合宿2日目。猛特訓の後で、俺は宿泊地『春野温泉』を離れて当てもなく夜道を歩いていた。
――うぅっ、この寒さは結構キツいかもな……
明確な目的などなく、何故こんなことをしているのかは自分でもよく分からない。
「………………」
強いて言うなら冬の星座をこの目に刻み込むためということになるのだろうか。
――輝いているな。春よりも、夏よりも、秋よりも……
望遠鏡こそ持って来ていなかったものの、地上に降り敷くその光たちがどの季節にも増して輝きを放っていることは肉眼でもハッキリと理解することが出来た。
――やっぱり冬空の基本はオリオンだよな!
オリオン座の位置を確認してからそこを基点に周囲の星々に目を凝らす。それにつけても流石はオリオン、神話の英雄に違わぬ輝きは伊達じゃない。
――猛き狩人の星……いつか俺も、オリオンのような勇ましき男に…………!
肉眼にベテルギウスを捉え、その煌きに俺が全力で脳を震わせていたその時であった。
「……負け犬ね」
いきなり背後から水を差すような冷淡な声が聞こえてきて、俺は浸り込んでいた世界から半ば強制的に引き戻されてしまう。
「お前……」
振り返ると、そこにいたのは俺のクラスメートでいつも単独行動をしている一匹狼女――胡蝶早紀子だった。
「アンタも物好きな男ね。サソリに一刺しで仕留められた間抜け野郎の星を食い入るように見つめちゃってさ」
「うるさいよ。あれは卑怯な不意打ちで殺されただけで実力負けじゃねえだろ」
神話のオチを引っぱり出してオリオンをコケにしてくる早紀子に反論する。しかし――
――そういやコイツ、さそり座だったよな……
ふと彼女の誕生日(11月4日)を思い出し、理不尽なオリオン叩きに納得する。確かに自身がスコーピオンならそんな口を叩きたくなるのも分からないでもない。
「ま、一説によると恋人のアルテミスに射抜かれたって話もあるそうだけど、いずれにしても冴えない英雄って感じがして情けないわよね」
「……よくも冬の一等星を相手にそこまで言えるよな。大体お前、なんでこんな場所に来てるんだよ」
「ふん、親戚の家に遊びに来ていてこうして散歩してたらたまたまアンタを見かけたってこと。それだけよ!」
ギュム!
早紀子が俺のペニスを一握りしてから背を向けて、宵闇の中へと走り去って行く。結局、以前ゲーセンで出くわした時と同様に尖った態度は崩さないままだった。
「…………」
だが俺はその姿に明らかな確信をしていた。
――あの明らかに急いでいる様子は……間違いない!!
気が付くと、俺は自分でも驚くほどの素早い動きで早紀子の後を追いかけていたのである――
早紀子が駆け込んだのは春野温泉から少し離れた場所にある男女共用の公衆便所だった。
「…………」
俺は予想通りの展開に心を躍らせながら適度な間を置いて早紀子の後に続く。
トイレの中は小便器2つと個室が縦並びに3つという造りになっていて、ちょうど早紀子が真ん中の個室に入って鍵をかけたところだった。
――これはイケるぞ!
俺はすかさず床に這って早紀子の左斜め前の位置から隙間の向こうを覗き見る。
――おぉっ……!
すると、俺の視界に和式便所に跨っている早紀子の局部がバッチリと映し出されたのである。
――へへ……毛も生えてねぇ見事なまでの『ツルマン』だことで!
早紀子のマ〇コをガン見しながら俺はチンコが激しい熱を帯びてくるのを感じる。
「はぁ~~」
だが早紀子は俺の視線などつゆ知らず、その『ツルマン』から当然のように放尿を開始させたのである。
プシャァァァァァァァァァァ…………
早紀子のオシッコが黄色い放物線を描きながら便器の中に注がれる。いつもは放尿姿も背後から覗いているけれど、こうしてマ〇コから出てくるところを眺めるのもなかなか乙なものである。
――よし。次は、っと……
ここで俺は一度立ち上がり、手前の個室に移動して鍵をかける。もちろん今度は恒例のアングルからである。
「…………」
俺は再度床に這って早紀子の真後ろから隙間の向こうを覗き見る。するとそこには以前ゲーセンで見た時と変わらない、小ぶりな美尻がプリンと浮かび上がっていた。
――あ。コイツ尻の割れ目に少しだけ毛が生えてやがる……
前回見落としていた部分をしっかりとチェックしながら俺は改めてチンコを固くさせる。
「うぅ~~っ!!」
一方の早紀子はやはり俺の視線に気付くこともなく変なうめき声を上げると、その美尻からあまりにも不釣り合いな下痢便をひり始めたのである。
ブリブリブビビビッ!! ビリビリビチチッ!! ビリビチャッ! ビチッ、ビチッ、ビリビチチッ!!
早紀子のウンコが汚い音を立てながら次々と便器に盛られて腐臭の山を作り上げる。その山は茶色を中心としながらも端々に黄色い粒のような物が混じっていて、彼女が今日の朝食か昼食辺りにでもトウモロコシを食べていたことが窺えた。
――はは、今回もモロコシウンコをひり出してやがるとはな……サジタリウスの俺もビックリだぜ!
俺は自分の誕生日(12月9日)を思い出して星座の因果に想いを馳せながら、早紀子の尻をしかと目に焼き付ける。
「………………」
そう、オリオン座がさそり座の出現とともに空から消え去ってしまうように、いて座はそんなさそり座が空で暴れないよう常に弓矢を向けて監視しているのである。
――何と言うか、まさに今の俺たちの関係みたいだよな……
「ふぅ……」
ブゥ~~ッ、ビリリッ!!!
排便を済ませた早紀子が特大のオナラを経て尻を拭き始める。その臭いは強烈で、サソリの毒が全身に回ってしまったかのような異常な感覚を俺の体にもたらしていた。
――くっ、臭え……何食ったらこんな屁が出てくるんだよ!
しかし、それでも俺のチンコはビンビンに勃ったまま大きな膨らみを維持し続けていた。
「……」
結局、俺は今回も早紀子が尻を拭き終えるまでじっくりとその桃源郷を堪能させてもらったのであった――
帰り道。春野温泉に戻る途中の自販機で、またしても俺は早紀子に出くわしていた。
「ちょっと何よぉ、どうしてまたアンタの顔を見なくちゃなんないの?」
「気にするな、縁があるだけの話だ」
露骨に顔をしかめている早紀子を適当にあしらいながら俺はホットの缶ココアを買う。そして――
「……」
さり気なく早紀子の方を見やると、彼女の手にはコーンポタージュの缶がしっかりと握られていたのである。
「……お前、本当にコーンが好きなんだな。実は今日の昼とかトウモロコシ食ってただろ?」
「はぁ? なんでアンタがそんなこと知ってるのよ、気持ちわる」
俺の推測に的を射られたのか、早紀子が嫌悪感をむき出しにしているかのような顔つきでこっちを見据えてくる。
「分かるんだよ。俺ぐらい鋭い直感を持っていればその程度のことぐらいな」
そこまで言うと俺は早紀子に背を向けて、ココアの温もりを携えながらみんなの待つ春野温泉へと帰って行った。
「優太。もしかして、アンタ……」
途中で背中越しに何か言われたような気もしたが、それでも振り返ることなく腰にぶら下げた弓矢をピンと勃たせて帰路についたのであった。