「泰地(たいち)さん、外堀はどうしましょうか?」
「ついでに作っちょこうや。お邪魔虫を近付けとうないけえ」
そんな会話を目の前で交わされて、眼前に着々と立派な城が築き上げられていく。
「……」
夏休み中盤。俺は今、従姉妹の舞ちゃんとそのイケメン彼氏――河本泰地と一緒に、近所の海へと遊びに来ていた。
「…………」
最も、俺の場合は泰地を監視する意味合いで半ば強引について来たクチなのだが――
「優太。もしも泰地と舞ちゃんの憩いの場に水を差そうものならば……分かってるわよね?」
「分かってるよ。だからこうして外野に徹しているじゃねーかよ」
あろうことか、そんな俺の動向を見越していた舞ちゃんの口添えで、俺自身が彼女の知人であるトイレの花子さんに見張られていたのである。
「それにしてもお似合いのカップルよね。流石はあたしのプロデュースした理想の組み合わせだわ」
「知るかよ、単に美男と美女だから見栄えがいいだけだろ」
花子さんの手前味噌な物言いに俺は鼻で笑いながら毒づいてやる。
――舞ちゃん……
しかし、口ではそんなことを言いつつも、本当は舞ちゃんと泰地がお似合いのカップルであることは俺も頭の中で十分に理解出来ていた。
「ごらんなさい、あのピンクのフリフリビキニとエメラルドグリーンのハーフパンツを。スク水と海パンのあたしたちとは格が違うでしょ?」
「分かってるからいちいち口に出すな、面倒臭い」
花子さんが水着にまで言及を始めてきたので俺は手で制止する。
そんな中、目の前では文字通りの立派な城が出来上がっていた。
「やりましたね泰地さん! 二人のお城の完成です!」
「よし、城も出来たことじゃし泳ぎに行こうや!」
「ええ!」
舞ちゃんと泰地がハイタッチを交わして海へと駆けて行く。
「……」
俺はそれを花子さんの隣でただ呆然と眺めるのが精一杯だった。
「さて、若い二人に後は任せてあたしたちは……っと」
ギュム。
その花子さんが急に俺のチンコを揉み出しながら意味深な言葉を口にする。
「何だよ、俺のエキスでも欲しくなったのか?」
「違うわよ。あたしが欲しいのはあなたの労働力」
そして彼女は俺の『サオ』を指でソフトに弾くと、妖艶な笑顔とともにこんなことを切り出してきたのであった。
「作るわよ……あたしとあなたの合作で、素敵なサンドアートを」
3分後。俺は花子さんの指導の下、スコップを手に穴を掘らされていた。
「ほら、もっと深く掘りなさい! 人が2、3人は軽く入るぐらいの穴を作るのよ!」
「ちょっと待てよ、落とし穴でも作るつもりかよ」
「いいから口を開く前に手を動かす!」
「へいへい」
花子さんの剣幕に押し切られるまま延々と深い穴を作り上げて行く。果たして一体、これのどの辺りがサンドアートと呼べるような代物と言えるのだろうか。
「…………」
俺はこっそり手を休めてチラリと花子さんの方を覗き見る。彼女はと言うと、穴の手前で何やら丸みを帯びたものをこしらえているようだった。
――何だありゃ? どっかで見たことのある形にも見えるけど……
今一つ閃(ひらめ)いてこなかったので俺は再び黙々と作業に取り掛かる。
程なくして、それが思わぬ展開を引き起こすともつゆ知らず――――
完成後。出来上がった形を見た俺は、一目でそれが何であるのかを理解した。
「なるほどな……」
「どうかしら? これがあたしの知力とあなたの労力で完成させた、究極のサンドアートよ」
ドヤ顔を向けてくる花子さんに俺は吹き出しそうになりながらも妙に納得する。
「…………」
そう、俺が花子さんと一緒に作り上げていたのは砂で模(かたど)られた和式便器だったのである。
「なんっつーか、すげえよな。ここまで凝った形に仕上げちまうんだから」
忠実に再現されていた砂製の金隠しと便器縁を見ながら俺は心から感心する。この辺り、やはり『トイレの花子さん』は伊達じゃない。
「でもさ、これなら普通に緊急用のトイレ代わりとして使えるんじゃねーの? 後で埋めちまえば済むわけだしさ」
お手製の砂便器をまじまじと眺めながら俺は率直な見解を口にする。
「……全く、あなたは本当におめでたい男ね。一体どこの物好きがこんな衆人環視のトイレを使うというのかしら? こんなトイレ、よっぽどの天然か恥知らずでもない限り――」
そして、それを花子さんがいつものクールなノリで一笑に付していた、その時であった。
「わっ、わっ! 漏れちゃうのら漏れちゃうのらっ!」
ふと前方から黄色いセパレート水着に身を包んだ少女がそんなセリフとともに全速力で駆けてくる。
「ちょっとトイレを借りるのら!」
そして、俺たちの許可を取り付けることもなくサンドアートの上に跨って、水着をずり下ろしながら屈む。
「お、おい」「……」
「ふえーん、お腹痛いのら~~!!」
少女は俺たちの視線などまるで気にならなかったらしく、悲痛な叫びをあげるとその尻から溜め込んでいたであろう下痢便を一斉に排出したのであった。
ブリブリブリブリブビビ!! ビリビチビチチッ!! ビチャビチャッ、ビリビチャッ、ビチャチャアッ!!!
俺が掘った穴の中に次々と少女の下痢便が積み上げられて行く。
「あ、あの~……」「…………」
「えへへへへ、スッキリなのらぁ~~」
少女はやはり俺たちなど眼中になかったらしく、下痢便を出し終えた後で当然のようにツルツルの局部から放尿を開始する。
プシャァァァァァァァァァァ………………ブッ、ビビブッ!
「うえっ、臭い」
少女が放尿の途中でオナラをして自分の出した臭気に鼻をつまむ。
『…………』
気が付けば、俺たちがサンドアートとして作った砂便器は、彼女の排泄物によって本当の便器と化してしまっていた。
「なぁアンタ。出したのはいいけど、紙はあるのかよ?」
「……あっ!」
ふと気になった俺の素朴な疑問に少女が硬直する。それはつまり、そういうことなのだろう。
「う~~、困ったのら。お兄さん、ティッシュを頼むのら……」
「しょうがねえなあ、だったらペーパー取ってくるからしばらくそこで――」
「待ちなさい」
だが、そんな俺の善意は今までずっと沈黙を貫いていた花子さんによって止められる。
……それはつまり、やはりと言うべきか、こういうことなのであった――
「あなたのお尻、このあたしがしっかり拭かせてもらうわよ」
1分後。気分が高揚していた花子さんは、公言通り自前のトイレットペーパーで少女の尻を丁寧に拭き始めていた。
「ふーん。じゃあ、リホは天ぷら定食を食べた後でスイカを1玉食べたから、お腹を壊しちゃったのね?」
「そうなのら、おかげでずーっとお腹がゴロゴロピーをしてたのら!」
花子さんの恥ずかしい質問に少女が笑顔で回答する。ちなみに彼女は『田嶋リホ』という名前で、俺と同じ中学校に通っている上級生ということらしかった。
「それにしても、いいお尻ね……このプリプリ感は中々のエロスだわ」
「えへへへへ、うーれし☆」
花子さんが拭き取り作業のドサクサに紛れてリホちゃんの尻を撫で始める。
――くそっ、本当は俺がやりたかったのに……
俺は歯噛みをしながらその光景をじっと瞼に焼き付ける。
「……ま、せいぜい今日はそこで傍観に徹して夜中にでもシコシコすることね」
「そうなのら、シコシコピュッピュは夜まで取っとくのら!」
そんな俺の心中を察した花子さんが皮肉を飛ばしてきて、初対面のリホちゃんまでもが便乗する。全く、女同士こんな時は妙に仲が良いものである。
「知るかよ、大きなお世話だろ」
俺は悪態をついて反論するものの、股間だけはしっかりと膨れさせていた。
「ほら、お尻もオマンマンもキレイになったわよ」
「ありがとうなのら!」
そうこうしているうちに排泄介助が終わってリホちゃんが立ち上がる。
「それじゃあ花子さん、あたしと一緒に泳ぐのら!」
「言われなくてもそうするつもりよ。さあ、行きましょう」
そして、いつの間にやら意気投合していた花子さんと一緒に海へと駆けて行く。
「……ったく、どいつもこいつも何だってんだよ」
一人残された俺はため息を吐くと、リホちゃんの糞尿で満ちた穴をひっそりと埋め戻すことにした。
「…………」
勃起したチンコによる濁液のトッピングを施した、その後で――――