合宿3日目。野外から地下練習場に戻った俺たちは、再び実戦形式の模擬戦を取り行っていた。
「優太君、行ったよ~~」
「お、おう!」
……最も、俺は一人で球拾いをやらされていたのだけど。
「お前ら! 威力はあるんだから、もっとしっかりコートの中を狙えよ!」
『はい!』
不運な事故で手負いとなった江上コーチに代わって臨時代行となった桃美ちゃんの力強い声が場内に響き渡る。
――何と言うか、代行って割には指揮を執る姿がサマになってるよなぁ……
そんな姿に俺が頬を染めながら見入っていたその時だった。
「ほう……その顔は『江上のババアよりも桃美の方が魅力的でコーチに向いている』と言った感じの顔だな」
「――っ!」
件の江上コーチが威圧感漂うオーラを漂わせながら俺の真正面にずいっと立ち塞がってくる。
「おいおい……」
こんなことをされてしまうと、言うまでもなく桃美ちゃんの姿は見えなくなってしまう。
「先ほどは君の二従妹(はとこ)とやらの下劣な行為で尻の穴が潰されるかと思ったぞ」
「もういいだろ。大事には至らなかったんだし、ひよりちゃんは家に帰らせたんだし」
俺は江上コーチの嫌味を面倒臭そうに受け流す。
事実、彼女は指カンチョーを喰らいながらも今は平然と立っているわけだし、見舞った張本人である二従妹のひよりちゃんは不本意ながらも江上コーチの鶴の一声で自宅に強制送還させてしまったのである。
「えぇ~~っ? せっかくの週末を優兄ちゃんと過ごせないなんて、やりきれないよぉ~~」
「こればっかりは仕方ないよ。やりきれない週末は思い出を片付けるなり映画を見るなりして気を紛らわせてくれ。今はこの場所でBye for nowだ」
「む~~っ……」
「…………」
ほんの数十分前に断腸の思いでひよりちゃんと切なくグッバイをしたというのに、江上コーチはまだ何か不満があるとでも言うのだろうか。
「そう怖い顔をしてくれるな。別に君のこともひよりちゃんのことも恨んでなどいない」
「だったら何の用だ? 今はまだ練習時間だぜ」
「うむ。私用で君に手伝ってほしいことが出来たから、少しだけ時間を貸してほしいと思ってな」
ギュム!
そんなことを切り出しながら江上コーチが俺のチンコを強く握ってくる。
「……だから一体、アンタは俺に何をさせるつもりなんだ?」
「なに、別に難しいことでもなければ時間のかかるようなことでもない。安心しろ」
そして、弄ぶかのようにタマを手の中で転がすと、訝しむ俺を諭すかのように用件を伝えたのであった。
「簡単な話だ。つまり、君に痔の薬を塗るのをお願いしたいということさ――」
江上コーチが俺を連れ込んだのは、合宿地である春野温泉2階にある客人用トイレの中だった。
「とりあえず先にションベンを済ませておくから君は薬の用意をしておいてくれ」
「ああ、分かった」
ドアの中。江上コーチが仕切りもなく並ぶ二つの段差型和式便所の左側に跨って、いそいそと排泄の準備を整える。
「ふぅ……」
大きく息を吐きながらパンティともどもジャージをずり下ろし、巨尻を露としながら便器の上にゆっくりと屈む。
「…………」
俺は軟膏薬のキャップを外しながらその光景を瞬きもせずじっと眺めていた。
――これ、夢じゃねえんだよな……俺と江上コーチがトイレで二人きりとかさ……!
正味、彼女のトイレを覗いたことは過去に2度ほどあったけれど、こういう形での排泄観賞はやはり格別の気分に他ならなかった。
「うむむっ……」
ジョロジョロジョロジョロジョロジョロジョロジョロジョロジョロジョロジョロジョロジョロジョロジョロ…………
江上コーチがガン見している俺に構うことなく放尿を開始する。その放物線は露骨なまでに黄色がかっていて、まるで栄養ドリンクがそのまま出てきているかのようだった。
――ヤバっ、勃ってきちまった……!
その姿に俺のチンコが愚直なまでに反応し、ムクムクとそそり立ってくる。
「……むむむっ!!」
だが江上コーチは俺の股間の事情になど目もくれず、放尿の後で特大のオナラをぶっ放すのであった――
ブウゥゥゥゥゥ~~ッ、ビリリリリリリッ!! ブバッ、ブバッ、ブバババババッ!! ブスブスッ! ブブブッ! ブビィ~~ッ、ブブブブッ!!
「うわっ……」
すぐさまトイレの中が屁臭で充満される。しかしその前に、痔の状態でこんなオナラをひり出しておいて大丈夫なのだろうか。
「おい、流石にこれは……」
「心配などいらん。痛くないと言えば嘘になるが、この程度で屁を我慢していてはかえって体に悪いというものだ」
少し気にかけてみたものの、江上コーチは痛む素振りを一つも見せずにそんな言葉を口にする。
「それよりも早く薬を塗ってくれ。君の二従妹のせいでムズムズしてかなわない部分を中心にな」
「あ、ああ……」
俺は言われた通りに薬を適量手に取って、尻の切れ痔の部分とその周囲にまんべんなく塗りたくる。
――俺、成り行きとは言え江上コーチの尻を触ってるんだよな……
塗布の途中で巨大な桃型の臀部に目を凝らしながらそんなことを考えてしまう。
ひよりちゃんのしたことは良くないことではあるけれど、結果としてこんな役得を味わうことが出来たことを思えば、俺は彼女に感謝をしなければいけないのかもしれない。
「塗ったぞ。これで良いのか?」
「ああ、よくやってくれたな。礼を言うぞ」
江上コーチが局部と肛門周りを軽く拭いてから立ち上がり、ジャージを穿き直して巨尻をしまい込む。
「さてと」
そして、水を流して今回のトイレタイムを終わらせたのである。
「戻るぞ、優太君」
「分かってるよ」
俺は湧き立つ気持ちをどうにかして胸の奥に抑え込むと、江上コーチの後に続く形で屁臭の残り香が漂っているトイレを後にしたのであった――――
結局、地下練習場に戻ってからも指揮を執っているのは桃美ちゃんで、江上コーチは仁王立ちをしてその光景を見守っているだけだった。
「なんか二従妹のせいで色々とおかしくなっちゃって申し訳ない気分だなぁ……」
俺は小声で一緒に球拾いをしている(&俺が抜けている間ずっと代わりに球拾いをしていた)排球部OB――奈美子ちゃんに向かってそんなことをつぶやいてみる。
「気になくていいですよ。確かにひよりちゃんのしたことはアレでしたけど、遅かれ早かれこうなることは既定路線だったんですから」
「えっ?」
すると、奈美子ちゃんから返って来たのは予想だにせぬそんな一言だった。
「ど、どういうことだよ」
「……おっと!」
こぼれ球に気付いた奈美子ちゃんが素早く動いてコートの中にボールを返球する。
そして、これまた素早く俺の元に戻ると彼女は耳元でこんなことを告げてきたのであった。
「つまり、江上コーチは桃美さんを自分の後継者として育てようとしているってわけです☆」