式を使わなくちゃならないのよ!」
脱糞の後でレイラがブリブリと文句をたれながら備え付けのペーパーで尻を拭く。その手つきが妙に艶めかしく、俺と未衣ちゃんはますます隙間の向こうに目を瞠(みは)る。
「……仕方ないわね」
尻を拭き終えたレイラがなおもペーパーを取って便器の中でグイグイと手を動かし始める。おそらく流れないことを危惧してウンコを細分化しているのだろう。
「へえ……後先考えないタイプだと思っていたけど案外慎重な奴なんだな」
「えへ。さっきまでは嫌いだったけど、ウンチしてるところを見てたら未衣ちょっぴりレイラさんのことが好きになったかも☆」
俺たちはトイレ観賞を経て明らかにこの高菱レイラという女性に対して好意的な感情を抱くようになっていた。
「ふぅ……」
やがて細分化を済ませたレイラがため息とともに水を流す。
ザザ~~ッ!!
「よし、全部流れたわね」
そして、流し切ったことを確認すると彼女は速やかにトイレを去ったのであった。
『…………』
一方で俺たちは興奮冷めやらぬまま互いを見つめ合い、どちらからと言うこともなく唇を重ね合う。
『んっ、んっ……』
どうしてそんな行動に出たのかは自分でも分からなかったけど、少なくとも先ほどの脱糞現場が互いの脳裏に焼き付いていることだけは間違いなさそうだった。
「未衣ちゃん、俺のチンコをイカせてくれよ……」
「優ちゃんこそ、未衣のオマンマンをたっぷりペロペロしてもらうんだからね……」
俺たちは獣のように盛りながら互いの体を求め合う。
こうして、俺と未衣ちゃんは便臭漂うトイレの中で泡沫(うたかた)の情事を満喫したのであった――